綿引さやかライブ『春のありか』
2022.3.19(Sat.) 14:00~15:30
六本木クラップス
びびちゃん(綿引さやかさん)の六本木クラップスでのライブは2019年8月以来なので2年半ぶり。
びびちゃんライブはピアノが久田菜美さんの印象が強いですが、ここ六本木クラップスでのライブは男性の方と組むことが多くて、今回は伊藤辰哉さん。
渋谷Living Room Cafe & Dining での「リビングルームミュージカル」にびびちゃんがゲスト出演してセーラー服を着られたときにピアノを弾いていたのが伊藤さん。びびちゃん曰く「こんなに楽しそうにピアノを弾く人がいるんだ」というのが凄い印象的だったそうで、今回お声がけしたそうです。
まずはセットリストから。休憩なしの90分です(途中、換気タイムあり)。
●セットリスト
1.春のメドレー
春よ来いetc
2.Fighter/アンジェラ・アキ
3.僕が一番欲しかったもの/槇原敬之
4.Think of me/オペラ座の怪人
5.Nothing/コーラスライン
6.Popular/Wicked
7.Imagine/ジョン・レノン
8.You've got a friend/キャロル・キング
~『Beautiful』より
9.Natural Woman/キャロル・キング
~『Beautiful』より
10.幸せのありか/メリー・ポピンズ・リターンズ
11.桜散る、また歩き始める
/最高はひとつじゃない~SAKURA~
Enc.a little waltz
/DREAMS COME TRUE
現地で聞いて特に思ったことですが、とにかく選曲が新鮮。
今までライブで披露されたことがあるのは1月のビルボードライブ横浜ライブでも披露された、ソプラノが素敵なM4「Think of me」、定番化しつつあるM6「You've got a friend」ぐらいで、あとはほぼ初めてかと。
これまではエルファバ曲をやることが多かった『Wicked』から、初のグリンダ「Popular」。抜群のコメディエンヌぶりとキュートさ満開でとても良かった。ミュージカル女優さんだと、やっぱりパワフルなエルファバを選ぶ方が多いわけで、グリンダを嫌味なくやれる方って実はすごく少ないんですよね。オリジナルキャストの沼尾みゆきさんもそうですが、品があって、チャーミングで、ドジすらもカワイイというのは才能だと思うので、とってもいい選曲かと。
びびちゃんの歌声の特徴って、「とっても聞きやすい」ところだと思っていて、構えないで聞けるというか、歌声に身を委ねられる感じというか、優しさでふっと寄り添ってくれる感じが、特に大変なときほど癒しになる有難さを感じます。どちらかというと、ミュージカル女優さんの歌声ってパワフルな押せ押せ系が多いので(誰のことを言っているかは私の保身のため言及しませんが…笑)、こと「綿引さやか」ライブの色が、「終わった後にみんなが心からの笑顔になる」空気感、それが個性になっていることを感じます。
歌にも人となりにも、コアに「優しさ」があるから、歌もMCも心配りに溢れていて。
でも、そんな心配りをする裏には、ミュージカル女優として悔しい思いもたくさんしてきていることを、今回はMCでも言及されていて。
成功ばかりじゃないからこそ、何が正解なのか教えてもらえない厳しさとも直面しながら、自身なりの良さをどう表現されるかに苦心されていることを感じます。元々バランス力に秀でた方なので、きっと試行錯誤しながらも自身の形を作られていくものと信じていますが、ここで、私の推しさんが一人の女性を大きくポジティブに変化させた一言を贈りたいと思います。
「足りない点はすべて伸びしろ」
・・・
選曲にこれまでにないチャレンジを感じた今回のライブ。
今後はこれまでのような定番曲中心よりも、新たな曲を選ぶことでライブの可能性が広がる、それを感じた素敵なライブだったのでした。
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