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『ボクが死んだ日はハレ』(1)

2019.10.2(Wed.) 19:00~21:40
赤坂REDシアター K列1桁番台(センターブロック下手側)

2017年11月に初演され、この日が再演初日。
シンガーユニット「ハレバレハレルヤ」三女格にびびちゃん(綿引さやかさん)出演ということで、再演初日を見届けにいってきました。

キャスト6人中、4人までが続投。
ユニット長女格の浦嶋りんこさん、次女格の小野妃香里さん、マネジャー役の上野哲也さん、りんこさんの息子役の百名ヒロキさん(この作品の初演が初舞台)が続投で、プロデューサー役の彩吹真央さん(初演は文学座の高橋紀恵さん)、そして三女格の綿引さやかさん(初演は笠松はるさん)が新キャストになります。

※少しくのネタバレを含みます。
気にされる方は回れ右でお願いします。



かつて一世を風靡した三人の女性がプロデューサーによって、今集められ。
「スポットライトを浴び、第一線にいた人には他の人にないものがあるはず」と語るプロデューサーの言葉に、それでも前向きになりきることはできない三人。

そんな中、一番のキャリアを持つ、りんこさん演じるミミの様子がおかしい。リハーサル中にいきなり眠ったりするのだが、検査しても何の異常もないという。

それなのに、メンバーが飲みに誘っても「息子が家で待ってるから」と言って断るミミ。でも小野さん演じるSHOKOは訝るのだ。
ミミの息子さん、ひかるは1年前に事故でこの世を去っているはずなのだ…。

いきなり組まれたユニットとはいえ、今の仲間の異変を何とかしたいと苦悩する皆。そんな中、マネジャーがもってきたとあるグッズをきっかけに、びびちゃん演じるかおりは、ひかるとの接点を見いだす…。

かつて天才子役として喝采を浴びた過去を思わせるように、ひかるとの思いの通じ合いを経ながら、年長であるミミやSHOKOに遠慮するのではなく、自分なりに歌うことで3人のハーモニーを高められることに気づいていくさまが魅力的で。

びびちゃんはデビューが早い女優さんではないので、子役で喝采を浴びた経験もないわけなので、そうなったらいいなぁ、の思いとともに演じられているようにも見えて。それでいて、経験を重ねるほど、迷いを持たざるを得なくなる自分、という姿はそれこそ今の彼女とリンクする部分もあるのかなと思いました。

演出の石丸さち子さんは表面的な演技を決して許さない人だと思うし、初演から続投のひかる役、百名さんとの空気がとても良くて。

何だろう、お互いに「自分のことをわかってくれる人がいるんだ」という喜びに満ちて、2人とも同じ人(ミミ)を大事に思っていて、自分が何とかしてミミの力になりたいと思っている。その軸がひかると、かおり(歌織)とでしっかりと握れていたから、本当に暖かい空気に感じられました。

大切な人を失ったとき、「いない」のに「いる」、という言い方が自分は好きで。
大切な人との思い出は、決して無意味になることなんてなくて。
忘れようとすると苦しくなってしまうけれど、時と仲間がそれを癒してくれる。

過去を否定して未来を絶望するより、過去を受け入れて未来の糧を見いだす大切さを、この作品から感じさせてもらった気がします。

1回だけでは感じ取れるものがまだまだ足りなかったこの作品。あと2回拝見できるので、新たな視点でも見られるのがとても楽しみです。

DVDも発売されます。びびちゃんのこんなシーンは見られるとは!な垂涎のシーンもあり、見返せることにワクワクしかありません。

 

 

 

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