『とある飛空士の追憶』
2011.10.1(Sat.)
12:00~14:05
シネリーブル池袋 シアター1 F列
毎月1日は映画の日、その日に公開がぶつかって更に舞台挨拶も付いて、さらに新妻聖子さんの歌披露まであるという、これ以上お得な回はないと思われるこの日の池袋。
1週間前に劇場で前売りを買ったときは3列目中央が取れましたが、最終的には完売でした(多少席の空きがありましたが)。
事情があって2枚目を買いに行ったら、「(特典付)前売り券を購入されてから席指定されますか?」と言われて普通なら「はい」答えるところですが、もともとキャラ萌えでこの作品を見ることにしたわけじゃないので、安い方にしました(笑)。←300円差。
主人公・狩野シャルルを演じるのは神木隆之介さん。舞台挨拶で知ったのですが、18歳ということで若いんですね(役柄の設定は21歳)。皇女・ファナを12000km離れた本国に単機で送り届ける任務を任せられた、国随一の実力を持つ飛空士。
ヒロインの皇女・ファナを演じるのは竹富聖花さん。声優初挑戦ということで初々しさが随所に感じられました。舞台挨拶でもとても初々しいながら、端々にしっかりした感じを漂わせ、いつかこの方のデビュー作を見たことがあると言えるような声優さんになってもらえたらなと思ってみたり(今となっては新妻さんの舞台デビュー初回を見ているのがプレミアになったかのように)。
そういえばファナのことを「男性はこういう女性が好きですよね」とCDのインタビューで語っていたのが新妻さん。感想が新妻さんらしすぎて笑いましたが。
基本、この2人の心の通い合いがストーリーの本軸ですが、敵の哨戒網を突破(最初「紹介網」と漢字変換されてなんじゃそれ(笑))するわけですので、アクロバティックな映像がとても綺麗です(むろん、スクリーンの中はそれどころじゃないわけですが)。
その点は舞台挨拶で、宍戸監督(ちなみに作品監督は初だそうです)が「一番苦労したところは」と問われて、「空と2人と海しかない、どう画面を展開していいかとても困った」と言われていたのが印象的。
最初は画面進行も堅いのですが、それは主人公とヒロイン、シャルルとファナの距離感を大きく反映している感じもあって。
この飛行機は水素燃料を航続距離1日分しか積めないので、途中、敵から見つからないように夜を明かす必要があるのですが、初日の夜明かしのシーンで、飛行機から不注意で落っこちたファナ。この時、身につけていた防具を水中に捨てて、シャルルが助けるのですが、その後の件が面白かったり。
ファナ「私、住まいから見下ろす海が綺麗で、いつか泳いでみたいと思っていたんです。こんな形で叶うなんて」
シャルル「泳いだんじゃなくて溺れたんですけどね」
ファナ「(いじわるぅ・・・)」
みたいなところがツボ(笑)。
この作品のヒロインに必要な要素は視力2.0(推定)だったりしますが、箱入りのお嬢様な割りに実戦適応力が高く、逆に言うと見張りの訓練は受けていても、射撃訓練は受けていなくて、それでも結果的に敵機の翼片方吹っ飛ばすとかご都合主義ていたりしますが(爆)。
本国の手前で全滅した第八艦隊の生き残りの艦船にファナを引き渡し、貧民街育ちのシャルルは足蹴にされて報酬だけ渡されて、ファナの願いである「一緒に凱旋する」を妨害されるシーン。その時にファナが言う言葉は印象的。
「必死になって命をかけて私を守ってくれたのよ。あんたたちはただふんぞりかえっているだけじゃない」
そしてファナが甲板に出るのを妨害され続けるんですが、船長(艦長)は偉かった。
シャルルも漢だったけど、船長(艦長)もそれ以上の漢。
ファナの言うことをちゃんと聞いて、自らの責任で「道を開けるように」と命令した姿は「この国にもちゃんとした軍人がいるんだ」と思えて、ファナじゃないけどちょっとほっとした気持ちになったりして。
ラストは「そうなるだろうな」と思っていたことをシャルルがやって。
うん、非常にスッキリするラストでした。
んで。
タイトルクレジットが流れる中、流れる曲は新妻聖子さん「時の翼」。
この曲、本編でも実は鼻歌で何度も歌われる、実はシャルルとファナの関係に大きく関係する曲だったりするのですが、実は実は。
タイトルクレジットのトメが何と新妻さん。
ちなみにご本人に「映画初トメおめでとうございます」ってツイートしたら「トメって何ですか」って返されましたが(笑)。
「基本的にトップクレジットのことです」(正確には役者か役のどちらかがトップクレジット)と説明したら「畏れ多いです」って返してもらって超思い出です(笑)。
そう、実はこの作品で新妻さんは声優をしているんですね、わずか1シーンなんですけど、超重要シーンです。
舞台挨拶で紹介されるときに司会者から最初は「声優を演じられ、主題歌も歌われています新妻聖子さんです」とされていたのですが、新妻さんはご自身が声優をしたという認識が全くないようで、全く触れなかったためか、2回目以降は声優シーンについて話を触れられることはなかったという・・・(爆)
というわけで舞台挨拶ネタです。
宍戸監督「初めての監督で、とにかく全てが苦労でした」
神木さん「自分自身18歳で、21歳の役は未知の領域。声を低くしたりして想像して演じました」
竹富さん「初めての声優で、台本に書かれていない、ファナの息づかいだったりがとても難しかったです」
富澤さん「初めての声優でしたが楽しめました。皆さん、良かったと思う方は拍手をお願いします(拍手)。良くなかったと思う方は拍手(拍手なし)。・・・はい、ありがとうございます(笑)」
新妻さん「監督さん以外初めてご一緒するので(※)、シャルルだ、ファナだー!と思いながら見ていました」
富澤さん「僕(千々石)は言ってくれないの?」
新妻さん「いやいや、富澤さん声素敵でした~。(突っ込まれてしどろもどろ) 後でこっそり言おうと思っていたんですよ~。・・・あれーご挨拶、こんなはずじゃなかったのに(笑)。これから歌をご披露するということで緊張しています。よろしくお願いします。」
場を全部持っていった姫に完敗(笑)。
富澤さんも「突っ込むならこの人だ」と思っていたんでしょう(笑)。
ちなみに
富澤さん「普段俺はボケなんだけど、何でツッコミしてるんだろう」
も面白かったです。
答えは「そこに天然ボケさんがいるから」ですね(爆)。
(※)9月22日に一ツ橋ホールで開催された試写会は、台風の影響によりアメリカからの飛行機が飛ばず、新妻さんは欠席でした。ですから元々は、この日が初対面じゃなかったはずだったのでした。
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ひとしきり会話された後、新妻さんによる生歌ご披露。
とにかくガチガチの究極(新妻さんの歌う風景なんて50回超えるほど見ていると思いますが、上位3位にまでは入る緊張ぶり)でした。世界観と合っている曲ですが、立場的には「お客さん」で、作品に迷惑をかけちゃいけない、絶対に間違えられない、と緊張しているのが肌で伝わってきました。
最初はおそるおそる歌っている感じでしたが、「好きに歌っていいよ」とCDでも言われたというラストは本領発揮。全般的に歌いにくそうな感じはありましたが、それでもやっぱり綺麗な歌声。
作品の爽やかさを増幅させるかのような主題歌、とても清々しい気持ちで映画館を出たのでした。
そういえば「時の翼」、タワーレコード特典の栞を入手し損ね、ちょいしゅんとしていたりして。某店の店員さん、言わなかったからくれなかっただけのような感じもしたけど。何はともあれ、祝3枚目(爆)。
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