« 『レ・ミゼラブル』(25) | トップページ | 「中井智彦 トーク&ライブ -uta friends! -vol.2」 »

『新妻聖子コンサートツアー2019 See Ya!』(2)

2019.5.14(Tue.) 19:00~21:30
 オーチャードホール 15列1桁番台(下手側)

2019.5.15(Wed.) 19:00~21:10
 オーチャードホール 8列1桁番台(下手側)

新妻聖子コンサートツアー、東京2daysにて、ついにツアーファイナルです。
3月の初日、武蔵村山からほぼ2ヶ月ぶり、色々な変化も聞いていつつの、聖子さんの1年半ぶりのオーチャードホールへ(前回は2017年11月)。

前回もそうでしたが、オーチャードホール2500人を、しかも平日に2days埋められる聖子さんってホントに凄いなと。コンサート会場で以前からのファンの皆さまとお会いすると、懐かしさと同様「われらの聖子さまがこんなになってくれて…」な思いが共有できまして(笑)。

さて、まずはセットリストです。

●Act1
1.ラマンチャの男
2.星に願いを
3.Colors of the wind/ポカホンタス
4.アヴェマリア
5.童神(わらびがみ)/沖縄の子守歌
6.あの人からの手紙/かぐや姫
7.着飾って、輝いて
 (Glitter and be Gay)
  /キャンディード

●Act.2
8.Never Enough/グレーテスト・ショーマン
9.あり、か/中島みゆき
10.ビリー・ジーン/マイケルジャクソン
11.聖子のアイドルコーナー
  USA/DA PUMP(with客席)
12.Sisters(with新妻由佳子さん)
13.いのちの理由/さだまさし
14.On My Own/レ・ミゼラブル

●Encore
15.Nessun dorma
 ~誰も寝てはならぬ~

それにしても、色々な意味で変わらないのが聖子さん。

1幕、「ディズニープリンセス風な衣装で」とご自身を紹介しながら、
初日は客席からの笑いを見て取るや、
「なんで笑うんですか(笑)、ディズニープリンセス『風』って言ったのに」と客席にツッコみ、更なる笑いを誘い
楽は客席がクスリともしないことを見て取るや、
「いつもはここで笑いが起きるんですが、今日は起きないんですね」とわざわざ言及して客席から笑いを吸い上げるところとか、いつもの新妻聖子MCモード(笑)。

動きまわるUSAの前に至っては、「15cmヒールを脱ぎますね」と言って脱ぎ、「ほらちっちゃい」と”わざわざ”言及して客席のどよめきを誘っているという。それまで堂々と歌い上げていた聖子さんが、「小さい」なんて客席のほとんどは知らないからのギャップですよね。「いいんです、(小さいことを)受け入れて生きていきます」ってやるあたりが、いつもの新妻聖子MCモード(リプライズ)

歌声に関しては火曜日(初日)よりは水曜日(千穐楽)の方が喉の調子も、マイクの調子も良さそうに感じました。席としては7列後ろになったのですが、特に2幕「あり、か」は初日はかなりくぐもった感じに聞こえ(元々聖子さんとしては歌わない系統の歌ではありますが)たのに比べれば、千穐楽は流石の出来に感じました。

MCで流石だったのが、1幕ラスト『キャンディード』の作品説明。「哲学的で難しい作品ではあるのですが、”人生の教訓がちりばめられている作品”」と要約した千穐楽での説明は、「あ、上手く説明できてる」と本人が仰る(笑)のが十分なほどに簡にして要。

「最近ミュージカルに出ていないので、”ミュージカルってただ歌い上げる”だけじゃなくてこういうものもあるというのを知っていただきたくて」

「むしろ、『ただ歌う』だけなのは恵まれたことで、私たちミュージカル俳優は”何かをしながら歌う”ことを求められる仕事ということを知っていただきたくて」

という言葉が流石で、ポジション的に”ミュージカル界の女王”となってきたところに相応しいMCで。

「まるで『ミュージカル講座』ですね」と仰っていましたが、ある意味『ミュージカルMC講座』という感じの、見本的な絶品MC。歌の背景をきっちりと説明したうえで、歌声を含めた歌を理解してほしい、そのためには出来得る限りの(必要十分な量の)インフォメーションをする、というのが聖子さんの聖子さんたる、かつ聖子さんらしいMCで素晴らしかったです。

・・・

そしてこの2日間の白眉は、何といってもお姉さま、新妻由佳子さまご登場での姉妹デュエット『Sisters』。
アルバム『アンダンテ』に収録されているオリジナル曲ですが、作詞作曲がお姉さまの由佳子さん。

姉が妹を思って、その時に書いた詞…と聖子さんも思っていたそうですが、実は由佳子さんが明かしたところによれば「聖子が生まれた時(由佳子さんは2歳半)にとても嬉しくて、その時『いもうと』ってタイトルで言葉を書き留めてた。そこからこの曲の歌詞は生まれたんです」と話されていて、実は聖子さん自身も初耳だったそうで、感動されていました。

「私はいつも姉に助けられてきて、姉がいるから私は今ここにいられると本当に思っています。
中学高校時代を過ごしたタイのバンコクから帰国して(上智)大学に入り、歌手になりたくて努力したけど全く上手くいかなくて。当時、渋谷のここから5分ほどのライブハウス『take off 7』で5人ぐらいしかいない客席で歌っていて、『夢を諦めなきゃいけないんだろうか』と思っていたんです。
そんな時、姉が来てくれて。『私には聖子がもっとたくさんの人の前で歌う姿が見えたよ』って言ってくれて、その言葉を支えに頑張って。ひょんなことから『レ・ミゼラブル』のオーディションのお話もいただいて、合格させていただいてから今まで、姉をはじめ本当に多くの皆さまに助けていただいて、今日これだけの皆さまの前で歌を聞いていただけていることに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」

と仰られていて。

この話はFCのお茶会で一度だけ話されたことがあり、前回はお姉さまがゲストではなかったこともあり、同じオーチャードホールとはいえ話されなかった話なのですが、「あのとき諦めていれば、今の自分はない」と言う言葉は、長く拝見しているからこそ胸に迫るものがありました。

ともすれば、”歌える”だけに歌と「戦う」ようなところもあった若き頃の聖子さん。

時を経て、沢山の経験もされて、歌えることへの感謝を言葉にしてくださる頃になったころから、聖子さんの歌はより温かく、深くなったように感じます。

いい曲をリスペクトして、ご自身が歌う意味をよりはっきりと考えられたからこそ、より考え抜かれた、この日へのセットリストの変化につながったのかな、と思えて。
全力で壁を打ち崩そうとしていた頃の曲や姿に懐かしさを感じはしつつも、今回のツアーの意味からすると、東京ラスト2daysのセットリストは、腑に落ちた部分があったのでした。

|

« 『レ・ミゼラブル』(25) | トップページ | 「中井智彦 トーク&ライブ -uta friends! -vol.2」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 『レ・ミゼラブル』(25) | トップページ | 「中井智彦 トーク&ライブ -uta friends! -vol.2」 »