『綿引さやかライブ 綿と木』
2017.9.30(Sat.) 13:05~14:55
六本木クラップス
綿引さやかさん&木原健太郎さん、お2人のみでは初のライブ。
六本木クラップスさんは、今月2回目。前回は岡本悠紀さんのライブにRiRiKAさんがゲストでこられていたとき、以来です。
木原健太郎さんが参加されている「ベリーメリーオーケストラ」に何回か綿引さん(びびちゃん)がゲスト出演したり、一昨年のコンサート『森ノ音、風ノ声』(マイクを向けられてタイトルを無茶ぶりされましたが答えられなくてごめんなさい(笑)>びびちゃん)でも共演していますが、2人きりは初めてです。
ライブタイトルはお2人のお名前から1文字ずつ取って、『「綿」と「木」』。
ライブ冒頭のMC、このライブタイトル「綿と木」について、びびちゃんは「ずいぶん考えたんです!」と触れてましたが、お客様方からはなぜか反応が薄くて、びびちゃん何だか肩透かしな感じ(笑)。
実際ライブが進んでいったところでライブタイトルはなるほどなぁと思う部分が多くて。
「綿」も「木」も”包み込む”ということでは似ているんですよね。
ふわっと包み込む、びびちゃんの「綿」の肌触り。
しっかりと根を張って護る、木原さんの「木」の頼りがい。
癒し系のびびちゃんの歌声と、木原さんのピアノの優しい音とのバランスは凄く素敵で、とっても癒されます。
さて、それではセットリストです。
<第1部>
1.The Rose/ベット・ミドラー
2.I got Rhythm/クレイジー・フォー・ユー
3.Some Kind of Wonderful
/キャロル・キング『beautiful』
4.So Far Away/キャロル・キング『beautiful』
5.I Will Be Loved tonight
/I Love you,You're perfect,Now change
6.Calm/ordinary days
7.smile/チャップリン
8.アヴェ・マリア
/original(木原健太郎さん作曲)
<第2部>
9.Can't Take My Eyes Off Of You
/フォーシーズンズ『ジャージー・ボーイズ』
10.cross to you/カーペンターズ
11.once upon a time/東京ディズニーランド
12.part of world/リトルマーメイド
13.on my own/レ・ミゼラブル
14.糸/中島みゆき
15.ハレルヤ~In My life/ビートルズ
<アンコール>
16.You've got a friend
/キャロル・キング『beautiful』
つい先月まで出演していた『beautiful』から本編に2曲、アンコールに1曲。
びびちゃんご本人が歌っていたマリリンの曲ではなく、キャロルの歌った曲で新鮮。
春に出演した『リトルマーメイド』のM12もそうですが、その舞台の一員として立たれて、主演キャストの横で聞いていたであろうびびちゃんの歌声で聞くのは新鮮で、本キャストとまた違った色が見えるので嬉しい限り。
びびちゃんのキャロルとしては基本は水樹さん寄りなチャーミングな感じですが、途中に入るシャウトは平原さんぽくて、そのミックスぶりがとっても興味深いです。『You've got a friend』は”友達”をとっても大切にされているびびちゃんらしく、本編で歌われていた時のシンシア(ソニンちゃん)の空気も感じたりして。
ちなみに男性パートはすべからく木原さんが担当されていましたが、びびちゃんの歌声との相性もとても良くて、至福の時。
出演作としてセットリスト的には異色な2幕歌い出しの『ジャージー・ボーイズ』からの1曲。
この曲、実は客席みんなに「一緒に歌ってくださいね」が出たのですが、いやまぁこの時の手拍子といい、(歌詞じゃなくていいと言われたからというのもあると思いますが)盛り上がること!
会場みんなでこの曲で盛り上がれたのは何より楽しかったですね。びびちゃんももうとっても嬉しそうで。
「ミュージカル、今来てますよね!」という言葉が本当に心から「そうですよね!」言えるこの空気がいいなぁ。
いつも通り飾らないびびちゃんの歌声に癒され。
ちなみにびびちゃんのMC曰く「いつもより飾らないってことで、いつも履いてる高いヒールは今日はなくて(笑)」というのも面白かったです。
セットリストが異色と言えばオフブロードウェイミュージカルからの2曲(M5・M6)の時の、M5のMCが全般的にお昼に向いてない(大笑)。
10月にscoreさんで再演される『I Love you,You're perfect,Now change(”なうちぇんじ”と略される)』の作品(”恋愛あるある”作品)で、男性が部屋に来ることになった女性が、そういう方向(詳細略)で妄想力全開というMCでしたが、これをびびちゃんがMCするから笑えてしょうがない(爆)。
ちなみに日本語で歌うとあまりにアレなので英語で歌われる、という話でしたが(笑)
え、本編は日本語ですよ(笑)
M6の無茶苦茶ぶりも久しぶりに聞けて楽しかったー。藤倉梓さんお得意の「文字数上限まで日本語で歌詞を埋め尽くして歌わせるところが面白みを醸し出す」な歌詞。もともと曲が無茶苦茶なテンポの曲で、びびちゃん曰く「どんな曲でもドンと来い!な木原さんが、この曲だけは怯んだ(笑)」というのも納得です。
リハーサルでは1度も成功しなかったそうで、本番も本人的には1か所不本意だったそうですが、言われないと気づかないレベル。言わなきゃ大丈夫だったかと(笑)
「夢を叶えるための原動力」そして「夢そのもの」なディズニー曲からも2曲。
M11はディズニーに初めて公式で関わった『Friend Of Disney Concert』で歌われた日本語バージョンで懐かしい。びびちゃんとディズニーって、”心から嬉しい”って空気がこれほどまでにシンクロすることはない、ってぐらいな相乗効果。そんな場が広がることを心から願っています。
びびちゃんのMCは、言葉がとても優しくて、言葉選びに品があって、客席の女性率が高いのもミュージカル女優さんとしては異色と言っていいぐらい。
ただ、この日仰っていたのはご自身の年齢について珍しく言及され、びびちゃんには珍しく少しの迷いを吐露されていたのが印象的。過去の人生を振り返る部分も出てくる年頃になって、「でも今までの人生は楽しかったし、周囲の人生の先輩の皆さま(客席を見回したら客席笑)がとても楽しそうにされているのを見ると、歳を取るのが楽しみ」と仰られていたのが心に残りました。
「今までの選択に対して『こうしておけばよかった』と思うこともあるけど」とおっしゃりながら、でも結局は前を向くことの大切さを本能的に感じられているからこそ、びびちゃんはキラキラされているのだろうなと。
来月から公演が始まる劇団四季さんの『ソング&ダンス65』への出演を控え(出演日は未発表。ディズニーパートがあるようなのでそのシーン?)、この日もライブ後は稽古に直行されたようですね。
来年1月にはシアタークリエ『TENTH』、4月には東京芸術劇場シアターイースト『In This House』、そしてソンダン全国ツアー公演(出演されるかは正式には未発表)、その後は9月の『ジャージーボーイズ』と、1年先までほぼ予定が詰まっているという多忙ぶり。
先の作品が決まっているからこそのやりやすさと、やりにくさは両方あるように思いますが、新たな活躍の場も含めて、びびちゃんだからこそできる存在感を確立していっていただくことを願える、そんな素敵なライブでした。
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