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『ロザリー』(2)

2020.3.4(Wed.) 18:30~21:25
六行会ホール(新馬場)
C列10番台(センターブロック)

『ロザリー』3演目の初日、行ってきました。

先月後半以来の新型コロナウィルスの影響により、次々と公演が中止(切り上げ、開演延期)になる中、ミュージカル座さんは対策を講じての開幕を決断されました。

具体的にはマスク着用(持参できない場合は主催者が準備とのことでしたが、おおむね来場者持参だったように見えました。)と劇場内ロビー設置のアルコール消毒液による手洗い奨励の実施。500人クラスの六行会ホールだったからこそできたという考え方もありますが、現状を鑑みると一つの考え方として納得して向かいました。

同作品は2演目の2016年10月、同じ六行会ホールで拝見しており今回が2回目。その時はロザリーが浦壁多恵さん、マリーアントワネットは清水彩花さん。

今回はロザリーが綿引さやかさん(びびちゃん)、マリーアントワネットが尾川詩帆さん。詩帆さんがパンフレットでも(期待通り)触れられていますが、びびちゃんと詩帆さんは小中高の先輩後輩で今回が初共演になります。(ちなみにびびちゃんの先輩が声優の高垣彩陽さん)

「ロザリー」といってもミュージカル好きの方でないとどんな方か分からない感もあるかと思いますが、フランス王妃・マリーアントワネットが死刑執行になる直前まで収容されていたコンシェルジュリー監獄の牢番とされている実在の女性。

とはいえ、東宝版MAに通い詰めた身からすると(爆)MA再演を経て見た『ロザリー』は、MA再演にかなり似ていて(時系列逆ですが)、マリーアントワネットをただ愚かな女性としてだけで描いていないのが現代的。

共通点がまるでないはずのロザリーとマリーアントワネット。貧しい農家に産まれ、大切な人を次々と失い、自分の大切なものも失ったロザリー。ハプスブルク家から自らの意思がないままにフランス王家に嫁ぎ、表面的には栄華を謳歌した末に、全てを失ったマリーアントワネット。生きることに絶望しながらも生きてきたロザリー。そして、生きることに何の疑問もなく生きてきたマリーアントワネットは自らの死を前に自分の人生が何だったのか、その虚無に直面している。

出会うはずのない2人が、出会ったことで結びつき、「お互いの人生が意味のないものではなかった」と思い合う姿を見られたことは、びびちゃん&詩帆ちゃんペアだったこともあって、何だかとても重く深いものに感じました。2人の歌声を重ね合うパートが欲しかったなぁ。「憎しみの瞳」ほどぶつかり合わなくてもいいけど(爆)。

役者さんで印象的だったのは男性では木暮さん。実質的なロザリーの想い人にあたる方ですが、まっすぐを貫き通した結果、ロザリーが革命に対して疑念を抱くようになるピースとしてとっても光ってました。

(坂口)湧久くんも縦横無尽の大活躍。新聞売りの先導役が水を得た魚状態で怖いです(笑)。

そして水を得た魚状態といえば、かの有名なジャンヌは、月組は井坂茜さん。もう反則級の飛び道具で、あの時代を生き抜くための強かな生命力と小悪党感が最高です(←一応ですが褒めてますw)

マリーアントワネットの尾川詩帆さん。AWARDでもひめゆりでも拝見しているので初めてではないですが、先にびびちゃん主演が発表されたときに、予想&期待いずれもから挙げたのが詩帆さんだったので、今回拝見できて嬉しい。
未熟ゆえに貴族社会で孤立し、時代の波の中、フランス国中から孤立していく様は、滑稽な様を含めて、説得力をもって伝わってきました。

そして久しぶりの主演、ロザリーの綿引さやかさん。本来の持ち味のお嬢様的なポジションから一転して、革命を鼓舞するエネルギッシュな役回りをしっかりとこなされていて流石です。良い意味でそれぞれの登場人物と物語をしっかり作れる方なので、一人のパートでもう一段エネルギーが前面に出るともっと良くなるかなと思いました。

とはいえ、特別な思いで迎えたであろうこの日のカーテンコール、詩帆ちゃんとひしっと抱き合い、カンパニーみんなで手をつなぎ、舞台0番で笑顔でお辞儀をされたびびちゃん。そしてカンパニーの皆さまを見られて、本当に舞台初日が開けられて良かったなぁ、と心から胸をなで下ろしたのでした。

振り返ると、公演前日にびびちゃんが「みんなの笑顔が増えてきた」と呟いていたのもとても頼もしくて。
主演として、カンパニーをしっかり見れてるんだなと。

大変なときにみんなをまとめることができるのは、中心にいる人の笑顔と自信と存在感
それが、今この作品を続行できる原動力の一つだと実感できたのは嬉しかったです。

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