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『ソーホー・シンダーズ』(2)

2021.11.27(Sat.) 13:00~15:45
 紀伊國屋サザンシアター 20列20番台(上手側)

2021.12.5(Sun.) 13:00~15:45
 紀伊國屋サザンシアター 11列1桁番台(下手側)

2021.12.12(Sun.) 13:00~16:10
 紀伊國屋サザンシアター 17列10番台(センターブロック)

 11月3日の埼玉・東松山のプレビュー公演から始まり、ツアー公演を経ての東京・紀伊國屋サザンシアター公演も約2週間、12月12日の昼で大千穐楽を迎えました。

 東松山会場に比べると、劇場サイズが特に左右がきゅっと引き締まり、この作品にはぴったりのサイズ感。そんな中、素敵な音楽と物語に浸れたことは何よりでした。

 ここのところ、舞台業界は一時的な休止状態から再開の方向性が本格的になってきていて、トンネルの出口が見えたころに企画し始めたものが一気に今出てきていることもあって、かなり供給過多にあるように感じていて、正直なところ受け取る側からすると、あまりに一気に量が増えてきて追い付けないのも事実。

 それもあってか、この作品は一度見ていただければ良さが分かりますが、それほど大きな宣伝もなかったこともあり、追い込みの集客には苦戦していた印象。

 本当はもう1回ぐらい足したかったのですが、この時期は他の作品も多かったのと、12月5日にあったとある出来事にあまりいい印象を受けなかったので、追加せずに見守ることにしました。

・・・・

 この作品で綿引さやかさん(びびちゃん)演じるマリリンは、ジェイムズのフィアンセとしていつつも、1幕「Remember Us」で歌われているさまは、「このまま未来を作れるのだろうか」という不安を表現していて、過去の楽しい思い出に自身が引っ張られていることがわかってはいても、そこから抜け出すことができていなくて。

 最悪の形で不安が的中してから、ジェイムズに「話をしたい」と呼び止められ、「みんながいるところでは話し合いたくない」と言うマリリン。
 「常に誠実に」と語ってきたジェイムズのポスターを見ながら「空しいわね」と語るさま。
 パーティーで拾ったロビーの携帯が鳴った時、初めて会話するヴェルクロからの一言に、それまで理性を何とか保ってきたマリリンがたまらず感情を露にする瞬間は、いつでも胸が痛くなりました。

 ヴェルクロと会えて、話していくうちに「自分より他人を慮る」ヴェルクロの言葉に心が落ち着いていくマリリン。そして自身の胸に手を当て、「ここは、傷つくためにある」と言いながら、その表情は何か憑き物が取れたかのように晴れやかで。

 マリリンはジェイムズに、「恋人としての別れ」をするとき、手をジェイムズの胸に当てているんですよね。なんだかそれを見て、「あなたは傷つかなきゃいけない。私に責められたからじゃなくて」と言っているように思えたんです。

 マリリンがジェイムズからされたことは、客観的に見れば酷いことだけれども、マリリンはジェイムズに対して、一度も責めるような言葉は吐いていないんですね。全部マリリンは自分の中で消化して、愛するジェイムズのために背中を押している。自分が「誰を必要とするより、誰かを必要とする」選択をしてしまったのが、自身が「森に迷い込んでしまった」理由だとわかっていたから、その責は自分が負うべきだとわかっていたのかと。

 もう一つ凄く印象的だったのは、発覚後翌朝の選挙事務所で、ジェイムズがロビーとのことを話す前に、ジェイムズが恐る恐るマリリンの表情を見たとき、マリリンは小さく頷いたのですね。
 これから自分に何が起きるとしても、「真実を知りたい」「真実を追求したい」との思いが感じられてハッとしました。

・・・

 大千穐楽はキャストの皆さまからご挨拶。

 その中からびびちゃんご挨拶を。

「感染対策のために皆さまには、歌ったり踊ったりしたいのを我慢して、拍手に代えていただきありがとうございました。配信とか便利になっていますが、私たちとお客様との気持ちのやり取り、私たちから皆様へ、お客様から私たちへ、その双方向のやり取りの温度は劇場だからこそのものと感じていて、なくしてはならないものだと思っています。

 という素敵なご挨拶。

 この日のご挨拶は、ジェイムズから「1人30秒」という課題が課せられていて、ストップウォッチを持つジェイムズ(笑)。
 そんな中、なんと「1分」をたたき出したびびちゃん(爆)。ジェイムズから「自由だな(笑)」と突っ込まれていたのが流石です。優勝は松村雄基さん(30秒72)でした。

・・・

 この回で初演から51回目を迎えたと林さんが仰っていて、「ぜひ次は100回を目指してやりたい」と仰っていて、キャストも口々に再演を望まれていたのが印象的で、ぜひその日が来ることを願っています。

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