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『Now.Here.This.』(2)

2020.12.6(Sun.) 13:00~14:45
2020.12.12(Sat.) 13:00~14:45
 博品館劇場 R列1桁番台(センターブロック下手側)

 あっという間に東京公演も今日(13日)で終演。
 スケジュール上、東京公演の最後を見とどげることはできませんでしたが、Team Water、何とか3回観劇することができました。
 チケット難で当初はどうなることかと思いましたが、幸い当日券枠を主催のチケットスペースさんが数席持っていてHPで販売していただいていたため、何とか日程調整が叶い、2回目・3回目と希望の日程で見ることができました。

 これから旅公演(埼玉・大阪・愛知)ですが、ネタバレを含みますので気にされる方は回れ右でお願いします。




 よろしいですか?

 では、参ります。

 3回見て思った”キーになるシーン”、4人組の中のキャリアウーマン、Team Waterでは小此木麻里ちゃんが演じたスーザンが携帯電話の電源を切るシーンです。
 彼女は生まれ育った環境に大きな劣等感を持っている女性で、だからなのか人一倍、私心を抑えてまで仕事に生きているように見えるわけですが、その象徴が携帯電話。旧友の4人が古代史博物館にやってきたこの日に至っても、携帯電話の着信には応えるし、メールの受信も気になって仕方がない。
 ノリだけで動いているように見えるハンターが、実はしっかりと、さりげなく諫めているんですが聞く耳を持たない。

 この作品は、古代から現代にいたる歴史、その中における人類の進化を、登場人物それぞれの歩みと重ねながら振り返らせるかのような趣向になっていますが、【スーザンが携帯電話を切る】というのは大きなトピックスになっているということを、2回目見たときに感じました。

 携帯電話というグッズは、電話をかける側の都合でできているものなので、受ける側の都合は基本的に考えられていないもの。スーザンは「携帯電話を受けないと自分は仕事で失格の烙印を押されてしまうのではないか」という強迫観念ゆえに携帯電話の電源を切れないのだと推察されるわけですが、他の3人から集中的に電話を切るように促されると、観念したかのように携帯電話の電源を切ります。

「私が電話に出なくても誰かが死ぬわけじゃないしね」

そう言ったスーザンの表情はとってもすっきりしていて、それを受けてびびちゃん(綿引さやかさん)演じるハイジが言う

「いい日だね」

という言葉は、すごく優しくて、すごく心に入ってきて。

 携帯電話を気にし続けるスーザンのことを、他の3人は気になってはいたわけで。意地悪く言うのであれば、「自分たちよりも仕事を気にしている」ことは、きっと心の片隅に棘として刺さっていただろうし、それ以上に【他者に振り回される自分】を鏡写しにされているような様って、3人にとってはいたたまれないさまだったんじゃないかと思うんですね。

 それでも、いくら親友でも、自分の間違いは他人が直すべきじゃなく、自分が分かるしかないと3人は感覚的に分かっていて、スーザンが携帯電話の電源を切ったとき、初めて【スーザンが自分たちと本当の意味で向かい合ってくれた】という思いと、【自分たちも他者に振り回されてきた】という思いが同時に浮かんだんじゃないかと思えたんですね。

 人は自分が望むようには望むものを手に入れられなくて、でも他方、他人から見れば、その人の持っているものは羨ましくてたまらなかったりする。ハイジが【お金があっても幸せになれるとは限らない】と言ったのに対して、スーザンが【それはお金を持っている人だからこそ言える台詞】と返しているのは、仲良し2人の中にも、果てしなく広がる闇があるんだなと思えて残酷だなと思えたり。

 それぞれの立場の違いはあるけれども、同じように自分の過去を振り返る1日を過ごせた【かけがえのない仲間】の気持ちの通じ合い。

 他者に振り回されない、【かけがえのない自分】になるために必要なのは、【自分らしさを持って】【かけがえのない仲間】とともに今を生きること。

 過去のDNAからは逃れられない、未来の運命があるのなら逃れられないかもしれない。
 人間という観点でいえば、環境の変化に応じて変容しなければ、エコサイクルからはじき出されてしまうかもしれない。

 いつかは博物館の鳥のように剥製の中に囚われる未来が、人間にもあるのかもしれないけれども、そうならないように【人間として】も、【自分として】も、今を生きることが大事なのだろうなと、そう考えさせられる作品だったのでした。

 音楽はどれも素敵で、とりわけ、びびちゃんがラストで主旋律(「今ここで夜明けを迎える♪」)を担当する「This Time」が好き。
 (英語版音楽→youtube

 あ、女性3人がお立ち台ダンスする「GET INTO IT」も大好きです(音楽もダンスも)。
 (英語版音楽→youtube

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