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『Before After』(10)

2017.7.16(Sun.) 13:00~14:50 月組 下手側
2017.7.16(Sun.) 16:00~17:50 星組 上手側
スターパインズカフェ(吉祥寺)

2月(中目黒)以来の再演。今回は月組・星組の2組体制で各2回。

月組は吉田朋弘さんがベン、稲田みづ紀さんがエイミー。
星組は大塚庸介さんがベン、北川理恵さんがエイミー。

両組を1日で観ようとすると前日のマチソワかこの日のマチソワしかなく、前日はレミの小南コゼ・ふうかエポの楽にあたったので、この日を吉祥寺マチソワにしました。
本当はひめゆり(北千住)もFGO(六本木)も絡めたかったのですが、これが身の限界でした。

思い返せば初観劇は2015年8月(内藤大希さん・岡村さやかさん)、それから1ペアを除き全部のペアを見てきて、自分にとっては吉田さんが11人目のベン、大塚さんが12人目のベン。みづ紀さんが10人目のエイミー、理恵さんが11人目のエイミー。

わずか2年で10人以上のキャストで見ているというのも凄い話で、それでいてこの作品のこの2つの役ほど演じる方によって受ける印象が違う役もそうそうなくて。

丘の上で出会う2人の第一声で、このベンとこのエイミーがどこに行こうとしているのか、それが窺えるのがとても楽しみです。

昼の部、月組のベン・吉田さんはチャラすぎないことに好印象。ベンはエイミーを振り回す存在ですし、少年のような心を持っている存在なので、やんちゃであることも一つの演じ方なのだとは思うのですが、実年齢もあってか、遊び心がある余裕を感じさせて、いい具合にアバウトで、いい具合に頼りがいもある感じが良かったです。

月組相手役のエイミー・みづ紀さんはクールな外見とは裏腹に、ハートの暖かさが印象的。完璧すぎる故に自分で自分を縛ってしまう、そんな彼女がベンの自由さに触れて、自分の欠けた部分を探していく様が自然。全編にたゆたうベンへの暖かい視線、それ故に自分の苦しみを分かってくれなかった時の爆発の様が強く印象に残ります。

2人のペアで良かったのが、本編の歌詞にも出てくるのですが「一つだけ約束しよう、同じ歩幅で歩こう」を、全編に亘って貫いていたこと。ベンはエイミーに自分のないものを求め、エイミーもベンに自分のないものを求めて、お互いがお互いを必要とするからこそ「同じ歩幅で歩く」ことを自然にできている。

いつしか二人の歩幅がずれて、お互いを思い合うことができなくなって別離は起きてしまったけれど、自分の足りなさが相手を傷つけてしまったことをお互いに自ら理解できたからこそ、再び2人で歩き出すことが自然にできたのだなと思う、とても素敵なカップルでした。

夜の部、星組のベンは大塚さんは今までで1・2を争う自由人。エイミーが丘を登ってくるのを待ちくたびれてベンチを独占するベンになってみたり(笑)、随所に独自演出をツッコんできます。過去のキャストでは西川氏が近いかな。

星組相手役のエイミー・理恵ちゃんは喜怒哀楽で言えば明らかに「怒」のエイミー。ここまで「怒」を表に出していたエイミーっていないんじゃないかな。自由奔放に振る舞う感じはRiRiKAさんにそっくりだけど(笑)。前半からずっと怒りモードで、正直、理恵ちゃんの笑顔が見られないのは見てて苦しい。そこまであらゆることに余裕なさげに振る舞う必要ってあるのかなと。怒りモードの爆発力は凄くて、客席から笑いが起こるほどでしたが、全体的にはトゥーマッチだったかなと。(メンチやらドスやら入りすぎ…笑)

好みの問題かもしれないのですが、エイミーには包容力が欲しいし、ベンに対しても余裕をもって接しようとする、けれどもベンの自由さに崩されて、ふにゃふにゃになる、そしてらしくない自分に戸惑う…ってあたりがエイミーの魅力だと思うので、ちょっと自分のイメージとは違いました。

とはいえ、ラストシーンで感じたことですが、理恵ちゃんのエイミーは今までのエイミーと違って、「精神的に幼いエイミー」だったようにも感じました。ベンのことを慮ってあげられないほどに未熟で、だからこそ最後まで自分の元にベンが戻ってくることを信じられなくて。ベンが帰ってきたと知った時の、全身を震わせて涙をはらりと流し、半信半疑で振り返ってベンを見つけて、泣き笑いで喜ぶさまが強く印象に残りました。

今回の2組を見てこの作品について改めて思ったこと。

「自由」に生きるベンは「不自由」を知らなくて。
「不自由」に生きるエイミーは「自由」を知らなくて。

でもベンはエイミーという”大事な人を支える”ことを決意することで、自分の中に「不自由」という、自分の自由にならない部分を抱えこんで。「責任」という言い換えもできる「不自由」がベンをより大きくした。

エイミーは父という枷から飛び立とうとするも、自由はありすぎれば扱いに困るし、そもそもどう自由になればいいかもわからない。そんなエイミーにベンが与えてくれた「絵」は、自分が守るべきものをはっきりさせてくれた。エイミーはベンに「どう生きていけばいいか」を教えてもらったからこそ、「あなたじゃなきゃダメ」だとはっきり言えたのだと思う。

歴代のエイミーのうち、みづ紀さんでコゼット経験者が3人目(彩花ちゃん、若井さん、みづ紀さん)。
「パパに愛されてきて、でもいつまでもパパの束縛の中に生きなきゃいけないのか、籠の中から出て自分は自立していけるのか」を自問しているあたりは、コゼットとエイミーは通じるところがあるのかなと。

エポニーヌ経験者は歴代エイミーでびびちゃんただ一人。ちょっと意外な感じもしますが、恋愛エネルギッシュ(爆)経験者枠からも出てくると面白いのかなと。

音楽が流れるとあの丘に戻れる機会はとても貴重で、ただ今回は日程の制約上、作品ファンの比率が少なかったように感じました。レミ帝劇楽の週末なのは端っから分かっているわけですし、「ひめゆり」に至っては同社内競合ですから、少しく配慮が欲しかったところです。

会場のスターパインズカフェは音も良く、ホスピタリティも良いと思うのですが、いかんせん椅子が長時間観劇には向かないのは辛いところです。
まぁ、勝手にマチソワしてるこちらの”自業自得”です、というベンの台詞を使って締めます(笑)。

次回の上演は来年2018年2月15日(木)~18日(日)、中目黒キンケロシアターです。

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