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『人生のピース』(2)

2019.8.12(Mon.) 12:00~14:10
2019.8.12(Mon.) 17:00~19:10
東京芸術劇場シアターウェスト
昼/K列10番台(センターブロック)
夜/G列20番台(上手側)

5日間10公演これにて終演。

千秋楽は「フローラルマリアージュ」パートに客席からの拍手が入るという”千秋楽スペシャル"に5回のカーテンコール。空調効き過ぎ感のあるシアターウェストがものすごい熱量に包まれました。

仕込みとゲネプロ含めて1週間だと、この公演のように5日10公演が限界。
好評でも週末が1回しかなく、評判が伝わる頃には終わってしまうのは、やはりもったいない気がします。

結果として3回の観劇になりましたが、実はA席引換で見た月曜マチネが最後列ど真ん中で、ラストの(青山)郁代ちゃんのソロと目線が一緒、という壮絶な幸福感を味わいまして、なぜこの席が3回中一番安かったのだろうと(笑)

・・・

前回も書きましたが、この作品は婚活をテーマにしつつも、「結婚物語」ではなく「人生物語」なんですね。

それぞれの登場人物が人生の価値観を見つめ直した結果として、「結婚」にたどり着くも良し、「シスター」にたどり着くも良し、「友達」にたどり着くも良し、というのはいかにも今の時代ぽい。

ラストシーン、(木村)花代さん演じる潤子と婚活パーティーで知り合った金子さんとのエンディングをあえて結論を見る側に委ねているのは、そんな今の時代の多様性ゆえなんでしょうね。

今回は音楽が小澤さん(小澤時史氏)ということで、とても似た印象を受けるのがTipTapの”Life3部作"の最終作『Play A Life』。

妻を喪って生きる甲斐を失った主人公が「どう生きるか」を、妻との思い出を軸に、夫婦共通の後輩である教育実習生の前向きさを持って認識していく物語で、花代さんはその「妻」を演じていました。

そのときの花代さんは夫を元気づける側でしたので、逆と言っていいほどの立場なのですが、似ているなと思ったのが、「人生の選択は人それぞれ、だからこそ自分の人生は自分で決めなければならない」ということ。

「この年齢になったら結婚しないと」という世間体は当然、今のご時世にも存在するけれど、自分の人生を見つめて、必要な決断をしていくことでしか、自分の人生は拓けてこないんだろうな、と改めて思わされました。

主演を務めた木村花代さんは四季卒業以降しか拝見していませんが、驚くほどの小規模な舞台から大劇場に至るまで、幅広く務めてきたからこその今回の座長としての居住まいの確かさ。

実のところ、同級生3人娘は原作では34歳の設定なので、3人娘の中でリアル34歳に近いのは郁代ちゃんだけなんですよね(郁代ちゃんはまだ33歳)。座長としての重さとしてはやっぱり花代さんの経験が必要だったのかなと思います。

礼香を演じた青山郁代さんは先述の通り、3人娘唯一のリアル世代ですが、末っ子的な「甘え上手でちゃっかりやさん」というとっても郁代ちゃんらしうポジションを確保しつつ、「綺麗な顔してサラッと直球ぶっ込む」あたりがとってもらしかったです。
まぁ、全編に亘って毒舌担当はピッピとポッポの子役さんだったわけですが(爆)。

今回の作品の中で「マリアージュ」という言葉が出てきますが、語源は結婚とはいえ、「違った良さをもったものが混じり合うことで新たな良さをつくりだす」という意味でも使われていて。

それからすると花代さんと郁代ちゃんの歌声のマリアージュはもう最高で。
『ミス・サイゴン』『キューティー・ブロンド』『メリー・ポピンズ』と共演してきて、郁代ちゃんの花代さんへのリスペクトはもう疑うべくもないことが、歌声にそのまま乗っていて、2人の一心同体ぶりが素晴らしかったです。

・・・

セットを最小限に抑え、背景を絵で映す方式なのも新鮮でしたが、歌と歌声に支えられ、全く簡易さを感じられなかった素敵な作品。

難しいのだろうなとは思いながらも、また同じキャストで拝見してみたい作品です。

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