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『マリー・アントワネット』(7)

2018.10.20(Sat.) 12:00~15:15
 帝国劇場 2階J列20番台(センターブロック)

2018.10.23(Tue.) 18:00~21:30
 帝国劇場 1階T列20番台(センターブロック)

MA再演版は、博多座3回の観劇を経て、帝劇の3・4回目。つまり通算7回目になります。

このうち、博多座1回と帝劇は全4回が玲奈マリー&昆マルグリット。
勿論、意識してチケットを取っているのですが、声の溶けあう様が、最後は心も溶け合うようで、大好きなペアです。

21日(日曜日)マチネでは劇中で咳をされていた、とのことで心配した玲奈マリーも、前後の土曜マチネと火曜ソワレはその片鱗も見せず、特に火曜ソワレは今までで一番と言っていいぐらいの熱演でした。シャルルと引き離され、全身から必死で叫ぶさまは、もはや髪が乱れ表情が分からないほど。ただただ自らの生きるよすがを奪われた”母”の叫びに圧倒され、涙なしでは見ていられないほどでした。

ただ火曜ソワレは、終演後開催されたアフタートークで玲奈ちゃん、何度か咳をされていたので、完治されているわけではなさそうで心配です。

玲奈ちゃんの過去の経験からすると、1幕冒頭の登場シーンは威厳を見せるシーンを今までされてきていないせいか、かなり調子に左右される感じ。

火曜ソワレはこのシーンがかなり良かったので、その後のシーンに期待が持てました。

直後の「わが心はあなたに」は得意のデュエットソングだし、その次は久しぶりのコミカルな、通称”お買い物ソング”なドレスの曲。聞いたことあるなぁ、と思ってたら、twitterでレスいただいて気づいたのが、『ルドルフ・ザ・ラストキス』(初演)の香寿ラリッシュ夫人とのお買い物ソングでした。あのドレスも懐かしい。玲奈ちゃんの曲と言えば、最近は歌い上げ系かデュエット系か嘆き泣き系になってしまって(爆)、でも久しぶりに楽しいコミックソングが聞けて嬉しい!

ここでの、かなみんランバル侯爵夫人との気の置けない親友ぶりもいいし(ランバルいい人すぎる)、マリーがお高く止まっているわけじゃない、という印象付けにも貢献しているかと。

ランバル侯爵夫人とマリーアントワネットの関係は今回の再演版でとっても好きな部分ですが、マリーが最後のシーンであそこまで気高くいられる理由の一つが、ランバル侯爵夫人に言われる「罪人ではない」という台詞と思えます。自らの行動故にがんじがらめになり自由もない、その原因が「罪人ではない」と無二の親友に言われたことは、マリーにとって自らの心を支える大きな要素に思えます。

そんな気高いマリーが最後に歌い上げる「真実を伝えて」って言葉は、今までずっと「マリーアントワネットが誤解され正当に評価されてこなかったことに対する『真実を伝えて』」だと思い込んでみていたのですが、何度も見ていると、これはルイのことも含んで言っているのですね。

革命を旗印に王宮に侵入する暴徒たちに対して、ルイは軍隊に発砲を許可しなかった。

故に、易々と侵入を許し、王家一家はヴェルサイユ宮殿から追われるわけですが、それはルイが「国民を思って銃を向けなかった」から。
革命裁判所で死刑を求刑されてギロチンの刃に散るけれども、マリーが言う「虫も殺さない人」であるルイが、国民を信じ国王の立場を全うしたことも「真実」に含まれていて、マリーの歌う様は日々、「国王ルイ16世の生きざま」も含めたシーンに見えてきて更に感動させられました。

この日もう一点興味深かったのはマルグリットが革命裁判所で問われる、マリーから預かった手紙が「国を裏切るような手紙だったのか」に対する否定の答えについて。

今までのマルグリットなら、即座にマリーの有罪の証拠を出すに違いないのに、マルグリットが逡巡を感じる理由。目の前で起きている革命が、人の命を奪うことを軽々しく行うことが、果たして正義にのっとったものであるのかどうか。革命に対して疑いを持ち始めているマルグリットにとって、母として息子・娘を守ろうと必死だった一人の女性、マリーを見たことで、革命が必ずしも正義を意味しない、よってマリーの企ても国賊とは断言できない、そう変わってきているように見えました。

比較論ですが、昆マルグリットはソニンマルグリットに比べて、かなり早い段階から革命に対して疑念を抱き、マリーに対して共感する部分を垣間見せているように思います。

玲奈マリーと昆マルグリットの組み合わせは両者の距離感が最後、一番近いと感じていて、マリーが「マルグリット」と話しかける様は本当に優しい言葉で、マルグリットにとってマリーが母に思えるかに思えるほどで。

ここでの昆マルグリット、玲奈マリーの手は取るものの、立ち上がるのは玲奈マリーに任せるんですね。
マルグリットがマリーに払う敬意に感動させられます。

マルグリットにとっては、マリーは自らを孤独と憎しみの連鎖から自分を解き放ってくれた心の母のような存在なのかも。

「無知」に生きたマリー、「知」に溺れたオルレアン公との間で、マルグリットは自ら「真実」を見出すことの重要性を感じたのかなと思わされました。

・・・

火曜日ソワレはアフタートーク。
この日は駒田さん司会で、下手側から順に彩吹さん、玲奈ちゃん、昆ちゃん、古川くん。

今回のMAは120回公演(博多座23回、帝国劇場63回、名古屋御園座16回、大阪梅田芸術劇場18回)で、この日が43回目(帝国劇場20回目)。
「ほぼ3分の1」ということを駒田さんが言及されていました。

気になったことをつれづれと。

彩吹さん「見に来ていただいた方によく勘違いされるんですが、駒田さんのレオナールと私の役ベルタン、夫婦じゃないんです

駒田さん「そうなんですよ。2人は今回の作品中では途中で逃亡したことになって終わりますが、ものの本ではマリーの元に戻ってきて、監獄へ服を運んでいたというものもあるそうです」

玲奈ちゃん「今回、マリー・アントワネットとして出演するというお話をいただいて、自分がやっていたこともあってマルグリットが誰かな?と気になった。ソニンと昆ちゃんって聞いて『ぴったり!』と嬉しかったです

「でも、顔も格好も(背が違うよね、的な昆ちゃんへのジェスチャー笑)似てるかなと心配だったんですが、声を合わせたら余りに合ってて納得しちゃって」

「昆ちゃんと『憎しみの二人』(笑)…(昆ちゃん『憎しみの瞳』とフォロー)、最初に声を合わせたときに笑っちゃって。あまりに声似すぎてて、録音しても分からない(笑)」

昆ちゃん「いや自分(の声)は分かるでしょ(笑)」

駒田さん「共演者の間でも2人の声は似てるって話してた」

昆ちゃん「マリーが淫売だってチラシを蒔くシーンで(そこで玲奈ちゃんを指す昆ちゃん。こら(笑))、以前は全然気づかれてなかったのに、最近は事前に振り向かれる。リピーターで来ていただいているんだなと(^^)」

「あれ、客席の皆さんから反応が少ない…真面目に言っちゃったからかな」

玲奈ちゃん「そう、昆ちゃん真面目なの珍しいよね!」←玲奈ちゃんのこういう人物評がそもそも珍しい(笑)

最近の日常について。

玲奈ちゃん「実はコタツを出しちゃいまして。もう廃人ですよね(笑)。ごみ箱とかリモコンとか周りに置いて、それこそ、コタツの上にみかんを置いて一歩も出ないヤツです(笑)」

昆ちゃん「友達と食事に行ったり。玲奈ちゃんとは夢の国に行きました

玲奈ちゃん「ねー」

駒田さん「ここ(帝国劇場)が夢の国!(笑)」

今後の目標について。

昆ちゃん「背後からの民衆のみなさんからエネルギーとパワーをもらいながら、自分自身もエネルギーを使う役なので、体調管理をしっかりしたい。」

玲奈ちゃん「とにかく体型維持をしっかりしたいです。マリーはドレスがしっかり締まっているので、太っても痩せてもダメなので(駒田さんから『痩せても?』と聞かれて『ダメです』と答える玲奈ちゃん)、特に気をつけます」

アフトクはそんな感じでした。

最後に玲奈ちゃんからPR

「255年前の出来事ということで、昔のようで昔ではなくて、色々な資料も残っているので、調べてから見るとまた面白いです。私と昆ちゃんはWキャストなので、キャストによっても全然印象が違うそうなので、ぜひまた観ていただけたら嬉しいです。私の回じゃなくていいので(笑)」

という言葉で締めていただいたのでした。

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