『ファンタジー・オン・アイス2022』
2022.6.19(Sun.) 13:00~16:30
ライブビューイング(都内映画館)
2022.6.24(Fri.) 17:00~20:25
静岡エコパスタジアムアイスアリーナ
Wブロック7列140番台
3年ぶりの開催となるアイスショー「Fantasy On Ice(以下FaOI)」。
今回の開催会場は幕張・名古屋・神戸・静岡の4か所ですが、前半(幕張・名古屋)の公演が始まる頃発表された、後半(神戸・静岡)にアーティストゲストとして新妻聖子さんが出演される!という報に個人的に大きくどよめきました。
フィギュアスケートとミュージカルと言えば、相性の良さはお墨付きで、実際、プログラムにミュージカル曲を組み入れているスケーターも多数。
しかも、大きなホールほどパワフルに弾ける聖子さんのこと、絶対これは合うはず!と、発表直後から日程とにらめっこ、チケット難のFaOIですので、一番競争率が低いと読んだ静岡の初日(平日)を第一希望に置き無事確保しました。
神戸初日も平日だったので、噂で聞こえてくる好感触を聞き及び、神戸楽日のライブビューイングで映像で見て確信し、静岡エコパに来てよかった…と思う結果になったのでした。
選曲とかはまだラストまでご覧になりたくない方は回れ右でお願いします。
※基本的に新妻聖子さんに関連した感想ですのであらかじめご承知おきください。
・
・
・
・
聖子さんが歌われた曲は、第1部2曲、第2部4曲(うちラスト2曲は全部ではなく一部)。
後半唯一の女性シンガーということもあり、女性ボーカルは全部聖子さんが担当されています。
第1部
「ラ・マンチャの男」withハビエル・フェルナンデスさん
「ひまわり~SUNWARD~」with荒川静香さん
第2部
「Memory/CATS」withジェイソン・ブラウンさん
「I dreamed a dream/レ・ミゼラブル」
with三原舞依さん/NAOTOさん
「You Raise Me Up」with All Skater
「Nessun Dorma」with All Skater
この6曲、すべての曲を生で聞いたことがあるんですね、私。
第1部で歌われた「ラ・マンチャの男」と第2部の「I dreamed a dream」の2曲は確実に2桁回数は聞いてますし、「Nessun Dorma」は新妻聖子コンサートのアンコールラストの定番でもありました。回数で言うと「ひまわり」と「Memory」が圧倒的に少ないぐらい。
なのに、いつもと受ける印象が違うんです。
明確に、聖子さんはスケーターの方を第一に置かれていることがはっきり伝わってきます。
静岡公演はこの後、26日の日曜日の公演がCSテレ朝チャンネル2で生放送(13時~17時)されますし、BS・CSでも放送予定がありますので、機会があったら是非ご覧になっていただきたいのですが、スケーターの方の演技と明らかに合わせた歌い方と動きをされていて、スケーターの方の背中を力強く押されていることを感じます。
とりわけ、それを強く感じたのが三原舞依さんとのコラボの「I dreamed a dream/レ・ミゼラブル」です。
神戸LVの日は彼女のジャンプの調子が良くなく、2回のジャンプが上手くいってませんでした。そんな彼女を勇気づけるように、聖子さんの歌声はいつもより優しく変わっていましたし、最後、(プログラムで)倒れこむ彼女に、聖子さんが駆け寄って、優しく抱きしめて、その後「ぽんぽん」と背中を優しく撫でていたのです(励ましているように見えました)。
その次の回になった静岡初日。三原さんのジャンプはパーフェクトで、聖子さんが駆け寄っていき、優しく抱きしめた後、三原さんは嬉しそうに2回も頷いていました。恐らくは成功したことへの賛辞だったように感じられましたが、三原さんとに限らず、他のスケーターの皆さまとも、明らかに心通わせている様が強く感じられ、歌い手として幅が出たんだなぁと嬉しく思ったのです。
ともすれば、聖子さんの歌は、自ら突っ走る、その迫力こそが魅力という面が一時はあったと思うんです。
役で言えば『ミス・サイゴン』のキム、『GOLD~カミーユとロダン~』のカミーユ・クローデルと言った役は、パワフルに、また感情的に爆発させることが、聖子さんのミュージカル女優としての魅力に繋がっていた、かと思います。
それからすると、今回のFaOIでの聖子さんの歌声は、決して自らの殻に閉じこもる歌でなく、スケーターの皆さんに寄り添って、いかにして心を一つに歌声とスケートをコラボレーションさせるかを、本当に自然にされていて。そしてそうすることで聖子さんの歌もさらに輝いているという、凄い相乗効果を感じるのです。スケーターと歌を通して共演しているかのような感覚は、本当にこんな相性どこに隠していたんだろうといい意味の驚きです。
コラボレーションする方どなたとも合うのも不思議で、元々ミュージカル曲なんでもござれな方ですが、「ラマンチャの男」のいつもながらの迫力も、荒川静香さんとの「ひまわり」の想いのシンクロも、深く深く伝わってくる歌声も、「I dreamed a dream」の情感も素晴らしいし、「You Raise Me Up」「Nessun Dorma」に至っては、スケーターの皆さまの女神様のような状態になってて、今までの技術を無理なく総動員してる感じが流石です。
寄り添い力と言えば、今回のMCも実はいつもと変わらないのに(笑)むちゃくちゃ好評です。
神戸楽日は
「3日目となり、スケーターの皆さんの素晴らしい演技にすっかり虜です。会場の皆さんだけでなく、今日は全国のライブビューイング会場や、台湾のライブビューイング会場でもご覧いただけているということで、まるっと(会場内笑)お楽しみいただければと思います。本日はよろしくお願いします」
というご挨拶は、ライブビューイング会場の存在に触れたこと、また「台湾」という言葉を出されたことも凄いなと。
静岡初日は
「神戸から参加させていただいていますが、スケーターの皆さまにリスペクトが止まりません。スケーターの皆さまに寄り添って最後まで務めさせていただきます」の言葉に会場内から多くの拍手が贈られ、「やさしい…」と呟かれていたのがとってもキュートでした。
神戸でも噂になってましたが、MCで客席色んな方向に向いていただくのがとっても嬉しい。自分の席はステージからは少し斜め後方だったのですが、「聖子さんはきちんと客席全方向見てくれる」が分かっていたので安心して見ていられました(笑)。
・・・・
公演最後、スケーターの皆さまのジャンプ披露タイムがあるんですが、ジャンプが決まるとむちゃくちゃ飛び上がって喜ぶ聖子さん。
静岡初日は羽生選手が4T×2決めてて(!)、それを見たスケーターの皆さんが「ははーっ」と平身低頭リスペクトしたら、羽生さん率先してアーティストの皆さんに平身低頭リスペクトし、アーティストの皆さんが平身低頭リスペクトという、むちゃくちゃ微笑ましい一コマがありました。
聖子さんもドレスでトップ娘役以上の膝折りしてました(爆)
とにかく楽しそうにスケーターの皆さまに寄り添い歌う様は、聖子さんの仕事の幅を広げるのにとっても意味のある機会だったかと思います。またタイミングが合いますように!