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『怪人と探偵』(1)

2019.9.14(Sat.) 19:00~21:50
KAAT神奈川芸術劇場
2階E列1桁番台(下手側)

白井晃さん演出・脚本、森雪之丞さん作詞の日本オリジナルミュージカルの初日。

江戸川乱歩氏原作の「怪人と探偵」をモチーフにした作品で、怪人を演じるのは中川晃教さん、探偵を演じるのは加藤和樹さん。2人の間に多くの関係があるヒロイン・リリカ役を演じるのは大原櫻子さん。

内容的には上下左右どっちを向いてもネタバレの嵐でございまして、怪人と探偵が直接対決をすることぐらいしかネタバレ外扱いされないんじゃないか的な(笑)状態で、まず初日感想はネタバレしないよう努力いたします(爆)

作品全体としてはスタイリッシュという印象を受けるのは音楽が東京スカパラダイスオーケストラだからかなと。制作的にもPARCO劇場さんが入っていますから、一言で印象を言うと「PARCOみたいな感じ」でございます。軽やかな音楽に乗せて、重すぎず薄すぎず、ウェルメイドなオリジナルミュージカル。

ウェルメイドって言葉でミュージカル作品を喩えるのって、PARCO作品に多かった印象があるんですよ。昔の『GOLF THE MUSICAL』みたいな。今回の作品と全く色合いは違いますが、「ミュージカルとして肩の力を入れる必要が全くなくて、でもミュージカルでしか表現できない世界観」というのが「ウェルメイド」だと思ってます。

怪人二十面相なあっきーは、「暴走させると光るあっきー」な先入観そのままに生き生きしてるし、対する和樹氏のカッコよさは素晴らしいし、(大原)櫻子ちゃんは華があって好印象。由美子さんは相変わらずただ者じゃない役やらせると印象の強さを醸し出してるし。

登場人物としては和樹氏の秘書のフランク莉奈ちゃんが面白かった。ふと見てて思ったのがジュリエット出身者はKAATで面白いことになる法則でもあるのかと(注釈:昆ちゃんは『アダムス・ファミリー』のウェンズデー役で彼女史上初めてコメディエンヌをやってました)。

ヒロインの櫻子ちゃんが「リリカ」役で、メイドさん演じるアンサンブルに加藤梨里香(りりか)ちゃん(メイド力が凄い)がいて、それでいてあっきーが「リリカ!」と叫ぶと、私的にはさらに別の方しか思いつかないという摩訶不思議な空間でした(爆)

全体的に1幕はまったり感が強いというか、物語がなかなか進まないもやもや感があるけれど、謎を各所にちりばめた分、2幕でそれぞれが解き明かされていく中で段々とカタルシスになっていくのかと。最後どう仕上げるのか不安だったので、何とかまとまって良かったという感じでした。

オリジナルミュージカルって着地点が見えないから、作り手としても不安の中でやってきたのだろうし、演出家さんを信じてついていくと言っても、本当の反応は客席の熱量でしか測れないのは本音でしょうし。

その意味で自然にスタオベになった初日は「良いもの見せてくれて嬉しい!」が客席から伝えられた、とっても良い初日だったなぁと。
「なんか良かったねぇ」が最初の感想で、話しながら「これも良かったあれも良かった、でも全部ネタバレだけど(笑)」と言い合うのが楽しい。よって今日もネタバレは完全回避です(爆)。

あえて言うなら櫻子ちゃんの役柄上の本名に「日本オリジナルミュージカル」の意味を感じたりして身構えしました。

あと、やはり自分にとっては高橋由美子さんの舞台復帰は大きかった。1年6か月ぶりの舞台復帰は、本当に色々あったけれども、blogでは一切それについて書くこともしてこなかったけれども、まずはこの日を迎えられて、そして作品の中で期待通りの在り方をしてくれたことにまずは心をなで下ろしました。

プライベートをどうこう思うことはしない信条ではあったけれども、同い年の社会人として、プロとして守るべきレベルを満たしているとはどうにも思えなかったので、今回の舞台で「プロとして」「ベテランとして」きちんとした存在で復帰されたことでようやく、自分の中でも一つの気持ちの納得がついてホッとしたのでした。

劇中で、櫻子ちゃん演じるリリカに、由美子さん演じるネコ夫人がかける言葉。
この作品の大きなテーマ「愛」の重さを経験で見せていた。
酸いも甘いも噛み分けた、ベテランだからこそヒロインにかけられる重み。

その2人が、カーテンコールで本当に仲良さそうにわちゃわちゃしていて。
由美子さんはカーテンコールで他の方とじゃれることは本当に少ないんだけれど、初日にたまたま櫻子ちゃんのドレスが落ちてきてしまったのを、由美子さんが自身のマントにさっと隠したのを櫻子ちゃんが感謝してて、何かとっても良い空間だったんですよね。

17年前、あっきーのミュージカルデビューをお姉さんとして見守った由美子さん。由美子さんの1年半ぶりの復帰に、時に触れて話を出していただいたあっきーの恩返しの温かさにも心から感謝しています。

9月末までの横浜公演、内容含め楽しめそうです。

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コメント

ひろきさんの感想さすがです。パンフで、謎は自身だと書いてました。アッキーが由美子さんのことを書いていてくれて感謝です。今日観劇しましたが席が2階サイドでしたので、枠があって見ずらかったです。復帰のお仕事でしたが、存在感は感じられました。

投稿: てるてる | 2019/09/15 21:57

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