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『ナイツテイル-騎士物語-』(1)

2018.8.9(Thu.) 18:00~21:05
帝国劇場1階I列50番台(上手側)

公演が始まって2週間、流れてくる情報や雰囲気を横眼で眺めつつ、ネタバレを極力回避して、ようやくこの日が来ました。

奇跡的にナビザーブで当選したチケットを握りしめて、部署の納涼会も理由を申し上げず丁重にお断りして(爆)、久しぶりの帝劇へ。1階中央売店も豚まんもなくなった帝劇は、ちょっと寂しいものです。

2人の騎士・・・(堂本)光一さん演じるアーサイトと、(井上)芳雄さん演じるパラモンは友情で結ばれた同志ですが、両者とも敵国の兵士たちに不覚を取り牢獄に捕えられる。ところが、その牢獄から見かけた王女に2人とも一目惚れ。2人は恋のライバルとして、音月桂さん演じるその王女、エミーリアを賭けて、それぞれの仲間を引き連れ、剣での直接対決による決着を図る…

ざっくりそんな物語ですが、何といっても両プリンスのいちゃいちゃ(わちゃわちゃ)振りがこれでもかというぐらい客席の笑いを誘います。普段はお互いの世界で責任と不可分の関係にあって、張り詰めた空気の中に存在している(と認識している)2人が、お互い容赦なく甘え合う仲は微笑ましいほど。

ただでさえお互い子供っぽく、気持ちのままに居合える2人だけに、同じ人を愛してしまったことを知ってからのライバル関係は、子供っぽさを更に増長するだけに終わり(笑)、その2人に挟まれて、自身の意向そっちのけで自分が奪い合われる立場になった王女が、そりゃぁ「どっちも同じぐらい狂ってる」って叫びたくなる気持ちもわかります(笑)

どことなくおかしくて、どこまでも子供っぽくて、でも、どこまでも愛らしく、どうにも愛おしい。
男性が愛する女性のことで、いくらでもみっともなくなれる様は、「男だなぁ」と思います。

2人を争わせ決着をつけさせようとする君主・シーシアスは岸祐二さんが演じていますが、氏も自らの過去の概念からは外れられない。

故に、彼は自らの支配下に置いている妻・ヒポリタに助けを求める。「頼むぞ、何とか上手くまとめてくれ」と。島田歌穂さん演じるヒポリタは、シーシアスに自らを拘束されてきた立場にありながら、夫のため、そして同じ女性であるエミーリア、そして騎士2人が牢獄にいた際に出逢った牢番の娘のために、とある大きな力をもって、その場の空気と、その場にいる人々の心を動かそうとし、実際にそれを成し遂げる。

男性の”みっともなさ”を含む”限界”を、女性の”しなやかさ””強さ”が打破していく様は清々しくて。そして、ジョン・ケアードの描く女性は、100%聖人君子ではないところがまたいいのです。『ダディ・ロング・レッグス』のジルーシャの人物像にも感じますが、適度に利己的で、適度に計算高く、でも確実に慈悲深く愛に満ちる様は、男性が閉じ籠ろうとする「殻」を破る鳥かのようにも思えました。

プリンシパル女優陣はいずれも流石の存在感を放ち魅力的。歌穂さんの絶対的な存在感はこの作品に不可欠だし、音月さんの美しさとチャーミングさは2人の騎士に愛される説得力に満ちています。上白石萌音ちゃんはピュアな空気感と、恋に恋する少女の趣が絶品です。

アンサンブルでは帝劇では初めてヴォーカルキャプテンを務める青山郁代さんを筆頭に、同じコゼット経験者の折井理子さん、宝塚娘役出身の七瀬りりこさんの3人娘のバランスも素敵です。2幕最初の、温かく柔らかい空気が伝わってくる波のようなハーモニーは特に素敵でした。初の帝劇(東宝)出演となった水野貴以ちゃんは歌うシーンがもう少し欲しかった感。

歌とダンスが高レベルで融合して、最後の結末も望んだように終わる、とても素敵な作品。
特に1幕中心に難解なシーンが続くパートはなるほどシェイクスピアだと思うものの、ただ楽しもうとすれば楽しむこともできる、エンタテインメント性を意識した作りに思えました。

幸い、もう1回見る機会があるので、また違った側面から見られるのが楽しみです。

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