« 『キューティ・ブロンド』(6) | トップページ | 『久田菜美 Birthday Live』 »

『新妻聖子コンサートツアー2019 See Ya!』(1)

2019.3.16(Sat.) 16:30~18:40
武蔵村山市民会館(さくらホール)

1年半ぶりとなる新妻聖子さんコンサートツアー、2019年の初日は東京西部、武蔵村山市民会館・さくらホール。

武蔵村山市といえば、東京にある市の中で唯一鉄道の駅がないことは知っていましたし、北側はすぐ埼玉県(所沢市)というぐらいの知識しかありませんでしたが、改めて行き方を調べてみると、どの駅からもそれなりに時間がかかることが判明。結局迷った末、往路は西武新宿線東大和市駅から都営バス最長路線・梅70系統(青梅車庫行き)で武蔵村山市役所へ。復路は狙っていた市内循環バス上北台行きにちょうど飛び乗れて、上北台駅から多摩都市モノレールで立川に出るという経路になりました。往路は別ルート(特に立川)から入った方は道路渋滞で間に合わなかった方もいらしたようなので、比較的良い選択だったかと思います。

・・・

聖子さんはMCでも言及されていましたが、産休を挟んでのコンサートツアー復帰ということで、ほぼ1年半ぶり。単発のコンサートやテレビはあったものの、ご本人、「(レミゼでの)デビュー以来というぐらいに舞台袖で緊張した」と仰っていた通り、MCは大人しめでのスタート。とはいえ、「武蔵村山、熱いですねー!」と言うほどの会場からの大きな拍手に身体もほぐれたようで、最初から絶好調の歌とあいまって、素晴らしい初日になりました。

ミュージカル女優としてだけでなく、歌手として幅広い皆さんに歌を聞いてもらいたい、その思いからのコンサートツアーで、もちろんその点をいつも以上に感じながらも、今回は「今まで応援してきてくださっている皆さま」へのはっきりとした言葉が強く出ていて、そして選曲もいままでの聖子さんのこだわりからすれば、考えられない選曲になっていたことに、感動で言葉もありません。

それでは、セットリストに参ります。初日ですしネタバレですので、お気にされる方は回れ右でお願いします。





よろしいですね?

では、参ります。

●Act1
1.ラマンチャの男
2.アライブ
3.Colors of the wind/ポカホンタス
4.君をのせて/天空の城ラピュタ
5.アンパンマンのテーマ
6.童神(わらびがみ)/沖縄の子守歌
7.命をあげよう/ミス・サイゴン
8.着飾って、輝いて(Glitter and be Gay)
  /キャンディード

●Act.2
9.Never Enough/グレーテスト・ショーマン
10.あり、か/中島みゆき
11.聖子のアイドルコーナー
  USA/DA PUMP
12.Sisters
13.いのちの理由/さだまさし
14.On My Own/レ・ミゼラブル
15.心の声/マリー・アントワネット

●Encore
16.Nessun dorma~誰も寝てはならぬ~

…たぶん、以前からのファンの方ならセットリストを見ると信じられないんじゃないかと思います(笑)。
実際、会場でリアルタイムで聖子さんのこの歌声を聞いたとき、いい意味で衝撃が凄かったです。もう涙が流れるほどに。
せっかくなので、思い入れも含めまして全曲レビュー参ります!!(笑)

●Act1
M1「ラマンチャの男」。
ご本人自ら「新妻聖子のテーマソングとなってまいりました」と言及されていましたが、それに笑い声があまり上がらないこの日の客席。そう、余りに嵌ってて疑問を挟む隙がなかった(笑)、というか客席が「初めて新妻さんを拝見する」率がかなり高かった感じです。それ故、ガツンとぶっ込むこの曲で一気に客席のハートをつかんでいました。この曲に特徴的でしたが、以前は聖子さんの歌い方は「この曲をこんな風に歌えるなんて凄いでしょ」って感じが否めなかったのですが、この日のこの曲は新鮮で、「この曲を歌える場に戻って来れて嬉しい」というエネルギーに満ちていて、ワクワクさせられました。

M2「アライブ」。
「皆さまの前に1年半ぶりに登場ということで、『生きている』という意味も併せて、また母となったことでこの曲を今歌いたいと思って選曲しました」とのMCでこの曲。聖子さんの歌の深み、変わられましたよね。

M3「Colors of the wind」。
5月に出るカバーアルバムのタイトル元がこの曲だそうです。振り返ってみると聖子さんのディズニーってあまりイメージないかも。新鮮でした。個人的には、今月から始まった『ブラバンディズニー』でびびちゃん(綿引さやかさん)が回によって歌われている曲なのですが、初日の山形公演では投票の結果別の曲(『メリーポピンズリターンズ』の「幸せのかけら」)になったので、被ったようで被ってない曲。

M4「君をのせて」。
聖子さん自身「大好きな曲」と言われ「この曲嫌いな方っていないんじゃないでしょうか」とまで仰ったこの曲、実際、聖子さんの伸びやかな声がぴったりです。

M5「アンパンマンのテーマ」。
「アニソンと言えば」のフリで、てっきりプリキュアの話でも持ちだすんじゃないかと思ったのは私(笑)。「去年年末位にテレビ番組『一周回って…』でやったら、ちょっとバズりまして」のMCの言葉選択が新妻ワールド(笑)。

「スタッフさんから『なんかミュージカル風にやってみて』的な『ざっくりな(笑)』ふりをされまして、今回の音楽監督もやっていただいている五十嵐宏治さんにご相談して、あらゆる曲を試したんですが、結局これになりまして」。歌い終わった後の、ものすんごい拍手に「この日一番の拍手ってどういうことですか」とツッコむのがこれまた新妻ワールド(笑)。

M6「童神(わらびがみ)」。
母になった新妻さんということで、子守歌でこの曲。前の曲との落差すごい(笑)。さすが聞かせます。

M7「命をあげよう」。
ヘリコプター音からのこの曲への入りは新妻聖子コンサートの定番ですが、聞く方も作品世界にすっと入れますし、聖子さんの気持ちの入り方に使われているようにも思えます。ここまでミュージカル曲は2曲だけ、ある意味想像の範囲の選曲でした。が…

M8「着飾って、輝いて」。
新妻さん曰く「ある意味凄いチャレンジングな曲」と仰ったので高速で「何の曲が来るかな」と脳内検索しましたが(笑)、まさかのこの曲!1幕ラストが「命をあげよう」は、普通の人ならチャレンジですが、さすがと言いますか、仰天しました。

「2010年に出演して、再演が叶っていない」という言葉には、何となくキャストとしての責任を感じている様も感じられて、それでも、今回解禁されることにはとても大きな意味があるように感じられました。

ご本人、「久しぶりのこれだけ緊張する場にこの曲の封印を解くなんて」と仰っていましたが、歌うのを決めた時点でそんなことは全く意識してないのは分かっているわけで(漢ですから笑)、いやまぁ、歌声も当時以上なのはもちろんのこと、役柄を踏まえた曲説明から、too muchが面白すぎるぶっとんだクネゴンデのパワーといい、「This Is The Greatest 新妻聖子」で(笑)、1幕ラストに相応しい出来に、1幕最大の拍手が贈られたのでした。

●Act.2
M9「Never Enough」。
もう聖子さんが男歌歌うことについて、誰も異議を唱えないどころか、積極的に拍手で後押しするというのが、新妻聖子コンサートのお作法でございますが、初めてご覧になった皆さまもその空気はもうお分かりのようで、な2幕スタート。もうこの辺り、何が「普通」なのか分からなくなってくるわけですよね(笑)

M10「あり、か」。
今年1月の中島みゆきさんリスペクトコンサート「歌縁」で初披露されたロック曲。この曲入る前に「2幕は攻めていきますから」と言っていて、「え、1幕はあれで攻めたんじゃないの」とフォロワーさん一同みんな同じことを心の声でツッコんだみたいです(笑)。コンサートでは恐らく初めてのパンツルックな衣装も新鮮で、ロックもめっちゃ行けます。歌の上手な方は何でも決まるんですね、ですが、やっぱり以前から比べればずっと「見せ方」にこだわっているように感じます。

M11「USA」。
新妻聖子コンサートでは定番になった「聖子のアイドルコーナー」。
「可愛い子大好き」ということで今までは女性曲ずっと来ましたが、今年は何とDA PUMP!

「DA PUMPさんはアイドルですよ!沖縄アクターズスクールど真ん中世代ですから」のトークが完全にヲタモード(笑)。そして新妻聖子コンサートの初のスタンディングで客席も踊っての大盛り上がり!まさか新妻聖子コンサートで踊ることになるとは思っていませんでしたが(笑)、全世代対応の曲ということで完全にホールの空気を温めることに成功した感があります。逆に言うと、一般の方が多い武蔵村山だからこそのヒットなのかと思いますので、東京・オーチャードホールでどういう感じになるのか、興味深いところです。

M12「Sisters」。
実姉・新妻由佳子さんがコーラス吹き込みという新機軸での歌唱。以前は「姉がどれだけ私を好きかを私が歌う曲です」と説明されていましたが(笑)、最近は仰っていないですよね。何となく、MCも注意深くなられているというか、曲に変な先入観が入らないようにMCをコントロールされているように感じます。

M13「いのちの理由」。
この曲を歌われると言われた時に客席の一部から拍手が上がり、「良い曲なんです」と嬉しそうに仰っていました。歌詞を大切に歌われる聖子さんに、さださんの詩はぴったりと感じます。生さだ、お呼ばれしてくれないかなぁ。

M14「On My Own」。
”自分の辿ってきたミュージカルの原点に立ち返る”ということでデビュー役のこの曲を久しぶりに。「「夢やぶれて」が有名とは思いますが、ミュージカルとしてはこの曲の役、エポニーヌの方が知られている役」というのは、正に一般の方向けのMCでした。

M15「心の声」。
これがもう、最大最強のサプライズ!!
新妻聖子さんというお方を帝国劇場デビューからずっと見続けているファンとして、絶対に歌うはずがないと思い込んでいた曲が、まさかまさか聞けるなんて!!

ここからちょっとMAについて語ります(笑)

私にとっての「心の声」の歌い手は新妻聖子さん、なんですよ当時から。

「心の声」は2006-2007『マリー・アントワネット』初演の曲で、日本での本役は新妻聖子さんと笹本玲奈さんのお2人。でも当時から「100万のキャンドル」は笹本玲奈さんの曲だと思っていて、「心の声」は新妻聖子さんの曲だと思っていて、それは今でも変わっていないんです。

2人とも2曲とも歌っているのは勿論なのですが、それぞれ「しっくり来る」んです。
役者としての生き方というか、役へのアプローチが違うというのか。

「100万のキャンドル」は、貴族の豪華な様を目にしたマルグリットが、民衆を奮い立たせる曲で、「投げかける」側。

「心の声」は、恩人を殺されたマルグリットが、怒りをエネルギーに民衆を鼓舞する曲で、「立ち上がる」側。

笹本玲奈さんの役作りというのは相手に投げかける演技が多いんですね。相手との関係性で自分の役を作っていく。マルグリットとして現状認識型。

新妻聖子さんの役作りというのは相手を引っ張る演技が多いんですね。自分の役を作って相手を動かしていく。マルグリットとして行動型。

2人のマルグリットは、再演ではそれぞれ、玲奈マルグリットが昆マルグリット、新妻マルグリットがソニンマルグリットに引き継がれていたように感じたのはそれゆえもあって。
曲としては得意分野でこそ光る、そう感じていました。

再演では「100万のキャンドル」はそのままですが、「心の声」は「決して許さない」に変わり、この日聖子さんが歌われたのは当たり前の如く初演の歌詞。

1幕の『キャンディード』の時の言及と考え合わせると、11年間再演が叶わなかった作品が無事再演され、マルグリットとして喜びも苦しみも分かち合ったであろう(笹本)玲奈さんがマリー・アントワネットを演じ切ったことで、聖子さんにとっても、この曲をようやく歌える気持ちになったのではと思えて。
なんだかもう、感動の上の感動に打ち震えたのでした。

・・・

M16「Nessun dorma~誰も寝てはならぬ~」。
アンコールは定番のこの曲ですが、客席の度肝を抜く歌唱は健在。「また聞きたい」と思わせるに十分な歌は、今回のコンサートツアーのネーミング「see ya!」(またお会いしましょう!)にしっかりつながる、素敵なエンディングになりました。

新妻聖子さんというお方は、全方位的に気配りをされる頭のいいお方という認識はずっとしてきていますが、その上、ご自身のこだわりを非常に強く持っていらっしゃる方で、それが魅力でもあり、ただ、逆にそれ故に、行動が制限されるようなところがあったように感じます。

それが、結婚され、母親にもなられて、MCにも、歌にも、心の余裕というか、「こうあらねばならない」楔(くさび)から解き放たれたような身軽さを感じて。今までと違った意味での「自由」さが、聖子さんの歌をより聞きやすく、お客さんに伝わりやすくしていたように思います。

過去の自身に誇りをもって、未来へ向かわれること。その時に、時を一緒に過ごしてきたファンのことを気に留めてくださる聖子さんを拝見できたこと、それが何より感動的でした。

|

« 『キューティ・ブロンド』(6) | トップページ | 『久田菜美 Birthday Live』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『新妻聖子コンサートツアー2019 See Ya!』(1):

« 『キューティ・ブロンド』(6) | トップページ | 『久田菜美 Birthday Live』 »