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『メリー・ポピンズ』(5)

2022.4.24(Sun.) 12:30~15:30
 東急シアターオーブ 1階5列30番台(上手側)

2022.4.26(Tue.) 18:00~21:00
 東急シアターオーブ 1階13列20番台(センター)

2022.4.29(Fri.) 12:30~15:30
 東急シアターオーブ 1階6列30番台(上手側)

2022.5.5(Thu.) 12:30~15:30
 東急シアターオーブ 1階15列20番台(センター)

2022.5.8(Sun.) 12:30~15:40
 東急シアターオーブ 3階1列10番台(下手側)

 メリポピ東京公演、終わってしまいました。

 当初は7回予定だったのが、振り返れば9回。全部玲奈メリーでしたが、ここまで1作品で通い詰めたのは久しぶりで、それだけ魅力的な役、魅力的な作品でした。

 プレビュー初日からずっと見てきましたが、当初は手順の多さに明らかにいっぱいいっぱいだった玲奈メリーも、後半、特にラスト1週間は自信に満ち溢れ、余裕も出てくるほど。東京楽のスパカリで小野田バート相手に、「G」のジェスチャー途中で溜めに溜め、「早く次の文字ちょうだいー」ってジェスチャーで煽られる様とか面白すぎる(笑)。

 いつもどこかしらでやらかしてる(爆)玲奈メリーでしたが、東京楽はまさに「何もかもがパーフェクト」で、流石、楽でこれをやるとは!!と完成度に脱帽です。

 1幕はいつも以上に厳しく、心を開いていなくて。おもちゃのシーンでジェーンに心を閉ざされたときに玲奈メリーの表情から「すっ」と温度が消えたのが特に印象的。

 でも、2幕で戻ってきてからは、厳しさよりも優しさを隠さなくなっている様がとても魅力的。「Step In Time」でマイケルの頭を優しそうに撫でたり、「どんなことでもできる」で自分を真似するジェーンを、同志と認めるかのように明るく受け入れたり。花代ウィニフレッドを促す様もとっても良かった。

 今回はキャストスケジュールの偏りが強くて、玲奈メリーを選ぶと知念ウィニフレッド率が高かった(9回中6回)ので、花代ウィニフレッドの回数は少なかったのが残念なのですが、自己肯定感が低くて背中を押してくれるのを待っている様と、自信しかない玲奈メリーの対照的な様は興味深くて。

 それでいて、バンクス家が自立すればするほど、メリーの存在価値はなくなっていく。その様を誰よりも寂しがる玲奈メリーの様に胸を突かれて。1幕では子供たちの態度を見て自分がいる「意味」がないと感じて去ったけれど、2幕ではバンクス家の様を見て自分がいる「価値」がないと感じて去ることにしたからなのか、「私は子供たちに感情移入しちゃいけない立場なんだ」と思い知らされるかのような、優しさ故に感じさせる悲しみが切ないです。

 星の雨の降る中で、ジェーンとマイケルと手をつなぎながら、玲奈メリーだけは、お別れが近づいていることを知っていて、それを悟られないように必死で繕っている様が、マイケルの「大好きだよ」という言葉で大きく崩れる様は、特に東京後半の印象的だった場面。

 もしかすると、「大好き」と言われたのは、バート以来だったんじゃないか(バートはメリーのかつての教え子)と思わされるかのような動揺と、「どうしたらこのいい子を傷つけないで別れられるだろうか」という、使命との狭間で揺れる様が伝わってきたのが、玲奈メリーの「人間らしさ」だったなと思います。

 今回、メリー・ポピンズという役を、初演ではオーディションで選ばれなかったことをはっきり公言していたのはとても意外で、でも、時を経て、再びチャレンジする機会を得て、メリーを勝ち取ったこと、そしてメリーを東京公演でしっかりと自身の役にされたこと、それこそ「どんなことでもできる、自分で邪魔をしなければ」ということだったのではないかと思います。

 もちろん、幸運もあったでしょうが、努力なしでは到達できなかった場所。「自分はどうせできない」と思っているより、「自分でもできるんじゃないか」と思ったことで得られた役、念願のディズニー作品でのタイトルロール。

 メリーの玲奈ちゃんだけでなく、続投キャストも新規キャストも、「どんなことでもできる、自分で邪魔をしなければ」と思ったからこそ、この作品の一員として輝いている、そう感じさせられる清々しさに満ちた作品でした。

 東京楽は、通常のダブルカーテンコールの後、規制退場のアナウンスが流れても容赦なく拍手を続ける客席に根負けし(爆)、小野田バートと玲奈メリーが幕前にご登壇。

 玲奈メリーがほっぺを突き出してキスを求めたところに、小野田バートがキスしようと身を乗り出したところで、華麗にくるっと身体を躱す玲奈メリーが役柄的にも100点満点で最高すぎました(笑)。
 最後は2人でたっぷりの投げキスを会場中に投げられて、幸せな東京楽となったのでした。

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