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2021年11月

『Natumi Kon 10th Anniversary Concert~Aimer~』

2021.11.28(Sun.) 13:00~15:45
ヒューリックホール東京
F列10番台(センターブロック下手側)

 昆ちゃん10周年コンサート2日目。

 まずはセットリストです。

●セットリスト
1.いつか/ロミオとジュリエット
2.On My Own/レ・ミゼラブル
3.虹のかけら
4.ワニの国の使者/コインロッカー・ベイビーズ
5.Pulled/アダムス・ファミリー
6.Hold On/シークレット・ガーデン
7.恋はいつも運命を変える/ロカビリー・ジャック

【ゲストコーナー・笹本玲奈さん】
8.憎しみの瞳/マリー・アントワネット
9.In His Eyes/ジキルとハイド
10.A New Life/ジキルとハイド
 (玲奈ルーシーソロ)

【回替わり曲】
11.私だけに/エリザベート

12.100万のキャンドル/マリー・アントワネット
13.I can do better than that/Last five years
14.(弾き語り)Give Way/ドッグファイト
15.Before it's over/ドッグファイト
16.命をあげよう/ミス・サイゴン
17.時は永遠に/美女と野獣

En 1.虹

 前日は海宝直人さんとの2回公演(うち1回は追加公演)でしたが、この日のゲストは笹本玲奈さん。

昆ちゃん「デビュー前から玲奈ちゃんのファンで客席から見ていたから、お呼びしていいか不安だったんですけど、仲良くしていただいているので、是非とお願いしました」

玲奈ちゃん「コンサートやるというのは聞いてて、誰が(ゲストで)出るのかな、と思っていたから、呼んでくれて嬉しかった!」

昆ちゃんの前半の衣装は白一色で、玲奈ちゃんの衣装は赤一色。

玲奈ちゃん「紅白みたいだね!」

下手側から出てきた玲奈ちゃん、そのまま話し出そうとして、昆ちゃんに「場所が(玲奈ちゃん)そっち(上手側)…」と突っ込まれて、照れ笑いしながら移動するのが笹本玲奈様、通常モード(笑)

玲奈ちゃん「10周年おめでとう!
 昆ちゃんは若いころからミュージカル女優を目標に努力してきて、私もミュージカル女優を目指して頑張ってきたから、辿ってきた道も似てて、本当に家族のように思っていて

昆ちゃん「そこまで言ってくれて本当に嬉しい」

…という、ハートとハートの往復状態なのを、客席がにやにや見つめる図(笑)

初対面は2013年のレミゼの稽古場。

昆ちゃん「(ロミジュリで)一緒だったいっくんが、私が玲奈ちゃんファンということを知っていたので、色々と(玲奈ちゃんに挨拶できるように)場を作ってくれて。(ファンであることを隠してドキドキしながら)『昆夏美と申します』…って挨拶して」

玲奈ちゃん「そうだったんだ!」

昆ちゃん「それから同じ役を何度もやらせていただいて、ついに共演出来たのが」

玲奈ちゃん「『マリー・アントワネット』で憎しみ合う役(笑)」

玲奈ちゃん「今年の『メリリー~』も恋敵で(笑)」

昆ちゃん「仲良い役やりたいー、姉妹とか。」

玲奈ちゃん「作品じゃなくても、最近3人組流行ってるから、3人でコンサートとかやりたいよね」

(会場の心の声 「3人目誰だ」(笑))

…ということを心の声じゃなく普通に言っちゃう笹本先輩、流石です。

昆ちゃんも玲奈ちゃん去りざま、「笹本先輩カッコいいです」と言ってるし(爆)

デュエット1曲目は当然のことながら『マリー・アントワネット』から「憎しみの瞳」。
玲奈ちゃんもパンフレットにも書かれていましたが「2人歌ってみたら、声だけだとどっちがどっちか、似すぎて分からない(笑)」で、この日は台詞もなく前奏からのパターン。

玲奈ちゃん「以前コンサートでソニンと歌ったことがあるけど、その時は台詞から入ったのね」

昆ちゃん「今回は前奏付けてもらったら、あれ、これ行けるじゃん!ということでこういうことに」
(演奏は昆ちゃんと大学の同期、桑原あいさんがバンドマスター。昆ちゃんは「ボス」と呼んでた笑)

ちなみにデュエット曲の選定では『Wicked』の「For Good」も候補に挙がったそうですが、
2人して「エモすぎて泣いちゃって歌えないから」という理由で却下だったそうで(笑)、いつかは聞きたいなぁ。

デュエット2曲目は昆ちゃんのリクエストで『ジキルとハイド』から「In His Eyes(その目に)」。
玲奈ちゃんはルーシーとエマ両役の経験者ですが、この日は玲奈ちゃんルーシーと昆ちゃんエマ。
これがすんごく良くて。声質が似てるのがここで生きるのか!となんだかとってもふわっとした気持ち。

昆ちゃん「エマやりたいです!ホリプロさんよろしくお願いします!」と叫ぶ(爆)
東宝芸能所属の昆ちゃんは今年ホリプロ作品に出てるわけなので(『メリリー~』)、決して無理な夢でもないわけで、玲奈ちゃんルーシーのうちにエマ見たいなーと思うわけです。友人じゃないし、関わるシーンないけど(また笑)

玲奈ちゃんがゲストに出たコンサートは複数回見てますが、歴代間違いなく一番リラックスしてて、過去一番、相手にラブラブ飛ばしてた(笑)。というか後輩女優さんに「呼んでいただく」というのが初の経験ですもんね。玲奈ちゃんはすっかりそういう立場になったんだなぁ、ということと、昆ちゃんも中堅どころの安定した女優さんになったんだなぁ、という両方の意味で「エモい」(2人とも言ってた爆)場でした。

ソロ歌い出し直前にイヤリングを落としても、微動だにせずに歌い始め、歌い終わったらすっと拾って、お着換えしてきた昆ちゃんに「イヤリング落としちゃったよー」と言う、そのリカバリ力の高さは相変わらず笹本玲奈様。WOWOWカメラを前にしても動じないんですもん。さすが若きベテランでございます(爆)。

昆ちゃんのこの日のMCはどれも素敵でしたが、10年間を振り返っての言葉が印象的。

「10年間、楽しいことも、辛いこともあったけど、ミュージカル、舞台を嫌いになることはなかった。
それは、『好き』という気持ちをずっと持ち続けられたこそと思っています。大曲(たいきょく)を任せていただくことに責任感を感じながら、これからも歌い続けていきたい」という言葉が、とても素敵でした。

この日のコンサートパンフレットには、デビュー時の演出家、小池修一郎先生はじめとした数多の方からのコメントが。特に小池先生からの叱咤激励は深いなと。この言葉を昆ちゃんが消化し体現する日が楽しみです。

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『ハウ・トゥー・サクシード』(2)

2021.11.20(Sat.) 18:00~20:55
 東急シアターオーブ 20列20番台(上手側)

2021.11.23(Tue.) 18:00~20;55
 東急シアターオーブ 4列10番台(センターブロック)

 昨年9月の公演以来、1年足らずでの短期間再演。
 前回は50%の座席制限があっての満席でしたが、今回は100%に戻っての満席ということで、その迫力に圧倒されます。

 今回の最大の変化は、何といってもローズマリーの役代わり。
 前回は笹本玲奈さん、今回は唯月ふうかちゃん。

 この作品は以前、東京芸術劇場(池袋)で上演され(2007年)、その時のローズマリーは大塚ちひろさん(現:大塚千弘さん)だったので、三代続けて推しさんが演じられるということになるのですが、推しさんから推しさんに引き継がれるときって(私見ですが)独特の緊張感があるんですよね。

 前の女優さんを好きであればあるほど、その時の思い出は深く残っているし、新しい方が推しさんともなれば、前の方を超えて欲しいとも思うし、なかなか複雑なのです。

 とはいえ、玲奈ちゃんが演じた役のうち、後に役を演じた女優さんで最多役数になるのがふうかちゃん。
ピーターパン、エポニーヌ(レ・ミゼラブル)、チャヴァ、ホーデル(屋根の上のヴァイオリン弾き)、そして今回のローズマリーなので実に5役目。
 イメージとしては昆(夏美)ちゃんの方が多そうに思えるのですが、昆ちゃんは4作(エポニーヌ、キム、マルグリット、ジャネット(来年上演))です。

 玲奈ちゃんの演じた役を継ぐことにおいては右に出る人がいないふうかちゃんなので、心配はしていませんでしたが期待以上。それでいて、玲奈ちゃんの空気を少しだけ残しながらも、ふうかちゃんの持ち味を出してくるのが流石で、今回のローズマリーもふうかちゃんの持ち味をきっちり出してきています。

 相手役のフィンチの増田さんの1歳だけ年上だったのに関わらず、お姉さん色が強かった玲奈ちゃんローズマリーに比べると、10歳近く若くなり、身長も10cm以上低くなったことで、フィンチとローズマリーの関係性の印象がかなり変わっています。フィンチをきっちり支える様に説得力があった玲奈ちゃんローズマリーに比べると、フィンチにベタ惚れな様に説得力があるふうかちゃんローズマリー。

 2人の違いで面白いのが、フィンチと出会い、彼が「付き合っている人がいない」と答えたときの「よっしゃ!」が絶妙に違って面白い。ふうかちゃんの方がよりコメディチックなんですよね。玲奈ちゃんはどちらかといえばリアル(爆)。

 前回の上演では本国から演出家・振付師が来日できなかったためリモートとなり、荻田先生が演出のメインでしたが、今回は来日できたため、本国verの演出・振付になっている箇所が随所にあります。
 振付は全体的にダイナミックになってますし、演出で好きなのはフィンチとローズマリーが両想いになる社長室のソファーで、2人してストンと下に落ちるところが可愛さ倍増です。

・・・

 物語としては昨年見たときと同様、「なんで今やろうとしたんだろうなこの作品…」という全く同じ感想で。

 社長が「土曜日に仕事するなんてわが社にはいない」とフィンチの働きぶりに感心して言うくだりがありますが、苦笑しか感じないわけですが、「厳密には他の人の仕事のことを誰も知らないぐらいの大会社なら、キーマンを見つけてのし上がるのは、ある程度のところまで可能」というのは、今の時代でもそれなりにありえそうではあります。

 とはいえ、ただ自分の成功だけ求めたフィンチが、窮地に陥ったら「会社はみんな家族」と言って、うやむやにするのはなんだかなぁと思いますし(苦笑)、ただ、それを「まぁ彼が言うなら」という、フィンチの演じる人柄が満たされてこそのこの作品なのだろうな、と感じたのでした。

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『真彩希帆チャリティートークショー』

2021.10.14(Sun.) 14:00~15:40
蕨市民会館コンクレレホール
つ列40番台(上手側)

蕨市PR大使を務め、今年度(令和3年度)「蕨市けやき文化賞」(第38回)を受賞された真彩希帆さんの地元凱旋のチャリティートークショー。
「夢を叶えるために」と題されたトークと歌の70分。

一般発売日の朝、寝坊したとはいえ、何とかラスト2枚目・3枚目を確保できたこのチャリティーコンサート。初出の話もたっぷりの、トーク60分、歌10分(笑)という、水一滴すら口にしない、情報量が物凄く多いトークショーで満足です。

歌は
1.すみれの花咲く頃
2.虹の彼方に/オズの魔法使い
En1.Part of your world/リトルマーメイド

の3曲。

M1とともに登壇され、いつも同様に美しい歌声を響かせてからは、ほぼずっときぃちゃん自身の一人語りで進行となります。

前半は小学2年生から中学3年生まで参加していた地元のミュージカルサークル「子供ミュージカル・ラビコ」での当時の動画をきぃちゃん自身が発掘して、ビデオから吸い上げた(笑)ものを見ながら当時の様子を語る趣向。なお、今回の「第38回けやき文化賞」はこのサークルを主催されている鈴木由美子さん(宝塚58期)とのW受賞で、きぃちゃん自身も「光栄で想像もしてなかったこと」と仰っていました。

彼女が元々男役志向だったことはご本人でも語られていますが、それゆえ「声がガッサガサだったんですよ、今までいろいろなインタビューで語っても一度も信じてもらえたことがないんですけど(笑)」からの、実ビデオを公開し、「ガッサガサでしたよね(笑)」という、実に貴重な映像を拝見させていただけました。

ちなみに声がガッサガサだった理由が、「クリスマス(12月)頃にやる年1回の公演の前に、運動会(10月頃)大好きな私が応援団で声を張り上げてたから」だそうで、規格外のきぃちゃんらしい話です(笑)

そして、この後に流された映像が、中学2年生の時に宝塚受験のために通っていた音楽スクールの発表会の映像。当時はまだ男役志望だったにもかかわらず、主役の女の子が怪我をしてしまったことで、急遽代役を任せられたそうで、「2週間であの大量の台詞と歌と演技を覚えられたのだから、後はどんなことでもできる」と思えるほどの経験になったとか。その後の娘役の片鱗をうかがわせる素敵な映像でした。

中学3年生で初めて宝塚を(男役で)受験し、書類審査で不合格となり、歌さえも聞いてもらえなかったことで、合格発表前の時点で「落ちました」と先生に話したそうで、その時思ったことが実にきぃちゃんらしい。

「今までの(男役を目指して)『男として生きた』8年を無駄にしてもいい
「本当の自分の夢が何なのか改めて考えてみた。男役として生きたい以上に、宝塚に入りたいという自分の夢に気づいた

その時に言われた言葉で、「夢は夢のままでは叶わない、夢は目標にしてください」と言われたことが心に残っているそうで、その新たな”目標”のために、「どんな子が受かるのか、自分が最初に受けたときの人たちをニュース映像とかで何度も何度も見返して、『死ぬ気でやれば自分にも何とかできるかもしれない』と信じて傾向と対策を探った」と。「宝塚を受けに来る子は自信がある子しかいないので、目標達成のためには『自分が受かった想像をする』」ということを心掛けたそうです。

「頑張った自分は、最大の味方」

という言葉は、流石です。

・・・

夢を叶えるためにきぃちゃんがやってきたことの一つとして「夢を公言する」ことがあったそうです。
中学校の学生・先生全員が自分の夢のことを知っていて、そうすることで応援してもらっていたし、また自身へのプレッシャーにもしていた、と。

「夢を持つことは自由、真剣さを周囲に認めてもらうことが大事」

と仰ったきぃちゃんは本当に輝いておられましたが、そのエピソードとして語られていたのが先日の『ドン・ジュアン』のときのエピソード。

「女性の彫刻家」というのが想像がつかなくて、ノミを借りて、稽古場でコンクリートを彫っていたのですが、当然彫れない(笑)。それを繰り返していたら、共演する女性アンサンブルさんが声をかけてくれたそうなんですね。「知り合いに女性の彫刻家さんがいて、声をかければ話を聞かせてくれるかもしれない」と言ってくれて、すぐに「会いたいです」と返事をして、話を聞かせてもらえることになって、役作りにとても助けになったと仰っていて。

「夢を叶えるためには、自分から行動することが大事」

という言葉の説得力が半端ないです。

・・・

そんなきぃちゃんのポジティブな思考を形作ったのが、両親ということでとても感謝されていました。

勉強では苦手なところもあったけれど、知識を入れるのは大好きで、本はたくさん読んでた。勉強よりも楽しいものを極めることを選ばせてくれて、そしてとにかく「できたら褒めてくれた」。だから悩んだときでもポジティブに切り替えてやってくることができた、と。「お子さんがお孫さんがいらっしゃる方は、お子さんの良いところを伸ばしてあげて欲しい、否定せずに褒めて伸ばしてあげて欲しい」と仰っていたことがとても印象的でした。

・・・

ここまでずっと60分近く、水一滴も飲まず楽しいトークを続けてこられたきぃちゃんが選んだ2曲目は、この日、東京宝塚劇場千穐楽で卒業される同期、98期(星南のぞみさん)への気持ちを込めての「虹の彼方へ」。98期初舞台のロケットの時の曲だそうで、離れた日比谷へ響くかのような温かい歌声がとても素敵でした。

アンコールは、この日の客層に家族連れが多いということで『Part of your world』。
その後は今回の「けやき文化賞」の受賞式(本来は3日でしたが、きぃちゃんは公演中のため欠席)が行われ、トロフィーを真似したポーズをとってみたり、相変わらずの自由(笑)

その上、「客席をバックに皆さんと写真を撮るのが夢だったんですっ!!!(笑)」と言い、「インスタにあげていいですかねっ」ともう自由自由(笑)。

「だって地元で嬉しいんですもんっ」とはしゃいでる姿を拝見でき、ただひたすらに「陽」のエネルギーと、そのバックにある真摯な努力家の姿勢を拝見できたことが何より嬉しかったです。

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『真彩希帆ディナーショー「espressivo」』

2021.11.9(Tue.) 14:00~15:30
第一ホテル東京
※配信 2021.11.7(Sun.)  18:45~20:15

 7月開催予定だったディナーショー、関西は予定通り実施されましたが、東京は延期となり11月7日~9日開催に。
 その最終日の昼公演(前楽)に行ってきました。ディナーショーと銘打ちますが、実際のところはアフタヌーンショーです(笑)。

 先週土曜日の11月6日に『ドン・ジュアン』マリア役の大楽を終えて、翌日の11月7日からディナーショーという、常人には理解しにくい(爆)規格外のスケジュールをこなすきぃちゃん。

 とはいえ、実際のところはきぃちゃん自身、『ドン・ジュアン』直後のディナーショーはかなり不安だったそうで、日曜日にあった配信でも、「(『ドン・ジュアン』で)ずっと低音で歌ってきたから、ディナーショーで高音が出るのか不安で仕方がなかった」と仰っていましたが、そんな心配など全く感じさせない歌声でした。

 まずはセットリストから。

●セットリスト
1.地上の天国/ONCE UPON A TIME IN AMERICA
2.Maiden Voyage/SUPER VOYAGER!
3.Melodie de Paris(パリのメロディ)/ファントム
4.Oh My Love/Music Revolution
5.革命の犠牲者/ひかりふる路
6.凱旋門/雨の凱旋門

7.愛の歌/皇帝と魔女
8.一度ハートを失ったら/ミー&マイガール

9.Friend Like Me(inst)/アラジン
10.夢はひそかに/シンデレラ
11.Part of your World/リトル・マーメイド
12.Journey to the Past/アナスタシア

13.(Secret Song~Maaya's selection)
 私だけに/エリザベート

14.My Everlasting Dream/Original
15.Home~You Are Music(inst)/ファントム
16.My True Love(わたしの真の愛)/ファントム

17.higher/アリージャンス~忠誠~

En1.おひさま/平原綾香

 M1からM6は、宝塚雪組トップ娘役時代の思い出の曲、ということでM2からはメドレーで。「ミュージックサロン『La Voile』でもサヨナラショーでも選べなかった曲を選んだ」と仰っていました。
 生で聞いたのが初めてなのはM5とM6(逆に言うと他は全部劇場で聞いてる)で、特にM5「革命の犠牲者」のマリー=アンヌはきぃちゃんの役の中でも一・二を争う大好きな役なので、あの痺れるような殺気、感じられて嬉しかったです。

 M7からM8は、宝塚音楽学校時代の思い出の曲、だそうで、M7は音楽学校文化祭の音源を流すにあたり「恥ずかしいので袖に捌けます」と言いながら、2番からは今のきぃちゃんで歌い継ぐ趣向。初期から歌上手で名を馳せたきぃちゃんですが、聴き比べてみると違いははっきり。

 「聞き手に届く歌を歌うにはどうしたらよいか」をずっと考えてきた、とご本人が仰っていて、恐らくはトップ娘役時代の怒涛の短い時間で、ご自身の高いハードルと、妥協なき相手役・望海さんが掲げるハードルで、歌に纏う空気が変わったことが感じ取れます。
 在団当時から「感情をただ歌うだけでは心は伝わらない」と思い続けて実践してきたとのことで、その環境が「ただの歌上手ではない」巧さを今、聞かせていただけるのだろうと感じます。

 M9(M10)からM12はディズニーソングコレクション。ご本人曰く、ヒロインというイメージが「歌はディズニー、人物像はジブリ」だったらしく(爆)、特に初期は「ヒロインヒロインした役は自分はほとんどなかったので」、実質的に初ヒロインだった『鈴蘭』(バウホール公演)の稽古であまりにジブリ風ヒロインで演じていたら、演出家の先生(樫畑先生)から「(苦笑しながら)そこまでジブリ風に演じなくていいから、きぃちゃん自身として演じて」と突っ込まれたとのことで、エピソードが本当にどれも面白い(笑)

 とりわけM12の「Journey to the Past」の『アナスタシア』アーニャはとても素晴らしくて、エネルギッシュな役どころがイメージぴったり。いつか是非拝見したい役です。

 M13は回替わりの3択多数決コーナーで、選択肢が

  A.On My Own/レ・ミゼラブル
  B.命をあげよう/ミス・サイゴン
  C.私だけに/エリザベート

 でこの回はおそらく圧倒的多数で「私だけに」でした。

 「周囲の挙手の様子とか見ていたら影響されると思うので、下を向いて手だけ挙げて」という指示が新鮮すぎて噴きました(笑)。
 なお、配信があった日曜日は、あまりに挙手が僅差だったので、「私だけに」の後に「On My Own」も歌われましたが、火曜日昼は「私だけに」のみでした。(月曜日には「命をあげよう」も歌われたそうです)

 この3役だと、役柄的にはエポニーヌやキムというタイプではないと思いはしますが、いつか本役で巡り合えたらいいな、と思います。

 M14はミュージックサロンでも歌われたご自身作詞のオリジナル曲。「退団を控えたころと今では、この曲を歌っているときの感情が違って」と仰っていたのが印象的。

 M16の『ファントム』の時に話していただいたのが、先ほどの望海さんとの話。
 感情をこめて歌ったら、望海さんから「気持ちが伝わってこない」と言われて悩み、今度は一つ一つの感情を積み木で積み上げたように作り上げて歌ったら、望海さんから「今日はとても伝わった」と言われたり、そんな一つ一つの気づきや経験で歌を作ってこられた、と仰っていたのが印象的でした。

 M17「higher」は退団公演に臨むにあたっての鼓舞する曲として見つけた曲とのこと。作品では濱田めぐみさんが歌われた曲ですが、めぐさんとまた違った雰囲気で聞けて嬉しかったです。いつかはめぐさんと同じ役をやる日がきたりするのかな。

 アンコール「おひさま」の歌声はとても優しくて、会場内一人一人を見つめて歌いかけてくれる様が本当におひさまのようで。
 曲終わりを受けたMCで、「みなさん心も身体も健康で、またお会いしましょう」と言っていただき、最後はサプライズでステージ上から退場をお見送りいただけた、その両手お手振りの笑顔も眩しかったです。

・・・

 宝塚在団当時、お茶会は東京で2回、兵庫で1回参加していて、MCのスピード感は知っていたので、久しぶりに、本当に楽しそうに話されている姿を拝見し、誰よりも自らに厳しい姿を目の当たりにし、それでも、今を楽しそうに過ごされている天真爛漫な様を拝見できたことが、何より心に「おひさま」が灯る、素敵なディナーショーだったのでした。

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『et-アンド- Monthly LIVE 2021「RGB」 ~#0000FF#~』

 2021.11.5(Fri.) 18:30~19:45
 新宿KeyStudio B列10番台(上手側)

 アンド、3か月連続ライブの3回目。

 先月に続いてこの日も【定時上がりを固く心に誓って出社。数多の障害対応やら雑事やらを、かなり無茶して終わらせて、開演30分前に何とかKeyStudioにたどり着いたときには、なんだか「定時上がりのゲーム」をクリアしたかのような、謎の爽快感に満たされました(笑)】

 ↑の文が先月と全く一緒という(笑)。唯一違うのは到着が先月より10分早かったことですが、頑張った甲斐はある素敵なライブをこの日も見せていただきました。
 色違いのテーマ、今回は「#0000FF」ということで「青」です。

●セットリスト
1.Newton
2.Matryoshka
3.僕は君が好きだ
4.Blue bird
5.fragile/Every Littile Thing
ー「Newton」PV
6.BIBIBI
7.#tokyo
8.Eenie,meenie,miney

En1.My Dream
En2.holoholo
En3.Alright

前月から比べると、前回M6だった「僕は君が好きだ」がM3に繰り上がり、新曲の「holoholo」がアンコール2曲目に入ったこと。あと一点重要なことがありますが、それに触れるのは後にすることにしましょう。

野島樺乃ちゃんの心地良い高音から始まり、それに重なる栗本優音(ゆい)ちゃんの高音が心地よい「Newton」から始まるライブ。1曲目はスマホ縦型動画のみ撮影OKということで、舞台に向かってスマホが大量に向けられる様は、et-アンドのライブでは日常の風景になりました(笑)。
2人が突破口を開いて、モラレスきあらさんがラップはじめ技でさざなみを広げ、グループ最年長の山崎カノンさんがふわっとした柔らかい空気感で和らげ、違う4人の個性がいつの間にか集まっていく、というのが「et-アンド」のグループとしてのカラーかなと思います。

なんとなくの印象ですが、曲ごとに2人がメインを担当して、残り2人が比較的自由に動き回って曲の世界を広げるのを最近の曲には感じていて、「Newton」は(野島)樺乃さんと(栗本)優音ちゃん。新曲の「holoholo」は(山崎)カノンさんと(栗本)優音ちゃんといった感じ。
かと思えば、「Blue Bird」のように前方で(モラレス)きあらさんがいる間、後ろ3人めっちゃ楽しそうにしてるパターンもあったり多種多様です。

この日のライブで印象的だったことが、進行役である樺乃ちゃんのMCがとってもハイテンション(笑)。
思えば先月も先々月も、アンドのライブではどうしても台本通り、まじめな性格を反映したものになっていましたが、本格活動も丸4か月ともなると勝手知ったる仲というのか、MCからも仲の良さが感じられます。

最初のパートは

野島「最近有線で良く『Newton』がかかってて、昼公演の後もALTAの前でかかってたみたいで」
栗本「聞きに行こうかと思っちゃった」
野島「街で流れてきたら『これいい曲!誰の曲だろう?』って言いたい(笑)」
きあら「それね」
的なMCわちゃわちゃ発動。見守る系のカノンさん(爆)。

かと思えば

野島「のんの携帯めちゃくちゃ大きいじゃん。もはやパソコンだよね」
山崎「(笑)」
野島「パソコン使って(文章)打ってるのとか見てたら、羨ましくて、女子大生だ!ってきゅんとしてた
きあら「『きゅん』って古い言い方だね(笑)
野島「そっか(笑)」

野島「で、『私もパソコン欲しい』って言ったらスタッフさんが『野島がパソコン?』って(疑問形で)言われて
きあら「機械音痴だもんね
野島「そうそう(笑)」

野島「優音はよくファンの方に『いいね』したり、コメント返したりしてるよね」
栗本「うん、してます」
野島「偉いよね。それってどんな感じなの?」
栗本「ちょっとした空き時間とかがあると、SNSとか見て『にやにやしながら』いいねとか返事してる」
きあら「たしかにニヤニヤしてる(笑)」

とかやってた空気が、微笑ましくて楽しくて、お互いの距離が縮まっているからこそMCも弾むし、歌とまた違った魅力がライブに厚みをもたらしている感じ。

・・・・

今回のセットリストで印象的なのは、前回までは入っていた樺乃ちゃんのソロ曲「夢の在処へ」がなくなったこと。アンドのライブでは必ず入っていた曲ですが、今回は「Newton」のPVに置き換わる形でなくなって。

聞きたかった思いは勿論あるのですが、どちらかというと今回通しで聞いたときに、ようやく「ソロがなくて自然」になったように思われました。「夢の在処へ」が昇華して、(アンドのライブとしては)「My Dream」がその役割を果たすようになったのかと思うと、「今この4人で組んでいる意味」がより分かりやすくなったライブのように思えました。

あとM6以降の後半の印象が「Newton」のMVで使われていた白基調の衣装でとっても素敵。
ダンスも皆華麗にこなすので、見栄えして素敵です。

3か月連続のワンマンライブは今回で一区切りの予定でしたが、この2日前の11月3日の名古屋ボトムライン公演、そして次は12月24日に再び、新宿KeyStudioで開催されます。

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『ソーホー・シンダーズ』(1)

2021.11.3(Wed.) 14:00~16:30
 東松山市民文化センター 19列30番台(センターブロック)

 再演のプレビュー初日、埼玉県は東松山市まで行ってまいりました。

 「都内から1時間」と言っても、池袋から東武東上線で東松山まで50分かかるので、そこから毎時2本のバスで5分ほど、と上手く乗り継いだ場合の時間なので、ちょっとした旅気分。
 バスを乗り継いでたどり着いたホールは、秋の澄み切った青空に映えるレンガ色の建物が印象的です。

 この作品の存在を知ったのは2020年2月、草月ホールで行われた『W FACE CONCERT』。レポこちら この時に綿引さやかさん(びびちゃん)が出演されたので見に行って、そこでびびちゃんはマリリンパートを担当されていました。普段は「この作品に出たい」とは仰らないタイプのびびちゃんが、『ソーホー・シンダーズ』については「曲が素敵」「ぜひ出たい」と仰っていたのが印象に残っていて、再演で出演が発表されたときに、驚くとともに嬉しかったのを覚えています。
 この時共演されていた豊原江理佳さん、西川大貴さんが初演キャストだったわけで、それ以来の再会、ということになります。

・・・

 コンサートでは2曲しか聞けていなかったので、今回全編通して音楽を聴けたわけですが、期待以上に曲が良く、聴いていて自然にわくわくする高揚感があって。ホールの音響はちょっと微妙だったので歌詞が聞こえにくいところは正直あったのですが、曲の良さでカバーしてたイメージ。

 作品の舞台はロンドンの「ソーホー」という街。この街で、亡き母から受け継いだコインランドリーを営むロビーは、義父の連れ子である双子の姉妹にいじめを受けている…という「シンデレラ」を下敷きにした物語。店で働くヴェルクロと、お客であるサイドサドルは彼のよき理解者。
 そのロビーは経済界の大物、ベリンガム卿に気に入られ資金援助を受けているけれど、ロビーには本命の恋人がいて、ロンドン市長選に立候補しているジェイムズ。そのフィアンセがマリリン、選挙参謀がウィリアム、スタッフがサーシャ、という人物関係。

 で、ロビーを巡ってベリンガム卿とジェイムズが鉢合わせすることとなり、事態が露見して…

 といったあたりが一幕。

 当然ロビーもベリンガム卿もジェイムズも男性なわけで、その三角関係が露見すれば、上へ下への大騒ぎになるのは必然なわけで、二幕はそんな事態の露見から、どう話が展開していくかが自然に作られていて、いい感じ。

 1幕はその事態が露見する前ということなので、ジェイムズ演じる松岡さんと、びびちゃんのマリリンのデュエット、M6「Remember Us(いつでも二人で)」がうっとりするほどバランスが素敵。二人は以前からの知り合いで、ロンドン市長選に出るジェイムズと、フィアンセのマリリンの関係は衆知のものなので、市長と市長夫人となっても自然な、その収まり具合が素敵です。

 それでいて、事態が露見してからのマリリンの立ち振る舞いがとても人間的で。ジェイムズを大上段から責めてもおかしくないところに、少しの本音(「みんなのいるところでは話を聞きたくない」と震えながら言うさまは本当に心に響きました)と、それでも必死に感情を抑えて振舞うさまに心惹かれます。

 迷い悩み苦しみ、それでたどり着いたコインランドリー。サイドサドルが見守る中、ヴェルクロの優しさに救われ、自ら道を決めていくさまが女性としてとても素敵で。弱い脆さと、強い立ち直りを見せてくれる。そしてジェイムズにも責める時にも少しの余白を持たせているところが、「強い中に優しさを決してなくさない」びびちゃんの女性としての人間力が反映しているように感じられて、これからのツアー公演・東京公演での役の進化がとても楽しみです。衣装もとても素敵で、「デキる女性」で着こなしがどれも良くて、ドレスだったりネグリジェだったり、それに弁護士ということもありパンツスーツの似合い方が素晴らしい。立場的には上から見下ろす感じになってもおかしくない立ち位置なのに、全くそれを感じさせないのが、流石です。

 豊原江理佳さん演じるヴェルクロとの芝居の相性がもう抜群で、マリリンからヴェルクロへの恩返しも、とても素敵でした。

 この後はツアー公演(名古屋、山口、香川、大阪、神奈川)を経て、東京は11月25日から12月12日まで、紀伊國屋サザンシアターです。

 

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『ドン・ジュアン』

2021.10.23(Sat.) 18:00~21:10
 赤坂ACTシアター 1階X列30番台(上手側)

2021.10.31(Sun.) 13:00~16:10
 赤坂ACTシアター 2階G列20番台(センターブロック)

元宝塚雪組トップ娘役、真彩希帆(まあやきほ)さんの退団後初舞台。

彼女の存在を聞いたのはもう4年以上前、星組在籍当時で「歌の上手い娘がいる」と教えてもらったのが最初ですが、その時はなぜか自分の琴線に触れず、実際見始めたのは雪組に異動してトップ娘役になってから。

特に退団前1年ぐらいは、初めて現役ジェンヌのFCに入ったり、宝塚大劇場に初めて遠征したり(爆)、お茶会にすら行っていたほどで、トップ娘役として円熟していくさまをリアルタイムで拝見してきました。

昨今の状況で退団が半年延び、2021年4月に退団し、今回の舞台が外部での初舞台。
雪組トップ娘役の時の相手役、望海さんが宝塚時代に演じられたこの作品、その相手役・マリアを外部初舞台に選ぶあたり、なかなかないポリシーをお持ちと改めて感じられる次第です。

演出の生田大和氏は彼女の雪組トップ娘役の最初の舞台(『ひかりふる路』マリー・アンヌ役)と最後のショー(『シルクロード~盗賊と宝石~』)を担当された”勝手知ったる仲”で、先生と生徒との関係でありながら、”先生をいじる生徒”という、娘役さんにはなかなかないことも言って、今回のドン・ジュアン役の藤ヶ谷氏をびっくりさせている(@パンフレット)のも、真彩希帆だなぁと(笑)。

きぃちゃんのマリアはとにかく天真爛漫で、前半は影の欠片もなく、女遊びを尽くしたドン・ジュアンが一目で墜ちる説得力が抜群。まさか、あのマリアが、あんな秘密を抱えているなんて、想像できるはずもないという見せ方に結果的になっているのは、不思議すぎる説得力でした。

歌が上手なのは以前から知ってはいますが、今回は得意の高音域の曲が少ないので、むしろまだパワーを残している感さえあり、それよりも雪組トップ娘役の後半期で培われた、全体を見渡すバランス力が流石です。場面ごとにどう光ればいいか、どこまで光っていいかを調整するのが本当に上手で自然。集団の中で強く光りすぎず、デュエットでは藤ヶ谷氏と抜群の相性を見せ、一人で歌い上げる新曲「愛してる」では持ち味を最大限に発揮する様は本当に頼もしくて。

マリアという存在は、恋敵のエルヴィラから言わせれば、決して聖人な人ではないのですが、ドン・ジュアンとマリアが惹かれあったのは、「自分に正直」という共通点だったのか、と思わせる不思議な説得力を持っていて、「なんだか分からないけど光ってる」という役どころがぴったり。

可愛いが正義な前半から、意思強く立つ後半への変化に至っては、彼女の本質的な漢前さが存分に感じられて、「戦わせて突っ走らせてこそ良さが際立つ」あたりは、真彩希帆マスターな生田先生の本領発揮(とても楽しかったであろう)で痺れまくりました。

本編でシリアスになり切ったと思いきや、カーテンコールではカンパニーみんな輪になって楽しそうで、そして、その真ん中にいる藤ヶ谷氏と真彩さんは楽しそうに笑いあっていて、ここのところ、本編ラストに落ちてくる薔薇を巡って遊んでる(主に真彩さんが拾う)あたりが面白すぎました。

あと見られるのは1回だけなのですが、DVDで映像に残るのが嬉しい限りです。

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