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『Alone With 3』

2017.10.1(Sun.) 18:00~19:40
吉祥寺RockJointGB

「Alone With」もあれよあれよという間に3回目。
内藤大希さん&岡村さやかさんペアで、片島亜希子さん演出で始まったライブ、好評につき第3弾です。

今回は、趣向が変わって第1部は朗読劇「エデンの東のそのまた東」、2部は従来通りのライブです。

朗読劇を執筆されたのは作家の菅野彰(すがのあきら)さん。
以前、『僕は穴の空いた服を着て。』(河出書房新社、2016年刊行)に登場される女性・智美さんを、”さやかさんの声をイメージして書かれた”、という話を聞いたことがあり、その原作を拝見していました。

その女性は、芯が強くて”待つ”女性で、でも”待つ”理由をきちんと納得しないと待つことを決めない、そんな筋の通し方がさやかさんと通じる部分を感じたことを思い出します。

今回、菅野さんは大希くんとさやかさんに当て書きされたということで、その予備的な感覚を持って拝見しました。
1回だけしか拝見できなかったということで理解が追い付かない部分も多少なりともありました。
が、会場限定で販売されていたCDが歌詞カード付きということで、理解の助けになり有難い限りです。

音楽はOne On Oneの浅井さやかさんということで、すっかりOne On Oneの出張作かのような雰囲気ですが、それでも物語が浅井さんではなく菅野さんであるために、少しく空気が違います。

特徴的なのが、大希くんとさやかさんの存在をはっきりと色付けしているところ。

世界が始まった1日目に分けられた「光」と「闇」の存在の、「光」に内藤さんを、「闇」にさやかさんをあてているところ。

陽の空気をもって、
本音を表に出すことにてらいがないようなイメージがある大希くん。
陰の空気をもって、
本音を表に出すことにためらいがあるようなイメージがあるさやかさん。

光は”見えないから”といって闇の存在を怖がる。
闇は”見てもらえないから”といって自分の存在を認められていないかのように思い込み、現実から目を逸らそうとする。

過去、光の素直さはある意味で闇を傷つけた場面ところもあったかもしれないし、闇は光に心をすべて開けていなかった部分もあったかもしれない。

光と闇の道がずっと交わらないようにお互い思っていたけれど、いくつかの交わりをもって、光は闇の存在を認め、闇は光を素直に求めようとしていく。

その様は、『Alone With』当初からすると、本当の意味でお互いを信じて、頼り合うようになった大希くんとさやかさんを投影しているかのようで、感動させられました。

2人の心の距離が縮まって、今まで以上に最高のパートナーとなった今、この朗読劇を上演されたことはとても意味があったことのように思えました。

さやかさんには明るくいてほしいのに、なぜだか影を纏った時に光る、不思議な女優さんだということを認識できたのも嬉しかったです。

第1部セットリストです。

1.僕は宇宙に住みたくない(大希くんソロ)
2.私は地球に住んでるみたい(さやかさんソロ)
3.あなたの訪ねる場所(さやかさんソロ)
4.君が教えてくれたこと(大希くんソロ)
5.エデンの東のそのまた東
 (大希くん&さやかさんデュエット)

第2部は打って変わって、今まで通りのライブに突入です。

自己紹介しないで曲紹介に移ろうとするさやかさんに、大希君がツッコんでさやかさん撃沈、という珍しいパターンから始まる夜の第2部。

第2部セットリストです。特記ない限り2人のデュエットです。

1.This World Will Remember Me/ボニー&クライド
2.See The Light(輝く未来)/塔の上のラプンツェル
3.Last Night on earth/アメリカン・イディオット
4.Hold Me in Your Heart
 /キンキーブーツ(大希くんソロ)
5.So Much Better
 /キューティーブロンド(さやかさんソロ)
6.Step One/キンキーブーツ
<アンコール>
7.I'll cover you/RENT

M1のみ過去の『Alone With』で登場した曲(ちなみに1回目)で、2人から出たそれ以外の立候補曲は全部片島さんに却下されたそうです(笑)

その話の流れで大希くんがいみじくも2回、同じことを語っていたのですが、「自分が思っている『自分に合うこと』と他の方から言われるものは違うんだなと。で、他の方から言われた『自分に合うと思うもの』に気づかされることがこの『Alone With』の良さ」と仰って、さやかさんも頷いておられました。

実際、さやかさんに『キューティーブロンド』のエル・ウッズ、「So Much Better」を歌ってもらおうなんて、普通の感覚じゃ絶対思いつけない!のに、それを実現させる片島さんの慧眼!!

くしくも本役と同じお名前なわけですが(笑)、沙也加ちゃんとまた違う、キューティパワフルブロンドなさやかさんが素晴らしすぎる!!!(←びっくりマーク3つ)
もうむしろ新人公演でやってください(爆)的なサプライズ、観られて大感激です。

最後伸ばし放題伸ばしまくってカッコよく終わり、「伸ばしてましたねー」と楽しそうにツッコむ、ないとうたいき氏が面白すぎる(笑)。曲が曲だけに、終わった後照れ照れなさやかさんも可愛すぎる(爆)。

大希氏のトークの自由さは以前から折り紙付きですが、この日もずいぶん全速力で飛ばした挙句、扱いに困ったさやかさんが一言

「うるさいですね。」

で会場内大爆笑。

さすがにさやかさん、後ろめたかったのか

「もう少し言葉を選べばよかったですね」

に会場内再び笑い。(←筆者注:言葉は選んでも感想は変わらない

その後の

「面倒くさいですね」

でも会場内の爆笑を誘っていました。

で、そんなさやかさんの毒舌に対して、そのちょっと前に大希くんが発したクリーンヒットが、

大希くん「なんだか交通情報みたいですね」
    「なんか心がない感じなんですよ」

さやかさん「(撃沈)」

小澤さん「さやかさんのその(淡々とした)感じでラジオやればいいと思うんですよ。
  ゲスト呼んで毎回さやかさんがバッサリぶった切る(笑)」

さやかさん「いやそれ、私嫌われるんじゃないですかね」

そこに世界の小澤(時史さん)がチャチャを入れて、時々ギターの成尾さんがツッコむという面白い事態に流れていき、何とさやかさんがそれに乗っかり…

さやかさん「(ラジオみたいに)東名高速で渋滞が発生しております(会場内拍手)」

成尾さん「進行に渋滞が発生しておりますので早く進めましょう(会場内大拍手)」

ってあたりが大喜利的にスパーンと決まって会場大爆笑でした。

MCではバンドさんまで巻き込んでの大立ち回りをしながらも、もちろん歌はこの2人ですから第一声から安心のブランド。

M1のボニクラは前見たときも思いましたがさやかさんのめぐさん(本役の濱田めぐみさん)風な雰囲気はカッコよくて色気も艶やかだし、大希くんからのアプローチをさらりと躱す小悪魔感も堂に入っています。

『Alone With』は歌詞が全部片島さんバージョンなので、日本語で聞き馴れたM2、M5、M7も歌詞が違って新鮮です。

『Alone With』は3回やってきて、これからの展望を昼夜間でみんなで話したそうなのですが、なぜだかさやかさんだけが入っていないことが判明してさやかさん「?」な感じに。
「次は私も入れて話させてくださいね」と仰っていました。

大希くんとさやかさん、3回目を迎えて更に心の距離が縮まった感じがありますし、第1部の朗読劇ではないですが、お互いがお互いを必要としあって、頼り合って、それでいて頼り切っていないバランスが素敵です。

”走り出すこと”には長けている大希くん。自身もレミ名古屋の直前の大変なタイミングなのに、それでも「やりたい」と言い出せることが凄い。最初に「走り出そう」と言える人って貴重で、それでこそ周囲も動かされる。

とりわけ、さやかさんは背中を押されて走り出すタイプに思えるだけに、大希くんがいてこそさやかさん、そしてスタッフの皆さんにもエンジンがかかる。走り出せばさやかさんもスタッフさんもこれでもかというぐらいに全力で突っ走る、そんなバランスがとてもいいなと。

ここでしか見られない発見が毎回見られる『Alone With』。
また次の機会を期待しつつ、一つ気になる点を。
会場がここ吉祥寺RJGBに固定化することになると、今でさえ難しいチケット入手が、更に難しくなることが予想されるので、そこだけが気がかりですが、そんな点も次回は改善されますように。

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