『アイリスオーヤマ スペシャルコンサート2019』
2019.5.20(Mon.) 19:00~21:05
サントリーホール 2階C7列20番台(センターブロック)
「オーケストラ・サウンドと光のスペクトラム 仙台フィル meets 新妻聖子」のサブタイトルが付いたオーケストラコンサート。
サントリーホールに来るのは久しぶり。
直近は3年前の4月、玲奈ちゃんが出た『とっておきアフタヌーン』以来。
学生時代はクラシックを聞きに来たりしたことがあります。大学の恩師がクラシック好きで何度か来たことがあるので、クラシックのイメージが強いホール。
つい先日のコンサートツアーファイナル@オーチャードホールから1週間経っていない状態での聖子さん登場、ということでしたが結果的に曲目は1曲以外は全てお久しぶりに聞く曲、来て良かったです。
聖子さんパートのセットリスト
●第1部
1.Let It Go/アナと雪の女王
●第2部
2.My Heart Will Go On/タイタニック
3.I Dreamed A Dream/レ・ミゼラブル
4.Nessun Dorma/オペラ『トゥーランドット』
まさに歌い上げ系全力。
すべて英語歌詞で、聖子節全開で歌い上げる様で満場の拍手を受けられていました。
アイリスオーヤマさん主催ということで背広姿の男性が多く(つか自分もそうですが笑)、恐らく代理店関係の招待の方も多く見受けられましたが、それでも掛け値なしの満場の拍手を贈られる姿を拝見できるのは嬉しいものです。
サントリーホールということで、英語歌詞がしっくりくる上、当然伸びる声が存分に発揮できるわけで、選曲もコンサートとほぼ被らず(M4のみ被り)。最初はちょっとホールの音響に戸惑っていた感じがあったけど、2幕は微調整をした上での歌唱だったのが流石でした。
フルオケだったので本音では『GOLD』を期待したんですけどね、次に期待です。
ともあれ、歌声全力なのと双璧で売り(爆)になるのがMC。
司会をされていた柴田アナ(元TBSのアナウンス局次長をされた方です)に「MCお上手ですね」と言われるミュージカル界のMC姫(笑)の本領発揮。
2幕2曲の途中のMC、レミゼ「夢やぶれて」の曲紹介はご自身で。
「さきほど司会の柴田さんも『ニューシネマパラダイス』が年齢によって感じることが変わる作品と仰っていましたが、今からお聞きいただく『レ・ミゼラブル』も年齢によって感じることが変わる作品のうちの一つです」
と仰られ、
「ファンテーヌは夢破れていますが、それでも自分の足で立ち上がろうとする。人生はなかなか上手くいくことばかりではないですけど、それでも立ち上がろうとする強さを感じていただければと思います」
というMCからの歌唱。
頭いいなぁと思うのは、1幕での司会の柴田さんの言葉を引用され、共通点を説明しながら「レミゼ」について「年齢によって感じることが変わる作品『のうちの一つ』」と仰っているところ。つまり、そういう作品は「レミゼ」だけじゃない、ということをこの言葉で表現してるんですよね。
「1幕で説明されていたことと、実は同質のもの」ということでお客様の関心を引き、そして「レミゼ」以外にもそういう作品がある、ということでミュージカルへの興味も湧かせる。この日、レミゼは映画音楽の流れで紹介されていたのですが、そこにミュージカル側の説明も加えるのが流石で、更にそれが客席みなの関心を呼ぶように「人生で立ち上がることの大切さ」につなげるのが素晴らしいです。
歌唱後の柴田さんとのMC
柴田さん「お喋りお上手ですね」
聖子さん「すいませんうるさくて(笑)」
柴田さん「(経歴を拝見して)王様のブランチ経験は役立ってますか」
聖子さん「えぇもちろん。天職だと思ってました。1日7軒とかのグルメレポ、女の子はみんな辛そうにしてたのに、私は天国じゃないかと思ってました(笑)」
聖子さん「食レポ褒められたので、職にあぶれたら、食レポに転職しようかと思ってます」からの、歌声で度肝を抜いて満場の拍手をもらうスタイル(笑)
司会の柴田さんのポケットにCD「colors of life」が…
柴田さん「あれ、こんなところにCDが(笑)」
聖子さん「すいません、さっき横から入れちゃいました(笑)」
「こちらサントリーホールの上にある、ワーナーミュージックさんからCD出させていただきまして」
…どこまでも澱みない(笑)
確かに、サントリーホールの横、アークヒルズサウスタワーの20階にワーナーミュージックさんの本社があります。姫のMCの情報量ハンパない(笑)
柴田さん「(帯に書いてありますが)関ジャニさんの音楽番組で6回優勝、あの『ラマンチャの男』すごかったですね」
聖子さん「ありがとうございます。このCDには入ってないんですけど(笑)」
…とかいうのまでありました。
聖子さんのMCをよく聞くと、よくプレゼンテーションの本で書かれている「まずは聞き手と共感できるところを共有して、自分に関心を持ってもらうのが大事」ということとかなり共通している部分があるんですよね。
ただ歌を聞いてもらうだけでなく、歌の周りの物語も一緒に持って帰っていただく。
聖子さんが自身のコンサートでも、コンサートのゲストでも常に感じられる哲学。
自分を、音楽を、そしてミュージカルを、理解してもらうための労を惜しまないからこそ、聖子さんは強く光っているのだろうな、という気持ちを再認識できた素敵な時間でした。
仙台フィルさんの演奏も迫力で、特にラストの『スターウォーズ』の「帝国のマーチ」は圧巻でした。
素晴らしかったです。