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『キューティ・ブロンド』(4)

2019.2.11(Mon) 18:00~20:50
 シアタークリエ 2列1桁番台(下手側)

待望の再演、2年ぶりの『キューティ・ブロンド』初日です。
2年ぶりにピンク色の作品カラーに包まれたシアタークリエ。

シアタークリエ10周年記念シリーズの最後を飾った『レベッカ』の時までは飾られていた、劇場前のフラッグも、ビル地下2階ホワイエの作品ポスター群もすっかりなくなり、淋しさを感じる部分もありましたが(そこそこ写真を撮り忘れていた笑)、神田沙也加さんの当たり役、エルを中心とした「楽しいしかない」世界は再演でも健在で嬉しかったです。

再演と言えば、ともすれば初演と変えなければ…と力んでいる作品を見てもきましたが、こと今回の『キューティ・ブロンド』はその心配は全くなく、むしろ出演者が大きく変わっても、作品の色とメッセージが変わらないことが、なにより嬉しかったです。

メンバーは大きく変わっていますが、大きな変更はエメット役。

エルの相手役にあたる、ハーバードロースクールの先輩にして指導員。初演はシュガーさん(佐藤さん)でしたが、再演はげんきさん(平方さん)へ。シュガーさんはどことなく浮世離れしたというか、エルを別世界の生き物として見ていたような感じもあったのですが(まぁエルは突拍子もないのである意味別世界ですが笑)、げんきエメットはさーやエルとの距離感の近さを感じます。幼馴染というか、近い年齢のお兄さんというか。

げんきエメットとさーやエルとの関係性を見て思い出すのが、去年3月の博多座での、京野センセとふうかちゃん春子(『舞妓はレディ』)の関係。
女の子の頑張りを目を細めて見ていて、少なからずの好意が隠せなくなっていく、ぎこちなさが元基くんは本当に上手なんですよね。

あと、さーやエルとげんきエメットの共通点として、「自分の良さに気づいていないところ」があるのかなと。
エルも自分に自信が持てなくて、エメットはじめ皆に励まされて初めて自分の良さに気づく。
でもそれを利用せず、自覚するからこそ光っていく、そのさまが素敵。

げんきくんは元の着こなしがしっかりしているので、2幕にエルに仕立ててもらう時は、シュガーさんよりもはるかに変身感が薄かったですが(笑)、ちょっと心配していた、カッコいい系がエル2人の周囲にいる(エメットとワーナー)というキャラ被り懸念はさほど感じず。というか、ワーナーの植原氏のヘタレ力に拍車がかかっていて(爆)、ちゃんとキャラ分けされていて流石でした。

今カノにあたるヴィヴィアンは結局ワーナーを見放すのですが、エルとヴィヴィアンは時を隔てて、ワーナーのヘタレさに気づくわけなんですよね。なるほど共感しあうわけだと納得しました(爆)。

プリンシパルはエメット以外は全員続投なので、その安心感たるや。
樹里さんのポーレットの姐御肌も、花代さんのブルックの腹筋も二重跳びも、安心してみていられます。

逆にアンサンブルはかなり変わっていて、女性は続投は8人中3人だけ。

(青山)郁代ちゃんと武者さん、濱平さんだけが続投で、ほとんどが入れ替わり。

郁代ちゃんは初演同様にエルママを担当して、あのイカれた旦那様(上野聖太さん)とラブラブでございましたが、エルにとって同じブロンドのエルママは、近い憧れなのかもしれないですね。ブルックほど遠い憧れではなくて、娘のことをきちんと認めてくれて、鷹揚で愛に溢れているからこそ、エルも愛に溢れた存在になれたのだろうな、と思える存在が貴重です。

3人娘・コロスはエルの心の言葉を表現する存在として、エルだけに見える存在。

いずれは心を開いたポーレットにも見えるようになるわけですが、この3人娘は3人とも変わって、まりゑちゃん、美麗さん、MARIA-Eさん。確か記憶ではこの3人とも演出の上田さんの作品に出たことがないのですが、まぁ3人とも生き生きと持てるパワーを全開にしてまして、特にまりゑちゃんは凄かった。あぁ、これぞまりゑちゃんの真骨頂、なエネルギッシュで暴走しつつも、Besties3人娘としてのはみ出ちゃいけない域ははみ出さない。

上田さんは役者さんの持てる力を把握して、かなりの部分を役者さんに任せることができるタイプの演出家さんだと思っていて。

この『キューティ・ブロンド』は”ざっちょ”さーやの人間力、演出家・上田さんの俯瞰力、音楽監督・小澤さんの構成力が稀有な形で噛み合ってこそ生まれるものだと思っていて、サブキャストが変わっても、「エルを皆が愛して、エルを皆が愛するからこそ、生まれる空気が皆をポジティブにできるもの」だと思っています。

クリエが生み出したハッピーミュージカル、クリエから全国公演へ、より多くの方にこの楽しさが伝わることを願っています。クリエ公演は2月28日まで、全国公演は3月31日までです。

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