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2021年9月

『サテンドールミュージカルシリーズ』

2021.9.18(Sat.) 14:00~15:10
2021.9.18(Sat.) 17:00~18:15

六本木サテンドール
昼公演/Dブロック、夜公演/Aブロック

六本木の老舗ジャズライブレストラン「サテンドール」で始まった「サテンドールミュージカル」シリーズ、今回が2回目とのこと。
2日間で各2回公演の両日とも泉見洋平さんがメイン司会を務め、この日は高橋由美子さんがゲスト。

まずはセットリストです。

●セットリスト
1.ショーより素敵な商売はない
 /アニーよ銃を取れ(高橋)
2.One Song Glowly/RENT(泉見)
3.サラへ
 /ダンス・オブ・ヴァンパイア(泉見)
4.終わりのない音楽
 /MOZART!(高橋)
5.夢やぶれて
 /レ・ミゼラブル(高橋)
6.カフェ・ソング
 /レ・ミゼラブル(泉見)
7.The Last Night of the world
 /ミス・サイゴン(泉見・高橋)
8.一歩ずつ/オリジナル(泉見)
9.友達でいいから(高橋)
10.夢の中へ/井上陽水(泉見・高橋)

由美子さんはいわゆるミュージカルライブに出ることはほぼなく、ホールでは何度か出ていますがこのクラス(本来は100人収容ですが、今回は50席のみ販売で、配信を併用)のミュージカルライブはほぼ初めてということもあり、昼公演は特にガチガチに緊張されていて、普段ならあり得ない「スリリング」(夜公演で昼公演のことをご本人が喩えて曰く…笑)なことも起きていました。

M1とM2は「ミュージカルと本格的に関わるきっかけになった2曲」で、由美子さんはM1のアニ銃(1997年、新宿コマ劇場)ですが、実際には演じたアニー・オークリーが歌った曲ではなく、皆が歌っている作品のテーマ曲のような曲なので、歌うのは初めてとのこと。泉見さんも同様に自身が役で歌った曲ではないとのことでしたが、どうしてどうして、どちらも流石な出来でした。

M3とM4は「本格的にミュージカルをやっていこうと思った作品の2曲」で、泉見さんはV!の曲。「ヴァンパイアの墓を調べに行く助手の相手、教授が(自分が演じていた当時は)市村正親さんで、日々違う問いかけに鍛えられたとのこと。由美子さんが挙げたM!の「終わりのない音楽」もパパであるレオポルトは同じく市村正親さんで、「毎回新鮮なことを投げかけようとしてくださる」と市村さんのことを評されていました。400回以上歌った「終わりのない音楽」も、実は自身が卒業してから初めて歌われる(2011年の金沢が大豪雪の大雪だったので10年ぶり)ということで、昼公演はまさかの歌えなくなるハプニング発生。

夜公演でそのことに語って曰く、「役の上で歌うということだと何の違和感もなくできるけれど、自身として歌っているのか、役として歌っているのか分からなくなってしまって、ポンと飛んでしまった」と仰っていて、そういうところはこういったミュージカルライブの経験が少ないからなのでしょうね。

M5とM6は2人の初共演作『レ・ミゼラブル』から代表曲1曲ずつ。泉見さんと由美子さんは2003年『レ・ミゼラブル』(7~8月公演。2004年1月博多座)、2004年『ミス・サイゴン』(8月~11月公演、2人は10月まで出演)、2004年『SHIROH』(12月公演。2005年1月梅田芸術劇場)と一年以上一緒だったこともあって、当時は「帝劇の住人」と化していて、公演終わりにそのまま(9階の)稽古場、ということもあったそうです。

今はこのご時世、そんなこともできなくなってしまったと仰っていましたが、お2人の話で印象的だったのは「前向きな思い出話ができるのはいい」とお互い仰っていた点。
最初はミュージカルを目指していたわけではないという2人の共通点(泉見さんはもともと歌手、由美子さんは元々アイドル)だけれど、ミュージカルを目指して、本腰入れようと思える作品に出会えて、「あの時があるから今がある」と言われている姿は印象に残りました。

M7は共演作だけれども一つも接点がない(というかこのお2人、3作で共演して3作品とも役としての縁がゼロという笑)『ミス・サイゴン』からのデュエットは、

泉見さん「この曲がなければ、僕も撃たれずに済んだし、
 由美子さんも泣かずに済んだという曲です」

由美子さん「自分の旦那が寝言で隣で他の女の名前を呼ぶってそうとう堪えますよ(苦笑)」

という、「泉見クリス&由美子キム」での「世界が終わる夜のように」。由美子キムは今さんとこの曲でデュエットされたことがあるので2回目ですが、この曲調に由美子さんの声質合うんですよね。
2人歌い終わった後、「この曲って(歌うのに)凄いエネルギー要るよねー」と言い合ってて納得(爆)。

・・・

今回、泉見さんからのお声がけで由美子さんが登場することになったのですが、なんとなく、泉見さんにとって「自身のミュージカル歴を同時代の空気感で話せ、歌える相手」ということで選んでいただいたのかな、という感じ。ど緊張の昼に比べれば夜は由美子さんが完全に脂が乗った状態で(爆)。

泉見さん「『SHIROH』も革命的な作品だったよね」
由美子さん「だよね。ロック風だったし、来てくれた両親も驚いてた」
泉見さん「(由美子さんの演じた)寿庵も凄い動いてたじゃない」
由美子さん「うん、今、あのキレはない(笑)」

…(爆)

2人の歩みの話から、由美子さんの先日の30周年コンサートの話題を泉見さんが出して下さり。

泉見さん「30周年コンサートを記事で拝見しましたが、ご自身としてはどうでしたか」
由美子さん「そうですね、『10年前、20年前…に、高橋由美子を応援していて感じてくださっていた気持ちを思い出していただければ、という思いでやってやりきれたので、自分自身としては大成功です』

という言葉が由美子さんご自身から出されたことが、何より幸せだったのでした。

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『小南満佑子オペラ&ミュージカル』

2021.9.15(Wed.) 18:45~19:50
第一生命ホール(晴海)
11列20番台(上手側)

第一生命ホールで開催されている「645コンサート」(平日18時45分開演の1時間コンサート)、今回は小南満佑子さんがゲスト。今回ホールの20周年記念も兼ねたイベントになります。

仕事帰りのサラリーマンをターゲットにしているということもあり、いつもの劇場と違って仕事帰りの自分が浮かない(爆)という、年齢層高めの客席。観たところは7割方埋まっているように見えました。

このホールは晴海トリトンスクエア内にあるホールですが、思った以上に遠かった…。

普段はクラシックで使われることが多いこのホール、クラシックをあまり聞かない自分にとっては実は初めてのホールで、てっきり名前からして日比谷にあるものとばかり思っていて前日に焦るという(笑)。
結局、行きは勝どき駅から入り、帰りはホール前の晴海三丁目バス停から晴海埠頭発四谷駅行きの都バス(03系統)で有楽町に抜けました。

・・・・

まずはセットリストから。

●セットリスト
1.Sound of Music/Sound of Music
2.だったらいいな/マイ・フェア・レディ
3.踊り明かそう/マイ・フェア・レディ
4.私が街をあるけば/歌劇「ラ・ポエーム」より
5.Think of Me/オペラ座の怪人
6.私の侯爵様/喜歌劇「こうもり」より
7.Part Of Your World/リトルマーメイド
8.彼を帰して/レ・ミゼラブル
9.愛した日々に悔いはない/コーラスライン
En1.You Raise Me Up

クラシック向きのホールに響き渡る、オペラ、ミュージカル、そしてオペレッタの数々。
ジャンル違いを並べても、ほとんどシームレスに歌い継いでいくのが凄い。どのジャンルも、綺麗なソプラノがホールに響きます。オペラとオペレッタはスタンドマイク、ミュージカルはハンドマイクでしたが、ハンドマイクは歌声がくぐもって聞こえたので、このホールにはちょっと合っていなかったのかなと。700人収容のこじんまりとしたホールなので、むしろノーマイクでミュージカルの方が(インパクトもあって)良かったかもしれません。

歌の間に挟まれるMC、曲紹介はサクサクと進んでいきますが、ちょいちょい間に挟まれる、関西弁と満佑子ちゃんおなじみの派手な大笑い(初めての人にはインパクト大…笑)が独特の「Mayuko World」を形作っていきます。MCで曰く、友人に「満佑子って独特の世界あるよね」と言われるそうで、「半分納得、半分心外」みたいな空気を漂わせつつ、ファンクラブ(オンラインサロン)の名称にしてしまうぐらいなので、まぁ納得しているのでしょう(爆)。

後で振り返ったら晴海「トリトン」スクエア内のホールで満佑子「アリエル」が爆誕してて噴きました(笑)。

選曲で何より驚いたのはM8「彼を帰して」。レミゼでバルジャンがマリウスの帰りを祈り、神にささげる歌ですが、コゼット役として「バルジャンがマリウスの無事を祈ると同じとき、コゼットも家でマリウスの無事を祈っていた」というところからの選曲というのが凄い。「今ツアーで回っている仲間のことも思って歌いました」という言葉にもとても深いものを感じました。

この曲を女性が歌っているのを聞いたのはまゆちゃんが2人目で、1人目は新妻聖子さん。2015年のよみうり大手町ホールでのコンサートでした。聖子さんはエポニーヌなので、まゆちゃんの思いとはまた違うのだと思いますが、選曲にしてもMCにしても、よどみない曲紹介にしても、2人は何気に似ているような印象を受けています(笑)。SOMとかオペラ座とか、歌える方の歌いたい曲は大体似通うという。

この日はオペラとミュージカル、そしてその中間と言われるオペレッタを行きつ戻りつの構成ですが、オペレッタのうちの1曲、M6「私の侯爵様」はあの「こうもり」です。2016年の宝塚星組「こうもり」新公で演じたのは、春に宝塚を退団した真彩希帆さん。ミュージックサロンでも歌われたばかりでしたから、なるほどオペラ専門の方が歌うとこうなるのね、と興味深く拝見しました。

MCで語って曰く、実はまゆちゃんがこのホールに立つのは2度目だそうです。6年前、18歳の時にニューヨークのジュリアード音楽院の声楽のオーディションで立ったそうで(ちなみにこの時、最優秀賞を受賞→記事こちら)。

「あまた並ぶ経験豊富な皆様の中に立ってど緊張していた自分が、まさかホール20周年のイベントに呼んでいただけるなんて」と喜んでいて、人に歴史ありというか、頑張れば道が開かれることもあるんだなぁ、と実感。

「このような時にも関わらず見に来ることを選んでくださった皆様、そして今日おいでになれなくても心を寄せてくださる皆様、皆様のおかげでステージに立つことができていることを、益々感じる日々」と仰っていた姿は輝いていて、1時間があっという間の素敵なコンサートでした。

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『et-アンド- Monthly LIVE 2021「RGB」 ~#FF0000#~』

2021.9.3(Fri.) 16:00~17:15
 新宿KeyStudio C列2桁番台(上手側)

2021.9.3(Fri.) 18:30~19:45
 新宿KeyStudio B列1桁番台(下手側)

●セットリスト
1.Newton
2.Matryoshka
3.Blue bird
4.fragile/Every Littile Thing
5.夢の在処へ(野島樺乃ソロ)
6.#tokyo
7.BIBIBI
8.僕は君が好きだ
9.Eenie,meenie,miney

En1.My Dream
En2.Alright

 久しぶりの同一演目マチソワは7月にデビューした女性ボーカルグループ「et-アンド-」の初ワンマンライブ。6月末にSKE48を卒業された野島樺乃(かの)さんがリーダーを務めるグループ。

 思い返せば4月21日、DMMで見ていた樺乃ちゃんの卒業発表で初めて公表された「&(当時の表記)」、そして6月14日、SKE48劇場で最初で最後の樺乃ちゃん、3rdソロライブで初めてお披露目された4人の歌唱。

 そんな経緯をたどっていたので、この日も午後休を取って、マチソワ両方見てきました。

 昼の部は「et-アンド-」の名実ともに初ワンマン。夜の部は樺乃ちゃんの10代最後のライブ、ということで理由を付けて(爆)。たまたまの結果として昼は上手端、夜は下手側だったので、上手いことバランス取れて良かったです。

 場所は新宿駅東口のALTAの7階。定員としては220人のライブハウスですが、客席1席開けての配席だったので、恐らく半分ぐらいの席数。ある意味広く感じるので、ありがたい面もあったりする不思議な感じ。

 昼は3曲、夜は2曲がスマホ縦映像限定で動画撮影OKという、面白い試みで実施されたこの公演。昼夜とも2ndシングルの「Eenie,meenie,miney」(M9)と、初お披露目の「Newton」(M1)、昼はそれに加えて1stシングルの「#tokyo」(M6)が動画撮影可でしたので、SNSに多数上がっています。

 4人の声の特徴がはっきり違うので、それぞれの曲の声の重なり合いで色々な空気が変わってくるんですね。比較的ソフトな歌声の山崎カノンさん(最年長)、高音が印象的な栗本優音さん(最年少、ミュージカル経験あり)、ラップからパワフル系まで守備範囲広いモラレスきあらさん、そしてサビならお任せあれなリーダー、野島樺乃さん。

 4人がそれぞれお互いを見やりながら、遠慮なく自らの個性を出せている姿は、まだそれぞれ遠慮がちな面も見られたお披露目(6月14日SKE劇場)とはずいぶん違って、樺乃ちゃん自身が昼公演で仰っていましたが、「1か月間4人で毎日レッスンをして、『もっとこうすれば成長できる』とそれぞれが考えることを、それぞれが言葉にして、皆で共有してディスカッションした」ことがいい方向に作用している印象を受けました。

 歌声と言えば度肝を抜かれたのが、この日唯一のカバー曲となったM4「fragile」。AVEXの先輩で、20年前にリリースされたこの曲を、パワフルなボーカル、(野島)樺乃さんと(モラレス)きあらさんがメインで歌われたのですが、呆気にとられる完成度に圧倒されました。

 オリジナルではM8「僕は君が好きだ」のエネルギッシュな感じもとても良かったし、アンコール1曲目の「My Dream」の歌詞が素晴らしくて(樺乃ちゃんが作詞した3曲のうちの1曲)、素敵な歌声との重層効果に酔いしれました。

 そして何より驚いたのはM5「夢の在処へ」。この曲は樺乃ちゃんが「AKBグループ歌唱力No.1決定戦」第1回優勝者特典としてプレゼントされたソロ曲ですが、まさかグループに属してからも歌われるとは思っていなくて、意外すぎて、それでいて当たり前のごとく深くなっていて、うるっときました。

 というのも、それこそこの曲を生で聞いたのは過去2回(今年3月の「AKBグループ歌唱力No.1決定戦」第3回ファイナリストライブと、6月14日の3rdソロライブ)ですが、それはあくまで「SKE48の」野島樺乃さんのソロ曲だったわけで、でもそのソロ曲は、「et-アンド-の」野島樺乃ちゃんとしても歌えているというのは、普通で考えて当たり前に実現できることでは本来はなくて(事務所が変わっていないので権利関係がそのまま引き継がれている)。

 そういう面ももちろんですが、SKE48卒業を経て「et-アンド-」の立場でもこのソロ曲を歌われたというのが、「付いてきてくれてありがとう」という思いを受けて、更に感動的でした。

 夜の部の樺乃ちゃんのMCも素敵で。

「去年の今頃の私たちは『分からない何か』に向けて必死でレッスンを積んでた。その頃の私たちは、今日こんな素敵なステージがあるなんて思ってもいなかった。それは決して当たり前なことじゃない。これからもっと大きくなるために「et-アンド-」みんなで頑張っていくけれど、いつまでも今日のこのライブを忘れないでいたい」と仰っていたのが印象的で。

 昼公演のアンコールでは実はちょっと涙ぐんでた、きあらちゃんにつられて、樺乃ちゃんもうるっときていたけど、夜公演はきあらちゃん曰く「夜は泣かない」と宣言してましたが、樺乃ちゃんのそのコメントに、「歩み系は(泣けちゃうから)ダメだってーー!」と言って、樺乃ちゃんが「歩み系、(ここで)欠かせないじゃん」とばっさり返してる関係性が面白かった(笑)。

 関係性と言えば、結構MCが樺乃ちゃん比率高く(多分90%以上笑)、夜にカノンちゃんに感想を振ったら「楽しかった」って帰ってきて、「昼と同じじゃん」と高速で突っ込む芸を身に着けていたリーダーに笑いました。実は一番しっかり者なのではな優音ちゃんとの関係性も面白い。

 4人がそれぞれお互いとコンタクトしながら、でも自分の個性はまっすぐ届けようとするさまは、ファーストワンマンライブの今日でさえその萌芽が見えていたのは頼もしい限りでした。

 同所でのワンマンライブは次回は10月1日(金)、その次は11月5日(金)です。

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