« 2019年8月 | トップページ | 2019年10月 »

2019年9月

『怪人と探偵』(2)

2019.9.29(Sun.) 14:00~16:45
KAAT神奈川芸術劇場大ホール
3階B6列(最後列)10番台(センターブロック)

KAAT神奈川公演千秋楽です。
初日以来2週間、3回の観劇でしたが、今の自分にとってはぴったりの回数だったかなと。

由美子さん復帰ということで今年一番というぐらい緊張して拝見した初日は、作品上の謎をたっぷり お持ち帰り。

KAAT中日付近の土曜ソワレはシーンのブラッシュアップぶりを見ながら、謎を一つ一つ解きほぐして。

そしてこの日のKAAT楽は安心して物語を体感することができ、心地良い満足感で劇場を後にすることができました。

公演を通じて感じたのはヒロイン・リリカ役の大原櫻子ちゃんの変化。
物語にしっかり乗って動くようになってて、その変化にいい意味で驚かされました。
本番に乗ってから深まり度が強くなるタイプのようで、来年の『ミス・サイゴン』キム役では後半に化けそうな気がします。

さて、今週末に兵庫公演を控えていますので、ラストネタバレは避けますが、多少のネタバレは出てしまいます。

お気になられる方は回れ右でお願いします。





では、よろしいですか?

「怪人と探偵」というタイトルになってるこの作品ですが、見れば見るほど違う印象が見えてくる作品。

一つに、「欲望と理性」
原題と比較的に近いですが、「あらゆるものを手に入れたい」怪人の"欲望"と、それを阻止せんとする探偵の"理性”のぶつかり合いとも取れる。

一つに、「愛と正義」
欲望が尽きない怪人がもっとも求めたもの、それが"愛"。怪人が憎み、探偵がよすがにしたけれども、実は万能な道具ではなく、時には愛する人を傷つけるものでもあった"正義”。

この物語を見ていると「愛」も「正義」もそれぞれ厄介なものだなと。

「愛」ゆえの歪みはこの物語の随所に出てきて、愛する故に暴走するマユミ(フランク莉奈ちゃん)が筆頭ですが、「愛していれば、分かりあえない」のではないかと感じることも多々。

二十面相チームであっきー演じる二十面相の横に由美子さん演じるネコ夫人が並び立ち、他のメンバーとともに「愛」を歌い上げますが、「悪(これは世間一般からの理解として)」であれ、「愛」を欲する様が印象的。

愛されることが少ないからこそ、愛することでしか生きられないのかもしれないなというのと、悪だからこそ歪んだものを愛することしかできないのかと思うと、何だか胸に迫るものがありました。

櫻子ちゃんが演じたヒロイン・リリカは、あっきー二十面相に求愛されて彼の元へやってくる、その時に由美子さん演じるネコ夫人が放った「おめでとうございます」は皮肉に満ちて聞こえて。

「愛という厄介なものの世界へようこそ」と、まるで底なしの闇に迎えるかのようで。

ネコ夫人 にとっての自分の存在意義は怪人二十面相の横で欠かせない立場でいることで、愛する怪人二十面相の愛を受けていると錯覚できる。にもかかわらず、怪人二十面相の愛する相手はリリカであり、自分の愛は成就することはない。でも自分の愛する人(怪人二十面相)のためであれば、自分の思いはしまっておくしかない。

「愛は苦しみの始まり」、それが分かっているからこその思いが、由美子さんの低音域のドスがものすごく効果的で(爆)、流石でした。

そして最も印象が強い対比が「仮面と真実」
今回の作品のメインテーマはこれだったのかなと。

怪人二十面相だけでなく、この作品の登場人物はすべからく仮面を被っている。
没落貴族ながらそれを隠す北小路夫妻もそうだし、家政婦とネコ夫人の参謀の2役の由美子さんもそうだし、かつて出会っていたリリカと明智との関係において、明智が本心を過去のリリカに明かさなかった明智の"仮面"もそうだし、言えばリリカの存在も、それこそ"仮面"にまみれている。

ただ、だからといって"真実"に迫る"正義"をもってすれば、全てが幸せになるかというと、それも全く違う。

明智が本心を隠して、当時のリリカに感情をぶつけられなかったからこそ、彼女の中に怪人が産まれたのかもしれない、と思えて。

「人は全て仮面を被って生きている」は奇しくもあっきーのミュージカルデビュー作『モーツァルト!』の後半で語られたことですが、今作品ラスト近くであっきー演じる怪人がリリカに対して"仮面"を脱いで接したことはとても印象的で、それに比べてリリカと明智の、最後までの"仮面"合戦がなんだかなぁ、と苦笑してしまいました。

それにつけても、舞台上の俳優のみなさまが「仮面」をつけて、役の人生を生きていて。

その様を客席から拝見していて、役の本質、役者の本質を知ろうと見ているお客さんも「探偵」なのかなぁ、となんだか不思議な気持ちになった観劇でした(笑)。

キャストで印象的だったのが、怪人二十面相チームのアクション担当、紅蜥蜴役の碓井菜央さんの存在感。
来年3月~5月の地球ゴージャス『星の大地に降る涙』でも拝見できるようで、楽しみです。

| | コメント (0)

『WEST SIDE STORY』(1)

2019.9.24(Tue.) 18:30~19:30
IHIステージアラウンド東京
11列40番台(開始時は上手側)

現在来日キャスト版が上演中のステアラ東京。
この日は11月から開幕する日本キャスト版Season1の製作発表に当選、ということで行って参りました。

対岸の晴海客船ターミナルから外観を眺めたことがあるものの、実は来るのは初めてな、ぐるぐる劇場(360度回転劇場)。新感線公演をもってクローズのはずが、WSSが決まって延長ということで。

ずっと、ゆりかもめの新豊洲駅が最寄りかと思っていたのですが、もう1駅先の市場前(しじょうまえ)駅が最寄りなんですね。

TBS主催ということでアナウンサーさん進行で紹介VTR(番宣で使われたものと少し違う新作)が流れた後、ジェット団から田極翼さん(アクション役)、笹岡征矢さん(A-ラブ役)、小南竜平さん(ディーゼル役)のお3方がバイクで登場、走り去っていかれました。

そして歌唱披露では、皆が壇上を眺める中、客席後方から流れるWトニーの歌声、そして黄色い歓声。

上手側から宮野トニー、下手側から蒼井トニーが歌いながら登場してのトニーデュエット「マリア」。

Wマリアの(笹本)玲奈ちゃん、(北乃)きいちゃんはどうされるのかと思えば、舞台上のマリアのお部屋(2F)から並んで見守る、という形でした。

この曲と2曲目の歌唱披露はオリコン他サイトで動画があがっていますが、2曲目はトニーとマリアのデュエットの名曲「Tonight」。

この日、(北乃)きいちゃんは喉の調子が芳しくないとのことで大事を取るとのことで…つまり…

Wトニーが玲奈マリアを奪い合う(笑)

歌い終わった玲奈ちゃんは「両手にトニー」と言い笑いをとり(笑)、「どっちを見ていいか(困った)」とMCの天然力を発揮(爆)されていましたが、とにかく流石のヒロイン力。

今までの数多のヒロイン経験を生かした堂々とした様ながら、マリアらしいフレッシュさも見せ、不安さを感じさせない高音がとても素敵でした。

玲奈ちゃん自身は、出来に納得行っていないようで「もっともっと練習して上手く歌えるようにします」と仰ってて、その向上心が頼もしい限りです。

その後のMCコーナーでは、見どころを尋ねられた玲奈ちゃん、「マニアックなところ行っていいですか?」と面白い前置きで(笑)、「セットが細かいこだわりに溢れていますが、実は本物の『川』があります、ぜひ見つけてみてください」とコメントしていました。

あと面白かったのは、「よく食べる人」と聞かれて自己申告する、蒼井さんと玲奈ちゃん(笑)

蒼井さんは(声優では先輩に当たる)宮野さんに「(食べ物の)差し入れ楽しみにしてます」と言って、宮野さんは「了解!」と応じてましたが、差し入れ話を振られた玲奈ちゃん、「食べ過ぎてマリアの衣装が入らなくなると困る(笑)」「お味噌汁飲んでスタイル保ちます(笑)」という、またもやMC天然力w

この作品『ウェスト・サイド・ストーリー』についての思い入れを聞かれた玲奈ちゃん、一つ一つの言葉を噛みしめるように言っている姿が本当に胸に迫って。

「私の父と母がリアルタイムで(この作品の)映画を見ていた世代なんです。この作品のオーディションのお話をいただいたときに、本当に悩んだけれど、マリアの役をいただけて、父母や祖父母に喜んでもらえたことが本当に嬉しかったです。昔から愛され続け、これからも10年、また100年と上演され続けていくであろう、この『ウェストサイドストーリー』の作品に関われることをとても嬉しく思っています」と仰られていました。

・・・

玲奈ちゃんがここ一年ほど、年相応の役をやられるようになった(『ジキル&ハイド』ルーシー役、『マリー&アントワネット』タイトルロール)からすると、再び若い役を演じることに少しだけ違和感を感じて、来たこの場だったけれど、不安を感じてた高音に何らの翳りもなく、堂々とフレッシュを両立した玲奈ちゃんのマリアは、まさにこの作品が求める「マリア」そのものだと思えて。

玲奈ちゃん自身も「自身がこの役を演じる意味」を強く表に出した姿は、初日の待ち遠しさをぐんと高める、とてもいい製作発表に感じられました。

本番が待ち遠しいです!

| | コメント (0)

『岡村さやかライブ skip 7』

2019.9.22(Sun.) 13:30~15:10
sound creek doppo(四谷)

岡村さやかさんソロライブ
『skip』第7弾です。

この日は昼夜公演ですが、夜は横浜KAAT神奈川芸術劇場『怪人と探偵』を見に行ったので、マチネのみ参加です。

●セットリスト
○第1部
1.ラプソディー・イン・ブルー
 /ガーシュウィン
2.How Do I Survive?/Superfly
3.Always/Scott Alan
4.electricity/ビリー・エリオット
5.Say Goodbye/Scott Aran
6.小さな天使/八犬伝
 ※サプライズゲスト:坂口湧久さん
7.Try me/She Loves Me
 ※坂口さんソロ
8.さようなら/矢野顕子
 (谷川俊太郎作詞)

○第2部
9.夜はやさしい
 (谷川俊太郎作詞)
10.Show White Queen/Evanescence
11.With One Look/サンセット大通り
12.why/tick..tick..Boom!

[Encore]
13.真夏の果実/サザンオールスターズ

・・・

かつてはお茶の水を開催地に、年1回のソロライブとして開催されていましたが、原宿(ストロボカフェ)での開催を経て、最近はここ四谷での開催が定番化しつつあります。

それにしても、あまたなミュージカル女優さんのライブでも、ここまでセットリストが全く予想できないライブは他にありますまい(笑)。

さやかさん自身「マニアック道を突っ走る」と公言しているだけあり、もはや曲の予想はせずに楽しむ!がこのライブ『skip』の流儀と思ってます(笑)

逆に言うと、知らない曲をさやかさんの歌声で聞けて、更に新鮮な印象を持てるわけで、それが他にはないこのライブならではの味。

恐らくお客さんのかなりが知らないであろう曲を、でも絶対に曲紹介とバックボーンの紹介は忘れない(ただしMCは忘れる(笑)ので昼の部は、「何話そうか忘れた」とM2後のMCで言っておいて、なんと最後まで思い出さず「謎をお持ち帰りいただく方式」に爆笑でした(笑)

曲紹介って、他のライブでは結構省略される方も多いのですが(うっかりなのか、あまり重視されていないのか)、それって勿体ないと思うんですよね。選曲するには、歌い手の思いがあるはず。思いがあるからこそその歌の色が、歌い手さんの魅力を纏って聞こえてくる、それこそがライブの醍醐味だと思うのです。それを反芻できないのはもったいない。

ライブって人柄が反映するものと常々思っているのですが、さやかさんのライブは「さやかさんが歌いたい歌を歌う(ことが一番伸び伸びしている)」ことをお客さんが何より望んでいる。

そしてバックで支えるピアノの酒井さん、ギターの福岡さん(たけちゃん)、ドラムの芳賀さんのあうんの呼吸こそがこのライブのもう一つのパーツ。

特にたけちゃんとの掛け合いは洗練されまくって、

さやかさん「(たけちゃん、)バンド始めたそうで」
たけちゃん「はい」
さやかさん「聞いてない」
たけちゃん「言ってない」

ここの間、1秒未満の返しで会場中爆笑。

さやかさん「この返し負けだわ(笑)」
「でもさっき『バンドさんに支えてもらってありがたい』って言っておいて何戦いを挑んでるんだ私(笑)」

・・という、さやかさんの黒いトークもこのライブの売りです(笑)

そしてライブの売りのもう一つはサプライズゲスト。昼は坂口湧久くん!
八犬伝の琥珀の歌が久し振りに聞ける!と喜んでいたら、曲中の信乃(しの)の台詞がマイクで入り…というわけで、大きくなった(現:高校3年)の湧久くん登場。

そして共演作の1つ『She Loves Me』から、わっくん演じたソロナンバーをいきなり歌ってもらう洗礼(無茶ぶり)も岡村さやかライブ名物で(笑)

あっちを向いてもこっちを向いても岡村さやかさんライブ名物に包まれ、ライブメンバーとのあうんの呼吸も含め、「継続は力なり」を実感する素敵なライブでした。

2幕でのパンツスタイルも新鮮で良かった。やっぱりさやかさんはカッコいい系が光るなぁ、と思ったのでした。

| | コメント (0)

『Dimple Live』

2019.9.21(Sat.) 18:30~20:30
三軒茶屋GRAPEFRUIT CAFE

青山郁代ちゃんとMARIA-Eちゃんのデュオライブ。
この日は2回公演で、その夜公演に行ってきました。

三軒茶屋駅から10分近くかかってちょっと遠いのですが、カフェそのものは50人規模の、大きすぎもせず、小さすぎもしない、いい感じのカフェ。そしてライブもとっても新鮮なものになりました。

まずはセットリストですが、出演者発表がありましたので修正しました。
特記なき限り、2人のデュエットです。

●セットリスト
1.On Broadway/Beautiful
2.お洒落は私の切り札/アイーダ(青山)
3.恋してるなんて言えない/ディズニー『ヘラクレス』
4.Zero to Hero/ディズニー『ヘラクレス』

5.マイケル・ジャクソンメドレー(MARIA-E)
 5-1.Rock with you
 5-2.Billie Jean
 5-3.Man in the millor
 5-4.I'll be there

6.ミュージカルヒロインメドレー(青山)
 6-1.プリュメ街/レ・ミゼラブル
 6-2.夢やぶれて/レ・ミゼラブル
 6-3.I'm Only Thinking Of Him/ラマンチャの男
 6-4.パパみたいに/エリザベート
 6-5.私だけに/エリザベート

7.Out tonight/RENT(MARIA-E)
8.Take Me Or Leave Me/RENT

9.shallow/『アリー』 レディ・ガガ(MARIA-E)
10.ドラえもん/星野源(青山)
11.locomotion/Beautiful(MARIA-E)
12.Does Your Mother Know?/マンマ・ミーア(青山)
13.For Good/Wicked

<Encore>
14.キューティー・ブロンドメドレー

・・・

2人の初共演にして唯一の接点は『キューティーブロンド』の共演ですが、郁代ちゃんがMARIA-Eちゃんを知ったのは彼女の舞台(ミュージカル)デビュー作の『Beautiful』。同作でMARIA-Eちゃんが歌い演じた「locmotion」に射抜かれ興奮して、帝劇帰りにその日キャロル役だったあーや(平原綾香さん)のインスタストーリーでたまたま音がバックに入っていたMARIA-Eちゃんの「locomotion」を聞きまくっていたとの郁代ちゃん談。MARIA-Eちゃん、それは初めて聞いたそうでとても喜んでいました。

実のところ、結構年齢が離れた郁代ちゃん(先輩)・MARIA-Eちゃん(後輩)の関係なのですが、いろんな意味でそんな距離を全く感じないのが良くて、MARIA-Eちゃんも言うこと言うけどサバサバしている(いろんな人に「いーちゃんが男性なら彼氏にしたい」と言われるそう笑)し、郁代ちゃんもMARIA-Eちゃんのパワフル&エネルギッシュなところを推していることもあり、お互いが好き合っている関係。

郁代ちゃん曰く「自分が若かったころ(本人談です念のため)は同年代にそういうパワフルな人がたくさんいて刺激をもらってきて。MARIA-Eちゃんはその時のころを思い出させてくれるようなパワフルさを持っていて、魅力的に映って、今回ぜひ一緒にやりたいなと」

それを受けてMARIA-Eちゃん「そういうアグレッシブさは若い頃にスポーツをやっていたり、母親が厳しかったりしたので、その辺が理由にあるかもしれません」と仰っていました。

とにかくキャラが被らないのに、それでいてお互いの魅力を好き合っているためか、2人してポジティブしかない空間なのはとっても良くて、特にラスト、『キューティーブロンド』での10曲超のメドレー(主に郁代ちゃんがさーやパート、さーや以外をMARIA-Eちゃんが担当)は圧巻で物凄かったです。言われてみれば本編になかったですね、キューティー(笑)。

「パパみたいに」と「私だけに」のエリザメドレーな郁代ちゃんもぴったり。ちなみに、「エリザに出てそう」とよく言われるそうです、郁代ちゃん。あの女官の中に入って前かがみしてる印象があるそうです。たしかに(笑)。

途中は質問コーナーということで、実は「ダブルブッキング入っちゃって、ラジオに行ってきます」ということでお着換えの上ラジオコーナーが始まるという、茶番が(笑)

ここでの質問はメールで寄せられたものと会場で募集されたものを、箱に入れておいてそこから抜く方式ですが、「客席から引いてもらいましょう」と郁代ちゃんから選出された私が引いた質問が、実は私の質問だったという、どんな確率でしょうかそれという話で。

ちなみに私の質問は「お互いの好きなところ、お互いの苦手なところ」でしたが、完全に前者で時間を使い切るぐらいの相思相愛でして、先輩風を吹かせない郁代ちゃんと、後輩としての遠慮がないMARIA-Eちゃんのバランスは絶妙。
郁代ちゃんがMCで話していたのですが、「いつもは同じようなタイプの人とライブをするけど、MARIA-Eちゃんとはタイプが完全に違うので、いつもと違ったものが産みだせていると思う」というのがその通りで、ライブの随所に新鮮な風が吹いていました。

質問コーナーの途中では、郁代ちゃんが「ドラえもんが好きすぎる」ということで、ピンク系のドレスの上に、青色の服(ドラえもんバッチ付き、中国サイトで購入笑)を羽織って大立ち回りしまくってて笑えました(笑)。ちなみに、郁代ちゃんのドラえもん好きは昔からで、海宝直人さんもドラえもん好きということで、郁代ちゃん&海宝さんと一緒のライブでドラえもん歌おうとして、海宝さんは賛成してくれたけど、あとの2人(ちなみにすどかなさんとtekkanさん)に全力で拒否されたので断念したそうです(爆)

・・・

質問コーナーで面白かった回答が「また共演したい人は誰ですか」で、MARIA-Eちゃんは『beautiful』で共演した剣幸さん。剣さんは出番の時間がそれほど長くなかったので、楽屋にいることが多くて楽屋にお邪魔して甘えさせていただいて、とても嬉しかったと話していました。

郁代ちゃんは「前座長(『人生のピース』の花代さん)ということになるのでしょうが、その方以外ということになるとまずは知念里奈さん。私が『レ・ミゼラブル』のコゼットをやっていた時のファンテーヌで、私がコゼットで悩んだり悩んだりした時に、本当に親身になって優しく声をかけていただいて。掛けていただいた言葉がどれも優しくて、本当にミュージカル界のマリア(聖母さま)なんじゃないかと思って、ぜひまたご一緒させていただきたいです。

もうお1方が新妻聖子さん。

『レ・ミゼラブル』だけでなく『ミス・サイゴン』でもご一緒させていただいて、たまたま『ミス・サイゴン』をやっている時に『レ・ミゼラブル』のコゼットの最終オーディションで。緊張している私を見つけた聖子さんが声をかけていただいて。

聖子さん「郁代ちゃん、何緊張してるの?」
郁代ちゃん「コゼットの最高音が出るか不安で」
聖子さん「(郁代ちゃんの顔をじっと見つめて)
     郁代ちゃん、出ない音はないんだよ

それを聞いた郁代ちゃん、「そっか、出ない音はないんだ(笑)」って思えて、オーディションに臨めたのだそうです。

そのエピソードを聞いて「出ない音はあるよ!」とツッコんでいたのがMARIA-Eちゃんだったというのが、中々の面白い空間でした。
「そりゃ、(聖子さんは)出ない音はないと思いますけど!」という(笑)

そして、郁代ちゃん、「聖子さんのように、後輩にそういうことが言える人になりたい」とまとめられていました。

・・・

聖子さんは独立独歩な印象がある人ですが、1年半ほど前に聖子さんがSKE48の歌唱力コンテストで惜しくも3位になった(聖子さん自身は1位の評価をしていた)(野島)樺乃ちゃんを「歌が良かった、伸びしろがある」と励まして樺乃ちゃんの今があったり(AKBグループ歌唱力決定戦第1回で優勝し、今年7月に初のSKE選抜入り)、宝塚雪組トップ娘役の(真彩)希帆さんを「歌声を大事にしていってもらって、いつか共演したい」と励まして希帆ちゃんの今があったり(今年7月のFNS歌謡祭でデュエット)するのを見ていたりすると、先輩からの後輩への接し方って大切だなと。

今回、郁代ちゃんがMARIA-Eちゃんに声をかけたのも、同じように感じていて、余り女優さん同士でそういうことやる方っていらっしゃらないんですよね。単純に「共演したから」以上の、世代を超えた魅力のキャッチボールが、1+1が2以上になっていたのがこの日のライブだと思えて。

MARIA-Eちゃんがイキイキとしていたから、郁代ちゃんもいつも以上に伸び伸びしてた。

郁代ちゃん的には、バンドに成尾さんがいらっしゃったのでいつも通り弾けても大丈夫という確信があったからだと思いますが(笑)、ミュージカル女優さんのライブの新しい可能性を感じられた、素敵なライブになりました。

| | コメント (0)

『怪人と探偵』(1)

2019.9.14(Sat.) 19:00~21:50
KAAT神奈川芸術劇場
2階E列1桁番台(下手側)

白井晃さん演出・脚本、森雪之丞さん作詞の日本オリジナルミュージカルの初日。

江戸川乱歩氏原作の「怪人と探偵」をモチーフにした作品で、怪人を演じるのは中川晃教さん、探偵を演じるのは加藤和樹さん。2人の間に多くの関係があるヒロイン・リリカ役を演じるのは大原櫻子さん。

内容的には上下左右どっちを向いてもネタバレの嵐でございまして、怪人と探偵が直接対決をすることぐらいしかネタバレ外扱いされないんじゃないか的な(笑)状態で、まず初日感想はネタバレしないよう努力いたします(爆)

作品全体としてはスタイリッシュという印象を受けるのは音楽が東京スカパラダイスオーケストラだからかなと。制作的にもPARCO劇場さんが入っていますから、一言で印象を言うと「PARCOみたいな感じ」でございます。軽やかな音楽に乗せて、重すぎず薄すぎず、ウェルメイドなオリジナルミュージカル。

ウェルメイドって言葉でミュージカル作品を喩えるのって、PARCO作品に多かった印象があるんですよ。昔の『GOLF THE MUSICAL』みたいな。今回の作品と全く色合いは違いますが、「ミュージカルとして肩の力を入れる必要が全くなくて、でもミュージカルでしか表現できない世界観」というのが「ウェルメイド」だと思ってます。

怪人二十面相なあっきーは、「暴走させると光るあっきー」な先入観そのままに生き生きしてるし、対する和樹氏のカッコよさは素晴らしいし、(大原)櫻子ちゃんは華があって好印象。由美子さんは相変わらずただ者じゃない役やらせると印象の強さを醸し出してるし。

登場人物としては和樹氏の秘書のフランク莉奈ちゃんが面白かった。ふと見てて思ったのがジュリエット出身者はKAATで面白いことになる法則でもあるのかと(注釈:昆ちゃんは『アダムス・ファミリー』のウェンズデー役で彼女史上初めてコメディエンヌをやってました)。

ヒロインの櫻子ちゃんが「リリカ」役で、メイドさん演じるアンサンブルに加藤梨里香(りりか)ちゃん(メイド力が凄い)がいて、それでいてあっきーが「リリカ!」と叫ぶと、私的にはさらに別の方しか思いつかないという摩訶不思議な空間でした(爆)

全体的に1幕はまったり感が強いというか、物語がなかなか進まないもやもや感があるけれど、謎を各所にちりばめた分、2幕でそれぞれが解き明かされていく中で段々とカタルシスになっていくのかと。最後どう仕上げるのか不安だったので、何とかまとまって良かったという感じでした。

オリジナルミュージカルって着地点が見えないから、作り手としても不安の中でやってきたのだろうし、演出家さんを信じてついていくと言っても、本当の反応は客席の熱量でしか測れないのは本音でしょうし。

その意味で自然にスタオベになった初日は「良いもの見せてくれて嬉しい!」が客席から伝えられた、とっても良い初日だったなぁと。
「なんか良かったねぇ」が最初の感想で、話しながら「これも良かったあれも良かった、でも全部ネタバレだけど(笑)」と言い合うのが楽しい。よって今日もネタバレは完全回避です(爆)。

あえて言うなら櫻子ちゃんの役柄上の本名に「日本オリジナルミュージカル」の意味を感じたりして身構えしました。

あと、やはり自分にとっては高橋由美子さんの舞台復帰は大きかった。1年6か月ぶりの舞台復帰は、本当に色々あったけれども、blogでは一切それについて書くこともしてこなかったけれども、まずはこの日を迎えられて、そして作品の中で期待通りの在り方をしてくれたことにまずは心をなで下ろしました。

プライベートをどうこう思うことはしない信条ではあったけれども、同い年の社会人として、プロとして守るべきレベルを満たしているとはどうにも思えなかったので、今回の舞台で「プロとして」「ベテランとして」きちんとした存在で復帰されたことでようやく、自分の中でも一つの気持ちの納得がついてホッとしたのでした。

劇中で、櫻子ちゃん演じるリリカに、由美子さん演じるネコ夫人がかける言葉。
この作品の大きなテーマ「愛」の重さを経験で見せていた。
酸いも甘いも噛み分けた、ベテランだからこそヒロインにかけられる重み。

その2人が、カーテンコールで本当に仲良さそうにわちゃわちゃしていて。
由美子さんはカーテンコールで他の方とじゃれることは本当に少ないんだけれど、初日にたまたま櫻子ちゃんのドレスが落ちてきてしまったのを、由美子さんが自身のマントにさっと隠したのを櫻子ちゃんが感謝してて、何かとっても良い空間だったんですよね。

17年前、あっきーのミュージカルデビューをお姉さんとして見守った由美子さん。由美子さんの1年半ぶりの復帰に、時に触れて話を出していただいたあっきーの恩返しの温かさにも心から感謝しています。

9月末までの横浜公演、内容含め楽しめそうです。

| | コメント (1)

『スジナシ』(2)

2019.9.10(Tue.) 19:00~21:00
赤坂BLITZシアター E列1桁番台

即興芝居をライブでやる「スジナシ」、3回シリーズの中日に笹本玲奈さんがゲスト出演ということで、いそいそと行ってまいりました。

最近はライブ形式でこの劇場で公演するようになった「スジナシ」ですが、もともとは愛知の放送局、中部日本放送(CBC)で16年間テレビ放送されていて、実は当時、玲奈ちゃんも出たことがあります。

その時(2013年)の舞台はライブハウス。鶴瓶さんとゲストの2人芝居。

当然事前の打ち合わせも一切なし。その時はライブハウスにやってきたボーカルの玲奈ちゃんが、そこにやってきた鶴瓶さんの設定をいつのまにやら「ライブハウスのスタッフの人」ということに仕立てて、「自分のバンドの他のメンバーがやってこない、どうしよう」というていで、慌てつつも、鶴瓶さんに勧められて1人で歌う。

その時鶴瓶さんがリクエストしたのが「オン・マイ・オウン」でして、その時点で既にエポニーヌ10年選手の玲奈ちゃん、それはそれは素晴らしい独唱でした。

その時のことを鶴瓶師匠も覚えていらしたそうで、今回『ノーサイド・ゲーム』でラグビーチーム・アストロズのアナリスト・佐倉多英として評判になった玲奈ちゃんを呼びたい、ということになってから「玲奈ちゃんに歌ってもらう」ことは最初から想定していたとのこと。

それもあってか、舞台は「カラオケスナック」、つまるところ、歌がないわけないですよね(笑)。
何かを感じずにはいられない玲奈ちゃんの微妙な表情が面白すぎます(爆)。

・・・

この日の席番がE列ということで、「あぁ5列目だなー」とのんびりして行ったら、実は最前列(笑)。
そして席番は何と、どセンター。

トークパート(2人芝居やった後に、鶴瓶さん、ゲストさん、司会の中井美穂さんの3人で振り返りがあります)時、自分の目の前に、過去一度も着たことがないであろう、ど派手な豹柄の衣装を着た玲奈ちゃんがいらっしゃるというのは、何とも目のやりどころに困る事態(←いや、観てますよ…笑)。
この日の放送は同日深夜27時から放送がありましたが、4回ぐらい映像に抜かれていました(爆)。

衣装もお2人それぞれが選んで、最初の立ち位置を客席から募って、結局「2人がカラオケスナックのカウンターにいる」ところからスタート。鶴瓶師匠が後で仰ってましたが、これ設定が固まっちゃうんでかえって難しいんですよね(もう一つの候補は「片方だけカウンターにいる」設定でした。この方が方向性が広い、との師匠談)。

客が来ないカラオケスナック(ちなみに店名は「タエ」)で、ど派手な服装の鶴瓶師匠がぼやく、豹柄玲奈ちゃんが愚痴るという流れから始まりますが、いきなり「私も離婚してさ、5千万持ち逃げされてさ」って言い出す玲奈ちゃんに師匠が「いいんかお前」ってびっくりしたそうです(客席に旦那様もいらっしゃったそうですので笑)。

そういえば本編開演前のパート、旦那様がいらしているという話を玲奈ちゃんから聞きだした鶴瓶さん、

鶴瓶さん「旦那様ってどんな方?」
玲奈ちゃん「アラジンみたいな人です」
中井さん「アラジンですか、ランプの精ですか」

というところが中井さんが黒すぎて(ただの天然かっ)爆笑してしまったことを申し添えます(爆)。

話は戻って。

2人の掛け合いで、お互いが探りながら着地点に辿りついていきますが、ここが役者さんごとにアプローチがなかなか違って、玲奈ちゃんの場合は、それほど素っ頓狂なことをやらないタイプ…と鶴瓶さんも客席も思っていたところが…

実のところ後半、「玲奈ちゃん演じる娘は歌手になりたかった」って話でいきなりスタッフさんをステージに上げ(レコード会社のプロデューサーさん名目)、玲奈ちゃんに歌わせる。

師匠がタッチパネルが使いこなせずに(爆)カラオケ屋さんのスタッフ呼ぶという名目で入れたのがAIさんの『Story』(本当は『ミス・サイゴン』の「命をあげよう」を入れたかったそうです)。

玲奈ちゃん、慌てふためき「歌えない歌えない!」と言いながら最後は腹を括っての歌唱。
歌詞を読むと分かるのですが、この歌詞を「娘から母への感謝の気持ち」という空気にして歌い上げた玲奈ちゃんが素晴らしかった!!

実はこの曲、「聞いたことはあるけど歌ったことがない」曲だったそうで、ということはほぼ初見。
それなのに、流れる歌詞で気持ちを構成するなんざ、さすがミュージカル女優さんの本領発揮。

が。それで終わらないのが今の玲奈ちゃん。

舞台終盤、「歌いたい気持ちが高まってきた!」という乗りで「オカンも踊ろう!」ということで、ミュージカルハイテンション曲の1つ、『I Got Ryhthm』(クレージー・フォー・ユー)で玲奈ちゃん踊りまくりに鶴瓶師匠を付き合わせる。

息上がる師匠、そして幕(笑)。

鶴瓶さん「なんで躍らせるんや!(笑)」
玲奈ちゃん「歌わせたじゃないですか!
  目には目を、百倍返しだ!(会場爆笑)」

という、玲奈ちゃんらしからぬ(実はいたずら好きな本性出しての)とっても面白いひとときでした。

・・・

「知る人ぞ知る存在」から、「かなりの人が知ってる存在」になった玲奈ちゃん。

そんな時に、スジナシで今の玲奈ちゃんらしさを前面に出せたのも余裕の証。
ミュージカル女優ここにあり!を軽やかに表現されていた玲奈ちゃん、素敵でした!

| | コメント (0)

« 2019年8月 | トップページ | 2019年10月 »