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『ジャージー・ボーイズ』(5)

2020.7.20(Sat.) 18:00~20:00

 配信(Streaming+)


2020.7.24(Fri.) 18:30~20:30
 帝国劇場 1階K列30番台(上手側)

 新型コロナウィルス感染拡大に伴い中止が相次いでいた舞台興行ですが、この7月から順次再開。この作品『ジャージー・ボーイズ・イン・コンサート』が帝国劇場での再開作品になります。

 元々シアタークリエで初演・再演された『ジャージー・ボーイズ』ですが、当初発表されていた本作品での帝劇公演は中止が発表され、その後、帝劇再開作品としてコンサートバージョンで公演されることが決定

 当初は7月20日に初日を迎えることになっていたものの、公演初日直前に帝劇係員の方に新型コロナウィルス感染が判明し、急遽7月20日から21日は配信のみに切り替えとなり、7月23日から劇場公演としての再開。2月の『SHOCK』以来、148日目の再開とのことです(あっきーがカテコで言ってました)。

 初日延期は正に英断だったと思います。「保健所からは公演実施に了解を得ている」とはいえ、あくまで他者の判断。どうしても不安が先行する昨今では、興行主である東宝さんが「自らの」判断として初日延期を判断されたことは適切だったと、初日チケットを持っていた私としてもそう思います。今は「より安心」を指向せざるを得ませんし。

 四季4つに分けて物語が進むのは本作品と同じですが、出演キャストがフォーシーズンズ4人はフランキー・ヴァリのあっきー(中川晃教さん)以外は2人ずつ。経験者1人と新キャスト1人のペアが基本。
 後方で過去の舞台映像を流しながら進んでいき、初演・再演キャストのまりゑちゃんも映ったりします。

 とはいえ、さすがに初見の方への説明としては尽くしきれてはおらず、その辺りは将来の帝劇初演(!)に期待といったところ。

 配信だとどうしても見たいアングルが見えなかったりするので、劇場で見て「おおっ」と思ったのは、「永遠の愛」であっきーフランキーが歌うとき、びびちゃん(綿引さやかさん)と(小此木)まりちゃん「だけ」にライトが当たっていない!ことに背筋が寒くなりました(言い方笑)

 びびちゃんが作品内で演じるのはフランキーの妻・メアリー。イタリアからの移民で自らも居場所を見つけられていなかった、フランキーの2つ年上のメアリーは、フランキーと恋に落ち、娘フランシーヌをもうけます。それでいて家庭を省みることに不得手なフランキーとは喧嘩が絶えず、最後は別れることになります。

 翻ってまりちゃん演じるのは記者のロレインで「聡明な女性」として描かれ、フランキーにしてみれば「メアリーとの『悪夢』(メンバー談)」からの心の隙間を埋める女性として登場します。コンサート版ではロレインがフランキーに愛想を尽かしていなくなることまで描かれていませんが、その2人ともをライトから外して、「真実の愛」ではなかった、という見せ方が流石藤田さん、と感じました。

 コンサート版の見所としては何といってもエンジェルスのシーン。
 フォーシーズンズのコンサートの最初の出し物として人気急上昇の女性3人グループ「エンジェルス」を登場させるパートなんですが、ここ、前回まではセンターにるんさん(遠藤瑠美子さん)、下手側が(小此木)まりちゃん、上手側がまりゑちゃんだったんです。でも、まりゑちゃんは今回パルコ劇場で三谷さんの作品に出てるので出られない、そして女性キャストは今回3人だけ…。

 ここから導き出されてお目見えした結論が「びびちゃんがエンジェルス入り」でした。びびちゃんは前回まではまりゑちゃん演じるフランシーヌのお母さん(メアリー)だったので、「母が娘の仕事を継いだ」ことになりますが(笑)、若い素敵なお母様が、娘以上にノリノリでやっている姿があまりにしっくりきて超ツボに入りました(爆)。

・・・

 今回、期せずして帝国劇場の再開作品になった『ジャージー・ボーイズ・イン・コンサート』。配信ではそこまで感じずに、劇場で見て強く感じたこと。

 『ジャージー・ボーイズ』の作品の中でフォーシーズンズは殿堂入りを果たし、「これはどんな賞よりも価値がある。それは、一般大衆がくれたものだから」と言うくだりがあります。

 この言葉を帝国劇場で聞いたとき、この作品が帝国劇場の再始動、東宝演劇の再始動に選ばれた理由、それが分かった気がしたのです。

 まだ何一つ解決していない世の中で、舞台の幕を上げることが果たして正しいことなのかもわからない。
 舞台を観劇することができない人もいる中で、観劇することが果たして良いことなのかもわからない。

 でも、それは当事者が、不断の最善の努力・協力をもって乗り越えない限りは越えられない壁だし、帝国劇場に集った、観客役を含む『ジャージー・ファミリー』が一体になった拍手の熱量こそが、「観客が演劇を欲する」体現であったように思えて。その熱さが配信という形で、「舞台を見たくても見られない」立場の方に一人でも多く伝わる機会になるのであれば、そこに「幕を上げる意義」があるのではないかと思えたのでした。


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