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『らららクラシックコンサート』

2022.5.4(Wed.) 16:00~18:05
東京文化会館大ホール 4階3列1桁番台(下手側)

定期的に開催されている「らららクラシックコンサート」、今回が10回目(Vol.10)。
「ミュージカル特集」と題し、「~ミュージカルの巨匠たち~」のサブタイトルがつけられています。
当初は1年前のGWに実施される予定でしたが、感染拡大により延期となり、今回も出演予定だった上原理生さんが陽性反応が出たことで出演取りやめ、佐藤隆紀さんが代役を務めることになりました。

結果、出演は新妻聖子さん、中川晃教さん、ソニンさん、佐藤隆紀さん、咲妃みゆさんの5人。
この種のコンサートでは珍しく、女性の出演者の方が多いところが興味深いです。
演奏は読売日本交響楽団で、指揮も女性の三ツ橋敬子さんが務められています。

まずはセットリストです。

●セットリスト

<第1部>
1.Overture/『サウンド・オブ・ミュージック』(全員)
2.Somewhere/『ウェスト・サイド・ストーリー』(全員)
3.Music Of The Night/『オペラ座の怪人』(佐藤)
4.メモリー/『キャッツ』(ソニン)
5.Someday/『ノートルダムの鐘』(咲妃)
6.A Whole New World/『アラジン』(新妻・中川)
7.愛せぬならば/『美女と野獣』(佐藤)
8.Can't Take My Off You/『ジャージー・ボーイズ』(中川)
9.その目に/『ジキル&ハイド』(新妻・咲妃)
10.Defying gravity/『ウィキッド』(ソニン)

<第2部>
11.世界が終わる夜のように/『ミス・サイゴン』(中川・ソニン)
12.命をあげよう/『ミス・サイゴン』(新妻)
13.夜のボート/『エリザベート』(佐藤・咲妃)
14.永遠の瞬間/『レベッカ』(咲妃)
15.ダンスはやめられない/『モーツァルト!』(ソニン)
16.Stars/『レ・ミゼラブル』(佐藤)
17.スーパースター/『ジーザス・クライスト・スーパースター』(中川)
18.GOLD/『GOLD~カミーユとロダン~』(新妻)

19.民衆の歌/『レ・ミゼラブル』(全員)

MCがかなり少なく、休憩20分込みで2時間で、曲数も20曲近いということで、歌と演奏に集中した展開。
最初に「代表して」巨匠の音楽の特徴について振られた聖子さん、「若輩者ではございますが…」と前置きしなからも、そつなくこなしておられました。

コンサートホールでフルオケということで、馴れ不馴れはかなりはっきり出た印象。とりわけ凄かったのは、急遽出演となったとは到底信じられないシュガーさん(佐藤さん)。ファントムも野獣も声の伸びが素晴らしくて。普段からボーカルグループでクラシカルクロスオーバーを得意ジャンルとされているだけあって、経験値の高さを感じさせました。

代役ということで、急遽欠席となった上原さんに直前に連絡を取ったことを明かし、体調に大きな問題がないことを披露し、「上原君の分まで歌声を届けてくるから」と伝える様は、素晴らしかったですし、会場に来られた彼のファンもホッとしたことでしょう。

そしてこの5人のセンターを努めたのは何と聖子さん。キャリアからするとあっきーもあり得たかもしれないですが、安定感が凄い。歌っていないときは皆をニコニコ顔で見守り、この日はとりわけ緊張されていたソニンちゃんも、後半にはようやく笑顔が見せられるほどに回復。

久しぶりの表舞台ということもあるのか、とにかく楽しそうで、何しろ普段はまずやることがない「事前のセトリ公開」までやる御機嫌ぶり(笑)。「久しぶりのフルオケ」と楽しみにされてましたが、聖子さんがフルオケをバックに歌うと、不思議にフルオケを従える感じになるのが経験値の高さだなと。フルオケはどうしてもミュージカルの方とは少なからずテンポがずれるところもあるのですが、聖子さんはそのずれを自身で補正して、フルオケと一体に聞かせることで、あたかも自身がフルオケを率いているかのように聞かせていて、流石の一言。

最近は「フルオケでしか歌わない」と半ば公言されている「GOLD」も力まない絶品の歌唱でした。

ソニンちゃんはホールでのフルオケが初なのが要因か、直前に出演舞台が2幕開演前に中止になったのを引きずってか、正直見たこともないほど緊張され、かつ調子を崩されていて心配しましたが、聖子さんの笑顔や、ご自身の「歌いたい曲」のパワーに助けられ、徐々に回復されていてホッとしました。

選曲で割を食っちゃった感じがあったのは咲妃さん(ゆうみちゃん)。フルオケもそんなに経験がないだろう上に、得意のアルト音域はソニンちゃんが被ってそちらに持っていかれた感もあり。聖子さんとのデュエットも、聖子ルーシーの歌のパワーに特にラストは書き消されちゃっていて、あぁ、めぐさんルーシーとの玲奈ちゃんエマが最初の頃こんな感じだったなぁと思わされたり。そもそもが、『千と千尋の神隠し』の博多座公演中の掛け持ちでもありましたからね。次に期待です。

あっきーはあっきーで(笑)、いつもよりはパワーおさえ目かなとも思いましたが、それはシュガーさんがホール得意なところとの対照かなと。あっきーと一緒で誰よりも聖子さんが楽しそう(笑)だったのが何よりでした。
その聖子さん、パンフレットで前回のらららの時の不調をお詫びされていて(サントリーホールでサラ・オレインさんに代役に入っていただいた)、そういうところしっかりされるのは流石だなと。
今回、司会の方をもフォローするほどいつも以上に力が入られていたのは、その時の恩返しという思いもあったのかなと感じさせられました。

むちゃくちゃ面白かったのは、実はレミ経験者2人しかいないこのメンバーでの「民衆の歌」。戦う系女優2人、恋する系女優が男性パートを歌うのが面白すぎました。

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