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2017年10月

『三森千愛ライブ Vol.3~みっつの森の音楽会~』

2017.10.22(Sun.) 18:30~20:20
北参道ストロボカフェ

三森さんのソロライブ、3回目にして初めて拝見します。
舞台では『ミス・サイゴン』『レ・ミゼラブル』などで何度も拝見していて、ジョイントライブ(ネパールライブ)でも拝見しているのにも関わらず、ソロライブは初めて。

この日は昼・夜の2回公演でしたが、夜の部が三森さんの親友、綿引さやかさんゲストということで夜の部に行ってきました。

まずはセットリストをどうぞ。
今回、セットリストは「がんばる女の子」がテーマで、藤倉梓さんが選曲・構成のアドバイスをされているそうです。

●セットリスト
1.Still Hurting/Last Five Years
2.-
3.Midsummer Eve/PUCK
4.Dear Ever Hansenメドレー
5.Anybody Have a Map/Dear Ever Hansen
   (三森・綿引デュエット)
6.you've got a friend/Beautiful(綿引ソロ)
7.Maybe/ミス・サイゴン
8.エレンとクリス/ミス・サイゴン
   (三森・小野田デュエット)
9.メリーポピンズメドレー
10.犠牲者たち/レ・ミゼラブル
   (三森・綿引デュエット)
11.-/Violet(三森・小野田デュエット)
12.神よ、弱き者を救いたまえ/ノートルダムの鐘
13.Can't take eye's of you
   /ジャージーボーイズ(綿引ソロ)
14.for good/Wicked(三森・綿引デュエット)
15.さよならの向こう側/山口百恵

[Encore]
16.心は愛に溢れて
   /レ・ミゼラブル(三森・綿引・小野田)

三森さんライブ、何となく想像が付いてはいたのですが、MCがとっても天然系で(爆)。
作品の説明も「上手く説明できる自信がないので続きはWebで」と仰り、後方の小澤大先生が噴き出す(笑)。

レミの挨拶の時も「じっくり準備して行ってよしそれで行ける!と思っていたのに、いざ舞台上だと全部吹っ飛んでしどろもどろになっちゃって、でも言いたいって気持ちは残ってるから何度も言おうとして、でもよせばいいのに毎回お辞儀しちゃうから客席から拍手毎回貰っちゃって申し訳なくて」に会場内笑い。

その上、レミ仲間からは「長い」って言われたので(爆)、名古屋大楽では「思ったこと言おう」と思ってその場で話したら、その方が良かったらしく、「これからはそれでいきます」と。

今年ニューヨーク行かれて、当時ブロードウェイで幕が開いたばかりの『ミス・サイゴン』を見に行って、来日もしていたベンが向こうでも朝から晩まで動き回っていて、プレビューから初日に掛けて変化していく様を見られたことが印象的だったのと、エレンがらみが大きく変わっている(ホテルの部屋でジョンはさっさと怒って出ていって、エレン&クリスだけの話し合いに変わっている)という話をされていました。

で、今年のトニー賞受賞作品である『Dear Ever Hansen』の話をしたくてたっぷりレポートにまとめてきた(厚さからして3枚ぐらいあった笑)のを全部話したら、昼のゲストの龍ちゃん(小野田龍之介氏)から「長い」と言われ、夜の部は少し短めに。とはいえ、いっぱいいっぱいなちーさん(千愛さん)の説明をハラハラしながら見守る客席+演奏者一同と、何とか辿りついた時の得も言われぬ空気が面白かったです(笑)。

そしてゲストパートは親友である綿引さやかさん(びびちゃん)を呼び入れての、その「Dear Ever Hansen」からの1曲。ここでちーさんの状況説明が予想通りに迷走し(爆)、まぁ要はちーさんが複数の役を代わる代わる演じて、びびちゃんがその時の相手役を代わる代わる演じるという話だったんですが、ちーさんの混乱がびびちゃんに波及し、珍しく「ど、どーすればいいの」って困りまくってるびびちゃんが観られて新鮮。でも曲が始まっちゃえばちゃんと成立するんですよね。そこがさすがはミュージカル女優さんのお2人。

で、その曲が終わってびびちゃんソロパートに移ったんですが、何と曲が始まって歌い出してすぐびびちゃんが曲を止めるという珍事。小澤先生はじめみんな驚く中、びびちゃん曰く「曲の前に言わなきゃいけないことを飛ばしてまして。これ、ちーと同じですね(笑)」という。

空気に呑まれましたね(爆)

…で、びびちゃんがここで言及してた話が、M6「you've got a friend」に大きくかかわっている話で。

「ちーさんがどれだけ友達思いで、どれだけ親身になってくれるか。自分がエポニーヌに決まった時、心から喜んでくれて、自分が迷ったり困ったりしてたらいつでも来てくれて、メールしてくれて。そんな彼女の温かさが嬉しくて、友達になれてよかった」と仰っていて感動的。

ご自身の言葉でそう言えるびびちゃんも、そう思ってもらえるちーさんも、どちらもが人間的魅力に溢れていて。
MCがちーさん流とはいえ、「本当の気持ちを丁寧に伝えたい」という気持ちがしっかり伝わってくるから、客席も温かく見守っているのだろうなと思えて。

M7はちーさんソロでしたが、M8はまさかの昼の部ゲスト、龍ちゃん(小野田龍之介氏)が飛び入りでのエレン&クリス。ご本人曰く「台風で帰れなくなった」(本人談)と笑いを誘っておられましたが、「びびちゃんと久しぶりに会えるってことでいたんだけど、言われてみればリハで会ってたね」という(笑)、そんなもあってか「まだここにいらっしゃっている小野田さんには」とちーさん言ったが早いか「『帰れ』と言われれば帰りますよ」と返す龍ちゃん、その中間で笑いが止まらないびびちゃんという面白い図式(笑)

M10はバリケードが落ちた後のレミ女性アンサンブルメンバー喪服での曲ですが、昼の部はちーさんが1人で全部歌ったそうで、びびちゃんが驚愕していました。夜の部はびびちゃんがアンサンブル当時の鳩パートを久しぶりに披露、ちーさんが残りパートすべて声色を変えて担当されていました。凄い。

ちーさんソロではM12が絶品。『ノートルダムの鐘』のヒロイン・エスメラルダのソロですが、思いの強さがビンビンに伝わってきて、素晴らしかったです。

場が感動に満ちたままバトンをびびちゃんに渡したM13は、はたまた今度はびびちゃんの客席温め力がエンジン全開。
先日のびびちゃんライブでも披露された、お客様参加型の『ジャージーボーイズ』「Can't take eye's of you」。
客席に拍手を求めるぐらいなら普通ですが、この曲、最近は「『ららら』でいいので客席の皆さんも歌ってくださいね」をびびちゃん仰るんですがこれがまた、皆さんちゃんとできるという。一体になれてとっても好きな企画ですが、終わった後にちーさんも「私はそういう風に客席の皆さんを乗せたりできないので、凄いなと思って見てました」と(笑)。

で、そこまではいい話だったんですが、次のM14、「2人で歌う曲と言えば」と言い出してその後言葉が続かなかったちーさん。びびちゃんがちーさんに耳打ち「曲紹介をしてね」で客席一同&バンドさん(主にドラムの森さん)が大爆笑、という前振りで始まるM14。

ちーさんとびびちゃんの間の友情に言葉なんていらない、そのものが表現された『For Good』は素晴らしかったです。びびちゃんが優しく包み込むように歌い出し、ちーさんが友情への感謝を返して、2人しか見えない世界に飛翔していく様が伝わってきて、2人の間の”離れられない空気”を共有させていただけたことに感謝。

先ほど書きましたが、びびちゃんにとってちーさんが大切な友達であると同じく、ちーさんにとってもびびちゃんは大きい存在だそうで。
アンサンブルからエポニーヌになって頑張っているびびちゃんがいるのに、レミで色々と足踏みしている時の自分が不甲斐なくて、でも初めてレミに入ってきた田村くんもそうだし、頑張っている仲間と一緒だからこそ自分も頑張らなきゃと勇気づけられた存在だったと・・・そうおっしゃられていた関係性は素晴らしいなと。

本編の最後は意外な1曲ですが、MCの最後が「まだ引退しませんが」とみんなが一番気にしていることを言及されてて、ライブを通してMCが研ぎ澄まされた感を感じました(爆)。

アンコールはまさかのレミからの3人「心は愛に溢れて」!

「びびちゃんがいるのでびびちゃんはコゼットです」(笑)のちーさん説明と共に、つまるところ本邦初のびびちゃんコゼット、龍ちゃんマリウス、ちーさんエポニーヌという、世にも珍しい、でもとんでもなく素晴らしい3重奏が、聞ことができて幸せでした。

本編全編に亘って、心は愛に溢れて、場は笑いに溢れていたライブ。
ライブはお人柄、それを改めて実感した素敵なライブでした。

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『I LOVE YOU, YOU'RE PERFECT, NOW CHANGE』(3)

2017.10.21(Sat.) 18:00~20:10
日暮里d-倉庫 A列1桁番台(センター)

2014年に初演(正確にはその前に『I Love You,愛の果ては?』で2演)以来の再演。
タイトルが長すぎて、初演時に略称が「なうちぇんじ」と定着した作品です。

いわば”恋愛あるあるシーン”を繋げ合わせたオムニバス的な作品で、
「太古の昔、男と女は~」と初演同様に高尚な始まりをする割に、肩の力抜きまくりで見られる、ウェルメイドな作品です。

初演当時はscoreさんが直接演出されていたのが、今回は藤倉梓さんが演出を担当することに。
その実、観はじめてしばらくは前回も藤倉さん演出だと思い込んでて、「随所に初演と違うなぁ…」と思っていたら、実は初演は藤倉さん演出じゃなかったという次第。

訳詞が藤倉さんじゃなくて寺崎さん、版権手配が東宝ミュージックさんという時点で「あれ?」と思ってはいたんですけどね。そういう意味ではクリエでやってもおかしくない作品なのかなと。

初演はキャストが完全ダブルキャスト制でしたが、再演ではシャッフル制。
初日のこの日はキャスト全員が初日を迎える形での2公演。明日以降は完全シャッフルに移行します。

キャストは6名(男性3名・女性3名)で、パートによって相手役は変わりますが、基本が大人カップル(この回は木村花代さんと麻田キョウヤさん)、中堅カップル(この回は香月彩里さんと伊藤広祥さん)、若手カップル(この回は今井瑞さんと池田海人さん)。6人中初見なのは若手カップルお2人だけです。

初演キャストは唯一キョウヤさんだけですが、初演ではあのたみー(田宮華苗さん)を相手役に、若手カップルを息子とその婚約相手にして大立ち回りをしていた、”父母の本音”シーン、そのシーンでの花代さんの大迫力の大立ち回りに爆笑。

そうそう、花代さんって『若草物語』の時の魔女の時もそうでしたが、リミッター外すことへの躊躇いが見えないから、その開き直りが流石です。
この作品って、いろんな意味で開き直らないとどうにもならなくて、恥じらいを横に置いて置ける役者さん向きな作品なので(爆)、「どんとこいやー」な関西弁キャラがぴったりです。

それにも増して、ビデオ場面がたみーと違った方向に突き抜けてて、さすが花代さん!と膝を打ちました。ピンクのドレスも、黒の大人っぽいドレスも素敵だったなぁ。

キョウヤさんは唯一の初演キャストの安定感を見せつつ、あの○○所の怖さは超健在。若手カップルまじ震えあがってるじゃん…といいつつ、どことなく哀しみを見せるあたりがキョウヤさんらしくて素敵だなぁと。この作品に悪人はいないんですよね。「男と女」を語っていつつも、「カッコ悪いことも含めて人間って愛らしいんだよね」ということがこの作品の裏テーマだと思っているので。

中堅カップルの安定感は流石です。女性パートは香月彩里さん。『ガイズ&ドールズ』(2010年、シアタークリエ・中日劇場)でアデレイドガールズの1人(ミミ役としてイヤリングを由美子さん演じるアデレイドに借りに来る役)として出演されていて、そのスタイルの良さが印象的でした。

今回の役どころでも健康的な色気を出されていて、長身なこともあり花代さんとの役の切り分けもされていてバランスも良かったです。ちなみに、この役どころは前回はびびちゃん(綿引さやかさん)でしたが、ご本人が記憶から消去していただきたいと願われていた某シーンは、演出が藤倉さんになったためかどうか、かなりまろやかになり、物理的にも、とある「物」は消滅していたのでした(笑)。

男性陣は伊藤広祥さん。『beautiful』でも好演されていましたが、今回も中々な存在感。前回はこのパートは染谷氏でしたが、あの弁護士パートも面白くリニューアル!舞台機構も少し変わって、とある工夫が舞台実用新案レベルの使いやすさで「なるほど!」な納得と、結構な盛り上がり(笑)。

大好きだった「お葬式でデート」のパートは今回は伊藤さんと、若手チームの今井さん。
前回は染谷氏&びびちゃんで、芝居の深さが印象的だったパートで、今回も悪くはないのですが、初演版を見ていると、あと一息、深さが欲しいかなと。

若手チームは女性はその今井瑞さん。意外や意外に初見ですが、思いきりの良さとフレッシュさが好印象。ダブルキャストの(水野)貴以さんを彷彿とさせる雰囲気もあって、ダブルキャストに、なるほど納得です。
花代さん母に良いようにいじられて、ほっぺた変形させられてたの可愛すぎる(爆)。

男性は池田海人さん。今回が初ミュージカルということで、存在感はこれからに期待という感じ。あのシーンでの「ごく潰し」っぽい立ち位置は良かったです(爆)。

・・・

初日ですがこの日は台風接近の前哨戦ということで雨模様。客席も後方席には少し空席が目立つ淋しい状況。何しろ駅から遠いので、よほどのことがないと集客には苦戦しそうな気がします。

この日マチソワ予定でしたが、事情でマチネは手放したので、同キャストで水曜日ソワレを観劇予定ですが、定時の日とはいえ19時d-倉庫はかなり急がないと間に合わないので、戦々恐々としています。

頭を柔らかくできて、何も考えずに笑える作品だけに、ふとした仕事帰りにふっとみられるような、そんな存在の作品であればいいなと願っています。

そういえば今回もシーン一覧、載せてくれなかったなぁ…(セットリストは載ってます)

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『Fate Grand Order THE STAGE』

2017.10.8(Sun.) 17:00~20:40
六本木Zeppブルーシアター
15列1桁番台(下手側)

秋公演千穐楽、幸運にも客席から拝見できました。

夏公演は公演期間が短かったこともありチケットは即完売。

秋公演はただ1回取れた回が、なんと自社内競合により(ちーちゃんのイベントと)ぶつかってしまい、泣く泣く引き取っていただき、舞台で観ることは叶わないと諦めていました。お譲りした方にとても喜んでいただけたのが何よりでしたが。

この日のお昼、女性マスターの千穐楽(つまり前楽)を生配信で見ていたところ、知人のフォロワーさんから「昼は機材席の開放で当日券は皆入れたらしい」との情報を入手。生配信は12日から改めてアンコール放送でいつでも見られるし、1幕とても面白かったし!ということでダメもとで千穐楽の当日券列に並びました。

開演90分前締め切りで待つことほぼ1時間。念が通じたのか、当日券で見られることになり、RiRiKAさんの当日券2連勝(つい先月、クリエでの一路真輝さんの25周年コンサートで、当日券2枚のうち1枚を当てるという奇跡がありました)!

というわけでゲームもしていないFGO初心者なので、てんで見当違いなところはぬるく読み飛ばしてくださいませ。そしてネタバレモードなので、ご注意くださいませ!!

物語の主人公は、特務機関・カルデアに最後に残されたマスター”藤丸立香”とマシュ・キリエライト。
人類の破滅を防ぐことを目的としたカルデアは、観測不能な”特異点”を解消ないし破壊すべく、2人を新たに出現した”6番目の特異点”である13世紀のエルサレムに派遣する。

そこにひょいっと付いてきてしまうのが、万能超人のダ・ヴィンチちゃん。周囲に有無を言わせず「ダ・ヴィンチ『ちゃん』」と呼ばせる押しの強さ、「自分で万能と言えば万能なんです」な説得力、演じたRiRiKAさんのイメージそのまんまです(爆)。

本来は本部でバックアップに回るはずの技術畑な特別名誉顧問という立場でありながら、機関の暫定トップであるロマニも渋々納得させ、3人で飛んでいくのが13世紀のエルサレム…なはずであったわけですが。

辿りついた”13世紀のエルサレム”に広がる、想定と全く異なる世界。
古代エジプトからやってきた”太陽王”と、
キャメロットからやってきた”獅子王”と、王に仕える円卓の騎士たち。
それぞれの想いが交錯しながら、この時代の民の苦しみも描いていく第1部。

上に立つ者の想いはどこか身勝手で、どこか歪んでいて。
民の苦しみを意識してかせざるか、視界の外に置いている。

そんな中、1幕中盤、山の民と共に生き、山の民を護ってきたアーラシュの真っ直ぐさは印象的。
急襲をかけてきた円卓の騎士の一人、モードレッドが急襲に失敗し、自爆しようとするときに止めた一言は胸に刺さったな。

「自分のために自爆するなど何の意味がある。
自分の命を散らすのであれば、大切な仲間のために使え」と。

この台詞を聞いていたのは、実は3人じゃなくて2人。
この前のシーンで、実は追っ手に追われた3人は、2人になっているのですね。

それはダ・ヴィンチちゃんが自ら自爆車を操縦し、追っ手の追撃を止めに行ったから。
オートパイロット機能もない。相手を止めるには、自分が盾になるしかない。
立香とマシュのために、自分は行くしかないと、”笑顔で”向かっていく様はとてつもなくカッコ良かったことを思い出して、この台詞は胸に深く深く刻まれたのでした。

2幕、ラスボスである獅子王と対決するために、この時代の最大の対抗勢力である太陽王(ファラオ)の協力を得ることに成功し、円卓の騎士も一人一人撃破していく。ひょんなことからダ・ヴィンチちゃんも再登場。再登場のストーリーが無茶苦茶過ぎて爆笑しました(笑)が、3人揃って獅子王に向かっていけるようになって何より。

印象的だったのは獅子王と対峙したときに、万能なはずのダ・ヴィンチちゃんが簡単に”対抗できない”と白旗を上げちゃうこと。万能であるがゆえに、自分の限界も、相手の力量も容易に測れてしまうのでしょうね。
でも、マシュも立香も諦めが悪いというか、諦めようとしないんですね。
2人の様を見ていると、「自分の役割だから」を越えた、執念の強さを感じて。太陽王の捨て身の攻撃も借りることで、蟻の一穴を開けることができたとたん、ダ・ヴィンチちゃんが「ごめん、さっきの撤回するわ」って言い出すのも笑っちゃいましたが。

誤りは早く正しておくに越したことはない、という面とマシュと立香の成長を認めてのことかと思いますが、2幕のエンディングに突き進んでいくそれぞれの力の強さは、結局「自分以外の力をどこまで自分の力にできるか」になるかと思うのです。

マシュも立香もダ・ヴィンチちゃんも、自分が助かりたいからとか、自分が任務に成功したいからなんて微塵も思っていない。自分が果たすべき役割を果たすことは、愛する仲間との大切な時間をより長く過ごすためのものだと分かっていて。

カーテンコールで出演者の方も仰られていましたが、この作品の第6章は舞台向きだと。
舞台上で自らの務めを果たすことは、この物語の中で生きることとリンクする、と。

皆がそのエネルギーをもって役を、物語を生きている様を実感できて、とても清々しい気持ちになったのでした。

・・・

今回、この作品を見るきっかけは、ダ・ヴィンチ役のRiRiKAさん。
2.5ミュでは『閃の軌跡』以来2作品目で、場所はいずれもこの六本木Zeppブルーシアター。今回はカルデアチームのママのようなポジションで、ご自身もこのゲームのファンということもあって、ここまで、というぐらいにぴったりはまったかと。

宝塚出身の方って2.5ミュとの親和性が高いと言われますが、男役出身の方だと全体をまとめるリーダー的なポジションになるのに対し、娘役出身の方だとどちらかというとゲスト的なポジションが多いように思いますが、RiRiKAさんは娘役出身なのに今回、リーダー的なポジションも兼ねていたのが印象的でした。

カーテンコールの際に、若手の出演者の方が口々に「まだやりたい、またやりたい」と仰っているのを受けてか、「舞台は終わりがあるからこそ意味がある」と仰っていたのは、あの場でRiRiKAさんでしか言えない言葉だったなと。

アーサー王の偉大さを高らかに、天まで昇るかのような高音で歌い上げただけでなく、全編に亘りいつも明るく前向きに、精神的な支柱として戦われた姿は正に凛々しくて、果たすべき役割を全うされたのかなと。

この六本木Zeppブルーシアターは来月11月に閉館することが決まっており、この劇場でこの作品も、RiRiKAさんも拝見することももうないわけですが、それこそ「終わりがあるからこそ意味があり、だからこそ新しい物が始まっていく」ことを信じたいと思います。

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『パジャマゲーム』(1)

2017.10.7(Sat.) 17:00~19:40
日本青年館ホール 1階1G列40番台(上手側)

東京初日が9月25日、楽日が10月15日ということで、東京中日も過ぎた公演ですが、my初日です。

通常ですと新作は初日付近に拝見するのが普通ですが、職場が変わって平日ソワレの観劇が難しくなってしまったことと、初日が平日だったこと、また当初観劇予定していた日がライブとぶつかってしまったこと、と諸々あってこの日がmy初日。

お会いする方皆さんに「まだご覧になっていなかったんですか?」とビビットに驚かれたことがびっくりでした、そんなに私の行動原理が知れ渡っているとは(笑)

東京オリンピックに伴い国立競技場が拡張されることに伴い、従来は国立競技場に隣接していた2代目の日本青年館ホールは、今年移設されて3代目に。ホテルを併設したホールとして建て替えされ、この公演が2作品目。私は初訪になります。

以前はJR千駄ヶ谷駅から徒歩15分のルートを選択していましたが、良く見ると東京メトロ銀座線外苑前駅の方が遥かに近く、移設されたことでさらに近くになっていました。向かいの秩父宮ラグビー場と神宮球場は開始・終了後は混雑しますので、道の向かい側に渡ると非常に快適でした。

・・・

『パジャマゲーム』といえば「スチーム・ヒート」、というぐらいに有名な曲は2幕初っ端に登場。ベイブ役の北翔さんのダンスの確かさと存在感は流石です。

恐らくはダンスに定評がある北翔さんの退団後1作目に、ということで選ばれた作品かと思いますし、相手役のシドの新納さんもさすがは元トートダンサーということもあり、ダンスのバランスは流石です。パンフの一文が新納さんらしいというか。

作品そのものは1954年の作品ということで、そこかしこに物語的な懐かしさを感じます。
パジャマを作る会社、スリープタイト社の工場が舞台で、工場全員で親睦を兼ねた年に1回のピクニック、と来たら今や日本でさえほとんどないぐらいに前時代的なテーマ。

「楽しい!嬉しい!大好き!」という感じのハッピーミュージカルで、音楽はポップでわくわく。
音楽重視で歌詞がちょっと伝わってこないところはあるけれど、物語的に深く掘り下げるようなテーマではないので、肩の力を抜いて楽しめる作品。

お聞きしていたよりとっつきやすくて、ワクワクする作品ではあるのですが、リピート推しへの決め手に欠ける作品ではあるような気がします。

我らがちーちゃんは、佐山さん演じる社長の秘書、グラディス役。

1幕前半は”デキる”社長秘書として振る舞いますが、1幕後半のピクニックシーンからは、かつて懐かしのサラ役(ダンス・オブ・ヴァンパイア)以来の”エロカワ”が大爆発。ちなみに、参考までに申し上げると上手側はビジュアル的にとっても色々と有難味を認識できる席でございました。こあくまなんだから、ちーちゃんてば。そしてバナナ女優再び(『SHIROH』以来13年ぶり2度目)。

2幕のシドとのシーンは本人の地とは恐らく似ても似つかぬ酔っ払いの大立ち回りがチャーミング。役柄的にお馬鹿な面を少し纏っていたりして、真剣に誘っている感じでもない分、役柄的に嫌味がないのが流石です。グラディスは色気で誘う必要もないポジションなので、逆に言うと色気で誘ってシドを試したうえで、シドが揺れなかった(色気で落ちなかった)からこそ、「会社を変えてくれる」と思って鍵を渡したように思えました。

物語の舞台がパジャマ工場ということもあり、アンサンブルさんによるシーン展開もダイナミック。
女性陣はそれぞれ1人1台のミシン机とともに踊り、男性陣は出来上がったパジャマを運ぶ。どこかレミゼで見たような(作っているものは違いますが)シーン。

アンサンブルさんでは青山郁代さん、音花ゆりさんが印象的。

郁代ちゃんはポジション的にすっかり中堅どころになって、皆をまとめてベイブへ協力的に振る舞ってみたり、励ましてみたり。歌が少ないのは残念ですが、笑顔と共に演じられるダンスの切れが流石です。

音花さんは若干抜けてるキャラが上手いこと特徴が嵌っているというか。前回拝見した『グレートギャツビー』のキャラを見る側も引きずっているせいもあるのかもしれません。

田中里佳ちゃんの超末っ子キャラも印象的でした。

フォーメーションはダイナミックに舞台全体を使っているだけに、客席後方から見た方が見やすそうです。
新装されたこの日本青年館ホールは客席が千鳥配置になってこそいませんが、客席前後の段差がしっかりあり(事実上2段分ある)、非常に見やすいホールです。

それだけに百聞は一見に如かずと申しますか、作品から流れる魅力が、動員に結びついていないもどかしさを少なからず感じずにはいられなかったのでした。

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『Alone With 3』

2017.10.1(Sun.) 18:00~19:40
吉祥寺RockJointGB

「Alone With」もあれよあれよという間に3回目。
内藤大希さん&岡村さやかさんペアで、片島亜希子さん演出で始まったライブ、好評につき第3弾です。

今回は、趣向が変わって第1部は朗読劇「エデンの東のそのまた東」、2部は従来通りのライブです。

朗読劇を執筆されたのは作家の菅野彰(すがのあきら)さん。
以前、『僕は穴の空いた服を着て。』(河出書房新社、2016年刊行)に登場される女性・智美さんを、”さやかさんの声をイメージして書かれた”、という話を聞いたことがあり、その原作を拝見していました。

その女性は、芯が強くて”待つ”女性で、でも”待つ”理由をきちんと納得しないと待つことを決めない、そんな筋の通し方がさやかさんと通じる部分を感じたことを思い出します。

今回、菅野さんは大希くんとさやかさんに当て書きされたということで、その予備的な感覚を持って拝見しました。
1回だけしか拝見できなかったということで理解が追い付かない部分も多少なりともありました。
が、会場限定で販売されていたCDが歌詞カード付きということで、理解の助けになり有難い限りです。

音楽はOne On Oneの浅井さやかさんということで、すっかりOne On Oneの出張作かのような雰囲気ですが、それでも物語が浅井さんではなく菅野さんであるために、少しく空気が違います。

特徴的なのが、大希くんとさやかさんの存在をはっきりと色付けしているところ。

世界が始まった1日目に分けられた「光」と「闇」の存在の、「光」に内藤さんを、「闇」にさやかさんをあてているところ。

陽の空気をもって、
本音を表に出すことにてらいがないようなイメージがある大希くん。
陰の空気をもって、
本音を表に出すことにためらいがあるようなイメージがあるさやかさん。

光は”見えないから”といって闇の存在を怖がる。
闇は”見てもらえないから”といって自分の存在を認められていないかのように思い込み、現実から目を逸らそうとする。

過去、光の素直さはある意味で闇を傷つけた場面ところもあったかもしれないし、闇は光に心をすべて開けていなかった部分もあったかもしれない。

光と闇の道がずっと交わらないようにお互い思っていたけれど、いくつかの交わりをもって、光は闇の存在を認め、闇は光を素直に求めようとしていく。

その様は、『Alone With』当初からすると、本当の意味でお互いを信じて、頼り合うようになった大希くんとさやかさんを投影しているかのようで、感動させられました。

2人の心の距離が縮まって、今まで以上に最高のパートナーとなった今、この朗読劇を上演されたことはとても意味があったことのように思えました。

さやかさんには明るくいてほしいのに、なぜだか影を纏った時に光る、不思議な女優さんだということを認識できたのも嬉しかったです。

第1部セットリストです。

1.僕は宇宙に住みたくない(大希くんソロ)
2.私は地球に住んでるみたい(さやかさんソロ)
3.あなたの訪ねる場所(さやかさんソロ)
4.君が教えてくれたこと(大希くんソロ)
5.エデンの東のそのまた東
 (大希くん&さやかさんデュエット)

第2部は打って変わって、今まで通りのライブに突入です。

自己紹介しないで曲紹介に移ろうとするさやかさんに、大希君がツッコんでさやかさん撃沈、という珍しいパターンから始まる夜の第2部。

第2部セットリストです。特記ない限り2人のデュエットです。

1.This World Will Remember Me/ボニー&クライド
2.See The Light(輝く未来)/塔の上のラプンツェル
3.Last Night on earth/アメリカン・イディオット
4.Hold Me in Your Heart
 /キンキーブーツ(大希くんソロ)
5.So Much Better
 /キューティーブロンド(さやかさんソロ)
6.Step One/キンキーブーツ
<アンコール>
7.I'll cover you/RENT

M1のみ過去の『Alone With』で登場した曲(ちなみに1回目)で、2人から出たそれ以外の立候補曲は全部片島さんに却下されたそうです(笑)

その話の流れで大希くんがいみじくも2回、同じことを語っていたのですが、「自分が思っている『自分に合うこと』と他の方から言われるものは違うんだなと。で、他の方から言われた『自分に合うと思うもの』に気づかされることがこの『Alone With』の良さ」と仰って、さやかさんも頷いておられました。

実際、さやかさんに『キューティーブロンド』のエル・ウッズ、「So Much Better」を歌ってもらおうなんて、普通の感覚じゃ絶対思いつけない!のに、それを実現させる片島さんの慧眼!!

くしくも本役と同じお名前なわけですが(笑)、沙也加ちゃんとまた違う、キューティパワフルブロンドなさやかさんが素晴らしすぎる!!!(←びっくりマーク3つ)
もうむしろ新人公演でやってください(爆)的なサプライズ、観られて大感激です。

最後伸ばし放題伸ばしまくってカッコよく終わり、「伸ばしてましたねー」と楽しそうにツッコむ、ないとうたいき氏が面白すぎる(笑)。曲が曲だけに、終わった後照れ照れなさやかさんも可愛すぎる(爆)。

大希氏のトークの自由さは以前から折り紙付きですが、この日もずいぶん全速力で飛ばした挙句、扱いに困ったさやかさんが一言

「うるさいですね。」

で会場内大爆笑。

さすがにさやかさん、後ろめたかったのか

「もう少し言葉を選べばよかったですね」

に会場内再び笑い。(←筆者注:言葉は選んでも感想は変わらない

その後の

「面倒くさいですね」

でも会場内の爆笑を誘っていました。

で、そんなさやかさんの毒舌に対して、そのちょっと前に大希くんが発したクリーンヒットが、

大希くん「なんだか交通情報みたいですね」
    「なんか心がない感じなんですよ」

さやかさん「(撃沈)」

小澤さん「さやかさんのその(淡々とした)感じでラジオやればいいと思うんですよ。
  ゲスト呼んで毎回さやかさんがバッサリぶった切る(笑)」

さやかさん「いやそれ、私嫌われるんじゃないですかね」

そこに世界の小澤(時史さん)がチャチャを入れて、時々ギターの成尾さんがツッコむという面白い事態に流れていき、何とさやかさんがそれに乗っかり…

さやかさん「(ラジオみたいに)東名高速で渋滞が発生しております(会場内拍手)」

成尾さん「進行に渋滞が発生しておりますので早く進めましょう(会場内大拍手)」

ってあたりが大喜利的にスパーンと決まって会場大爆笑でした。

MCではバンドさんまで巻き込んでの大立ち回りをしながらも、もちろん歌はこの2人ですから第一声から安心のブランド。

M1のボニクラは前見たときも思いましたがさやかさんのめぐさん(本役の濱田めぐみさん)風な雰囲気はカッコよくて色気も艶やかだし、大希くんからのアプローチをさらりと躱す小悪魔感も堂に入っています。

『Alone With』は歌詞が全部片島さんバージョンなので、日本語で聞き馴れたM2、M5、M7も歌詞が違って新鮮です。

『Alone With』は3回やってきて、これからの展望を昼夜間でみんなで話したそうなのですが、なぜだかさやかさんだけが入っていないことが判明してさやかさん「?」な感じに。
「次は私も入れて話させてくださいね」と仰っていました。

大希くんとさやかさん、3回目を迎えて更に心の距離が縮まった感じがありますし、第1部の朗読劇ではないですが、お互いがお互いを必要としあって、頼り合って、それでいて頼り切っていないバランスが素敵です。

”走り出すこと”には長けている大希くん。自身もレミ名古屋の直前の大変なタイミングなのに、それでも「やりたい」と言い出せることが凄い。最初に「走り出そう」と言える人って貴重で、それでこそ周囲も動かされる。

とりわけ、さやかさんは背中を押されて走り出すタイプに思えるだけに、大希くんがいてこそさやかさん、そしてスタッフの皆さんにもエンジンがかかる。走り出せばさやかさんもスタッフさんもこれでもかというぐらいに全力で突っ走る、そんなバランスがとてもいいなと。

ここでしか見られない発見が毎回見られる『Alone With』。
また次の機会を期待しつつ、一つ気になる点を。
会場がここ吉祥寺RJGBに固定化することになると、今でさえ難しいチケット入手が、更に難しくなることが予想されるので、そこだけが気がかりですが、そんな点も次回は改善されますように。

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