『Before After』(10)

2017.7.16(Sun.) 13:00~14:50 月組 下手側
2017.7.16(Sun.) 16:00~17:50 星組 上手側
スターパインズカフェ(吉祥寺)

2月(中目黒)以来の再演。今回は月組・星組の2組体制で各2回。

月組は吉田朋弘さんがベン、稲田みづ紀さんがエイミー。
星組は大塚庸介さんがベン、北川理恵さんがエイミー。

両組を1日で観ようとすると前日のマチソワかこの日のマチソワしかなく、前日はレミの小南コゼ・ふうかエポの楽にあたったので、この日を吉祥寺マチソワにしました。
本当はひめゆり(北千住)もFGO(六本木)も絡めたかったのですが、これが身の限界でした。

思い返せば初観劇は2015年8月(内藤大希さん・岡村さやかさん)、それから1ペアを除き全部のペアを見てきて、自分にとっては吉田さんが11人目のベン、大塚さんが12人目のベン。みづ紀さんが10人目のエイミー、理恵さんが11人目のエイミー。

わずか2年で10人以上のキャストで見ているというのも凄い話で、それでいてこの作品のこの2つの役ほど演じる方によって受ける印象が違う役もそうそうなくて。

丘の上で出会う2人の第一声で、このベンとこのエイミーがどこに行こうとしているのか、それが窺えるのがとても楽しみです。

昼の部、月組のベン・吉田さんはチャラすぎないことに好印象。ベンはエイミーを振り回す存在ですし、少年のような心を持っている存在なので、やんちゃであることも一つの演じ方なのだとは思うのですが、実年齢もあってか、遊び心がある余裕を感じさせて、いい具合にアバウトで、いい具合に頼りがいもある感じが良かったです。

月組相手役のエイミー・みづ紀さんはクールな外見とは裏腹に、ハートの暖かさが印象的。完璧すぎる故に自分で自分を縛ってしまう、そんな彼女がベンの自由さに触れて、自分の欠けた部分を探していく様が自然。全編にたゆたうベンへの暖かい視線、それ故に自分の苦しみを分かってくれなかった時の爆発の様が強く印象に残ります。

2人のペアで良かったのが、本編の歌詞にも出てくるのですが「一つだけ約束しよう、同じ歩幅で歩こう」を、全編に亘って貫いていたこと。ベンはエイミーに自分のないものを求め、エイミーもベンに自分のないものを求めて、お互いがお互いを必要とするからこそ「同じ歩幅で歩く」ことを自然にできている。

いつしか二人の歩幅がずれて、お互いを思い合うことができなくなって別離は起きてしまったけれど、自分の足りなさが相手を傷つけてしまったことをお互いに自ら理解できたからこそ、再び2人で歩き出すことが自然にできたのだなと思う、とても素敵なカップルでした。

夜の部、星組のベンは大塚さんは今までで1・2を争う自由人。エイミーが丘を登ってくるのを待ちくたびれてベンチを独占するベンになってみたり(笑)、随所に独自演出をツッコんできます。過去のキャストでは西川氏が近いかな。

星組相手役のエイミー・理恵ちゃんは喜怒哀楽で言えば明らかに「怒」のエイミー。ここまで「怒」を表に出していたエイミーっていないんじゃないかな。自由奔放に振る舞う感じはRiRiKAさんにそっくりだけど(笑)。前半からずっと怒りモードで、正直、理恵ちゃんの笑顔が見られないのは見てて苦しい。そこまであらゆることに余裕なさげに振る舞う必要ってあるのかなと。怒りモードの爆発力は凄くて、客席から笑いが起こるほどでしたが、全体的にはトゥーマッチだったかなと。(メンチやらドスやら入りすぎ…笑)

好みの問題かもしれないのですが、エイミーには包容力が欲しいし、ベンに対しても余裕をもって接しようとする、けれどもベンの自由さに崩されて、ふにゃふにゃになる、そしてらしくない自分に戸惑う…ってあたりがエイミーの魅力だと思うので、ちょっと自分のイメージとは違いました。

とはいえ、ラストシーンで感じたことですが、理恵ちゃんのエイミーは今までのエイミーと違って、「精神的に幼いエイミー」だったようにも感じました。ベンのことを慮ってあげられないほどに未熟で、だからこそ最後まで自分の元にベンが戻ってくることを信じられなくて。ベンが帰ってきたと知った時の、全身を震わせて涙をはらりと流し、半信半疑で振り返ってベンを見つけて、泣き笑いで喜ぶさまが強く印象に残りました。

今回の2組を見てこの作品について改めて思ったこと。

「自由」に生きるベンは「不自由」を知らなくて。
「不自由」に生きるエイミーは「自由」を知らなくて。

でもベンはエイミーという”大事な人を支える”ことを決意することで、自分の中に「不自由」という、自分の自由にならない部分を抱えこんで。「責任」という言い換えもできる「不自由」がベンをより大きくした。

エイミーは父という枷から飛び立とうとするも、自由はありすぎれば扱いに困るし、そもそもどう自由になればいいかもわからない。そんなエイミーにベンが与えてくれた「絵」は、自分が守るべきものをはっきりさせてくれた。エイミーはベンに「どう生きていけばいいか」を教えてもらったからこそ、「あなたじゃなきゃダメ」だとはっきり言えたのだと思う。

歴代のエイミーのうち、みづ紀さんでコゼット経験者が3人目(彩花ちゃん、若井さん、みづ紀さん)。
「パパに愛されてきて、でもいつまでもパパの束縛の中に生きなきゃいけないのか、籠の中から出て自分は自立していけるのか」を自問しているあたりは、コゼットとエイミーは通じるところがあるのかなと。

エポニーヌ経験者は歴代エイミーでびびちゃんただ一人。ちょっと意外な感じもしますが、恋愛エネルギッシュ(爆)経験者枠からも出てくると面白いのかなと。

音楽が流れるとあの丘に戻れる機会はとても貴重で、ただ今回は日程の制約上、作品ファンの比率が少なかったように感じました。レミ帝劇楽の週末なのは端っから分かっているわけですし、「ひめゆり」に至っては同社内競合ですから、少しく配慮が欲しかったところです。

会場のスターパインズカフェは音も良く、ホスピタリティも良いと思うのですが、いかんせん椅子が長時間観劇には向かないのは辛いところです。
まぁ、勝手にマチソワしてるこちらの”自業自得”です、というベンの台詞を使って締めます(笑)。

次回の上演は来年2018年2月15日(木)~18日(日)、中目黒キンケロシアターです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『新妻聖子CDリリース記念イベント』

2017.7.11(Tue.) 18:30~19:20
サンシャインシティ噴水広場 2列目下手側

7月12日にリリースされる両A面シングル「アライブ/天地(あまつち)の声」のリリース記念イベントということで、自身初のサンシャインシティ噴水広場イベント参加です。
聖子さんが”アイドルイベントの聖地”のここでイベントされるのも初。MCで「まさかここでイベントさせていただけるなんて」「20年前に池袋でバイトしていた自分に教えてあげたい(笑)」あたりのご当地色も流石です。

”優先入場エリア”という地下1階には椅子が約80脚並べられ、11時からCD販売開始。
事前告知では11時からしか並べないような表現でしたが、以前と違って11時前に並ぶことは可能で、その時点で40人ほど。予想より多いです。
整理番号はランダムで、のんびり20分前に着いた割には20番台中盤で、無事2列目の下手側という希望スペースをゲットしました(18時から入場開始)。

フォロワーさんと待ち合わせして丸亀製麺サンシャインシティアルタ店で早い夕食。
ちなみに噴水広場はアルパ(サンシャイン60の商業施設)、丸亀があるのはアルタ(三越系列の商業施設で、新宿アルタと同系列)で、隣り合っています。

17時15分過ぎから報道陣の囲み取材が始まり、衣装はCDの衣装通りであることを確認。声は全く分からないわけですがなかなか盛り上がっています。スポーツ各紙に既に記事が上がっていますが、最近はWEBに載っても本紙に載らないことが多いので、あってもべタ記事かな。

「新妻聖子ですー、歌いますー」と言って出でこられ、流れるBGMはあの戦闘モードの曲(笑)。
というわけでセットリストです。

1.ラマンチャの男
2.天地(あまつち)の声
3.アライブ
4.I Always Love You

本来は前週の川崎もこれと同じセットリストだったそうなんですが、川崎の場合はプチトラブルがあって(M2の完全音源が届かず)、M2がひたすら繰り下がっていたそうなので、ある意味初お目見えのセトリ。

M1はあまりにこの曲で登場することが当たり前になりすぎて、MCの名手の聖子さんが曲紹介をすっ飛ばす(笑)、M1常連の「ラマンチャの男」

ガツンとぶちかました後はちょっとMC。

「前方にいらっしゃる皆さまはCDを『フラゲ』された皆さまですね。そんな流行り言葉使って若者にすり寄りたいお年頃なんです(笑)」てのが笑いました。

その後はNHK「みんなのうた」の7~8月放送曲のM2。「子供さんが口ずさんでてくれて嬉しい」と仰っていました。

そしてこの日の珠玉がM3のMC。
もう正直...凄かったです。

「この『アライブ』は「生きている」ことと「到達点」の両方の意味があります。私も認めたくないんですが、四捨五入するとアラフォーになりまして、これまでの人生を振り返ってみると、20代、30代と色々な経験をしてきて、気が付くと責任ある立場になっていたり、自分の居場所もできているんですね。
でもそれは、今までの経験、沢山の方々との出会いがあってこそできたことで、すべてが宝物で、自分の生きてきた証だと思っています。
そういったことを思いながらならこれからも生きていけると思っています。
皆さまも、それぞれの『生きてきた証』を思いながら、この『アライブ』を聞いていただけると嬉しいです」

そんな流れからの『アライブ』は、正に今の聖子さんだからこその思いに溢れて、技術に感情が乗っかった「歌」そのもので、胸に迫るものがありました。

このMC前に「噴水って出ないんですかね?」とちょっと残念そうだった聖子さんですが、この『アライブ』の途中で噴水が噴き出し、聖子さんの楽しそうなこと!(笑)。

曲終わってからのMCが「噴水出たね!」「涼しいっ!」「なんかいい香りするよね」「マイナスイオン!」とかもうどこまで饒舌になりますか状態(笑)

ただ、この曲はさすがにサンシャインシティ噴水広場噴水コンロール担当もタイミングを測りにくかったらしいのですが、M4に関しては、もうわかりますよね。

【And I(エンダーーーーーー)】の処で3階まで噴き出す噴水の波しぶき。聖子さんのどこまでも突き抜ける歌声と、噴水の視覚効果がシンクロして素晴らしかったです。…が、あまりに入り込みすぎた聖子さん、そこで噴水が出たことすら気づいていませんでした(爆)。

本編(30分)終了後のサイン会は噴水広場中央の机のところに1人ずつ上がっていく形式。
噴水とのコラボと、(この会場に合った)選曲が良かったって話せて良かったな。

新人アイドルのイベント登竜門と言われて長いこのサンシャインシティ噴水広場で、まさか聖子さんが登場されるとは思っていませんでしたが、言われてみると適度な知名度で、新規の方に足を止めてもらうにはまたとない機会だったのかなと。時間が過ぎるたびに2階に人が増え、3階に人が増えていく状態は嬉しくて、それらの方がどこまでCD購入までに来てくれたかまでは分からなかったけれど、そういう小さな積み上げがまだまだ必要な時期なんだろうなと、改めて感じさせられました。

相変わらずの話術の澱みのなさと、歌声の圧倒感。その中でも、特に「アライブ」にある「ただ歌が上手いと披露するわけでない曲」の存在が、聖子さんのこれからをまたいい方向に変えていってくれるように思えて、とても心強く思えたのでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『カラオケバトルコンサート』(3)

2017.6.24(Sat.) 14:00~16:20
2017.6.24(Sat.) 18:00~20:30
東京ドームシティホール
昼の部 バルコニー席2列20番台(下手側)
夜の部 アリーナ席2列20番台(中央)

東京はわずか4ヶ月ぶりの開催。
2016年5月の神奈川(相模女子大学ホール)から1年、ついに東京23区内に登場(進行の繁田アナ曰く)ということで、昼・夜と見てきました。

場所のイメージが付かなかったのですが、後楽園というより実質水道橋なのですね。
席の場所にもよるのでしょうが、少なくとも自分の座った席は2回とも音響的にも良くて、昼の部のバルコニーも視界が良くて会場的にはおおむね満足です。府中は遠いので、こちらの方がいいかもなぐらい。

今回はメンバーはU-18中心の構成。
プロはつるの剛士さん、RiRiKAさん、翠千賀さん(呼び込み順)。
U-18は四天王の堀優衣ちゃん、鈴木杏奈ちゃん、佐々木麻衣ちゃん、竹野留里ちゃん、
さらにU-18から西岡龍生くん、角田龍一くん、佐久間彩加ちゃん。

まずはセットリストから。

●セットリスト
1.いつもそばに歌がある(RiRiKA/翠)

2.じょんがら女節(竹野)
3.シルエット・ロマンス(佐々木)
4.さよならのオーシャン(堀)
5.ら・ら・ら(鈴木)

6.U-18生出張カラオケバトル
 昼の部優勝:佐々木麻衣ちゃん
 夜の部優勝:佐久間彩加ちゃん

7.ナナナ音頭(ナナナ&U-18四天王)

8.つばさ(RiRiKA)
9.いのちの歌(RiRiKA/堀)
10.君にありがとう(つるの)
11.For You(つるの/角田)
12.会いたい(翠)
13.夏の終わりのハーモニー(翠/西岡)

14.Over And Over~夢は終わらない~(全員)

前回のカラバトコンの時の対戦形式はプロ2名×U-18の2名の形式でしたが、今回はU-18選抜(四天王以外)から3人+四天王1人(くじ引きで決定)での4人対戦形式。

プロがカラオケ対戦ということになると当然それなりの準備が必要になるでしょうから、なかなか出てもらうのも難しいでしょうし、この変更は納得いくものがあります。

ただ、前回はU-18が勝った場合にソロを歌う権利が得られたのに対して、今回は元々ソロがあるうえに、更に対戦で1曲というわけで、ソロの曲数はプロよりU-18が多いのは、ちょっと違和感がありました。
正直、カラオケ対戦はショートバージョン(1番だけ)でいいのではという感じはしました(それで採点できるのか、という問題はあるにせよ)。

最近の得点傾向はU-18が高騰していて、点数で測ればU-18を重視するのは分からないではないのですが、やっぱり歌を聞きたい側からすれば、このメンバーが揃うきっかけはカラオケだとしても、歌としてのプロとU-18の違いを考えると、もう少しプロの比重を多くしても良かった気がします。

ちなみにU-18を見つめるプロの皆さま、特に高得点組のRiRiKAさんと翠さんが見る目は完全に研究モード(笑)

RiRiKAさんは佐久間彩加ちゃんの歌唱にコメントを求められ、「彩加ちゃんは音程正確率が凄い。私も音程正確率は意識しているので、勉強になりました」という言及にちょっと驚き。
彩加ちゃんの「自信ありません」とか「楽しいです」というキャラのこと、実は意識してますよねRiRiKAさん(爆)。
彩加ちゃんのパートの時、舞台後方の音程バーを見てましたね。彩加ちゃんの音程をご自身の音程感と照らし合わせて、音程バーと見比べているように見えました。

彩加ちゃんは決勝で伸びないパターンが多いので、そこが解消すればこの後の警戒一番手なのは自明ですしね。トップ7に入っているので、U-18という枠じゃなく出てこれるわけですから、当たる可能性は高いので。

それにしても、U-18がこれだけ多い中でアダルトチーム(RiRiKAさん命名)がこれだけ多いと、「父兄参観」(つるのさん命名)にしか見えないのがごもっともで笑いました(笑)。

最初に出てきたつるのさんが杏奈ちゃんと優衣ちゃんの間に入ると完全に「お父さん」
翠さんが西岡くんと角田くんの間に入ると完全に「お母さん」
RiRiKAさんは夜の部で「お姉さん」と呼ばれていて、本人「お姉さんでいいの?(笑)」って仰ってましたが満更でも無さ(以下略)。

翠さんが西岡君を「うちのたつき(龍生)が緊張してすいませんね、しゃんとしなさい!」とか「たつき(龍生)、水飲むなら見えないように飲みなさい」とか本当にお母さんモードで爆笑です。

今回、プロのソロ曲の後には少しMCがあったのですが、RiRiKAさんのMCで印象的なくだりが。

「カラオケバトルに出させていただけていいことしか起こらないです。バトル自体は辛く苦しいんですけど」という言葉にとても納得。

「その中でもこの『つばさ』は自分自身やっと優勝できた曲でもあり、本田美奈子さんの想いを歌い継いでいきたい思いもあり。今回ベストアルバム第2弾で新たに編曲もしていただいたこともあり、大事に歌っていきたい曲です」という言葉が歌にも現れていて、”点だけじゃない歌”の神髄を感じさせていただいた気がします。

つるのさんの魂の歌も良かったし、翠さんが林部さんの曲を歌ったのも意外でしたが良かった。「今まで仲間として戦ってきて、もうこういう場で一緒にやれることはないんだろうけど」と仰っていたのは、翠さんの中々見えない(見せない)「情」が感じられて素敵。M1の曲も本来は三姉妹の曲なので(ツアーで北海道にいる)城さんのメッセージを会場に伝えるあたり、配慮の方ですね。

・・・

今回の企画で良かったのがプロとU-18のデュエットパート。

RiRiKAさんは堀優衣ちゃんと「いのちの歌」。RiRiKAさんもこの日仰っていましたが、ソロコンサート(TOKYO FMホール)で優衣ちゃんにゲストに来てもらった時にデュエットした曲で、「声質も合ってて歌いやすい」曲とのこと。優衣ちゃんも「RiRiKAさんに教えていただいた曲でとっても素敵な曲」と仰っていた通りの抜群の相性で、昼の部では感激の余りRiRiKAさんが泣いてしまうシーンも。

つるのさんは角田くんと「For You」(高橋真梨子さん)。お2人とも高校は練馬区内だそうで。角田くんは田柄高校、つるのさんは大泉北高校。ちなみにつるのさんの妹が角田くんと同じ田柄高校出身だそうで。吹奏楽で一緒にやったりしててでつるのさんにとっても縁があるそうで、意外な縁でした。角田くんもつるのさんへのリスペクトが感じられていいペアでした。

翠さんは西岡くんと「夏の終わりのハーモニー」。意外な組み合わせですが、実は西岡くんの歌を翠さんが教えているそうなんですね。スパルタで(笑)。たしかに緊張しいの西岡くんですから、「とにかく突き抜けろ」の翠さんを選ぶ方の気持ちが分かる気がします。引き続きの母息子トークが展開されていましたが(笑)、”歌い出せば豹変”の西岡くんの本領発揮で、素敵なデュエットになりました。

お相手のセレクトは3ペアとも絶妙で、これ以外ないペアだけに、夜の部で変えるのか気になっていましたが、結局、昼の部と夜の部両方とも同じ。
できることなら昼と夜は変えて、四天王4人が必ず入るようにしてほしいところでしたけどね。

RiRiKAさんと杏奈ちゃん、つるのさんと竹野さん、翠さんと麻衣ちゃんだったらできた気がしましたが。
もしくはカラオケバトルで点数の高い順にプロの方を指名できるとか。
さすがにそれぐらいならプロの方も対応できるでしょう。

・・・

アダルトチームの3人は、絶妙な担当バランス。

つるのさんは高得点パターンの方ではないですが、エンディングでは林部さんのパートを担当。主にMCの賑やかしを担当されていましたが、繁田さん1人だとどうしてもそつない系統に行ってしまうし、客席の空気を読みながら放つ光速のツッコミは絶品です。

RiRiKAさんはカラバト仕様のおとなしめモード(笑)。光速のツッコミをつるのさんに委任しているので、落ち着いて内容的な締めを担当。U-18を優しく見つめるお姉さん。「U-18のみんなをこれからも応援してあげてください」という立ち位置がとってもぴったり。

翠さんは魔女モードがかなり薄れ(薄められている)て、最後のご挨拶も担当。「このコンサートに立てるのは、バトルに向けて頑張ってきたからこそで、このご褒美があるからこそ頑張れる。応援して下さる皆さまが本当に暖かくて感謝しています」とご挨拶されていました。

翠さんは表面的なあんなキャラクターで振る舞っていますが、実際のところは姐御系のサバサバされた方なわけで、それでもじゃぁあのキャラクターを軸にみんな集まれるかというと、そこはなかなか難しいわけで。
カラバトコン皆勤のRiRiKAさんが軸になりつつも、アダルトチームの皆さまが出たり入ったりできる感じになっているのはいいバランスですよね。

ただRiRiKAさんのカラバト歴も随分長くなってきましたので(今月でちょうど2年)、この形態がいつまでも続けられるわけではないと思いますので、プロの中からまた新しい軸の方が出てこなきゃいけない時期なのではないかなと思ったのでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『Second of Life』(4)

2017.6.18(Fri.) 19:30~21:10
花まる学習会王子小劇場 B列1桁番台(下手側)

TipTapトライアウト公演『Second of Life』月組初日、行ってきました。
この作品の初演は2013年12月、上野ストアハウスでした。

自分にとって初めてTipTap作品を拝見したのがこの作品。
岡村さやかさん、青山郁代さん、染谷洸太さんといった錚々たる面々の皆さまに圧倒され、それに何より作品の厚さに圧倒されたことを今でも覚えています。

思い入れのある作品だけに、正直不安も大きくて。

初演演出のTiptap主宰・上田一豪さんが、今回は西川大貴さんに変わられて作品のカラーも変わるであろうこともあって、二の足を踏んでいたらチケットがあれよあれよと売れてしまって。
日程の都合上、見られないかと思っていたら、前日、公式にチケットが1枚だけ戻り、無事観劇することができたのでした(当日券は抽選なので、抽選だと更に二の足を踏む派なのです)。

再演派の方にはかなり厳しい感想なので、お気になさる方は回れ右でお願いします。




全体的な印象としては、はっきりと”別の作品”とかなり早い段階で感じました。

初演は重く内面に切り込む空気感が強かったんですね。
アップテンポでもどこか鎖がぶら下がっているような重苦しさが、とても好きでした。
再演はポップで今風、分かりやすさを旨としている感じ。
特に初演に思い入れのある方には好みがかなり分かれそうな感じです。
行間を読む楽しみというか、演劇的な醍醐味は初演が圧倒します。

再演は客層も違うせいか、分かりやすくし過ぎようとして、もやもやしてしまうところも何カ所か。
山田葬祭の時の歌手役のコスチュームは正直やり過ぎだと思うし、あそこまでさせる必然性を全く感じないし、本音を言ってしまえば、作品に対して失礼とさえ思うし。(夢に対する現実を表現する必要があるとしても、別の表現があるはず。)

医師が男性に対して告げるネタバレ満開の台詞は、そこまで言葉にしないと伝わらないと思っているのか、伝えられないと思っているのか、少し残念に思いました。

それに加えて、西川氏ということもあり無理に独自性を出そうとしている箇所も見受けられて、まだ初日ということもありしっくりこない箇所もちらほら。

その上、初演とラストが違うので、違和感は感じます。
「another story」として捉えれば、この方向性もありなのかなと思えたりしたのは、自分が大人になったせいなのか、それとも割り切っただけなのか。

あの痺れるような初演のラストをもう見られないのは悲しいですが、逆に言うと「初演と全く違う再演」を見られたことで、「初演が好きな自分」を再認識できたのは再演を見た意味だったのかなと。

初演『Second of Life』は、夢と恋人との狭間で、覚悟や犠牲なしで得られるものなどない、すべてを望むことは全てを失うことなのだ、という現実を痛く深く抉る作品として、観客にまで重く投げかけた作品だったと思うのです。だからこそ、上演される意味も、観る意味もそこに感じたんですね。

その重さゆえに「Life3部作」では唯一、初演コンセプトのまま再演されなかったこの『Second of Life』。初演とはがらりと変わった方向性を認めつつも、今回の結末なのであれば、この作品でしか表現できなかったテーマが何なのか、それが見えてこなかったことに寂しさを感じました。

再演だけ捉えてみれば形にはなっていて、広げるだけ広げて回収しない、にならなかったことは幸いでしたが(正直途中まで心配していたので何とか収まってほっとしました)、この作品を上演する意味、この作品でこそ表現できるテーマ、という掘り下げが欲しい気がしました。

キャストで出色だったのは、星組・月組両方に唯一登場する大鹿礼生くん。若干21歳ながらこの作品を動かす大黒柱。空気の動かし方を身体で知ってる感じでこれからに期待大です。

歌手役の仲里美優さんの存在感が印象的。初演の歌手役の皆さまの大きさゆえに心配でしたが好演。激しい部分も見てみたかったな。

そう、再演で一番感じたのは「落ち着きすぎてる」ってことだったんですよね。
初演ほど尖るまでしなくても、激しさに遠慮があるような気がして。
男と女の感情のぶつかり合いも、女と女の感情のぶつかり合いも、通りいっぺんのぶつかり合いに思えて、変にまとまりすぎているように思えて。

すっきりと物語をまとめる観点だけじゃなくて、作品のメッセージとして訴えかける面も欲しく思えるような、そんな再演版観劇の感想でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『レ・ミゼラブル』(23)

2017.6.15(Thu.) 14:00~18:20
帝国劇場2階M列10番台(下手側)

『レ・ミゼラブル』日本初演30周年スペシャルウィーク、行ってまいりました。
今週日曜日、11日から土曜日17日までの1週間のスペシャルウィーク(SP)、当初土日はかすりもせず、何とか取れたのがこの日。

この日を選んだのは笹本玲奈さんのお誕生日だからですが、理由は分からねど(普通に考えれば一つしかないと思いますが)、出演されないことが11日に発表(11日に配布開始されたSP期間の小冊子に名前がなかった)ことで、あとは日替わりで誰が出演されるかに関心は移りました。

転売防止のためか、開演時間(14時)の1時間前の開場時間(13時)にキャスト発表。

SPは完売公演なので、キャストを選んでの観劇は実質的に無理。実はこの日は当日券が少し余って、空席があったらしいんですが、表面的には「満員御礼」(残席が数席あっても出ます)での盛り上がりの帝劇。

日替わりの出演キャストはHPにも掲載されないのですが、今やtwitter全盛のネット時代。13時5分には誰かしらがキャスト表(四季さんの「当日のキャスト」と同じサイズ)をネットにupして明らかになるという。

この日は何とか半休の許可をいただいたものの、仕事が終わらずに13時を職場で迎えたので、tweetを確認すると、エポコゼデーであることが判明。びびちゃん(綿引さやかさん)、まーやさん(坂本真綾さん)、郁代ちゃん(青山郁代さん)と揃い踏み。ワクワクで帝劇に向かいます。

中々来ない私を「まだ来ないねー、知らないのかなー」って心配していただいた皆さま、ありがとうございます(笑)。

盛り上がる帝劇玄関を入ってチケットをもぎってもらう場所で、チケット裏面にスタンプ押印。チケット1枚につき冊子1冊を徹底するためですね。今回登場予定のキャストのお名前が載っております。簡素な8ページの作りですが、表紙が豪華なので記念になります。

まず本編から。
清水彩花コゼット、松原凜子エポニーヌのmy王道ペアに加えて、安定力抜群の海宝直人マリウス、上原理生アンジョルラス、川口竜也ジャベールと、好きなキャストばかり。

彩花コゼットは咳払いが自然になってて良かったな。

今回の新演出の新演出から入った「咳払い」って諸刃の剣で、コゼットを”計算してる”と思わせかねない危険な演出だと思うのですが、回数を重ねて自然になってきたように見えて、「私に気づいてね」みたいに自然にチャーミングに見せていて流石の一言。

コゼットは確かに「今までよりは積極的なイマドキな子」なんですが、ただ積極的なだけだとやっぱりイメージと違う。その「塩梅」の見せ方が、彩花ちゃんのコゼット経験ゆえかと。

特に内藤マリウスとだとお姉さん風が隠せない彩花コゼですが、海宝マリウスとだと同世代の空気がきちんとできていて、かつ凜子エポとだと、それぞれが大人の関係性を築けていて大人な恋愛。

凜子エポニーヌはマリウスへのグーパンチが好きなんですよ。
恋愛に素直になれなくて、でも、何ということもない振りをしてでないと、マリウスと向き合えない。
照れ隠しな感じのエポニーヌの様が、とってもいじらしい。

「恵みの雨」で笑顔を見せながらマリウスに抱かれる様もとても幸せそうですが、それにも増して「大丈夫よ」と言いながらマリウスにグーパンチしてる様が、なんかもう凄く「エポニーヌの精いっぱい」が見えて胸に迫りました。

「どうってことないわよ」と強がりながら、でもマリウスの胸に抱かれている幸せに浸れるさま、そんな素直じゃないところが”とってもエポニーヌ”な気がしました。

今期エポ名物のマリウス本投げ、マリウスの手の中からするっと抜いたかと思うと、”目にもとまらぬ早業で、下手に投げるストライク♪(忍者ハットリくん風にどうぞ)”的な状況になってて呆気にとられます(笑)。
今日はずいぶん飛んで行った(ほぼ下手端の子役さん目の前)けど、開いていた本がきっちり閉じて着地したのにもびっくりした。どんな魔術師。

本編終了後、15分の休憩を挟んでスペシャルカーテンコール。
この日のバルジャンだった吉原さんが出てこられて、「楽しみで死にそうです。いや、死んでるんですが(笑)」と言い残されて休憩突入。

なお、11日から連日撮影カメラは入っているようです(聞く限り毎日)。映像化期待です。

記念映像が流された後、当日のキャストは扮装姿で、歴代キャストは各々の正装で登場。初日52人、2日目・3日目40人、4日目43人で、5日目のこの日は初日に次ぐ45人が登壇(劇場では44人と言われていましたが実際には45人)。そこに当日キャストの36人が加わるわけですから、総勢81人。広いと言われる帝劇でもこの人数は圧巻。

歴代キャストは3列になって1列目プリンシパル、2列目と3列目はアンサンブルで、2・3列目紹介のときには舞台ぐるっと下手側から上手側に向かって歩いていきながらの紹介。司会の方は「駆け足で」とおっしゃっていましたが、過不足ない上手な方法で感心しました。

歴代プリンシパルさんは残ってのご挨拶ということで、ここからは進行をモリクミさんにバトンタッチ。
SPの進行は岡さんとモリクミさんが1回ずつ交代で務めているのですが、モリクミさんの進行の噂を聞いていた分、不安的中…。
(歴代キャストのうち2名の方のお名前を忘れていました。あり得ません(怒))

今井さんとはわちゃわちゃしつつも、まぁこんな感じかなと。
モリクミさん「次どの役したいですか」
今井さん「司教(笑)」
「それは冗談にしても、40周年・50周年と続き上演され続けることを願っています」と締め。

岡さんとは2011年の話を。
岡さんのレミの締めくくりが2011年。
岡さん「稽古中に東日本大震災が起きて、この作品を上演すべきか、また上演する意味といったことをみんなで話し合った。結果、みんなの絆が強くなって心に残った」との由。
「モリクミさんは仙台出身ということもあり」という言葉にモリクミさんが込み上げるものがあったのか、進行できなくなってしまって、しばらくは岡さんにバトンタッチ。

エポニーヌはこの日歴代キャスト4人集結。
Jenniferさん「私は2011年キャストですが、大震災が自分にとって初めての地震で怖かった。でもみんなが助けてくれて支えてくれてやり切ることができたのが印象的」と、この年のキャストらしいご感想。

坂本真綾さん。ここからインタビュアーがモリクミさんに戻り。
真綾さん「2003年にエポニーヌをやらせていただいて、正直苦しかった思い出しかなくて、苦しくて吐いての繰り返しでした。今日拝見させていただいて、エポニーヌの帽子が変わって赤の帽子になっていたんですが、私の時は帽子が島田歌穂さんから受け継いだ帽子で『島田』と書かれていて。もちろんその帽子に吐くなんてできませんが、苦しい時に憧れの歌穂さんの帽子を見つめて勇気づけられていました」

ANZAさん。
ANZAさん「私も2003年キャストでしたが、今日ここにはいらっしゃらないのですが、『恵みの汗』をたくさん浴びまして(笑)、その汗が私の身体に入りまして、私の身体を構成しております(笑)」
…面白い(笑)
2003年からご覧の方は間違いなくとある方のマリウスが浮かびましたよね。確実にいずみん(泉見洋平氏)ですよね(笑)

*昨日入籍を発表された新妻聖子さん曰く、「ミュージカル汗かき四天王」は、井上芳雄氏、石井一孝氏、泉見洋平氏、戸井勝海氏だそうです(笑)

綿引さやかさん。
さやかさん「私は2013年・2015年とエポニーヌとアンサンブルとして出演させていただきました。エポニーヌから見たアンサンブルの皆さんの背中も、アンサンブル(鳩)から見たエポニーヌの背中も見てきました。そして今まで背中を見つめてきた先輩のエポニーヌの皆さまと本日ご一緒できたこと、本当に嬉しく思います。キャストの皆さん、スタッフの皆さん、そしてお客様の皆さますべてでビックなカンパニーのようなレミ。そのレミでご一緒できていますこと本当に幸せです。ありがとうございました。」

テナ夫人のご挨拶の後は舞台下手側のコゼットの皆さまへ。

辛島小恵さん。
辛島さん「私が出ていた時からもう10年経ってしまいました。当時はご一緒していたあとのお2方が可愛くて、意識して若作りしていた(爆)のですが、今となってはそういうことをしなくても良かったのかなと思います(笑)」

青山郁代さん
郁代さん「私は新演出の2013年にコゼット役で出演させていただきました。新演出のコゼットは今までの『お嬢様』ではなくて、『イマドキの女の子の恋心』を描きたいと演出家さんから言われまして。『渋谷に行って見学してきて』と言われました(笑)。髪もまとめた髪じゃなくてちょっとぐしゃっとした感じにしたり、新鮮な体験をしたことを覚えています」
と興味深いエピソードを披露されていました。

・・・

SPカテコでは、毎回回替わりでのソロ曲がありますが、この日はエポ4人勢ぞろいということで「On My Own」を披露。真綾さんから入ってびびちゃんが継いで、ANZAさん、Jenniferさんが継ぐ形で曲は進みます。
エポやった方々なので素地はあるわけですが、やっぱり真綾さんとびびちゃんが抜けている感じがします。

当時はふんわりした感じが強かったまーやエポは、今までにないほどしっかりした歌いぶりで切り込み隊長に相応しい歌。びびエポは一番現役に近い(2015年秋までやっていた)こともあり、エポの世界を作ることが自然で、パワフルさと切なさを兼ね備えたエポをまた聞けたことに本当に感謝です。

30周年SPウィークで玲奈ちゃんを拝見できなかったけれど、エポニーヌの魂を皆が継いでくれている姿を見られたのは、きっとなにがしかの思し召しだったのでしょうね...

・・・

ラストは現役キャストと歴代キャスト揃っての『民衆の歌』の圧を感じられたことにも感激。
こうして『レ・ミゼラブル』の空気が伝えられていく、その姿を間近で感じられたことは、確かにスペシャルなひと時でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『オリンピックコンサート2017』

2017.6.9(Fri.) 19:00~21:50
東京国際フォーラムホールA 1階34列60番台(上手側)

2年ぶりのオリコン(オリンピックコンサート)。
前回拝見した時は同じくホールA、Starsの皆さまがゲストでした。

今回のゲストは中川晃教さん、新妻聖子さんの『ファースト・デート』ペア。
前回拝見した時に比べて歌が少な目で、演奏中心。

今回は2020年東京開催が視野に入っていることもあり、はっきりと2020年に向けて、がテーマに入ったコンサートでした。

ナビゲーターは6年連続、安定の藤本隆宏さん。

『エリザベート』出演のミュージカル俳優としても知られていますが、元々は競泳でオリンピックに2回(ソウル・バルセロナ)に出演されたオリンピアード。第1部壇上ゲストに小塚氏と一緒に上がられた小谷さんとオリンピック同期ということで、小谷さんの前で『もう30年前なんですね』ってぶっ放して小谷さんにツッコまれてました藤本さん(笑)。

アスリートの気持ちもわかり、ゲストの方の気持ちもわかり、それに加えてある意味”公的なイベント”であるこのコンサートの堅い部分も、ちょっとぎこちないながらもしっかりと務めるあたり、確かに他に適任の方が思いつかない安定感です。

第1部はオーケストラ演奏とオリンピック映像とで展開される1時間。

こういうシーンだと、やっぱり浅田真央さんの映像は特別な重さがありますね。
壇上ゲストが小塚氏という、名古屋時代の同志(幼いころから一緒にやってきた同世代)も感慨深そうでした。
「ソチはSPでああいったことがあったので、フリーは特別な思いで見ていた、その気持ちを思い出した」といったコメントはじーんときました。

第2部に入ってゲストのお2人登場。曲目は

「止まらない一秒」(中川晃教さん)
「GOLD」(新妻聖子さん)
「You Raise Me Up」(中川晃教さん&新妻聖子さん)
「オリンピック賛歌」(全員)
「糸」(全員)=アンコール

中川氏ソロはご自身が作詞作曲されて去年出されたアルバムに入っている1曲。
ご自身の選曲だそうで、「オリンピックを拝見していても感じる、大切な一瞬一瞬を思って書いた曲を、このコンサートで歌うことができて嬉しい」と。

その流れで聖子さんを紹介するのですが、あっきー、「私も大好きな新妻聖子さんの『GOLD』です。よろしければ盛大な拍手でお迎えください」と。

・・・えーと、その「大好き」の修飾する先は聖子さんなんでしょうか『GOLD』なんでしょうか、私を混乱させてどうするの(爆)

それにしても「よろしければ」って…、さすがここには聖子さんツッコまず(笑)

「GOLD」を歌われる聖子さん。
赤メインですが以前の赤一色のドレスではなく、黒も入っていて新調されたもののようでした。
さすがフォーラムホールAということで、聖子さんにしては、そしてこの『GOLD』にしては驚くほどに緊張されていた感じで、思った以上に前に声が伸びないことに不思議さを感じましたが、それでもこの曲を歌えばカミーユになる聖子さん。

曲説明ではあえて作品の上での使われ方には触れず、「ソルトレークシティーオリンピックで使われた」という点と、「アスリートの方、お客様みなさまそれぞれにとって、大切な『黄金』があること、それを思って歌いました」と説明されていました。

お2人のデュエットは『You Raise Me Up』。
聖子さんからは「トリノオリンピックでのご記憶も新しいかと思いますが」からのデュエットでしたが、男らしくて先鋭的なあっきーの歌声と、崇高で突き抜ける聖子さんの歌声が、絶妙に絡み合わずに高め合う、なんとも言えないデュエットの完成度に会場から大きな拍手。
司会の藤本さんも「何ですかこれ何ですか」と普通にパニックする(笑)。

それでいてこの2人、トークしだすとまた独特な空間を展開。

というか毎度恒例のあっきーオリジナル空間が発動するわけでございまして、感動のあまり台詞が走る(←言葉通りの意味w)のですが、あっきーが感動していることを前提にして、変に茶化さない聖子さま女神。

2人の佇まいを見ていると、やっぱり聖子さんにとってのあっきーは特別なんだなぁ。

聖子さんが「天才」と言うのはあっきーだけなはず(ちなみにあっきーを「天才」と呼んだのは私のご贔屓さんで聖子さんが2人目という…1人目は由美子さんでした)で、才能にほれ込んで、彼と歌える喜びを全面に出しつつ、出すぎたらツッコむあたりの絶妙感が流石。

あっきー「(聖子さんを指して)この人をおいて誰が歌姫かって感じじゃないですか」
聖子さん「同じこと他の人に言ってるんじゃないのーーー?(会場内笑)」

最初は緊張されてた感じだった聖子さんも、途中からはMC通常運転。

藤本さん「私も最近ミュージカルを再開したんですが、お2人ミュージカルで素晴らしい活躍で」
聖子さん「何仰っているんですか、藤本さんも素晴らしい胸板じゃないですか(と実際に触れる)」

…いやそれやりますか聖子さん。あっきーと別の方向で自由です王妃様。

藤本さん「アスリートの皆さまの前で歌われていかがでしたか」
聖子さん「(ご存じなかったらしく、2幕でみんなで歌うことになっている)『オリンピック賛歌』のことですか?」
藤本さん「いえいえ、客席でアスリートの皆さまもご覧になっているんですよ」
聖子さん「あ、そうなんですね」
あっきー「知ってたら緊張した、という顔ですね」
聖子さん「いえいえ、客席の皆さま、どなたも大事なお客様ですから(笑顔)」

…もうびっくりするぐらいに完璧ですよ聖子王妃。

このMCの流れの中だったと思いますが、「スポーツと歌」の関連について聖子さんが話されていて。

聖子さん「私10代のときにタイのバンコクで暮らしていたんですが、言葉も通じない他国の方と気持ちが通じるのはスポーツの授業だったり、一緒に歌う時だったりしたので、(スポーツと歌は)共通する要素があるように思っています。スポーツを頑張る姿が言葉なしでも伝わるのと同じく、歌も(言葉なしで)気持ちが伝わるところがとても似てると思っています」

藤本さん「『You Raise Me Up』は支えてくださる方への感謝の歌ですが、サポートしてくださる周囲の方の助けもありがたいですよね」

あっきー「ミュージカルをやっていると、スタッフさんやマネージャーさんや、たくさんの方が支えてくださって。スタッフさんの支えがあってこそ、お客様にたくさんの感動を持って帰っていただけると思い感謝しています。スポーツを見ていても、画面の端に写っている監督さんやスタッフさんの存在を見ると感動するところがあって、似ているなと感じます」(実際にはもっと感動してあっきー流の超暴走w)

「だからみなさんミュージカルも見に来てください!」

聖子さん「ここでその流れ!!(驚)」

…というのが面白かったです。

そういえば聖子さんの「中川さんに褒めていただいて生きてて良かったです」って返しもなかなか(笑)

MCはあっきーの暴走を止めずに、藤本さんの困惑を意識するかのように聖子さんがストライクゾーンど真ん中に戻す、予想通りの展開。

藤本さん「ここまで(のポジションに来るのに)随分練習されてきたと思うのですが、どのぐらい練習されますか」
あっきー「僕は練習嫌いなんですよ(笑)」
聖子さん「この人(あっきーを指して)天才なので」
あっきー「声を保ち続けることは意識しています」
聖子さん「実際、一番意識しているのは健康管理ですね。喉が資本で、声帯ってとても小さな器官なので、そこがヘソを曲げてしまうと私たちはお仕事ができないので、大事に使っています」

最後のご挨拶ではこれまた聖子さんが素敵にまとめてご退場。

聖子さん「スポーツって、オリンピックって素敵だなって思います。テレビの前で応援していていつも思っていますが、テレビの前でなく直接選手の前で応援できる日が間もなく来ると思うと、とても楽しみです」

お2人が退場された直後、藤本さんが仰った「個人的にはお2人、中川さん・新妻さんが、2020年に何らかの形で関わられることを願っています」という言葉そのものに驚かされましたし、その言葉に拍手が贈られたこともとても嬉しくて、この日一番の嬉しい一コマでした。

2人が選んだ曲はこのコンサートに相応しくて、それぞれに選んだ意味も生きていて、その上でMCもとても「オリンピック」「スポーツ」に「歌」「エンターテイメント」がうまく融合していて、主催の目指した方向にもきっちりと合っていたと思うし(主に聖子さんのクレバーさが)。

公的な場で”個人的な感想”が言える余地があるとは正直思えないし、夢が正夢になるといいな、ということが思えた、なんだか夢のあるひと時だったのでした。

なお、この日の模様は
7月17日(月・祝) 13:30~15:00 NHK総合テレビ
8月6日(日) 22:50~24:20 NHK BSプレミアム
で放送されます。90分しかないので、トークはかなり削られるでしょうね。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

One On Oneライブ『Love Life Live 5』

2017.6.5(Mon.) 19:30~21:10
恵比寿天窓Switch

One On Oneの一日限りのライブ、この日は昼の部と夜の部の2回公演。

会場の恵比寿天窓Switchは藤倉梓さんのソングサイクル『a shape』で行って以来なので2度目。
ちょっと駅から離れていて迷いやすい場所ですが、前回の記憶の「恵比寿ガーデンプレイス入口の赤レンガ建物を見て左へ」を忠実に守ったら、会場への道すがら知り合いにお会いし、迷わず到着。
ちょうど雨が佳境だったので大変でしたが。平日でこの場所だと19時30分開演がありがたいです。19時だとかなり慌てましたね。

というわけでセットリストから。
One歴は浅い私なので、過去作品で埋め切れていない分はありますが、追加情報お待ちしております>各位
休憩なしの100分です。

●セットリスト
1.レプリカの恋/レプリカ(全員)
2.BIRDMAN~空の果て~/BIRDMAN(全員)
3.空の果てにあるもの/BIRDMAN(妻木・蔵重)
4.嘘との上手な付き合い方
 /Astronomer~正しい嘘・ガリレオ・ガリレイ~
 (岡村・千田)
5.誰かのために/room(妻木)
6.君が望むなら/最後のタマゴ 最初のキオク(寺元)
7.渇いた季節~夢のうた~/ホシイクツ(岡村・蔵重)
8.失った心/BIRDMAN(田村)
9.一つになろう/呼吸する島(浅井・千田)
10.こぼれたミルク/BIRDMAN(岡村・千田・蔵重)
11.Ambitious!/BIRDMAN(浅井・岡村・千田・蔵重)
12.声/BIRDMAN(寺元・田村・妻木)
13.満月の下/しあわせの詩(全員)
14.クピード様の教え/レプリカ(妻木・蔵重・千田)
15.恋愛のススメ/レプリカ(寺元・田村)※男性ヤヨイver
16.報告書/レプリカ(岡村・千田)※女性マナトver
17.if/レプリカ(田村・千田・蔵重)
18.ふと思うこと/レプリカ(寺元・岡村・妻木)
19.未来のもしもの話をしよう/レプリカ(全員)
20.Life/コエラカントゥス(岡村・千田)
21.レプリカメドレー(全員)

全体の構成としては直近の『レプリカ』とその前の『BIRDMAN』でほぼ3分の2。

聞き馴れた曲に浸りつつ、一等嬉しかったのは『しあわせの詩』から全員参加の「満月の下」が聞けたこと。

自分にとってのOneとの出会いはこの『しあわせの詩』で、「素敵な作品をやっているよ」という話に耳を傾けて当日券に並んでいなければOneとは出会っていないし、その作品(3演)で悦子役をされていた岡村さやかさんの歌声とお人柄に触れていなければ、ここまで繰り返し拝見することになってはいなくて。

その『しあわせの詩』では今までは「欠けた月」を歌われることが多かったので、「満月の下」はライブでは初めてな気がします。浅井さん曰く、7人Verは一度ライブで披露されたことがあるそうで、それ以来の構成だったそうです。

ネタ感満載だったのが、M14「クピード様の教え」。
妻木さんと蔵重さんがいるのは分かるわけですが、「じゃぁ、クピド様にこの場はお譲りして」と言って去ろうとするあちゃこさん(千田さん)を2人が止めて、「後輩よ、そこにいろと(笑)」。

1番の歌詞は普通でしたが、2番が完全オリジナルのネタバージョン。
「先輩クピードが教えてやる」な姉さん&たいじさんから受けて「新米クピードは緊張してる」で返す千田さん。だんだんポジティブになってって、最後は「見に来てね」方面で締めるネタぶりが素敵。
CDに残ってほしかったぐらい(笑)。

そして第2のネタは、『レプリカ』役交換Verの2曲。
M15の「恋愛のススメ」は、本来はヤヨイの曲ですが、マナトの2人のデュエットに。
こちらはまだ普通でしたが、次いでの
M16の「報告書」に大爆笑。本来はマナトの曲ですが、ヤヨイの2人のデュエットに。
とにかく遊びまくるあちゃこさんと、真面目にやろうとすればするほど行間に滲み出る面白みが面白いさやかさん(笑)。

あちゃこさん曰く、「えらい高い位置でキーボードを打つ」というのは寺元マナトバージョンだそうで(笑)。そいでもってこの曲の「もう一度会いたかったんです…いえ、『プライベートで』」の、『 』の枠内は、脚本(演出指定)に「イケメン声で」と入っているそうです(笑)。

このパートを担当したのはさやかさんですが、田村くんから「イケメン声じゃなかったね」との声が上がり(笑)、「え、まさかのダメ出し?」と驚くさやかさん(笑)

「もっかいやってみてよ」と言われ、「え、嘘でしょ(驚)」と素でフリーズするさやかさんがヤヨイちゃん以上にチャーミングでしたっ。(結局やらされてましたが、それなりなイケメン声←をい)

あ、でも実際のところ、さやかさんの「こぼれたミルク」とかむちゃくちゃカッコいいわけで、でも台詞になると照れちゃうあたりが流石さやかさん。

『レプリカ』は(初演・再演とも)チケットの売れ行きが良くて、トークショーとかできなかったので、ということで千田さんリードMCで当時の思い出話や裏話を諸々。

マナトがボケてクピドがツッコむところの実演とか(寺元マナトがお手をして、ねーさんクピドが犬っぽく手を差し出した後、勢いよくマナトをはたくあたりとか”最高”)、靴擦れ起こしたときのマナトからさやかさんヤヨイへのツッコミがまさかの「脛毛の処理忘れたの?」とか(←さやかさん超心外風。笑)。

そうそう、ネタと言えばM8の「失った心」の田村さんネタ。これ、ブリキの役の曲(本役は妻木さん)なんですが、千田さんがバラしたところによれば、ブリキを「木」の一種だと思っていたそうです、田村さん(全員笑)。昼の部でその件が発覚していたく落ち込んだ田村さん、夜の部までにたっぷりネット検索したそうで、「Wikipediaで調べました」「インターネットって便利ですね」というオチになっていました(爆)
そして、「ブリキについては誰よりも詳しいです」って発言をみんな生暖かくスルーしてて噴きました(爆)。

そういえば『レプリカ』コーナーでは、マナト・ヤヨイ・クピドを誰が歌うか、くじを千田さんが作って、客席のお客さんに引いていただくという趣向があったのですが、まさかの昼と同じ組み合わせで一同びっくり。(寺元・岡村・妻木/田村・千田・蔵重)。さすがにそれはということで、各役じゃんけんで勝った方が「if」を歌う…ということでじゃんけんしたら、勝ったのはまさかの…

寺元くん・岡村さん・妻木さん

…という(驚)。

8分の1の3乗ですからほぼ0.2%なんですよね。すごい。で、流石に同じ曲はいかがなものかという結論になり、曲を完全にひっくり返すことで事なきを得ておりました。

そして『レプリカ』コーナーのラストは、8月の再再演(千田さんが「中華料理屋みたい」って言ってて笑)に登場される全メンバーが来ていて舞台上でご挨拶。新ヤヨイ役の大胡愛恵さんは蔵重ねーさん曰く、可愛いのに結構イケる口らしい(笑)。そして安定の「田宮華苗でございます」で客席から笑いと拍手が起こるたみーも流石でございます。

歌えば感動、喋ればお笑い、揃う姿は壮観の一言、なOne On Oneライブ。
たくさん感動して、たくさん笑って、終わったころには雨が上がる(笑)、これ以上ないライブで、またの機会が楽しみです。また、さやかさんのヤヨイが聞けますように!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『レ・ミゼラブル』(22)

2017.5.24(Wed.) 18:15~21:15
2017.5.27(Sat.) 17:00~20:00
帝国劇場
5/24:1階T列10番台(下手側)
5/27:2階I列30番台(センターブロック)

プレビュー最終日の5/24はプリンシパル中、ただ一人初日を迎えていなかった小南コゼットの初日。
そして5/25に本公演初日を迎えた後の土曜日ソワレで、ほぼ新キャストを見終えて、「私の2017レミが始まった、そんな感じ」な2回です(笑)。

日本公演30周年を記念して帝国劇場前に掲示されていた歴代+現役キャストの写真によるモザイクアートは、本公演初日と時を同じくして移設されたようで、劇場内の肉まん奥(その説明はどうなのか)に移っていました。

劇場前の時はガラス越しだったため、反射で見えにくかったのが見えやすくなったのはいいのですが、それでももともと暗い場所(光の影になる場所)なので、やっぱり赤色部分の写真とかは分かりにくいままで、私をレミと出会わせてくれたキャストさん(由美子ファンテのことです)の写真は、いまだ発見できていないという、罪深い我が身…。

2017年シリーズの特徴は前回も書きましたが、「各キャストの生き生きとしたさま」。

ともすれば「どう形にあてはめて演じるか」にガチガチになっていた新演出初期と、本当に同じ新演出なのか不思議になるほど。

ABCカフェの、自由なんだけども変に悪目立ちする人もいない感じとか。
砦の最後の前、男性と女性が地上で楽しそうに(この後のことを夢にも思わずに)笑い合う様とか。
なんだかとっても嬉しくなります。

今回の新演出改訂版で一番はっきりと人物造形が変わっているのはコゼット。
もともと新演出で多く位置づけが変わっているコゼットですが、今回は内に秘めた思いをはっきりと表に出すようになっていて、それぞれのキャストの人物像が見えてきて興味深いです。

喩えて言うならば、

生田コゼットは愛のコゼット。
彩花コゼットは愛情のコゼット。
小南コゼットは愛嬌のコゼット。

3人見て感じた違いを表現してみたのですが、バルジャンに対する愛が強い彩花コゼット、マリウスに対する愛が強い生田コゼット、その中間が小南コゼットという感じ。

3人ともにそれぞれ良さがあって、暗闇の中で光る様も違う。
生田さんは現役アイドルでもあるせいか、自然に強く光る感じ。
彩花さんは今までのコゼットの経験を通して、自然に柔らかく光る感じ。
小南ちゃんは初コゼットということもあって、自ら光らせている感じ。

今期からの演出変更での、マリウスを振り向かせるために咳払いするのがコゼットかと言えば、それは未だに違和感を感じるけれども、初めての恋が初めての愛に変わっていくさまを、自然に見せていて。
そこに計算さをいかに見せないようにするかが、今回のコゼットの役作りの難しさな気がします。
今までは「内気なお嬢様」というイメージで来ていたところがありましたので。

バルジャンへの愛情は、彩花ちゃんコゼットの変わらぬ様にホッとしますが、24日ソワレが初日だった小南コゼットもまた別の形で表現されててそれが凄く良かった。

バルジャンが意識を失いつつあるとき、まゆちゃん(小南コゼット)はずっと「パパ、パパ」と言い続けて、そのコゼットの想いの中でヤンさんのバルジャンは息絶えたのですね。
パパから返事が返ってこなくても、そんなことは関係なくて。
コゼットにとってパパを思う気持ちは、”無償の愛”。
そのことをこれほどまでに表現されていたことに、ただただ嬉しく感動したのでした。

生田さんは時々見せる心からの笑顔が印象的。
コゼット、そしてレミが好きって思いが伝わってきて、地に足が付いてレミの世界で生きてくれている様が素敵です。

翻ってもう一人のヒロインであるエポニーヌは、2カ所ほど不思議な演出変更がありまして。

1つは、マリウスの本を取り上げた後の動き。「その髪好きだわ」あたりのところで、以前は本を逆さまにしながら「私も読めるわ」やってたところですが、今回は本を取り上げたエポニーヌ、関心なさそうに本を投げちゃうんですね。キャストによってその”本を飛ばす距離”は違うのですが、24日ソワレの松原凜子エポはいっとう長距離で、ほぼほぼ舞台下手端っこまで吹っ飛んでてびっくりしました。ちなみに、この吹っ飛んだ本、いつも子役ちゃんが取りに行って、マリウスに渡して、マリウスが汚れを掃う、というようになっています。

エポニーヌはマリウスに対してだけは純なハートを持っていたい、というキャラクターだと思うんですね。
パリの貧民街で暮らし、自分の身一つで生き抜いてきた、男顔負けの百戦錬磨なキャラクターだからこそ、マリウスの前では乙女になる。

マリウスが好きな本に対して、マリウスだけが光のエポニーヌが、そんな粗雑に扱うのが正しいかと言われると、かなりの違和感を感じます。自分以外が全て視界に入らない、そんなお子ちゃまという見解もあるのかもしれませんが、それはエポニーヌとしてはちょっと違うんじゃないかと。

もう一つはマリウスからやむを得ず預かったコゼットへの手紙を渡しにコゼット邸に侵入したエポニーヌが、バルジャンに手紙を渡すところ。27日ソワレのふうかエポが特にはっきりそうだったのですが、手紙をバルジャンに押し付けるように、半ば「ぐしゃっ」に近いぐらい押し付けるんです。

ここ、特に前期のびびエポ(綿引さやかエポニーヌ)で大好きだったシーンなんです。

「恋敵なのにもかかわらず、自分にとって大切な人(マリウス)からの託されたものだから、バルジャンが粗雑に受け取ろうとしたときに絶対に渡そうとしなかった」んです。
そして、バルジャンが手紙をきちんと扱ってくれると分かった上で、その手紙を、しかも丁寧に渡していたんです。

それからすると、「一秒でも早くこの手紙を渡してしまいたい、持っていたくない」と思うかのような渡し方は、たぶん演出なんだと思うけど、エポニーヌとしてはちょっと違うんじゃないかと感じました。

演出的な違和感はあるエポニーヌではありますが、my観劇3回は、ふうかエポニーヌが2回、松原エポニーヌが1回。ふうかエポニーヌは、プレビュー初日がかなり緊張していたことがわかるほど、27日ソワレは声量も出るようになっていて、今後に期待です。

ふうかエポはどうしても玲奈エポの影を追ってしまうのが見る側の課題なので、ふうかちゃんなりの色をどうみられるか、観る側もちゃんと向き合っていかなきゃなと。

24日ソワレで初見だった松原凛子エポ、正直言って(いい意味で)びっくり。
カラオケバトルで何度か拝見したことはあって、ソプラノでの歌唱の綺麗さは知ってはいましたが、音域なら間違いなくエポよりコゼの方だし。
実際、オーディションはコゼットで受けられて、かなり最後の段階までコゼット役候補だったようですので。

びっくりというのはいい意味で、エポニーヌの”動き”を自然に出せていることにまず驚き。
エポって行動的な役で、やることが多くて最初の時はいっぱいいっぱいに見えるのが普通なのに、長身なせいもあってか動き回る様がとにかく”決まって”る。

マリウスより精神的にも見ため的にも大人。
そんなお姉さんがマリウスに対して「なんでこんな人を好きになっちゃったんだろう」みたいに佇む様がとってもいい。特にお子ちゃまマリウスとして今回定評を得ている(爆)内藤マリウスと組むとその対比が面白いほどに生きます。

ふうかエポが「自信のない自分」というスタンスなのに比べると、凜子エポは「自信があった自分が、マリウスによって自信を崩されていて戸惑う」というスタンスなのが興味深いです。

今回、エポは続投の昆ちゃんが最年長(そこにまずびっくりしますが)、1年年下が凜子様、そして少し離れてふうかちゃん。でもオープニングパーティーで三人並ぶと、どう見ても長女が凜子様で次女が昆ちゃん、三女がふうかちゃんだよなと思うわけですが(笑)。

今回はコゼとエポ中心に書きましたが、公演初日時点で帝劇公演満席というかつてない盛況にある今回のレミ。何だかんだでそれなりにチケットを押さえつつ、初日付近と楽付近に集中して取ってしまったので、6月はそれほど見ない予定。限られた回数で、また変化を拝見してみたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『レ・ミゼラブル』(21)

2017.5.22(Mon.) 18:15~21:15
帝国劇場 2階I列50番台(上手側)

2017年シリーズのプレビュー2日目。

前日は日生で『グレート・ギャツビー』マチネだったので、そのままソワレのプレビュー初日になぜ行かないのか、知人に不思議がられましたが(笑)、キャストバランスを考えてこの日をmy初日にしました。

プレビューということもあってか、1幕は音楽と歌がちょっとずつずれる箇所があって、それは主に橋本じゅん先生な訳ですが(爆)、個人的にはちょっと盛り上がらずに終了。

ところが、2幕に入るとなぜかそれが味になる不思議。
登場人物がみんな生き生きしていて、やり過ぎることなく繰り広げられる様が、とってもワクワクする。

新演出になってからというもの、「こう演じなきゃいけない」という鎖の中で、ともすれば自由に振る舞うことができなかったキャストをあまた見てきただけに、ある程度の枠はあれ、自由に動き回るかのようなキャストの皆さんの生き生きとしたさまは、レミゼをまた違う生き物として見せていました。

まず流石なのは、続投キャストの皆さんの完成度。
出色だったのは川口ジャベール。自らの自我が崩れゆき、圧倒的な敗北感に飲み込まれる様が壮絶。

そして安定中の安定、(清水)彩花コゼット。今までよりずっと明るく躍動的に跳ぶさまが新鮮。「僕は飛ぶよ虹の空へ」風なキャッキャぶりも感じました(笑)。

この日のバルジャン、ヤンさんとの父娘キャッキャも継続中どころが更に輪をかけて進展しておりまして、バルジャンがマリウスに真実を告げる直前、コゼットが席を外すときに、ヤンバルが「お嬢様」って感じで手を差し出す(リトコゼと出会った時のポーズ)と、彩花ちゃんがちゃめっ気たっぷりに、お嬢様風にくるっと回ってお辞儀するあたりのお芝居の完成度が流石です。

この日の初日キャストでは、彩花コゼットと初日組むことになった内藤マリウス。

内藤マリウスは今まで見たマリウスの中で誰よりもエポを失った時のショックが大きく見えて印象的。あれだけ沈んで悲しんでもらえると、エポニーヌも命を懸けた甲斐があるというもの。しかしながら、それでいてコゼットの胸に容赦なく甘えられる子供ぶりが絶品でして、特に彩花コゼットとだと、リアルで昔からの知人であるせいか、姉弟感がハンパないです(笑)。

沈むマリウスに対して、コゼットが「あの夜のこと、あの夜の誓い」と声をかけるシーンで、この日ゾクッとしたんです。

コゼットが「あの夜のこと、あの夜の誓い」を知っている、忘れていない、そうマリウスに声をかけることで、マリウスはあの夜のことを忘れてはならないことを思い出す、そう見えたんですね。

思い出すことは辛いことかもしれないけど、あの夜のことを一緒に知っているコゼットだからこそ、マリウスはすがることができて。マリウスにとってコゼットは紛れもなくかけがえのない女性であって。

その辛い思いを支えてもらったからこそ、崩れ落ちそうなコゼットをマリウスが支えることも、これまた自然の感情。お互いがお互いを大切に思い合い、愛し合うからこそ、皆の想いという「愛」を一身に受ける2人であることができる、その様が自然に伝わってきて感動でした。

新キャストでは、ばっちこと相葉アンジョルラスが絶品。
ご本人はインタビューで「リーダー属性じゃない」と語られていますが、どうしてどうして、隠せないリーダー感。過去のアンジョルラスでは吉野さんが個人的にはイメージとダブります。周囲がほっておかないリーダー属性って感じが。

そしてふうかエポニーヌもこの日が初日。帝劇デビューでもありますね。
すばしっこさが印象的で、立ち回り系エポと申しますか。ホリプロということで玲奈ちゃんエポニーヌとの共通性を感じる部分もありつつも、表情的にはびびエポとも似ている箇所が随所に。

ただ、正直言ってしまうと、まだ初日ならではの緊張感は否めなくて、まだまだ伸びしろはあると思うので、変化を期待したいところです。

この日デビューのふうかエポを見てつくづく思うのは、18歳の帝劇デビューで、あのエポニーヌだった玲奈ちゃんって凄いんだなぁという…今回の30周年記念レミゼパンフレットにも「弱冠18歳」と書かれるだけのことはあるんだなぁと。(玲奈ちゃんは今も史上最年少のエポニーヌ)

ファンテーヌの二宮さんは色んな意味でまだ色が見えてこない感。エピローグは普通に良かったですが、前半の色が出せるようになればまた変わってくる気がします。

この日のテナ、テナ妻はどちらも初役。

 ほのかさんが全くほのかさんじゃなく
 じゅんさんが全くじゅんさんだった

ことに爆笑を禁じ得ません(笑)。

…そんなこんなで、思った以上にとっても充実したレミ今期my初日。

ご贔屓さんがだいぶ卒業して、多少後ろ向きな気持ちが発生していなくはなかったけれども、でもやっぱりレミはレミなんだな、と思えて多少なりともホッとしたのでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『グレート・ギャツビー』(2)

2017.5.21(Sun.) 12:00~15:00
日生劇場 2階I列30番台(センターブロック上手側)

公演前半の日程を取っておらず、この日がようやくmy初日。
おけぴさん、エポスカードさんの合同貸切公演です。

この作品は宝塚(『華麗なるギャツビー』)でも、映画でも見ておらず、去年サンシャイン劇場(池袋)でやった松竹版の『グレート・ギャツビー』のみ見ています。

今回、今までのギャツビーとは音楽をすべて変えてということで、ストーリーのみが変わらずの上演です。

今回のギャツビー役は井上芳雄さん。

演出の修ちゃん先生(小池修一郎先生)からのパンフレットコメントに微笑しつつ、確かに芳雄氏を最初の頃から見てきている方にしてみれば、なかなか芳雄氏とギャツビーは結びつかないかも、と思いつつ。

芝居の厚さ、人となりの厚さが出てきた今だからこそ、背中で語れるようになった今だからこその役なのでしょうね。

ともすれば、すべてを手に入れた男性であるギャツビーが、なぜデイジーだけは手に入れられないのか、そこに傲慢さを感じかねない役であるところ、正直言って傲慢なのはトムだけで十分で(爆)。

ギャツビーが、自分の人生を賭けていい存在だからこそ、デイジーを力で物にしようとしていない。
デイジーの前では一人の男性として認められたい、そんないじらしさが伝わってくるのも今の芳雄氏演じたならでは。

お金があるから人が集まる、力があるから人が集まる、でも本当に信頼できる親友はいない。
そんなときに現れたニック(田代万里生さん)と出会えた時の、「初めて出会えた親友」へのアプローチもとってもいじらしくて不器用で、だから愛らしかったりもする。

ニックもお人よしが背広着て歩ているかのような(注:役柄上の話です。)万里生君だし、親友であることに微塵の疑いも感じさせない力量バランスが素敵です。

ギャツビーが全てを捨てても手に入れたかったデイジーは
夢咲ねねさん。
「手に入れたかった」という表現そのものが相応しくないかのような存在。
どこかおとぎの国の存在のようで、容易く触れてはならないかのような存在感が絶妙。

「綺麗なおバカさん」になりきれない自分の不器用さ、聡明さを却って鬱陶しがっているような立ち位置が新鮮でした。

蝶よ花よと持て囃される上流階級としての自分を、鬱陶しく思いながらも、巧みに利用するようなところもあって。自分自身のエゴを見えないように、でも捨てないように演じるのはねねちゃんの得意技な気がします。

今回の登場人物で印象的だったのは、デイジーの親友のゴルファー、ベイカー役の、AKANE LIVさん。
松竹版で大湖せしるさんが演じられていて、その時も「自立した女性」ぶりが素敵でしたが、今回も光っています。

デイジーが「自立できる才を持ちながら、タイミングに恵まれなかった」女性であることと比べると、ベイカーは「自立できる才を持ち、タイミングも自分でコントロールした」女性。そしてもう一人のメインの女性役、マートルに至っては「自立できる才を持たず、男性を求めることでしか存在できない」女性。

この時代の女性の生き方が三様に現れているようで、興味深かったです。

女性の衣装がアンサンブルさんに至るまでどれも豪華で、この時代の時代背景を思わせます。
やんさん(池谷祐子さん)がダンスで踊りまくるのも新鮮です。
ただ、それらの豪華さが、逆に「何も残らない儚さ」を思わせるかのようで、物悲しさを感じたりしました。

ギャツビーにしても、お金にも力にも執着せず、ただ一つ望んだデイジーの存在を手にすることはできなくて。
でも、最後のシーンでデイジーは、ギャツビーの元に来てくれて。

トムは絶対にその行動を認めようとしなかっただろうけれども、それでもデイジーは自らの意思を貫き通して。ふわふわしているように見えても、大事なところでは確実に筋を通した。

「綺麗なお嬢さんだ」と言われたデイジーの姿は、ただ外見だけではなく、その想いまで綺麗で。
本当の芯の強さを見せてくれたデイジーの姿があってこそ、ギャツビーが命を懸けて守った意味があると感じられて。

何もかもが儚くて、確実なものが何もない時代の中で、その中でもギャツビーのデイジーへの想いと、デイジーのギャツビーへの想いは本物だったと思えたのは、せめてもの救いだった気がします。

この日は貸切公演ということもあり、ご挨拶がありました。

芳雄氏「おけぴさんは先日も半館貸切していただきまして、今日も半館ということで、一緒にまとめればと思うんですが、色々事情があるのでしょうし(笑)」

あたりからの芳雄節が始まり、

「おけぴさんからの舞台愛を感じます。エポスさんから感じないわけじゃないですよ(笑)」

と継ぎ、

芳雄氏「エポスさんといえば、何ですか、ねねちゃん」
ねねちゃん「(超困った風に)ポイント?」
  (会場内笑&拍手)
芳雄氏「まぁだいたいカードにはポイントあるよね(笑)」

と漫談突入。

いやぁ、ねねちゃん、
程よく天然、程よく正解、程よくツッコミどころがある答えという、流石の返しでございました(爆)。

芳雄氏「エポスさんは元々丸井さんのカードで、日本最初のクレジットカードなんですよ」

と言って舞台上と客席を「へー」と言わせた後、

「Wikipediaで調べたんですけどね」と白状し、ご自身恥ずかしそうに顔を俯かせ、隣の万里生氏が遠慮がちにツッコむ、という仲々な風景が展開したのも、このカンパニーならではで面白かったです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧