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2020年2月

『W FACE CONCERT』

2020.2.21(Fri.) 19:00~20:40
2020.2.22(Sat.) 17:30~19:10

草月ホール SA列20番台(下手側)

シーエーティプロデュースさん主催のミュージカルコンサート、2日間3公演が大盛り上がりのもと終演しました。

初日は固さもあってアンコールがなかったのに、千秋楽(21日夜)に至っては、アンコールが「ミュージカル俳優の集まりなのに、あろうことか締めが不協和音(笑)by西川氏」とのことで、ダブルアンコール。客席総立ちでの舞台上&客席一体のRENTが最高すぎました。

メンバーは男性3人、女性2人。
一色洋平さん、西川大貴さん、内藤大希さん、
豊原江理佳さん、綿引さやかさん。

シーエーティ作品に出演されたことがあるのは西川さん、内藤さん、豊原さん。一色さんと綿引さん(びびちゃん)は未出演です(びびちゃんは4月~5月の『EDGES』が初出演)。

というわけで、まずはセットリストです。
セットリスト付きの当日パンフ有り難い!
制作さんの良心と熱意を感じます。

●セットリスト
 1.心の瞳/坂本九(一色)
 2.Moving Too Fast/The Last Five Years(一色)
 3.A Miracle Would Happen
 ~When You Come Home to me
 /The Last Five Years(内藤・綿引)
 4.wishing For The Normal/ソーホー・シンダーズ
 (西川・豊原)
 5.Old Compton Street/ソーホー・シンダーズ
 (全員)
 6.SARU Don't Think/(愛おしき)ボクの時代
 (全員)
 7.愛を教えて/(愛おしき)ボクの時代
 (西川・豊原)
 8書きかけの小説/DAY ZERO(内藤)
 9.白日(西川)
10.愛燦燦/美空ひばり(豊原)
11.Butter-Fly/デジモンアドベンチャー(内藤)
12.Green Green Dress/tick,tick...BOOM!
 (一色・豊原)
13.30/90/tick,tick...BOOM!
 (一色・西川・豊原)
14.心は愛に溢れて/レ・ミゼラブル
 (内藤・豊原・綿引)
15.オン・マイ・オウン/レ・ミゼラブル(綿引)
16.神よ何故?/ミス・サイゴン(西川)
17.Seasons Of Love/RENT(全員)
18.ひかり(綿引)

アンコール(22日夜のみ)
19.Seasons Of Love/RENT(全員)
20.Seasons Of Love/RENT(全員)

まずは一色さんが登場し、弾き語りの『心の瞳』でスタート。その演奏の間にびびちゃんが上手側から入ってきて聞き耳を立てます。演奏が終わったら、「はじめまして」のご挨拶。

「綿引さやかさんですよね?」
「一色洋平さんですよね?」
と会話しあう2人。知り合いの演出家さんのスタジオにやってきて自主練がかち合う、という設定です。

2曲目L5Yで派手に踊りまくりながら歌う一色さんを見るびびちゃん、千秋楽では「どれだけ回っているのかなと思って数えてたら12回回ってましたね」というMCが面白すぎました(笑)。

そして他の登場人物も集まってきて、お互い「はじめまして」や「お久しぶりです」のご挨拶に。
一色さんは全員が初共演、それ以外の方は1人共演経験があるという感じ。
一色さんも去年クリエ作品(『ラブズ・レイバーズ・ロスト』)に出たので「ミュージカル俳優ということで!」と和気藹々モードに。

この5人は皆さん拝見したことがあって、一色さんはキャラメルボックスに客演したときに「身体能力凄いなー」と思っていたので、久しぶりに拝見できて楽しかったです。ストレートをずっとされてきた方なので芝居の軸がしっかりしてるので、歌っても歌だけで上滑りしないのがよくて。内藤さんが「『RENT』や『L5Y』とか合いそうですよね」と仰った言葉に同意です。

西川さんは進行役のびびちゃんにまで「西川『先生』」と呼ばれてましたが(笑)、色々な意味で「自由を求める」タイプなのかなと今回感じました。少し大人になった部分はあっても、遊び心は決して忘れない、みたいな。

内藤さんはいい意味で大人になられましたよね。やんちゃというイメージをずっと持っていたのですが(西川さん以上に懐に入り込むのが巧みというイメージ)、先月出られていた『シャボン玉とんだ、宇宙までとんだ』を経験されたことで、一回りも二回りも大きくなった印象です。

豊原さんは唯一、今回の5人の中で「意識して拝見したことがない」方で、『タイタニック』は作品として拝見したものの、意識しては見ていなかったので、今回が実質初見。パワフルな歌声が印象的で、とりわけ『(愛おしき)ボクの時代』の「愛を教えて」の気持ちの入り方が素敵。このコンサートでは演出の西川さんとのデュエットというスペシャルバージョンでした。

そして、綿引さやかさん(びびちゃん)。レミゼの「心は愛に溢れて」からの「オン・マイ・オウン」はブランクの欠片も感じさせない、現役感たっぷりのエポニーヌ、素晴らしかったです。『RENT』では一色さんとともにソリストパートでしっかり曲をリードし、『ソーホー・シンダーズ』ではマリリンパートだったそうで新鮮、そして『ひかり』は締めに相応しい、感情籠もった、これ以上ない歌唱でした。

「人は弱いから時には前に進めなくなるかもしれない。それでも前を見ればみんながいて。色々大変なことがある今だけど、それでも前を向いて進んでいけると思えたら嬉しい」とのMC、そしてそれに続くびびちゃんの優しく強い歌唱は、まさに今のエンタメが直面していることへの、一つの「ひかり」そのものに思えたのでした。

歌の面だけでなく、進行面でもびびちゃんは進行役を担当。男性陣3人はいずれもなかなか油断ならないタイプ(何をするか分からないタイプ)笑、ですが3人の「喋りたい具合」を上手に捌き、突っ込みたい内藤さんが突っ込まれたい一色さんをいじり、突っ込みを省エネしたい西川さんを時に引き込み、先輩ばかりで当初は緊張が見えた江理佳ちゃんにも頼りにいく様は頼もしすぎて。

綿坊(西川さん命名、W FACE内だけの愛称らしい笑)
「『ソーホー・シンダーズ』いい曲多いですよね!I-TUNESで配信されたらいいですよね」
西川さん「ぜひアンケートに書いてください。アンケート大事です」
江理佳ちゃん「『ソーホー・シンダーズ』は舞台では音源でやったので生バンドは今回が初めて。ぜひ再演では生バンドでやりたいです!」

そして、バンドさんも客席もみんな笑顔で「良かった」と言っていられるのも、壇上のキャストさんがみんな笑顔で、その楽しさが伝わってこそ。

「W FACE」という”二面性"をテーマにしたコンサートでしたが、それでもキャストの人となりが素敵だったからこそ「どっちを切り取っても素敵」で、その様を拝見できたことが、とても嬉しかったです。

 

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『星の王子さま』

2020.2.11(Tue.) 13:00~14:55
東京芸術劇場シアターイースト
22列10番台(センターブロック)

水戸から始まった再演も、東京はこの日の翌日で千秋楽。あとは兵庫の2回公演を残すのみのこの作品。

初演では日程的にどうしようもなく泣く泣く見送ったこの作品ですがようやく再演で拝見。
本来であれば2回拝見できる予定だったのですが、やんごとなき仕事の事情でこの回1回きりとなってしまいました。

翌日同所で開催された「伊礼彼方の部屋」で興味深い話もたくさん聞けたわけですが、そちらはクローズドですので、そちらの内容にはあまり触れずに感想を。

・・

「星の王子さま」で昆ちゃん、と聞いたときにまず最初に感じたのが、「見た目も中身もぴったり」という印象でしたが、それは見終わった後もひとかけらも変わりません。

初演以来2年経ってしまって、初演ではありのまま出来たことも、作り上げる大変さがあった、と昆ちゃんは仰っていましたが、その苦労を感じさせないほどのフィット感がありました。

「星の王子さま」の作品内で有名すぎるほど有名な台詞に「大切なものは、目には見えない」という言葉がありますが、この日の舞台を拝見していて、「大切かどうか、目には見えない」のではないかと感じて。

他の星から地球にやってきた王子さまは、ずっと「何か」を探し続けるために、いろいろな場所を巡り、いろいろな人に会い、そして地球に降り立った1年後の日を前にして、サハラ砂漠で出会い、墜落直後だけに気が立ってる飛行士と、でもなぜだか通じ合っていく2人。

狭い世界の中だけで生きていた自分から、友人を知り世界を知り、優しさを知り温かさを知り、人を思いやることを知っていく。

キツネとの出会いはとりわけ王子さまの心と視野を広げていって、かけがえのない関係を築いていく様は、客席から見ても一緒に旅をしているかのよう。王子さまの旅は、「何が大切か知らなかった王子さまが、体験を通じて『大切なものが何か』を知っていく物語」に思えました。

突っ張っているようで、優しさに溢れた伊礼さん演じる飛行士。
暖かさと経験を併せ持った、素敵な大人を演じた廣川さん。
そして大人になることも悪くない、と思わせてくれる「成長する」王子さまを体現した昆ちゃん。
(大人になりたくない、というピーターパンとは違うベクトルの役に思えます)

一人一人のアンサンブルのキャラクターが立っていて、演奏するお2人も演じることがある場で、あたたかい音楽に包まれた空気感が何より素敵で、無理に物語の結論を1つに収斂させているわけではない進行に懐の広さを感じました。

きっと正しく大人になることって大変なんだろうなと感じたし、そして正しさなんてそもそも人生に付けるべき修飾句としては違うと思うし。

でも登場人物メイン3人を中心に、「生きる」ことへのポジティブな思いを感じさせてくれる、大人向けの作品。
それでいて、これから大人になる人たちへは一つの道標として見てほしい作品に思えて。

理屈から見ても面白くて、感覚で見ても面白い。そういう作品の一つとして、ぜひ3人、昆ちゃん伊礼さん廣川さんのライフワークとして上演され続け、色んな方の目に触れて、心を暖かく照らして欲しい作品です。

この後は2月15日・16日に西宮北口、阪急兵庫県立芸術文化センターにて上演されます。

 

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『CHESS THE MUSICAL』

2020.2.5(Wed.) 18:30~20:50
東京国際フォーラムホールC
3階4列20番台(センターブロック)

梅芸主催公演で、大阪・梅田芸術劇場から始まったこの公演。
自身の宝塚遠征とわずか3日ずれて組み合わせられず、my初日は今日までずれ込みました。

前評判通り「凄い」の一言。
圧倒される空気感、黒で統一されたアンサンブルさんの衣装が時代の威圧感を感じさせます。

チェスの世界選手権の対戦がアメリカとソビエト連邦、時は冷戦時代。
ともなれば、その対戦は対戦主の単純な争いに止まらず、2大大国の代理戦争の意味も持ってくる、そういう物語。

この物語で大きく感じたのは「駒」の存在。
チェスにおいて盤上で動く「駒」の意味ももちろんですが、登場人物それぞれがどう生きるか、「駒」としてそれぞれがどうあるべきか、それを強く感じて。

大国の代理戦争に巻き込まれ、チェスでの戦いだけだったはずが、家族、そして恋愛まで含めて、平常心を乱させるようなソビエト連邦の策謀家モロコフ(増原さん素晴らしい)の様に、主人公アナトリーは押されていく。

<以下ネタバレあります>





印象的だったのはラストのアナトリーの人生の選択の後ろに写る空港の出発ボード。

あなとりー(ソビエト連邦代表)はチェス選手権で優勝した後に亡命。対戦相手のセコンドで、大会後もしばらく行動をともにしていたフローレンスと一緒に行くか、それとも妻・スヴェトラーナと国に戻るか。

空港の出発ボードは、
2つの行き先だけが搭乗受付中。

8時30分発のニューヨーク行き、

8時55分発のモスクワ行き。


主人公が取った選択肢は、ニューヨーク行きを「見送って」、モスクワ行きに乗ること。

冷戦時代のソビエト連邦から一度は亡命し、チェスの力量があるとはいえ、また家族を人質に取られているとはいえ、亡命を取り消してソビエト連邦に戻る決断はすごく重く感じて。

大国の代理戦争に巻き込まれ、今後自らが駒のように動かされるのだとしても、それでも駒として必死に生きる決意を感じて、とても納得するストーリーでした。

衣装黒一色のアンサンブルさんも、この作品の「大事な『駒』」として存在していて、統一性がありながらも、一人一人が一人一人の個性を纏って駒として生きる様は、正にプロの仕事と感動しました。

びびちゃん(綿引さやかさん)の定番ポジションは、シュガーさんの直下向かって1人下手側(つまりアンサンブルさんの最上段下手端)でした。エンディング時は最前列下手端。

個人的には領事館のシーンが面白い動きしてて好きです(笑)←ここは上手から2人目

・・

冷戦時代、代理戦争といった事柄は普段使わない部分の頭の細胞(笑)を使ってとても新鮮。

字幕を見ながら場面を追うのは、正直大変でしたが、字幕を見て引きで見ないとやっぱり難解ではあるので、まずはストーリーを理解した上でオペラグラスで細部を見ることをお勧めします。

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『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』

2020.1.31(Fri.) 13:00~16:00 2階1列L1桁番台
2020.2.1(Sat.) 11:00~14:00 1階22列40番台
2020.2.2(Sun.) 11:00~14:00 1階25列1桁番台
宝塚大劇場

昨年初夏の『壬生義士伝/Music Revolution』以来のムラ遠征。

雪組さんは最近極度のチケ難で東京でも確保が覚束なかったことと、きいちゃん(トップ娘役・真彩希帆ちゃん)のお茶会があるということで遠征を決めました。

前回は宝塚以外も組み合わせて(青山郁代ちゃんのお芝居とセット)ですが、今回はただひたすらに宝塚に染まりました(笑)。

前回遠征したときも思いましたが、東京宝塚劇場より横にゆったりしていて、客席とロビーは日生劇場に近い印象ですが、舞台は厳しさと優しさを兼ね備えた、帝国劇場に似た印象を感じます。

今回の作品は小池先生演出ということで、よく考えたらあれだけ東宝で小池先生演出を拝見していたのに、宝塚の舞台で拝見するのは今回が初(笑)

トップスター望海さんの男役の色気に感動し、1幕ラストで初恋の人・デボラに求愛して実らなかったのに、いや、だからこそのどうにもならない絶望感と、天を仰いで途方に暮れる様の格好良さと来たらないです。

そしてきいちゃん演じるデボラも、ユダヤ人の移民の中から、アメリカで這い上がるために芸事に励み磨き上げ、自らが輝いていく。
ただ、その努力は裏切られないけど、運命には恵まれないんですよね。

幸せに包まれるのはデュエットダンスとカーテンコールだけなことが多いだいきほペア。
今回もご多分に漏れず、不幸こそ輝くだいもん(望海さん)と、笑顔がトレードマークなはずなのに、悲劇率めっちゃ高いきいちゃん(希帆ちゃん)。

それだけに、2人が時を隔てて再び巡り会い、静かなときの中でお互いが少しだけの幸せを、かけがえのないものとして確かめ合う様は、2人の心の通じ合いの確かさを感じて、素晴らしかったです。

ダイナミックな存在感のだいもんと、笑顔がトレードマークなきいちゃん、でも、静の芝居でこその呼吸の合方こそがまさに相方。

呼吸が合うからこそ芝居も、歌も、デュエットダンスも常に絶妙な距離感で噛み合う。
そしてきいちゃんのソロも静かな様は闇に染み入る繊細さ、そしてダイナミックな衣装に埋もれない存在感が素敵でした。
あの衣装に着られないって凄い。

そんな様が見られたことに、改めて感動に包まれた、大満足の今年初遠征になりました。

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