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『レ・ミゼラブル』(22)

2017.5.24(Wed.) 18:15~21:15
2017.5.27(Sat.) 17:00~20:00
帝国劇場
5/24:1階T列10番台(下手側)
5/27:2階I列30番台(センターブロック)

プレビュー最終日の5/24はプリンシパル中、ただ一人初日を迎えていなかった小南コゼットの初日。
そして5/25に本公演初日を迎えた後の土曜日ソワレで、ほぼ新キャストを見終えて、「私の2017レミが始まった、そんな感じ」な2回です(笑)。

日本公演30周年を記念して帝国劇場前に掲示されていた歴代+現役キャストの写真によるモザイクアートは、本公演初日と時を同じくして移設されたようで、劇場内の肉まん奥(その説明はどうなのか)に移っていました。

劇場前の時はガラス越しだったため、反射で見えにくかったのが見えやすくなったのはいいのですが、それでももともと暗い場所(光の影になる場所)なので、やっぱり赤色部分の写真とかは分かりにくいままで、私をレミと出会わせてくれたキャストさん(由美子ファンテのことです)の写真は、いまだ発見できていないという、罪深い我が身…。

2017年シリーズの特徴は前回も書きましたが、「各キャストの生き生きとしたさま」。

ともすれば「どう形にあてはめて演じるか」にガチガチになっていた新演出初期と、本当に同じ新演出なのか不思議になるほど。

ABCカフェの、自由なんだけども変に悪目立ちする人もいない感じとか。
砦の最後の前、男性と女性が地上で楽しそうに(この後のことを夢にも思わずに)笑い合う様とか。
なんだかとっても嬉しくなります。

今回の新演出改訂版で一番はっきりと人物造形が変わっているのはコゼット。
もともと新演出で多く位置づけが変わっているコゼットですが、今回は内に秘めた思いをはっきりと表に出すようになっていて、それぞれのキャストの人物像が見えてきて興味深いです。

喩えて言うならば、

生田コゼットは愛のコゼット。
彩花コゼットは愛情のコゼット。
小南コゼットは愛嬌のコゼット。

3人見て感じた違いを表現してみたのですが、バルジャンに対する愛が強い彩花コゼット、マリウスに対する愛が強い生田コゼット、その中間が小南コゼットという感じ。

3人ともにそれぞれ良さがあって、暗闇の中で光る様も違う。
生田さんは現役アイドルでもあるせいか、自然に強く光る感じ。
彩花さんは今までのコゼットの経験を通して、自然に柔らかく光る感じ。
小南ちゃんは初コゼットということもあって、自ら光らせている感じ。

今期からの演出変更での、マリウスを振り向かせるために咳払いするのがコゼットかと言えば、それは未だに違和感を感じるけれども、初めての恋が初めての愛に変わっていくさまを、自然に見せていて。
そこに計算さをいかに見せないようにするかが、今回のコゼットの役作りの難しさな気がします。
今までは「内気なお嬢様」というイメージで来ていたところがありましたので。

バルジャンへの愛情は、彩花ちゃんコゼットの変わらぬ様にホッとしますが、24日ソワレが初日だった小南コゼットもまた別の形で表現されててそれが凄く良かった。

バルジャンが意識を失いつつあるとき、まゆちゃん(小南コゼット)はずっと「パパ、パパ」と言い続けて、そのコゼットの想いの中でヤンさんのバルジャンは息絶えたのですね。
パパから返事が返ってこなくても、そんなことは関係なくて。
コゼットにとってパパを思う気持ちは、”無償の愛”。
そのことをこれほどまでに表現されていたことに、ただただ嬉しく感動したのでした。

生田さんは時々見せる心からの笑顔が印象的。
コゼット、そしてレミが好きって思いが伝わってきて、地に足が付いてレミの世界で生きてくれている様が素敵です。

翻ってもう一人のヒロインであるエポニーヌは、2カ所ほど不思議な演出変更がありまして。

1つは、マリウスの本を取り上げた後の動き。「その髪好きだわ」あたりのところで、以前は本を逆さまにしながら「私も読めるわ」やってたところですが、今回は本を取り上げたエポニーヌ、関心なさそうに本を投げちゃうんですね。キャストによってその”本を飛ばす距離”は違うのですが、24日ソワレの松原凜子エポはいっとう長距離で、ほぼほぼ舞台下手端っこまで吹っ飛んでてびっくりしました。ちなみに、この吹っ飛んだ本、いつも子役ちゃんが取りに行って、マリウスに渡して、マリウスが汚れを掃う、というようになっています。

エポニーヌはマリウスに対してだけは純なハートを持っていたい、というキャラクターだと思うんですね。
パリの貧民街で暮らし、自分の身一つで生き抜いてきた、男顔負けの百戦錬磨なキャラクターだからこそ、マリウスの前では乙女になる。

マリウスが好きな本に対して、マリウスだけが光のエポニーヌが、そんな粗雑に扱うのが正しいかと言われると、かなりの違和感を感じます。自分以外が全て視界に入らない、そんなお子ちゃまという見解もあるのかもしれませんが、それはエポニーヌとしてはちょっと違うんじゃないかと。

もう一つはマリウスからやむを得ず預かったコゼットへの手紙を渡しにコゼット邸に侵入したエポニーヌが、バルジャンに手紙を渡すところ。27日ソワレのふうかエポが特にはっきりそうだったのですが、手紙をバルジャンに押し付けるように、半ば「ぐしゃっ」に近いぐらい押し付けるんです。

ここ、特に前期のびびエポ(綿引さやかエポニーヌ)で大好きだったシーンなんです。

「恋敵なのにもかかわらず、自分にとって大切な人(マリウス)からの託されたものだから、バルジャンが粗雑に受け取ろうとしたときに絶対に渡そうとしなかった」んです。
そして、バルジャンが手紙をきちんと扱ってくれると分かった上で、その手紙を、しかも丁寧に渡していたんです。

それからすると、「一秒でも早くこの手紙を渡してしまいたい、持っていたくない」と思うかのような渡し方は、たぶん演出なんだと思うけど、エポニーヌとしてはちょっと違うんじゃないかと感じました。

演出的な違和感はあるエポニーヌではありますが、my観劇3回は、ふうかエポニーヌが2回、松原エポニーヌが1回。ふうかエポニーヌは、プレビュー初日がかなり緊張していたことがわかるほど、27日ソワレは声量も出るようになっていて、今後に期待です。

ふうかエポはどうしても玲奈エポの影を追ってしまうのが見る側の課題なので、ふうかちゃんなりの色をどうみられるか、観る側もちゃんと向き合っていかなきゃなと。

24日ソワレで初見だった松原凛子エポ、正直言って(いい意味で)びっくり。
カラオケバトルで何度か拝見したことはあって、ソプラノでの歌唱の綺麗さは知ってはいましたが、音域なら間違いなくエポよりコゼの方だし。
実際、オーディションはコゼットで受けられて、かなり最後の段階までコゼット役候補だったようですので。

びっくりというのはいい意味で、エポニーヌの”動き”を自然に出せていることにまず驚き。
エポって行動的な役で、やることが多くて最初の時はいっぱいいっぱいに見えるのが普通なのに、長身なせいもあってか動き回る様がとにかく”決まって”る。

マリウスより精神的にも見ため的にも大人。
そんなお姉さんがマリウスに対して「なんでこんな人を好きになっちゃったんだろう」みたいに佇む様がとってもいい。特にお子ちゃまマリウスとして今回定評を得ている(爆)内藤マリウスと組むとその対比が面白いほどに生きます。

ふうかエポが「自信のない自分」というスタンスなのに比べると、凜子エポは「自信があった自分が、マリウスによって自信を崩されていて戸惑う」というスタンスなのが興味深いです。

今回、エポは続投の昆ちゃんが最年長(そこにまずびっくりしますが)、1年年下が凜子様、そして少し離れてふうかちゃん。でもオープニングパーティーで三人並ぶと、どう見ても長女が凜子様で次女が昆ちゃん、三女がふうかちゃんだよなと思うわけですが(笑)。

今回はコゼとエポ中心に書きましたが、公演初日時点で帝劇公演満席というかつてない盛況にある今回のレミ。何だかんだでそれなりにチケットを押さえつつ、初日付近と楽付近に集中して取ってしまったので、6月はそれほど見ない予定。限られた回数で、また変化を拝見してみたいと思います。

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