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2019年10月

『らららクラシックコンサート』

2019.10.26(Sat.) 18:45~20:50
サントリーホール
1階13列30番台(上手側)

NHK-Eテレ(旧教育テレビ)で放送されている『らららクラシック』のコンサートver、今回はミュージカル特集。

この日は昼と夜の2回公演。
が、昼の部の幕間あたりの情報がツイートされ出すと何か空気が変。
出演されている新妻さん関係で何かあったことが伺われましたが、極力気にしないようにして久しぶりのサントリーホールへ。

昼公演を観劇されていた知人とも会いますが、あえて話を出されないのが有り難いと、終演してみて感じました。

まずはセットリストです。

●セットリスト
<Act1>
1.Overture
2.~マスカレード~/オペラ座の怪人
 (別所・海宝・新妻・咲妃)
3.メモリー/キャッツ(咲妃)
4.世界が終わる夜のように
 /ミス・サイゴン(新妻・海宝)
5.I Still Believe(新妻・咲妃)
6.君の瞳に恋してる
 /ジャージー・ボーイズ(海宝)
7.Dream Girls/ドリームガールズ
 (マリーシャ・咲妃・サラ)
8.And I am telling you I'm not going
 /ドリームガールズ
 (マリーシャ)
9.somewhere/ウェストサイド物語
 (別所・咲妃)
10.エーデルワイス
 /サウンド・オブ・ミュージック
 (別所)
11.I could have danced all night
 /マイ・フェア・レディ
 (サラ)

●Act2
12.A Whole New World/アラジン
 (海宝・マリーシャ)
13.陽ざしの中へ/ノートルダムの鐘
 (海宝)
14.Can you feel the love tonight
 /ライオン・キング
 (別所・マリーシャ)
15.Defying Gravity/ウィキッド
 (咲妃)
16.I will always love you
 /ボディガード
 (マリーシャ)
17.Never Enough
 /ザ・グレイテスト・ショーマン
 (サラ)
18.彼を帰して/レ・ミゼラブル
 (別所)

●Encore
E-1.民衆の歌~People's song
 /レ・ミゼラブル(全員)

というわけで、構成が小林香さんということもあり、大満足のセットリストだったわけですが。

M4、新妻キム&海宝クリスの夢の組み合わせ、聖子さんがいつもより声抑えめだなぁと思ってはいたものの、素敵なデュエットで、海宝クリスがとっても大人に感じてうっとり。

続くM5は新妻キム&咲妃エレンという、年齢逆転を全く感じさせない、ガチンコなぶつかり合いで、こちらも見応え聞き応えたっぷり。
いつもの通り、歌い終わるとキムの世界から帰ってくるのに時間がかかる聖子さんに、気を配っていただく咲妃さんに好印象。

そしてここで司会の高橋克典さんから「新妻聖子さんからお客様へ」と紹介されて聖子さんが出した第一声に、会場中から驚愕の声が。

さっきまでキムとして歌唱していた聖子さんの話す声はガラガラ声。
喋るのも精一杯といった風で、「今週頭から喉を痛めてしまい、お医者様からも止められておりまして、何とか2曲はと歌わせていただきましたが、この後は友人でもあるサラオレインさんに後を託させていただきたいと思います。この後も皆さまお楽しみいただければと思います」と仰られ、会場からの(熱唱への)拍手を受けられ、退場されました。

聖子さんが公の場でここまでの苦しい姿を見せられたのは恐らくデビュー以来16年で初めて。
過去一度も休演をされたことのない聖子さんだけに、苦しい決断ではあったと思いますが、何よりキム10年の経験と気力があれだけの歌唱を産み出したのだと思いますし、海宝さんの暖かい支え、咲妃さんが全力でぶつかってくれたからこそそれ以上の力でぶつかり返せた(役柄上)ことにただただ感謝です。

そしてこれ以降、全部で5曲あったであろう聖子さんのパートを引き受けていただいた、サラオレインさん。
今年結成された『LA DIVA』で聖子さんとご一緒されていますが、英語曲中心ということもあり、オーストラリア出身のサラさんは適任ど真ん中。
スケジュールが合った幸運も重なり、聖子さんのピンチを救っていただいたことに感謝しかありません。

ラストでは再び「民衆の歌」で登場し、後半の英語パートでは来日ゲストのマリーシャ・ウォーレスさん、そしてサラさん、咲妃さんとともに聖子さんも英語歌詞を歌い上げておられ、少しだけ安堵しました。

最後のご挨拶
聖子さん「暖かいお客様と共演の皆さま、オーケストラの皆さまの支えられて歌うことができました。またチャンスをいただけるなら、皆さまに私の歌声を聞いていただければと願っております。ありがとうございました。」

サラオレインさん「リスペクトする聖子のおかげで、こんな素敵な皆さまとと共演でき、オーケストラの皆さまの演奏で歌えて感謝しています。(聖子)本人が一番悔しいと思いますので、まずはしっかりと(喉を)治して欲しいと思っています」

・・・サラさんの言葉が優しくて泣けてきます。

ほかの皆さまでは何と言っても来日ゲストのマリーシャツ・ウォーレスさんの声量のパワフルさに脱帽。持ち役でもある『ドリームガールズ』での存在感が流石でした。

そして歌を聴くのは実は初めて、な前任の宝塚雪組トップ娘役、咲妃みゆさん。DGのパワフルさが明るい前向きさに溢れてて素晴らしいです。WSSのマリアもぴったりで、娘役さん出身の方の活躍の場が広がる様を実感した、素敵なひとときになりました。

・・・

何はともあれ、聖子さんの喉が気がかり。しばらく生の出演はないので、ゆっくりと確実に快復されますように。
そしていつか、またサントリーホールで全力の聖子さんの歌声が聞ける日が来ることを願っています。

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『ボクが死んだ日はハレ』(3)

2019.10.27(Thu.) 16:00~17:40
 1階6列10番台(下手側)
2019.10.27(Thu.) 19:30~21:30
 1階3列20番台(上手側)
東京キネマ倶楽部(鶯谷)

『ボクが死んだ日はハレ』略して「ボクハレ」、10月8日に終了した再演のロスからの回復芳しくない方たち(キャスト・お客様)の「軽減措置」(笑)で企画された当ライブ。

当初は夜公演だけを入れていたのですが、仕事で行けなくなると一生の後悔になりかねなかったので、念のため午後休を入れ、トラブルあったものの午後2時には上がれて昼の当日券を追加。

このライブハウスは来るのは初めてですが、とにかく横が広いのが印象的で、座席50番近くまでありますが、正直端は見切れが厳しすぎていささかどうかと。

実のところ昼は6列1番(最下手)が当日券でアサインされたのですがとにかくステージまで遠く、見かねた係の方から開演後にお声掛けいただき、移動した先はかなり見やすく聞きやすくなりました。

さて、まずはセットリストです。
昼夜共通です。

●セットリスト
(★印はボクハレ以外の曲)
1.ハレバレハレルヤ
 (浦嶋・小野・綿引)
2.あなたと歌を歌いたい(全員)
3.僕のラブソング(上野)
4.ダイナミック琉球★(百名)
5.あなたをまもりたい
 (上野・百名)
6.ボヘミアンラプソディ★(小野)
7.果敢なきは世の栄華
 (浦嶋・小野・綿引)

8-10.『レ・ミゼラブル』コーナー★
8.宿屋の主人の歌★
 (浦嶋・上野・綿引)
9.恵みの雨★
 (綿引・森)
10.民衆の歌★
 (浦嶋・上野・綿引・百名)

11.こどもの世界(綿引)
12.Never Let Me Go(全員)
13.Over The Rainbow(彩吹)
14.鎮魂歌
 (浦嶋・小野・彩吹・綿引)
15.A Bar Named Heaven
 (彩吹・綿引・上野)
16.終わりのファンキーララバイ
 ~ハレバレハレルヤ(全員)

[Encore]
E-1. ハレバレハレルヤ(全員)

ボクハレの曲をメインに、ガンガン進めるライブ。客席もほぼほぼボクハレ経験者ということもあって、特に夜は最初から大盛り上がり。

3人ユニット「ハレバレハレルヤ」は浦嶋さん・小野さんが服装を黒でまとめる中、びびちゃん(綿引さやかさん)は一人白のドレスでひときわ目を惹きます。
この日のMCで浦嶋さんから振られたときに、昼夜ともに仰っていたのが「演出の石丸(さち子)さんが、『客席にお客様が入って完成する』と仰っていたのを初日に本当に実感」と仰っていて、その上夜では「『ボクハレ』という作品が自分にとって本当に大切な作品になった」と仰っていたのが強く印象に残りました。

この作品の全曲の作曲を担当した森大輔さんが、びびちゃん演じた歌織を称して「本当は色々な情熱を秘めているのに、他者との関係を意識して自分を抑圧してしまう」と言われていましたが、それはいみじくもびびちゃんにも言える気がして。

この日のびびちゃんは歌織として、ハレバレハレルヤの一員であることに全身で喜びを感じていて、いつも以上に伸びやかな歌声を聞かせてくれて、それはこの作品の持つあたたかさ、びびちゃん自身がこの作品の一員であることを自信を持っていられたからなのだろうなと思えて。同じく再演からカンパニー入りされた彩吹さんもカンパニーのあたたかさへ感謝の気持ちに言及されていました。

物語的には九死に一生を得た、彩吹さん演じるプロデューサーの通称「昔の男の歌」(正式名称は「A Bar Named Heaven」)があるが故に、「笑って生きたい、進みたい」と思う『仲間』を欲して集めた3人でハレバレハレルヤを作りたかったんだろうなということを改めて感じて。

主人公ミミにとって大事な息子であるひかるの「死」をみんなで共有して、しかもそれを「ミミにとっての大事な生きた意味」であることを共有したからこそ、「死」を前向きに捉えて(あえて「乗り越えて」とは書きません)心を重ねて晴れ晴れとした気持ちでハレバレハレルヤが演じられたんだろうなと思えて。

きっと技術だけでも気持ちだけでも成り立たなかった作品だったであろうことがわかって、再演を経てこのライブにたどり着いたことで、「なんだか色々嬉しい」「なんだか色々あたたかい」なステージ上と客席が同じ温度で高みに昇る様は、本当に素敵でした。

ボクハレパート以外で注目は、何と言っても『レ・ミゼラブル』パート。

浦嶋さん、上野さん、びびちゃんがレミゼ経験者ということでテナインからスタート。
上手側で上野さんとびびちゃんがこしょこしょ(笑)小芝居してて面白い。テナインはびびちゃん、鳩で入ってきてぐるっと一周する印象しかないから新鮮でした。

次いでは久しぶりのびびちゃんエポニーヌ「恵みの雨」。マリウスがいないため、なんと作曲の森さんをマリウスに見立て(後ほど「森さんマリウス、モリウス」と呼ばれてました笑)、1人エポニーヌとして上手から下手に進んでいきますが、ピアノから離れられないモリウスに対して、「こっち来て来て!」と必死なびびちゃんエポニーヌを見ている客席から笑いが起こるという(笑)。さらに「ここここ!」と招くびびちゃんエポニーヌ、再び笑いが(笑)。最後息絶えたびびちゃんエポニーヌを素っ気なく覗くモリウスがヒドすぎて再び笑い(笑)

…という、レミゼ経験3桁乗りかねない自分でも初めて見た”「恵みの雨」で笑いが起きる”、ではありましたが、茶化している訳では当然なく、「エポニーヌの必死さにつれないマリウス」の一つの見せ方だったのかと。もちろんびびちゃんエポニーヌ、歌声・佇まい素晴らしかったです。

実はここの前、びびちゃんの衣装は黒のドレスで「綺麗なお姉さん」になってたのですが、カーキ色のコートを纏っただけで一瞬でエポニーヌに見えるようになるのが素晴らしい。

かと思えば、すっくと生き返ってすぐ「民衆の歌」に参戦するという(爆)。
そして、上野フイイの高音、素敵でした。



再演をできたのもライブをできたのもお客様のおかげ、再再演をいつできるかわからないけど遅くなると老けちゃう(笑)、とりんこさん流の滑らかな煽りも取り混ぜながら、無事打ち上げライブ終了。

またこのメンバーでの再会、心から願っています。

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『ボクが死んだ日はハレ』(2)

赤坂REDシアター
2019.10.6(Sun.) 18:00~20:40
 B列1桁番台
2019.10.7(Mon.) 19:00~21:40
 D列1桁番台

とうとうmy楽を迎えてしまいました。何とか捻出した3回の観劇の機会も、実は最終日は仕事の都合で2幕からの観劇となってしまい、少しく心残りはありつつも、満喫しました。

びびちゃん(綿引さやかさん)が出演されると聞いて、初演の感想を拝見してからというもの「できるだけ見たい」と努力したものの、何と言っても人気作、しかもメインキャストほとんど変わらないとあってはチケット難になるのも道理。

「この作品がとっても素敵な作品で、そしてこの作品でのびびちゃんがとっても素敵であることを全世界に伝えたいよ!」と思うわけです。この作品の主人公と同じHNを持つ自分としては(笑)。

と言うわけで容赦なくネタバレ参りますよー。回避される方は回れ右で!




かつて一世を風靡した女性3人のソングユニット「ハレバレハレルヤ」。
その最年長であるミミの様子がおかしい。一人息子・ひかるを喪ってから1年も経つのに、まるでひかるがいるかのように振る舞い、そしていきなり意識を失ってしまう。特に3人で歌っているときに。

いわばミミは自分の中のひかると無意識の中で会話しているような状態なわけですが、実はひかると本当に会話できているのは、元子役、びびちゃん(綿引さやかさん)演じる歌織。

歌織はいつしかひかると心と心で会話しあえるようになるのですが、なぜ歌織なのか、が見ていての最大の疑問でした。

確かに気持ちは抜群に通じ合っているし、シンクロ率最高だし、でもそれって何でなんだろうって。

そこに現れる鍵が「母」じゃないかと思うのです。

ひかるにとって大切な人である母だけれども、時にぶつかり、時に反抗し、本当の気持ちを告げないままこの世を去ってしまったから、母もひかるとの思いに区切りをつけられずにいる。

歌織にとっても子役時代、大人たちが喜ぶ姿を見て面白がっていた反面、自分自身(三田村歌織)が何者か分からなくなってしまい、母親の期待に応えられずに壊れて芸能界から一時身を引いてしまう。

登場人物の中で「母」を語っている人はもう一人いて、彩吹さん演じたすみ絵さんが「母」とのエピソードを出しているけれども、そのエピソードはある意味、「自分と母が同じ結論に達した」ことだったので、「自分にとっての母」と「母にとっての自分」が合致している分、ひかるにとって自分をゆだねる相手ではなかったのかなと。

ひかるにとっては「母」との距離感を図りかねている人で、自分の母であるミミとも関係がある人「分かり合える相手」として選んだんだなぁと思うと、ひかるが歌織を選んだ理由がわかる気がします。

2人は2幕最初で向かい合い、お互いのことを話します。いる世界が違うから恋人じゃないのに、あたかも恋人以上に何でも話せるような間柄。それは2人が「ミミさんが大好き」という共通認識に立っているからなのだろうなと。

「死んでる人の前でイキイキしないでよ」とひかるは歌織を茶化しますが、そんなひかるも死んでるのにイキイキしてる。ミミさんはみんなに愛されてて、もちろん2人にも愛されていて、そんなミミさんに愛されたひかるは幸せで、だからこそひかるはミミに、「死んだように生きるんじゃなくて、生きたいように生きてほしい」と語りかけるわけですよね。

そしてミミとSHOKOに圧倒されていた歌織も、周りを見て萎縮するんじゃなくて、自分らしさを出せばこそ光ることに気づく。
他人を演じることを楽しむんじゃなくて、自分を楽しむことを楽しむ。

そんな、歌織のはじけた姿が本当に魅力的だった2幕「ハレバレハレルヤ」のステージ。
ゴージャスなドレスを身にまとい、堂々たる様でアイドルポジションで歌う様は、本当に見られて良かったです。

2幕、あのカメハメハポーズも最高です(笑)



大切な人を失うと、
最初は泣くことも笑うこともできなくて。
泣けるようになるまで時がかかり、
話せるようになるまで時がかかり、
笑えるようになるまで時がかかり、
そして泣くより先にやるべきことがあると思えて初めて、乗り越えたんだと思えるのではないかなと。

生まれてきてくれてありがとう、
そんな暖かい空気に包まれた中、暖かい音楽にふわっと包まれる瞬間は、まさに至高のひとときでした。


ミミ役、浦嶋りんこさん。歌声と人柄が表裏一体の凄い方。まさに魂の思いの強さに圧倒されました。

ひかる役、百名ヒロキさん。この作品の初演が初舞台とは驚愕するばかり。しなやかさと技術とハートを併せ持って素晴らしかったです。

すみ絵役、彩吹真央さん。今回の新キャストなのが信じられないほどの嵌まり役。格好良さに酔わないからこその格好良さ。8月のTipTapで光ってましたし、ショーシーンも流石です。

SHOKO役、小野妃香里さん。りんこさんがソウルなら小野さんはロック。その格好良さがタイプ違いで栄えます。パワフルの向きも違うんですよね。

篠原役、上野哲也さん。サイゴンのアンサンブル時代から知ってますが、本当に何でもできる方ですよね。あの役柄で一切寒くならず(笑)、前座で劇場一杯から大拍手を贈られるのは人柄のなせる技ですよね。

そして歌織役、綿引さやかさん。新キャストながら初演から役設定が若干彼女寄りにした(演出の石丸さん談)こともあってか、特に公演始まってからの進化が凄くて。本当に緊張してるのかと思わせる(笑)1幕の緊張演技も、2幕の遠慮ないはじけっぷりも、この役で新境地だったなぁと嬉しい限りです。

明日で千秋楽。既に当日券は完売ですが、10月24日(木)に鶯谷の東京キネマ倶楽部で「『ボクが死んだ日はハレ』打ち上げライブ」が昼夜であります。本編ごらんになれなかった方もぜひ拝見いただきたいです。

 

 

 

 

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『ボクが死んだ日はハレ』(1)

2019.10.2(Wed.) 19:00~21:40
赤坂REDシアター K列1桁番台(センターブロック下手側)

2017年11月に初演され、この日が再演初日。
シンガーユニット「ハレバレハレルヤ」三女格にびびちゃん(綿引さやかさん)出演ということで、再演初日を見届けにいってきました。

キャスト6人中、4人までが続投。
ユニット長女格の浦嶋りんこさん、次女格の小野妃香里さん、マネジャー役の上野哲也さん、りんこさんの息子役の百名ヒロキさん(この作品の初演が初舞台)が続投で、プロデューサー役の彩吹真央さん(初演は文学座の高橋紀恵さん)、そして三女格の綿引さやかさん(初演は笠松はるさん)が新キャストになります。

※少しくのネタバレを含みます。
気にされる方は回れ右でお願いします。



かつて一世を風靡した三人の女性がプロデューサーによって、今集められ。
「スポットライトを浴び、第一線にいた人には他の人にないものがあるはず」と語るプロデューサーの言葉に、それでも前向きになりきることはできない三人。

そんな中、一番のキャリアを持つ、りんこさん演じるミミの様子がおかしい。リハーサル中にいきなり眠ったりするのだが、検査しても何の異常もないという。

それなのに、メンバーが飲みに誘っても「息子が家で待ってるから」と言って断るミミ。でも小野さん演じるSHOKOは訝るのだ。
ミミの息子さん、ひかるは1年前に事故でこの世を去っているはずなのだ…。

いきなり組まれたユニットとはいえ、今の仲間の異変を何とかしたいと苦悩する皆。そんな中、マネジャーがもってきたとあるグッズをきっかけに、びびちゃん演じるかおりは、ひかるとの接点を見いだす…。

かつて天才子役として喝采を浴びた過去を思わせるように、ひかるとの思いの通じ合いを経ながら、年長であるミミやSHOKOに遠慮するのではなく、自分なりに歌うことで3人のハーモニーを高められることに気づいていくさまが魅力的で。

びびちゃんはデビューが早い女優さんではないので、子役で喝采を浴びた経験もないわけなので、そうなったらいいなぁ、の思いとともに演じられているようにも見えて。それでいて、経験を重ねるほど、迷いを持たざるを得なくなる自分、という姿はそれこそ今の彼女とリンクする部分もあるのかなと思いました。

演出の石丸さち子さんは表面的な演技を決して許さない人だと思うし、初演から続投のひかる役、百名さんとの空気がとても良くて。

何だろう、お互いに「自分のことをわかってくれる人がいるんだ」という喜びに満ちて、2人とも同じ人(ミミ)を大事に思っていて、自分が何とかしてミミの力になりたいと思っている。その軸がひかると、かおり(歌織)とでしっかりと握れていたから、本当に暖かい空気に感じられました。

大切な人を失ったとき、「いない」のに「いる」、という言い方が自分は好きで。
大切な人との思い出は、決して無意味になることなんてなくて。
忘れようとすると苦しくなってしまうけれど、時と仲間がそれを癒してくれる。

過去を否定して未来を絶望するより、過去を受け入れて未来の糧を見いだす大切さを、この作品から感じさせてもらった気がします。

1回だけでは感じ取れるものがまだまだ足りなかったこの作品。あと2回拝見できるので、新たな視点でも見られるのがとても楽しみです。

DVDも発売されます。びびちゃんのこんなシーンは見られるとは!な垂涎のシーンもあり、見返せることにワクワクしかありません。

 

 

 

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