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『笹本玲奈20thアニバーサリーコンサート「Breath」』

2019.7.20(Sat.) 19:00~20:50 4列20番台
2019.7.21(Sun.) 12:30~14:15 2列1桁番台
2019.7.21(Sun.) 17:00~18:50 8列10番台

よみうり大手町ホール

笹本玲奈ちゃん20周年記念アニバーサリーコンサート。

正しくは、去年が『ピーターパン』デビューから20周年なので、今年は21周年なのですが、まぁそれは置いておいて。10周年は当時ホリプロが持っていた天王洲銀河劇場でした。それから11年が経ち、23歳だった玲奈ちゃんは出産もされて34歳に。会場も当時はなかった、よみうり大手町ホールになりました。

よみうり大手町ホールは客席501席の中規模のホールですが、今の玲奈ちゃんにぴったりの空間。
大きすぎもせず小さすぎもせず、そしてファンクラブの方ばかりではなく、ミュージカルファンやそれ以外の方にも来てもらえる利便性、と至れり尽くせりのホールです。

実際客層も、いつも玲奈ちゃんのところでお会いする玲奈友の皆さまだけでなく、劇場でお会いするお知り合い、ドラマ効果もあって初めてと思われる方も含め、結構ばらけていて嬉しい限り。

それでいて初日、開演時間を過ぎてから静まり返る客席から、ただ一つの音も聞こえなくて。

1曲目が客席降り(客席後方)からの登場だった玲奈ちゃんが、「あまりに音がしないのでお客さんが入っていないんじゃないかと心配になった(笑)」と言っていた位の静けさは、客席の一丸さを見せて印象的でした。実際は2回目以降、ここでは音楽がかかっていたので、あぁBGM入れ漏れだったかぁとは思いましたが(爆)。

さて、セットリストです。

●セットリスト
1.I'm Flying/ピーターパン
2.あんなひとが/ジキル&ハイド
3.All For Laura
 /ウーマン・イン・ホワイト
4.スマイル、スマイル/ミー&マイガール
5.孤独のドレス/マリー・アントワネット
6.As If We Never Said Goodbye
 /サンセット大通り
7.僕こそ音楽/モーツァルト!
8.愛は死なず/ラブ・ネバー・ダイ
9.水着の美女/ラブ・ネバー・ダイ
9.翼が今/NHKみんなのうた
10.子守歌メドレー
 10-1.優しい羊飼い/ピーターパン
 10-2.心で見つめて/ラブ・ネバー・ダイ
 10-3.ララルー/わんわん物語
 10-4.明日は幸せ
    /マリー・アントワネット
11.命をあげよう/ミス・サイゴン

【回替わりゲストコーナー】
●7/20(土)19時
 withソニンちゃん
12.憎しみの瞳/マリー・アントワネット
13.Listen/Dream Girls(ソロ)

●7/21(日)12時30分
 with佐藤隆紀さん
12.夜のボート/エリザベート
13.神よ、何故/ミス・サイゴン(ソロ)

●7/21(日)17時
 with石丸幹二さん
12.All I Ask Of You/オペラ座の怪人
13.時が来た/ジキル&ハイド(ソロ)

【回替わりリクエストコーナー】
●7/20(土)19時
14.罪と罰/椎名林檎(1位)
15.On My Own/レ・ミゼラブル(2位)

●7/21(日)12時30分
14.100万のキャンドル
 /マリー・アントワネット(3位)
15.罪と罰/椎名林檎(1位)

●7/21(日)17時
14.Popular/Wicked(4位)
15.罪と罰/椎名林檎(1位)

【通常コーナー】
16.Somewhere/ウェストサイド物語

【アンコール】
17.ミッドサマー・イブ/PUCK
18.I Got Rrythm/クレイジー・フォー・ユー

・・・・

これでもかというぐらいの有名曲揃い。
それらの曲を構成の小林香さんが本当に巧みに整理して下さって、素晴らしいセットリストになっていました。

20年間、ひたすらにヒロインを演じ続けて、四季以外のヒロインをほぼ総なめにしたのではと思われることが反映してて、M2からM5の「今まで演じた役の中から」の4曲という時点でもう濃い強い。
役柄からして娼婦→姉→少女→王妃ってあたりも役が広すぎ(笑)。その4曲をほぼ間なしに歌いきる玲奈ちゃん、喉強いなーと感心しきり。

今までは苦手なのではと感じていた高音域も限界まで飛ばしてて、M8の「愛は死なず」のクリスティーヌ、石丸さんゲスト回のM12(こちらもクリスティーヌ)、今年の冬公演控えてのM16「Somewhere」のマリアと、歌声の可動域が広がっているのに驚きます。

一番の変化を感じたのはMC。
玲奈ちゃんのMCといえば、「ぽわぽわ」が代名詞だったりしますが(爆)、上手くいかなかったことを引きずるようなところがあったのが、今回はそこここで噛みつつも、強引に先に進める「Show Must Go On」ぶりが凄い。

「母親になってこの曲を歌うのは本当に辛い」と仰っていた、M11「命をあげよう」でも、回ごとに泣き方は違いがあったものの、一番泣いていた初回の時も、泣いて戻って来れないかという状況の中で、勢いよく「はい、次行きましょう!」ってやるあたりが意外な強者ぶり(爆)。

選曲の意外性では何といってもM7の「僕こそ音楽」。いわゆる少年系(ピーターパン系)の声で歌ってて新鮮。なんか玲奈ちゃんが背が低くてアマデが喋れたらこんな感じじゃないかな?って感じでとっても面白い。リクエストパートでは実は私も入れた、21日夜のM14「popular」の玲奈グリンダが天才ってぐらいなテンションで、むっちゃテンションが上がりました。M18「I Got Ryhthm」の盛り上がりも、玲奈ちゃんでは意外に感じる機会がないので楽しかった!

玲奈ちゃんの歌ってやっぱり役として歌ってこそ光るというのが、まさにミュージカル女優だと思うわけですが、M2~M5の「自身が演じた役」では役に入って歌われていて、例えばM2「あんなひとが」では娼婦ルーシーンが、少女のように想い人を思って「ふふっ」って笑う様が本当に可愛らしくて、玲奈ちゃんでしか出せない空気感。

・・・

それではここからは回替わりのゲストコーナーの話。

●7/20(土)19時
 withソニンちゃん

ソニンちゃんパートで何といっても面白かったのは、そもそも今回のコンサートにソニンちゃんをゲストに呼んだ理由。実は翌日のシュガーさん(佐藤さん)も同じだったのだそうですが。

MAの博多座はWキャストだったので、楽が1日前に片方のチームが終わり、そのメンバーが玲奈ちゃん、ソニンちゃん、シュガーさん(と古川くん)。

で、打ち上げがあった後、「何か話し足りないね(by玲奈ちゃん)」ということで、天神でお茶出来るところを探しても夜22時過ぎでは店が開いてなくて、ふと見上げたそこにあったのは「カラオケ館」。
せっかくだから入っちゃおっか、ということで3人で入り、温かいお茶を飲みながら人生について語り合い(笑)、午前2時過ぎには「シュガーさんの発声講座」も始まり(笑)」

でも「せっかくこんな歌上手な2人と一緒にカラオケ館にいたのに歌わなかったのが悔しくて(by玲奈ちゃん)、で、呼んだと(笑)」

それを受けてソニンちゃん「え、本当にその理由なの(笑)」

翌日のシュガーさんも「え、本当にその理由なの(笑)」という反応をして、玲奈ちゃんから「昨日ソニンも全く同じ反応した(笑)」と答えていて面白すぎました。

ちなみに、カラオケ館入った時の反応は「玲奈は歌いたそうで、ソニンは絶対歌わない、聞いてるからって感じ」だったそうです(笑)(byシュガーさん)

で、ソニンちゃんとの話に戻りますと、『ミス・サイゴン』2008年ではキム役として一緒にやっていたけど、去年の『マリー・アントワネット』が念願の初共演。稽古場では稽古終わった後も2人して残って、演技の話や芝居の話や、人生の話をたっぷりして、「スタッフさんが『早く帰ってよ』みたいな感じで電気消されちゃったり(byソニンちゃん)」「じゃそろそろ帰ろうか、みたいな(by玲奈ちゃん)」…

それでいてソニンちゃん曰く「玲奈とは以前から知っていて役者としてもずっと見てきて、でも同じ役をやってから初共演まで時間が空いて、でも稽古場とかでそういって2人で話すことでお互いの気持ちを知ることで、『マリー・アントワネット』での2人のMAの関係での「空白の時間を埋める作業」とシンクロすることができたかなと思う」と仰っていたのが、凄く印象的で。

玲奈ちゃんはソニンちゃんを呼んだ理由を笑いに変えていたけど、「ライバルでもあり友人でもあり」で一番心の中に残っている女性だからこそ呼んだのだろうな、ということが感じられてとっても良かったです。

デュエットはその『マリー・アントワネット』から「憎しみの瞳」。「いきなりじゃ難しいよねー」と言い合って玲奈ちゃん「じゃぁ部屋に入ってくるところからやるね」で「マドモアゼル~」からの台詞入り。まぁすんごい対決バトル復活。

終わった後
2人「本当はこんなに仲良しなのにねー
 
(肩を組み満面の笑み)」
玲奈ちゃん「続きが気になる方はDVDで」
ソニンちゃん「DVDはこのペアですんで是非」
…なんちゅう鉄壁のフォーメーション(笑)

ソニンちゃん
「この曲で玲奈が怯えている顔を見るのが楽しくて」
 (にやにや)
玲奈ちゃん「Sだねー(笑)」

そしてソニンちゃんの告知コーナー
ソニンちゃん「次は9月に世界初演になる『ファクトリー・ガールズ』という作品に出ます」
玲奈ちゃん「え、ファンテーヌいじめる人?」
 
(会場内大爆笑)
ソニンちゃん「違う違う(笑)でも「また戦うソニンか」と皆さんお思いかと思いますが、意外に後ろに控えているんですよ」
玲奈ちゃん「え、そうなんだ、意外(笑)」

…というあたりのMCも神ががっていました(笑)

●7/21(日)12時30分
 with佐藤隆紀さん

ソニンちゃんとの回に輪をかけて笑いの神が舞い降りていたのがシュガーさんこと佐藤さんの回。

シュガーさん「実は同学年なんですよ」
玲奈ちゃん「そう。85年組って多くて」
シュガーさん「僕は86年早生まれなので、同学年ということで」
玲奈ちゃん「最初は年上かと思って」

シュガーさん「実はジキハイを見に行って石丸さんにご挨拶した後、玲奈ちゃんにご挨拶しようかと思ったんですが、楽屋で『あれはこうすればよかった』とか仰ってたので遠慮して(笑)」
玲奈ちゃん「(撃沈)」

シュガーさん「『マリー・アントワネット』で初めて共演させていただくことになって、仲良くなりたいと思って親父ギャグとか言ったんですが、その時の玲奈ちゃん、『愛想笑いってこういうものなのか』という、そのものの笑顔をいただきまして(笑)」
玲奈ちゃん「(爆笑)」

シュガーさん「実はちょっとトラブルがありまして」
玲奈ちゃん「えっ?」
シュガーさん「僕はグループ(LE VELVETS)で活動しているんですが、実は今日、別のメンバーの衣装を持ってきちゃいまして(笑)」
玲奈ちゃん「(笑)」
シュガーさん「自分より身体が小さいメンバーのを持って来たらどうしようかと思いました(笑)」

シュガーさん「デュエットの曲をどうしようかという話になって」
玲奈ちゃん「『マリー・アントワネット』だと”蛇の歌”しかないですよね。あ、ご覧になっていない方は何のことやらと思いますが(笑)、マリーがどんどん怒って、(ルイが)大丈夫だよ、落ち着いて、とか何の役にも立たない合いの手入れてくる(←この表現が容赦ない笑)」
シュガーさん「で、ルイはおろおろするだけ(実演付きで面白すぎる)」
玲奈ちゃん「それ見てマリーが『キーっ!』ってもっと怒って(笑)」
シュガーさん「最後に『蛇ー』って叫ぶという(笑)」

…という経緯で、実はお2人からの希望が一致しての『夜のボート』。
玲奈シシィ&佐藤フランツ、素晴らしかった!是非本公演で見たい組み合わせです。

それにしても、MCから笑いの神が降臨してしまった玲奈ちゃん、

玲奈ちゃん「では『夜のボート』を・・・・
 (笑いが止まらない)」
 「こんな状態じゃ歌えないっ!(笑)」
シュガーさん「僕の衣装のこととか思い出しちゃダメだよー(にやにや)」
玲奈ちゃん「ちょっとっ!!!・・・(とシュガーさんが見えないところに退く)」

ってあたりがいかにも同学年尊しって感じで微笑ましかったです笑

そしてソロは「髭生やして歌う曲ではないんですけど(byシュガーさん)」な、『神よ何故』(ミス・サイゴン)。
前日までレミで一緒にやってたクリス・おのりゅー(小野田龍之介氏)に「何歌うの?」って聞かれて、この曲を歌う、と言ったら「へー」と(笑)
「先生、どう歌えばいいですか」って聞いたら「息を吸って吐いて歌えばいいんだよ」と言われたそうです(大笑)。

そういえばシュガーさんのペットボトルの水だけ、なぜかストローが挿し忘れてて

玲奈ちゃん「ごめんねー(といいつつ笑いをこらえきれない)

・・・で、シュガーさんはペットボトルをキャップ外して飲んでました(笑)

●7/21(日)17時
 with石丸幹二さん

他の2人がわちゃわちゃMCだったに比べると、少し大人しめな石丸さんとのMC。

玲奈ちゃん「ずっと客席から拝見してきたのに、最初の共演はミュージカルじゃなくて娘と父で(笑)」
石丸さん「『日本人のへそ』って作品で。自分も四季出て、あんながに股な役やったの初めてで(笑)」
玲奈ちゃん「やっぱり初めてだったんですね」

石丸さん「その後は『ジキル&ハイド』でミュージカル初共演で、最初は婚約者エマ役で、最初の関係性からすると2階層昇格で(笑)」
玲奈ちゃん「(笑)」
石丸さん「その次は同じ作品でしたが今度はルーシーということで、Wヒロインのもう一つの役で今度は僕のもう一つの役であるハイドと」
玲奈ちゃん「濃密な関係の役でしたね」

石丸さん「今回玲奈ちゃんの20周年に呼んでいただけて嬉しい限りで、今回のデュエットは僕のCDでデュエットしていただいた、『オペラ座の怪人』のクリスティーヌとラウルのデュエットで…それでは『アスペクスオブラブ』から・・・」
玲奈ちゃん「えっ(笑)」

…単純に言い間違えだったそうですが(爆)、CDよりもまた変わった高音域の出し方になっていた玲奈ちゃんのクリスティーヌ、素敵でした。2人並ぶとやっぱりタッパのバランスが良いというか、様になりますよね。

石丸さんのソロは「時が来た@ジキル&ハイド」。
玲奈ちゃん「ミュージカルの曲の中で一番好きな曲なんですー」と本当に嬉しそうで、ミュージカル好きな女の子に戻っていて新鮮。
石丸さん「じゃぁ玲奈ちゃんのために歌います」
玲奈ちゃん「いえいえお客様皆さまのためにお願いします」

…と、上手くまとまりました。

石丸さん曰く「この曲、本当はこの後、ハイドになるところまで繋がっているんで、普段はこの曲だけに全力というわけにはいかないんですが、今日は「時が来た」だけなので、全力で参ります」

と仰っていたままの物凄い迫力で、この日限りのフェイクも入れていて、玲奈ちゃんも大感動していました。

・・・

玲奈ちゃん本人が仰っていましたが今回の『Breath』は「立ち止まって、今までを振り返り、これからを見据えるための時」という意味を込めて構成の小林香さんと相談して決めたタイトルとのこと。

実際、出産を挟んで玲奈ちゃんの役もキャリアチェンジして、年下ばかりをやっていたところから、年相応の役もできるように変わってきたこのタイミング。そして『ウェストサイド物語』のような王道ミュージカルにヒロインで呼ばれ、地球ゴージャスでもヒロインに呼ばれ、今後の役付きの道のりを見える状態になってきたこの時期にこのコンサートが出来たことは、本当に意味があることだと思えて。

今まで本当に数多のヒロインをやってきて、エポニーヌもキムも干支1回り以上やる人なんて、未来永劫いないかもしれないし、でも過去のことに頼ることは決してなくて、今後の道に対してどう歩んでいくかを具体的に見つめ始めている玲奈ちゃんの姿は、先行きに迷っていた数年前とは全く違う、強さに満ちていて。

3回公演の最後、感極まって涙を流されたときに言われたことは本当に驚いたけれども、ファンとして拍手を贈る姿が、少しでも玲奈ちゃんが前に進んだり、立ち止まったりするための支えになればいいなと思えた、本当に素晴らしいコンサートでした。

ホリプロさんが今回、力を入れていただいたことにも感謝です。
いつも以上に色んなスタッフさんが関わってくださり、パンフレットも1200円とは思えない素晴らしい出来で、次の10年に向けて素敵なスタートになったと思います。

客席でご覧になっていた(唯月)ふうかちゃん、(小南)満佑子ちゃんといった、次に続く女優さんへの道しるべとして、今後も魅力あるミュージカル女優さんとしての先頭に立って、時には休みながら永く活躍していってほしいと願っています。

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