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『TENTH』(1)

2018.1.5(Fri.) 18:30~21:20
シアタークリエ 17列20番台(上手側)

新年仕事始め日、この日が今年の観劇初めとなりました。

シアタークリエ10周年記念公演『TENTH』は初日が前日の4日ソワレでしたが、会期中1,2を争うチケット難で入手できず、かと思えば4日は体調を崩していたので、結果この日が初日で良かったのですが。

仕事柄、新年仕事始め日は年末年始の後始末で大わらわになるのですが、何とか諸々の技を駆使して切り抜け、意外と空いていた内堀通りを飛ばしていただき、開演5分前にクリエ着。1階ロビーに掲示されているクリエちゃん勢ぞろいをカメラに収め、会場入りします。

地下ホワイエに掲示されている10周年のフライヤー群は既に10周年入りした『ダディ・ロング・レッグス』時点から変わっていないのでこちらはちらっと眺めるのみで客席へ。

今回の『TENTH』は2部構成で、1部が期変わり(3期制)での作品凝縮版(90分)、2部がガラコンサート(60分)。1部の1期は『Next to normal』(2013年上演)で、上田一豪さんが演出を担当されています。

上演当時には見ていなかった作品なので今回のダイジェスト版が初見でしたが、テーマも重く。
主人公の女性・ダイアナが双極性障害を持ち、その女性を取り巻く夫、娘の関係を描いていきます。

あ、ネタバレ入ります




物語を見ていくにつれ感じたのが、作品タイトルをどう読むか、ということ。

「Next」という英語からはどうしても「次」を予測してしまうわけで、「普通の次」という印象でこの作品の先入観を捉えたのですが、どうも違う。

あえて言うのならば「『普通』の『となり』」という本編の言葉の方がしっくりくる。

主人公のダイアナは、「『普通』に生きる」ことをすべきとずっと思い続けてきながら、それができずに生きてきて、その結果かどうか双極性障害という場にいる。その母親への接点、母親からの感情を受けた思いがない娘にとっても、「『普通』に生きる」という”枠組み通りの生き方”はできなくている。音楽をやっていても、形が決まっているクラシック音楽を演奏するのには耐えられない。その意味で母と娘は似てはいるのに、お互いが向かい合う機会がなく。溝は広がるばかり。

様々な治療を経て、「残っていてほしい記憶」と「消えてほしい記憶」が皆にとってすべからく都合の良いようには残り消えはしない、という当たり前の事実に直面しながら、2歩下がり1歩進むような時を過ごしていく皆。そこに”存在”する大きな登場人物の存在が強烈で印象的。

「『普通』に生きる」という概念の中からは飛び出した登場人物だけに、ダイアナにとっては忘れたい過去であり、しかしながら忘れようもない過去でもあり、忘れられない過去でもある。

だけれども、実は「『普通』に生きる」という概念から解き放たれてみれば、その登場人物の存在も認めることができる。それは、向かい合う機会がなかった娘との、「『普通』に生きなくてもいいんだ」という意味での共感にも繋がってきて。

母と娘の気持ちが分かり合えたからこそ、物理的な別れはそれほどの意味をなすものに見えなかったし、愛する人のために別れを告げた母の、その”愛する人”の支えになってあげられる人になれたわけだし。

愛する故に離れることもあるし、愛する故に近づくこともある。
忘れようとすることがかえってその人を苦しめることもある。
…ということが全てではないかもしれないけれども、そういう視点を持てたこの作品はとても刺激的でした。

今回、第1部を構成した3作品は、作品タイトルやパンフレットを見る限り、「再演したいけれども、なかなか再演が叶わない作品」を選んでいるように感じます。
私自身、作品として見たことがあるのは第3期の『この森で、天使はバスを降りた』のみですが、今回の『Next To Normal』を拝見してその印象をさらに強く感じました。

「シアタークリエ」の色をより強く出すために、という意図からして、今回の『Next To Normal』は、硬派な本格的作品の軸としたいのかな、と感じさせられました。

・・・・

さて、第2部はがらりと変わって、GALAコンサート。

日替わりのセットリストですが、第1期は4日だけが特別バージョン(『Song for A New World』メンバー)で、それ以外はほぼ同メンバー。
9日だけ2人(武田さん・岡田さん)不在となり、1期前半7日までの伊礼さんが1期後半8日からは中河内さんに変わります。

ではセットリストから。

●第2部セットリスト
1.Sherry/ジャージーボーイズ
 (中川・伊礼・海宝・Spi)
2.December'63(Oh What A Night)
/ジャージーボーイズ
 (中川・伊礼・海宝・Spi・綿引・白石・山野・千葉)
3.My Eyes Adored You/ジャージーボーイズ
 (中川・綿引)
4.Can't Take My Eyes Off Of You/ジャージーボーイズ
 (中川)
5.Who Loves You/ジャージーボーイズ
 (中川・伊礼・海宝・Spi・綿引・白石・山野・千葉)
6.Feeling Electric/Next to normal
 (新納)
7.長い長い日曜日/BLOOD BROTHERS
 (武田・岡田)
8.言わない気持ち/BLOOD BROTHERS
 (岡田)
9.あいつに/BLOOD BROTHERS
 (武田・岡田)
10.POP!/ウェディング・シンガー
 (彩吹・綿引・白石・山野・千葉)
11.サタデー・ナイト・イン・ザ・シティ
  /ウェディング・シンガー
 (彩吹・綿引・白石・山野・千葉)
12.サバ―タイム/きみはいい人、チャーリーブラウン
 (中川・綿引・白石・山野・千葉)

M1-5はジャージーボーイズの5曲でスタート。メンバーからして1期はこの5曲は固定になりそうですね。

M1は今年の再演キャスト初めて勢ぞろいでの披露。MCでも話がありましたが、中川氏・海宝氏が続投で、伊礼氏・Spi氏が初登板。MCでも早速伊礼節が炸裂しておりまして、

伊礼氏「このお2人の出来上がっているレベルにいきなり行かなきゃいけないわけで、こうぐぐっと一気に上げていかなきゃいけなくて(と手で上げていく)」

中川氏「何をおっしゃいます」

伊礼氏「今回この機会をいただいてこう、(この期間で)そのレベルを越えられましたかね

会場「(笑)」

ちなみに去年の初演時は伊礼氏、20分遅刻されたそうでトミーの見せ場は見逃したそうです(爆)

M2は今回の『TENTH』のジャージーボーイズフルメンバーですが、何となく予想はしていましたが海宝くんの相手役はびびちゃんでした。初演のジャージーガールズ4人の中で唯一今回入っているし、当たり前ですがまぁマリエポ繋がりからするとなかなかな衝撃(爆)

かと思えば、びびちゃんはそのままM3であっきーと組むわけで、そう考えると相手の俳優さんを意識せずに組める貴重な存在なのかなとも思います。(ちなみに4日は『ファースト・デート』でもあっきーと組んでいる(「物語は続く」)ので、新妻さんパートということですよね。聞きたかった)

そういえばM2は”そういう曲”だけに、MCで各位から海宝氏が直撃受けてまして。

各位「海宝くん自身が大人への階段登った話しちゃおうよー!福袋だよー!

会場「(拍手)」

海宝氏「(絶句)」

という一コマもありました。

ジャージーコーナーが終わった後は「みんな大好き新納慎也です」様へバトンタッチ。

M6は、実は1部『next to normal』がオフブロードウェイからオンブロードウェイに上がる時にカットされたロック調の曲で、新納さん自身オフで見て大好きだった曲。日本にこの作品が来ることになって自分がやれることになって喜んでたら、この曲がなくて悲しかったということで、今回作曲家さんに直談判して歌わせてもらうことになったそう。確かにすんごいロックな曲でしたが、めっちゃ盛り上がりました。

ここのパートだったかと思いますが、新納氏曰く、「あっきーは何作も一緒にやっているのにいまだに『にいやしんろ』って言いそうになる、なんか高い音出し過ぎとかで色々飛んでるんじゃない?思い出とか全部さー」とか言ってて会場笑という一幕も。

M7-9は『BLOOD BROTHERS』からの3曲。このパートは9日は別の作品を入れる形になるのでしょうね。

M10-11は『ウェディング・シンガー』からの2曲ということでこの日最後のキャスト・彩吹さんご登場。退団後の最初の劇場がここクリエだったとのこと、良く考えたらドラロマでしたねそういえば。

今回『TENTH』からの曲目発表があって一番楽しみにしていたのはM11。聞いたときから絶対踊るやん!と期待していた通りのテンション。そもそもテンションが高い曲が多い第2部のガラコン(第1部と同じ公演なんだろうか本当に)の中でも、さすがこの曲は凄かった…。彩吹さんのホリーよりは樹里さんのイメージが強い自分ではあるけれど、隣にいる女麗しいお方(新納さんとおっしゃる方)のナイスアシストもあって、とっても盛り上がりました。そしてダンスもがっつり4人とも(びびちゃん、白石さん、山野さん、千葉さん)踊りまくりで凄かったです。

新納さんと彩吹さんのMCもまったりモードで面白かったなー(まったりなのは彩吹さんですが)

彩吹さん「今日は朝からその装い(女装)だったとか」
新納さん「そう。今日は2部の(このパターンの)初日だったから、
      1部の皆が出てくる前に僕ら入ってゲネだったんで。
      1部のとうこさんとか入ってすぐ僕みたらこれで(笑)」
彩吹さん「(笑)」
新納さん「何しろ朝早かったんで、楽屋開いたとたんに女装ですよ。
      メイク道具も自前、衣装も自前で、
      『as soon as』女装ですよ」
会場   「(大笑)」
彩吹さん「ハイヒールもですか」
新納さん「そうです(笑)、幸あれ~」
会場   「(拍手)」

彩吹さん「新納さんのそのMC見習いたいです」
新納さん「僕はギリギリアウトの
      そのぎりぎりを攻めるからね」
彩吹さん「アウトなんですか」
新納さん「で時々怒られる」
会場  「(笑)」
新納さん「でも伊礼彼方はギリギリアウトを
      飛び越えるからね
会場  「(笑)」

てな感じでした。

ここでバトンはお2人から中川氏に渡されるわけですが、お2人が腕組んで坂を上がっていく…

新納さん「幸あれ~」
中川さん「何その上から目線!」
会場  「(爆笑)」

という華麗過ぎるMCタッグが面白すぎました。

M11はなぜだか全員ぶかぶかセーターでの登場に吹き出したりしつつ、疾走感のあった第2部も幕。
MCもいい具合にタイムキープされてて(約2人ほど「巻きが入っている」とバラしてましたが)楽しかったです。

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