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2018年8月

『岡村さやかライブ スキップ6』

2018.8.12(Sun.) 12:30~14:00
四谷Sound Creek Doppo

1年ぶりの岡村さやかさんソロライブ。
観はじめたころは御茶ノ水で開催されていたこともありましたが、今回は去年に引き続きここ四谷Doppo。

それではセットリストから参ります。

●セットリスト
【第1部】
1.Another Day Of Sun/ラ・ラ・ランド
2.タイトロープ/グレイテストショーマン
3.Luck Be A Lady/ガイズ&ドールズ
4.残酷な人生/モーツァルト!
5.A Stud and a Babe
 /I LOVE YOU, YOU'RE PERFECT, NOW CHANGE(★)
6.Somewhere that's Green/リトルショップホラーズ(★)

【第2部】
7.Force/Superfly(インスト)
8.Beautiful/絢香
9.Once upon a Decemaer/アナスタシア
10.リフレクション/ムーラン
11.オーディション/ラ・ラ・ランド
12.瞳/オリジナル

【アンコール】
13.たしかなこと/小田和正

★はサプライズゲストの中井智彦さんとのデュエット。
M5はぶっちゃけ笑いまくりです。

なうちぇんじの別称「バカソング」(これで皆さんと通じる笑)で誰も曲名が分からないという笑
中井さんご自身でプロデュースのカツラの下にさらにハゲカツラという気合の入れよう。

さやかさん曰く「全く頼んでないんですけど(笑)」←黒い(笑)
中井さん曰く「せっかくやるなら全力でと」

この曲、2010年のガラリボンに中井さんがゲストで来られた時(さやかさんと中井さんはレミ2007年初舞台組の同期)にデュエットされた曲だそうで、ピアノの酒井さんはその時も弾かれていたので知っていたけれど、ギターのたけちゃんとドラムの芳賀氏は今回、笑って演奏できなかったそうで(笑)。

中井さん曰く「リハーサルから全力で行きました」
さやかさん曰く「そうじゃないと笑ってしまう(笑)」

この日は客席にお客さんで神田恭兵さんがいらしていましたが、実は中井さんと神田さんは現在帝劇で上演中の『ナイツテイル』で同じ楽屋ということで、この日はソワレのみ。

中井さん「これから一緒に帝劇行きます(笑)」

というのが微笑ましかったです。

ちなみに前日のサプライズゲストは染谷洸太さん。「LAST FIVE YEARS」と「Before After」から1曲ずつ歌われたそうです。

・・・

今回のライブ、絶品だったのは何といっても男性ソング、
スカイがサラにあてて歌うガイズの名曲「Luck Be A Lady」をさやかさん男役風で!
さやかさんの迫力系の歌声を100%活かしきるこの演奏陣の頼りがいたるや!
ラストのサイコロ転がすシーンまで脳裏に浮かびますもんねこれ!(興奮しすぎ)

さやかさんが迫力系を歌う時は、ひとまず感情は横に置かれて歌われるんですよね。
配慮とか遠慮とか包容とか一切を、意識して横に置いて歌う、それは他の人にはなかなかない、さやかさんの歌の一面と思います。

M6の「残酷な人生」も迫力系ですが、M5とはまた違った方向性で、さやかさんの歌を聞くと「痛々しさ」を感じることが時にあります。この曲ではヴォルフガングの思い全てを伝えきれていないことに焦るかのようなものが。

『ウレシパモシリ』の歌1でも同じ感情を抱いたことがあるのですが、自らに与えられたポジションが極めて大きいとき、「その役にたどり着けているだろうか」「その役に求められているものを出せているだろうか」の思いが、びんびんと伝わってくることがあって。激しい曲を得意にしながらも、感情を切り離して歌うタイプでいながらも、でも歌われる曲を聞くと、そんな「心の傷み」を感じたりするのは、さやかさんの優しさ故なのかもしれません。

さやかさんライブでは他の方が歌われない曲が出てくるのが毎回楽しみで、それでいて数曲、さやかさんが曲名に言及されない曲があったりして、そこの答え合わせも面白かったり(笑)
上のセットリストは仮ということで、間違いがあったらこっそり教えてください(爆)

あ、でも「リフレクション」と「たしかなこと」は綿引さんちのさやかさんも歌われていたので歌としての違いが興味深かったのと、特に「たしかなこと」をお2人ともご自身のセレクトで歌われたのはとても興味深かったです(「リフレクション」はびびちゃんはソンダンのシンガーとしての選曲なので、自身の選曲ではないので)。

曲紹介のMCもいつも造詣が深いさやかさんらしくて、特に印象的だったのは『ラ・ラ・ランド』の「オーディション」の曲紹介。いつもオーディションで落とされる自分が、最後と思って受けたオーディションで、「自分のことを話してほしい」と言われて、自分が女優を目指した理由について語り始める。自分にとって大好きな女性、その方が女優をされていたときのことを…

どんな曲にも物語があって、どんな詞にも物語があって、そしてその物語を歌い手として表現されることにバックボーンをきちんと構築されるところに、さやかさんの歌手、女優としての真骨頂はあることを改めて感じて、歌もライブもお人柄であることを改めて実感したひとときだったのでした。

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『東京ディズニーリゾート35周年 ”Happiest Celebration!” イン・コンサート』(4)

2018.8.10(Fri.) 19:00~21:15
 東京国際フォーラムホールA
 1階21列20番台(センターブロック)

2018.8.11(Sat.) 18:00~20:15
 東京国際フォーラムホールA
 2階7列10番台(下手側)

4月の市川市民会館から始まった『東京ディズニーリゾート35周年 ”Happiest Celebration!” イン・コンサート』(通称「ハピセレコン」)、11日が当初の千穐楽。

東京初日の10日に来年2月16日、パシフィコ横浜での追加公演が発表されましたが、今までやってきた10人のこのメンバーでの公演は11日ソワレがラスト。何人のメンバーが変わるかは発表になっていませんが、少なくともまりゑちゃんはこの11日ソワレを最後に卒業することをご本人が明言されています。

思えば市川の初日は舞台上のハピエストシンガーの皆さんも全76曲という曲数を何とかこなしていた感じでしたが、その後、仙台・宇都宮・そしてこの東京と、回を追うごとに結束も個性も際立って、いい形で東京国際フォーラムホールA、5000人満員御礼を3回、それを大盛り上がりの中で終えられたように思います。

東京国際フォーラムホールA公演は、10日は1階センターだったので盛り上がりの坩堝のど真ん中で体験して、11日は2階から1階の一糸乱れぬ結束を拝見するという、とっても好対照なことになりました。

ハピエストシンガーは男性5人、女性5人ですが、女性の方が個性がはっきりと分かれて見えてきた感じ。

綿引さやかさん:ディズニー愛担当
まりゑさん:いなせ担当
織田佳奈子さん:威厳系担当
和田清香さん:正当派路線担当
町屋美咲さん:若手元気系担当

綿引さやかさん(びびちゃん)。テーマカラーは黄色。ラストの「Thanks To You」のソロパートを担当していることからも、このメンバーの中では精神的なリーダー的ポジションだったと改めて思います。ディズニー愛に溢れて、愛に溢れているからこそ、ミッキーやミニーに、そしてお客様に半端なものは見せられない、その思いが強く伝わってきて。そして公演中に渡米して「Beauty And The Beast In Concert」で本番の空気に直に触れられたことで、よりしっかりと胸を張り皆を引っ張っていっているように見えました。

まりゑちゃん。テーマカラーは赤色。不動の広報隊長としてチームを盛り上げたチームの円滑油(人を油扱いしないでと言われそうだ笑)。舞台上では一瞬にしてディズニーを和に変えて夏祭りを作り出してしまうミラクリスト(笑)。男性にも女性にもツッコミを入れられる貴重なキャラで、姐御色というか姐御職ですねもはや。この日も笑顔で終えられたのはまりゑちゃんらしいフィナーレでした。まりゑちゃん、そしてMARIA-Eちゃんがいてくれたから、びびちゃんが安心して渡米して経験を積めたこと、本当に感謝です。

織田佳奈子さん。テーマカラーは緑色。今回初見でしたが、伸ばす系の歌唱が多い女性キャストの中で、重厚系の歌唱が印象的でした。後半は和田さんが重厚系に寄ってきたので、ちょっと似通ってきた感じです。

和田清香さん。テーマカラーは水色。始まったころはびびちゃんに近い印象を感じていたのですが、回を重ねるにつれて織田さんに近づいてきたような印象です。その後半のパワフル系が印象強かったので、今後の進化に期待です。

町屋美咲さん。テーマカラーは紫色。末っ子キャラでしたが、後半になるにつれてどんどん自由に動けるようになっていて、若さって武器だな、と感じさせられます。実は女性キャスト5人は、織田さん以外はレミゼ経験者(もしくは経験予定者)なんですよね。舞台を引っ張るパワーに納得です。

曲をつれづれ振り返りながら触れたいと思いますが、

まずは第1部「Opening and Anniversary Songs」。
今までの周年記念ソングを中心に振り返るパートですが、10thの「It's Magical」がまず大好き。この曲をびびちゃんが歌う後ろで「美女と野獣」映像が出てるのが泣けるんですまた。

それ以上に好きなのが20thの「Make A Wish」。畳みかけるワクワク感とぐるぐる回るかのような躍動感。

30thの「Happiness Is Here」も好き。ハピセレシンガーズは歌って踊れるのはもう大前提で、それを上回るパワーを出すのをたったあの人数でやるのが凄まじいと改めて思います。

第2部「Songs from Seven Themed Lands」
このパートは7つのテーマパークの音楽からですが、ディズニー映画の音楽から来ているわけで、耳なじみのある曲もちらほら。何といってもびびちゃん&長谷川さんのデュエット「ホール・ニュー・ワールド」だなぁ。ロマンチック担当な2人のデュエットは素敵過ぎです。

第3部「Entertainment Music Medley」
出色なのは「Once upon a Time」。この曲は3年前の4月、この東京国際フォーラムホールAで開催された『Friend of disney concert』ではびびちゃんが歌っていたので、今回はびびちゃんではありませんでしたが、その時を思い出しながら違いを楽しんでみたり。

この第3部が1幕最後でしたが、35th「Brand New Day」を歌う、と言った時の会場の様は本当に「どよめき」で。もともとこの東京国際フォーラムホールA公演は「東京でディズニーリゾート35thコンサート、待ってました!」な空気に満たされていた5000人に持ってきて、この曲がとどめと申しますか(笑)。

もう自然に客席から拳が上がるこの空気、それを待ってましたみたいな感じで、客席から見ていてもそうなんですから、舞台上から見るとそれは凄いんだろうなと。

びびちゃんがいつも以上にジャンプしまくってて、隣のtekkanさんとじゃれ合ってる感じがとっても萌えでございました(爆)。この曲みんなどんどん自由になっていったなぁ。最初から自由だったのはまりゑちゃんだったけど、町屋さんがどんどん動きが自由になっていたのがとりわけ印象的。

第2幕第4部「Tokyo Disney Sea Entertainment Medley」
大好きなのが古川さんとびびちゃんのデュエット「Swept Away」。ディズニーシーの夏の夜のイベント「ブラヴィッシーモ」で流れていた曲とのことですが、物語性を纏った曲をこうも上手く作りこめるのはミュージカルで演じられているお2人だからこそ。
ちなみにこの曲、日本語版(2007年ころに期間限定でシーで流れた)では女性パートが伊東恵里さんなんですが、男性パートはなんと藤岡正明氏らしく。それなら羽田でデュエットしてほしかったっ!

ダンスデュエットパートの「shall we dance」からの「dance with music」への流れも華麗で面白かった。
古川さん、コミカルなのに絵になるんですよね。

「ビッグバンドビート」の格好良さも痺れます。ハピセレコンバンドも素晴らしいですよね。

第5部「Seasons of Dreams and Magic」
もうこのパートはお祭り娘なまりゑちゃんの本領発揮の「マツリダンス」しかないでしょう(笑)
初日聞いたときにここだけ何が起こったんだろうと思いましたが、その印象は最後まで変わらずで(大笑)、ある意味、ここが一番「『東京』ディズニーリゾート」らしかった気もいたします(爆)

第6部「Let's Dance, Let's Celebrate ! & Finale」
いやぁ、客席でパラパラ踊るの本当に難しい(笑)。知り合いと話したのですが、両手を左右斜めに上げる時に、右手は上がるんだけど左手は上がりにくいというのが何となくわかる(爆)。

ここでの煽り役はびびちゃんですが、日増しに煽り方が空気を読み始めてきて、日々弄り方が変わってきたのが面白かったです。千穐楽は「まだ笑顔がありますね」⇒「笑顔が消えてきましたね」って感じでしたね。

・・・

本編ラストは、和田さんの語りで曲紹介をしてから、びびちゃんがソロパートに入る『Thanks To You』。

この曲も公演中、本当に色々とありました。初日の緊張が歌に乗り移っていた市川。涙声ぎりぎりで歌っていた前半ラストの仙台。久しぶりの復帰に緊張が隠せなかった宇都宮。その時を経て、東京2days。

特に千穐楽は、和田さんの曲紹介の後の拍手が、いつもより長く再び盛り上がる感じでびっくり。
びびちゃんが平常心を保てるか心配しましたが、そこは流石に経験のたまもの。
東京千穐楽の『Thanks To You』は正に完成形で、思いは溢れど、感謝こそが溢れる、歌声一つ一つに魂が宿っていて、その想いが仲間と共鳴し合っていく、素晴らしいエンディングになったのでした。

『東京ディズニーリゾート35周年 ”Happiest Celebration!” イン・コンサート』もひとまずこれで一区切り。来年2月の追加公演は、半年が経ったことでまた違った進化を遂げたものになるであろうことを思いますし、むしろ半年開くからこそ、その間にキャスト皆がそれぞれの経験を取り込んで再会できるよう願い、楽しみにしたいです。

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『大和田美帆 ミホステSpecial Live』

2018.8.11(Sat.) 13:30~14:50
目黒Blues Alley Japan

大和田美帆ちゃん久しぶりの一般向けライブはこの日マチソワ。

昼は『ミホステ』のスペシャル版。『ミホステ』は3年前に美帆ちゃんが出産された後、「子連れで連れていけるライブがないことを自ら実感したので、それなら自分で作ろう」と始められたお子様とお母様ペア限定でのライブで、既にこれまで9回実施されており、この日が10回目。10回記念ということで客層もオープンということで、普段のミホステ参加の方以外にも、私のような男性も参加できた次第です。

以下ちょっと内緒話
この日は会場入場時に主に自分の不注意で空気を止めるようなことをしてしまいまして反省。何度も行っている場所なのに、地下へそのまま階段が下っていることを気づかずに足を踏み外しまして。とりあえずとっさに手で受け身取ったので大事には至りませんでしたが。

というわけで、気を取り直して、まずはセットリストから。
★印は、ゲストの吉田純也氏と一緒に。

●セットリスト
1.Happy Talk/南太平洋
2.I got Rhythm/Crazy For You
3.私のお気に入り/サウンド・オブ・ミュージック
4.かたつむり/童謡・唱歌(★)
5.ひとりぼっちの晩餐会/美女と野獣(★)
6.Friend Like Me/アラジン(★)
7.Part Of Your World/リトルマーメイド(★)
8.雪だるま作ろう/アナと雪の女王(★)
9.ありのままで/アナと雪の女王(★)
10.とびらあけて/アナと雪の女王(★)
11.Supercalifragilisticexpialidocious/メリーポピンズ(★)
12.輝く未来/塔の上のラプンツェル(★)
13.Remember Meほか(メドレー)
14.おやすみワガコ/オリジナル
15.Don't give it up/平原綾香
16.ぼよよん行進曲/中西圭三(★)
17.明日を見つめて

客層は普段のミホステの皆さまで7割強。あとはご家族でお父様もいらしている方まで合わせるとほぼ9割近いという印象。当然、子供さんは泣く子もいますが、美帆ちゃん曰く「どんどん泣いていいんですよ。でもお父さんお母さん、危ないことだけはさせないよう気を付けてくださいね」と説明してからの本編突入。

それにしても、セトリにディズニー率高い高い(笑)
個人的には夜もディズニーだったので、この日のディズニー曲は80曲を越えるという、「人生で一番ディズニー曲を聞いた日」になりました(爆)。

ゲストの吉田純也氏はRiRiKAさんとステージで共演されたこともあり存じ上げていますが、ほぼ主役かのような赤いジャケットを身に纏い(爆)、美声と流ちょうな進行ぶり(年間100回以上、結婚式などの進行をされているそう。むちゃくちゃお上手)で美帆ちゃんを強力にバックアップ。

「83年組」という、1983年生まれのミュージカル関係の方の懇親会(お子様の前なので「飲み会」という用語は取り消し笑)でご一緒したのがきっかけだそう。「面白い人なのは知ってたけど」by美帆ちゃん(笑)

なにしろアナ雪で後ろで何かやり始めたと思ったら、持ってきた白い髪をかぶって会場に笑いの神が降り立つ始末(ちなみにエルサのつもり。)、そして動きすぎたご本人は、汗だくになりプールに入りたくなる始末、そして捌けてから早速大人のジュース(つまるところ白ワイン)を飲む始末。カテコあるのに(笑)

和気あいあい、笑いに溢れたミホステで、そして客席の乗せ方はさすがママ友仲間な美帆ちゃん、聞き手の懐にさっと入り込む様は、出産前に拝見した3年前と全く変わっていなくて、何だかとてもホッとしました。

M14はYUKAさん作詞作曲のオリジナル。美帆ちゃんがテーマをYUKAさんに伝えて作っていただいたそうで、美帆ちゃんとYUKAさんの温かさが溢れる素敵な曲でした。「これからも歌っていきたい」とのことで楽しみ。

今回、美帆ちゃんの楽しそうに歌い笑う姿を久しぶりに(3年ぶりに)拝見できたのはとても嬉しくて。
心配りが行き届く美帆ちゃんが、お母さまになられてさらに目配り心配りをされていた姿が流石でした。
またミホステSpecialか他の機会かで拝見したいなぁと思ったのでした。

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『ナイツテイル-騎士物語-』

2018.8.9(Thu.) 18:00~21:05
帝国劇場1階I列50番台(上手側)

公演が始まって2週間、流れてくる情報や雰囲気を横眼で眺めつつ、ネタバレを極力回避して、ようやくこの日が来ました。

奇跡的にナビザーブで当選したチケットを握りしめて、部署の納涼会も理由を申し上げず丁重にお断りして(爆)、久しぶりの帝劇へ。1階中央売店も豚まんもなくなった帝劇は、ちょっと寂しいものです。

2人の騎士・・・(堂本)光一さん演じるアーサイトと、(井上)芳雄さん演じるパラモンは友情で結ばれた同志ですが、両者とも敵国の兵士たちに不覚を取り牢獄に捕えられる。ところが、その牢獄から見かけた王女に2人とも一目惚れ。2人は恋のライバルとして、音月桂さん演じるその王女、エミーリアを賭けて、それぞれの仲間を引き連れ、剣での直接対決による決着を図る…

ざっくりそんな物語ですが、何といっても両プリンスのいちゃいちゃ(わちゃわちゃ)振りがこれでもかというぐらい客席の笑いを誘います。普段はお互いの世界で責任と不可分の関係にあって、張り詰めた空気の中に存在している(と認識している)2人が、お互い容赦なく甘え合う仲は微笑ましいほど。

ただでさえお互い子供っぽく、気持ちのままに居合える2人だけに、同じ人を愛してしまったことを知ってからのライバル関係は、子供っぽさを更に増長するだけに終わり(笑)、その2人に挟まれて、自身の意向そっちのけで自分が奪い合われる立場になった王女が、そりゃぁ「どっちも同じぐらい狂ってる」って叫びたくなる気持ちもわかります(笑)

どことなくおかしくて、どこまでも子供っぽくて、でも、どこまでも愛らしく、どうにも愛おしい。
男性が愛する女性のことで、いくらでもみっともなくなれる様は、「男だなぁ」と思います。

2人を争わせ決着をつけさせようとする君主・シーシアスは岸祐二さんが演じていますが、氏も自らの過去の概念からは外れられない。

故に、彼は自らの支配下に置いている妻・ヒポリタに助けを求める。「頼むぞ、何とか上手くまとめてくれ」と。島田歌穂さん演じるヒポリタは、シーシアスに自らを拘束されてきた立場にありながら、夫のため、そして同じ女性であるエミーリア、そして騎士2人が牢獄にいた際に出逢った牢番の娘のために、とある大きな力をもって、その場の空気と、その場にいる人々の心を動かそうとし、実際にそれを成し遂げる。

男性の”みっともなさ”を含む”限界”を、女性の”しなやかさ””強さ”が打破していく様は清々しくて。そして、ジョン・ケアードの描く女性は、100%聖人君子ではないところがまたいいのです。『ダディ・ロング・レッグス』のジルーシャの人物像にも感じますが、適度に利己的で、適度に計算高く、でも確実に慈悲深く愛に満ちる様は、男性が閉じ籠ろうとする「殻」を破る鳥かのようにも思えました。

プリンシパル女優陣はいずれも流石の存在感を放ち魅力的。歌穂さんの絶対的な存在感はこの作品に不可欠だし、音月さんの美しさとチャーミングさは2人の騎士に愛される説得力に満ちています。上白石萌音ちゃんはピュアな空気感と、恋に恋する少女の趣が絶品です。

アンサンブルでは帝劇では初めてヴォーカルキャプテンを務める青山郁代さんを筆頭に、同じコゼット経験者の折井理子さん、宝塚娘役出身の七瀬りりこさんの3人娘のバランスも素敵です。2幕最初の、温かく柔らかい空気が伝わってくる波のようなハーモニーは特に素敵でした。初の帝劇(東宝)出演となった水野貴以ちゃんは歌うシーンがもう少し欲しかった感。

歌とダンスが高レベルで融合して、最後の結末も望んだように終わる、とても素敵な作品。
特に1幕中心に難解なシーンが続くパートはなるほどシェイクスピアだと思うものの、ただ楽しもうとすれば楽しむこともできる、エンタテインメント性を意識した作りに思えたのでした。

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