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『ドン・ジュアン』

2021.10.23(Sat.) 18:00~21:10
 赤坂ACTシアター 1階X列30番台(上手側)

2021.10.31(Sun.) 13:00~16:10
 赤坂ACTシアター 2階G列20番台(センターブロック)

元宝塚雪組トップ娘役、真彩希帆(まあやきほ)さんの退団後初舞台。

彼女の存在を聞いたのはもう4年以上前、星組在籍当時で「歌の上手い娘がいる」と教えてもらったのが最初ですが、その時はなぜか自分の琴線に触れず、実際見始めたのは雪組に異動してトップ娘役になってから。

特に退団前1年ぐらいは、初めて現役ジェンヌのFCに入ったり、宝塚大劇場に初めて遠征したり(爆)、お茶会にすら行っていたほどで、トップ娘役として円熟していくさまをリアルタイムで拝見してきました。

昨今の状況で退団が半年延び、2021年4月に退団し、今回の舞台が外部での初舞台。
雪組トップ娘役の時の相手役、望海さんが宝塚時代に演じられたこの作品、その相手役・マリアを外部初舞台に選ぶあたり、なかなかないポリシーをお持ちと改めて感じられる次第です。

演出の生田大和氏は彼女の雪組トップ娘役の最初の舞台(『ひかりふる路』マリー・アンヌ役)と最後のショー(『シルクロード~盗賊と宝石~』)を担当された”勝手知ったる仲”で、先生と生徒との関係でありながら、”先生をいじる生徒”という、娘役さんにはなかなかないことも言って、今回のドン・ジュアン役の藤ヶ谷氏をびっくりさせている(@パンフレット)のも、真彩希帆だなぁと(笑)。

きぃちゃんのマリアはとにかく天真爛漫で、前半は影の欠片もなく、女遊びを尽くしたドン・ジュアンが一目で墜ちる説得力が抜群。まさか、あのマリアが、あんな秘密を抱えているなんて、想像できるはずもないという見せ方に結果的になっているのは、不思議すぎる説得力でした。

歌が上手なのは以前から知ってはいますが、今回は得意の高音域の曲が少ないので、むしろまだパワーを残している感さえあり、それよりも雪組トップ娘役の後半期で培われた、全体を見渡すバランス力が流石です。場面ごとにどう光ればいいか、どこまで光っていいかを調整するのが本当に上手で自然。集団の中で強く光りすぎず、デュエットでは藤ヶ谷氏と抜群の相性を見せ、一人で歌い上げる新曲「愛してる」では持ち味を最大限に発揮する様は本当に頼もしくて。

マリアという存在は、恋敵のエルヴィラから言わせれば、決して聖人な人ではないのですが、ドン・ジュアンとマリアが惹かれあったのは、「自分に正直」という共通点だったのか、と思わせる不思議な説得力を持っていて、「なんだか分からないけど光ってる」という役どころがぴったり。

可愛いが正義な前半から、意思強く立つ後半への変化に至っては、彼女の本質的な漢前さが存分に感じられて、「戦わせて突っ走らせてこそ良さが際立つ」あたりは、真彩希帆マスターな生田先生の本領発揮(とても楽しかったであろう)で痺れまくりました。

本編でシリアスになり切ったと思いきや、カーテンコールではカンパニーみんな輪になって楽しそうで、そして、その真ん中にいる藤ヶ谷氏と真彩さんは楽しそうに笑いあっていて、ここのところ、本編ラストに落ちてくる薔薇を巡って遊んでる(主に真彩さんが拾う)あたりが面白すぎました。

あと見られるのは1回だけなのですが、DVDで映像に残るのが嬉しい限りです。

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