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2017年5月

『レ・ミゼラブル』(21)

2017.5.22(Mon.) 18:15~21:15
帝国劇場 2階I列50番台(上手側)

2017年シリーズのプレビュー2日目。

前日は日生で『グレート・ギャツビー』マチネだったので、そのままソワレのプレビュー初日になぜ行かないのか、知人に不思議がられましたが(笑)、キャストバランスを考えてこの日をmy初日にしました。

プレビューということもあってか、1幕は音楽と歌がちょっとずつずれる箇所があって、それは主に橋本じゅん先生な訳ですが(爆)、個人的にはちょっと盛り上がらずに終了。

ところが、2幕に入るとなぜかそれが味になる不思議。
登場人物がみんな生き生きしていて、やり過ぎることなく繰り広げられる様が、とってもワクワクする。

新演出になってからというもの、「こう演じなきゃいけない」という鎖の中で、ともすれば自由に振る舞うことができなかったキャストをあまた見てきただけに、ある程度の枠はあれ、自由に動き回るかのようなキャストの皆さんの生き生きとしたさまは、レミゼをまた違う生き物として見せていました。

まず流石なのは、続投キャストの皆さんの完成度。
出色だったのは川口ジャベール。自らの自我が崩れゆき、圧倒的な敗北感に飲み込まれる様が壮絶。

そして安定中の安定、(清水)彩花コゼット。今までよりずっと明るく躍動的に跳ぶさまが新鮮。「僕は飛ぶよ虹の空へ」風なキャッキャぶりも感じました(笑)。

この日のバルジャン、ヤンさんとの父娘キャッキャも継続中どころが更に輪をかけて進展しておりまして、バルジャンがマリウスに真実を告げる直前、コゼットが席を外すときに、ヤンバルが「お嬢様」って感じで手を差し出す(リトコゼと出会った時のポーズ)と、彩花ちゃんがちゃめっ気たっぷりに、お嬢様風にくるっと回ってお辞儀するあたりのお芝居の完成度が流石です。

この日の初日キャストでは、彩花コゼットと初日組むことになった内藤マリウス。

内藤マリウスは今まで見たマリウスの中で誰よりもエポを失った時のショックが大きく見えて印象的。あれだけ沈んで悲しんでもらえると、エポニーヌも命を懸けた甲斐があるというもの。しかしながら、それでいてコゼットの胸に容赦なく甘えられる子供ぶりが絶品でして、特に彩花コゼットとだと、リアルで昔からの知人であるせいか、姉弟感がハンパないです(笑)。

沈むマリウスに対して、コゼットが「あの夜のこと、あの夜の誓い」と声をかけるシーンで、この日ゾクッとしたんです。

コゼットが「あの夜のこと、あの夜の誓い」を知っている、忘れていない、そうマリウスに声をかけることで、マリウスはあの夜のことを忘れてはならないことを思い出す、そう見えたんですね。

思い出すことは辛いことかもしれないけど、あの夜のことを一緒に知っているコゼットだからこそ、マリウスはすがることができて。マリウスにとってコゼットは紛れもなくかけがえのない女性であって。

その辛い思いを支えてもらったからこそ、崩れ落ちそうなコゼットをマリウスが支えることも、これまた自然の感情。お互いがお互いを大切に思い合い、愛し合うからこそ、皆の想いという「愛」を一身に受ける2人であることができる、その様が自然に伝わってきて感動でした。

新キャストでは、ばっちこと相葉アンジョルラスが絶品。
ご本人はインタビューで「リーダー属性じゃない」と語られていますが、どうしてどうして、隠せないリーダー感。過去のアンジョルラスでは吉野さんが個人的にはイメージとダブります。周囲がほっておかないリーダー属性って感じが。

そしてふうかエポニーヌもこの日が初日。帝劇デビューでもありますね。
すばしっこさが印象的で、立ち回り系エポと申しますか。ホリプロということで玲奈ちゃんエポニーヌとの共通性を感じる部分もありつつも、表情的にはびびエポとも似ている箇所が随所に。

ただ、正直言ってしまうと、まだ初日ならではの緊張感は否めなくて、まだまだ伸びしろはあると思うので、変化を期待したいところです。

この日デビューのふうかエポを見てつくづく思うのは、18歳の帝劇デビューで、あのエポニーヌだった玲奈ちゃんって凄いんだなぁという…今回の30周年記念レミゼパンフレットにも「弱冠18歳」と書かれるだけのことはあるんだなぁと。(玲奈ちゃんは今も史上最年少のエポニーヌ)

ファンテーヌの二宮さんは色んな意味でまだ色が見えてこない感。エピローグは普通に良かったですが、前半の色が出せるようになればまた変わってくる気がします。

この日のテナ、テナ妻はどちらも初役。

 ほのかさんが全くほのかさんじゃなく
 じゅんさんが全くじゅんさんだった

ことに爆笑を禁じ得ません(笑)。

…そんなこんなで、思った以上にとっても充実したレミ今期my初日。

ご贔屓さんがだいぶ卒業して、多少後ろ向きな気持ちが発生していなくはなかったけれども、でもやっぱりレミはレミなんだな、と思えて多少なりともホッとしたのでした。

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『グレート・ギャツビー』(2)

2017.5.21(Sun.) 12:00~15:00
日生劇場 2階I列30番台(センターブロック上手側)

公演前半の日程を取っておらず、この日がようやくmy初日。
おけぴさん、エポスカードさんの合同貸切公演です。

この作品は宝塚(『華麗なるギャツビー』)でも、映画でも見ておらず、去年サンシャイン劇場(池袋)でやった松竹版の『グレート・ギャツビー』のみ見ています。

今回、今までのギャツビーとは音楽をすべて変えてということで、ストーリーのみが変わらずの上演です。

今回のギャツビー役は井上芳雄さん。

演出の修ちゃん先生(小池修一郎先生)からのパンフレットコメントに微笑しつつ、確かに芳雄氏を最初の頃から見てきている方にしてみれば、なかなか芳雄氏とギャツビーは結びつかないかも、と思いつつ。

芝居の厚さ、人となりの厚さが出てきた今だからこそ、背中で語れるようになった今だからこその役なのでしょうね。

ともすれば、すべてを手に入れた男性であるギャツビーが、なぜデイジーだけは手に入れられないのか、そこに傲慢さを感じかねない役であるところ、正直言って傲慢なのはトムだけで十分で(爆)。

ギャツビーが、自分の人生を賭けていい存在だからこそ、デイジーを力で物にしようとしていない。
デイジーの前では一人の男性として認められたい、そんないじらしさが伝わってくるのも今の芳雄氏演じたならでは。

お金があるから人が集まる、力があるから人が集まる、でも本当に信頼できる親友はいない。
そんなときに現れたニック(田代万里生さん)と出会えた時の、「初めて出会えた親友」へのアプローチもとってもいじらしくて不器用で、だから愛らしかったりもする。

ニックもお人よしが背広着て歩ているかのような(注:役柄上の話です。)万里生君だし、親友であることに微塵の疑いも感じさせない力量バランスが素敵です。

ギャツビーが全てを捨てても手に入れたかったデイジーは
夢咲ねねさん。
「手に入れたかった」という表現そのものが相応しくないかのような存在。
どこかおとぎの国の存在のようで、容易く触れてはならないかのような存在感が絶妙。

「綺麗なおバカさん」になりきれない自分の不器用さ、聡明さを却って鬱陶しがっているような立ち位置が新鮮でした。

蝶よ花よと持て囃される上流階級としての自分を、鬱陶しく思いながらも、巧みに利用するようなところもあって。自分自身のエゴを見えないように、でも捨てないように演じるのはねねちゃんの得意技な気がします。

今回の登場人物で印象的だったのは、デイジーの親友のゴルファー、ベイカー役の、AKANE LIVさん。
松竹版で大湖せしるさんが演じられていて、その時も「自立した女性」ぶりが素敵でしたが、今回も光っています。

デイジーが「自立できる才を持ちながら、タイミングに恵まれなかった」女性であることと比べると、ベイカーは「自立できる才を持ち、タイミングも自分でコントロールした」女性。そしてもう一人のメインの女性役、マートルに至っては「自立できる才を持たず、男性を求めることでしか存在できない」女性。

この時代の女性の生き方が三様に現れているようで、興味深かったです。

女性の衣装がアンサンブルさんに至るまでどれも豪華で、この時代の時代背景を思わせます。
やんさん(池谷祐子さん)がダンスで踊りまくるのも新鮮です。
ただ、それらの豪華さが、逆に「何も残らない儚さ」を思わせるかのようで、物悲しさを感じたりしました。

ギャツビーにしても、お金にも力にも執着せず、ただ一つ望んだデイジーの存在を手にすることはできなくて。
でも、最後のシーンでデイジーは、ギャツビーの元に来てくれて。

トムは絶対にその行動を認めようとしなかっただろうけれども、それでもデイジーは自らの意思を貫き通して。ふわふわしているように見えても、大事なところでは確実に筋を通した。

「綺麗なお嬢さんだ」と言われたデイジーの姿は、ただ外見だけではなく、その想いまで綺麗で。
本当の芯の強さを見せてくれたデイジーの姿があってこそ、ギャツビーが命を懸けて守った意味があると感じられて。

何もかもが儚くて、確実なものが何もない時代の中で、その中でもギャツビーのデイジーへの想いと、デイジーのギャツビーへの想いは本物だったと思えたのは、せめてもの救いだった気がします。

この日は貸切公演ということもあり、ご挨拶がありました。

芳雄氏「おけぴさんは先日も半館貸切していただきまして、今日も半館ということで、一緒にまとめればと思うんですが、色々事情があるのでしょうし(笑)」

あたりからの芳雄節が始まり、

「おけぴさんからの舞台愛を感じます。エポスさんから感じないわけじゃないですよ(笑)」

と継ぎ、

芳雄氏「エポスさんといえば、何ですか、ねねちゃん」
ねねちゃん「(超困った風に)ポイント?」
  (会場内笑&拍手)
芳雄氏「まぁだいたいカードにはポイントあるよね(笑)」

と漫談突入。

いやぁ、ねねちゃん、
程よく天然、程よく正解、程よくツッコミどころがある答えという、流石の返しでございました(爆)。

芳雄氏「エポスさんは元々丸井さんのカードで、日本最初のクレジットカードなんですよ」

と言って舞台上と客席を「へー」と言わせた後、

「Wikipediaで調べたんですけどね」と白状し、ご自身恥ずかしそうに顔を俯かせ、隣の万里生氏が遠慮がちにツッコむ、という仲々な風景が展開したのも、このカンパニーならではで面白かったです。

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『王家の紋章』(5)

2017.5.7(Sun.) 13:00~16:10
帝国劇場1階S列1桁番台(下手側)

東京千穐楽、終わってしまいました。
大阪には出向けないと思うので、恐らくはmy楽ということになります。

芝居の世界では”前楽が芝居としての完成形”と良く言われて、千穐楽はどうしても”盛り上がり”に引きずられるきらいがあるわけですが、この日の千穐楽は、”盛り上がり”と”芝居の完成形”を兼ね備えた、まさに理想的な千穐楽を体感しました。

この日のWキャストは、キャロルが新妻聖子さん、イズミルが平方元基さん。
個人的なベストペアの2人が、満を持してのベストコンディションで攻め込んでくる様に、ただただ感動させられます。

新妻聖子さん。

生粋の王族であるが故に、今までの公演ではともすれば自身の意思で突っ走ることもありましたが、この日は第1幕初っ端から少女そのもの。

考古学への好奇心、未知への憧れ、古代にタイムスリップしてからの不安、メンフィスとの出会い、そのどれもが、役のあるべき部分から全く外れない、匠の技。

普段はそのテクニックゆえに感情移入しにくい部分も出るのに、この日は自然にキャロルの不安に寄り添えて、古代を旅するキャロルの気持ちで観ることができました。

1幕のキャロルは、メンフィスに反発した気持ちも、心惹かれるようになった気持ちも自然。

メンフィスが自分を救ってくれたことで芽生えた淡い恋心が、メンフィスの今までの孤独や危機と向かい合ったことで、自然にメンフィスを思う気持ちにつながっていく。

キャロルの気持ちが強すぎたときには、2幕の「大切なものを守りたいから」の歌詞は、実はメンフィスではなくて、「自分の気持ち」が大切なんじゃないか、とさえ感じられたのに、この日は「メンフィスがいてくれてこそ、キャロルは自分らしくいられる」という気持ちをストレートに出していて。

自分を大切に思ってくれるエジプトの民を大事に思うからこそ、自分のために命を落としてしまったルカや、エジプト軍の兵士への慚愧の念がまっすぐに伝わってくる。

戦場で再び出会えたメンフィスへも、メンフィスを思うからこそ、自らが囮となってヒッタイトと戦うために立つ姿が、揺らぐことなく強く美しい。

そもそも聖子さんの持ち味は凛々しい強さであって、2幕の使命を帯びたときからの動きは、観るたびに痺れるわけですが、この日は1幕の少女らしさがあった故に、「少女が古代エジプトに生きることを心に決め、大切な人、大切な仲間たちのために強くなっていく」様がとても自然に見えて。

元々持っている聖子さんの技術に思いが乗っかったことで、確かにこの日の千穐楽の行く道を形作っていました。

出すぎずに、この作品でキャロルとして求められる本質をぶれることなく通していて。

それ故に、メンフィスの浦井さんのキャロルへの想いもとても分かりやすく見えて。
自分の生涯の伴侶として、エジプトの未来を一緒に描いていく相手として、『キャロル「で」いい』、ではなく『キャロル「が」いい』、その姿がとても自然に見えました。

敵国ヒッタイトのイズミル王子も、最初は愛する妹のミタムンの復讐だったはずが、キャロルの魅力に接して、「まさか愛することになるとは」という流れがはっきり見えて。

キャロルの存在は、表面的には「利用価値がある(聡明な乙女)」だけれども、自然に愛され、皆に力をくれる存在であってこその”ナイルの女神”。

正直な本音を言ってしまえば、聖子さんがそのまま聖子さんの持ち味を出してしまうと、実はちょっと聡明すぎるというか、1から10まで理論で打ち負かすみたいになってしまうと思うので(爆)、聡明さを持ちつつ、フルパワーからちょっと引いた位置でキャロルを生きていた姿が、ちょうどぴったりな気がしました。

振り返れば、王族である聖子さんが、キャロル役をやるということも、初演当時、本人が驚くほどの奇跡で、それが再演にまで続いて。
聖子さんがヒロインとして帝劇に立つのは今日で一区切りの可能性が高いとは思うけれども、そんなことすら全く感じさせない、プロのヒロインぶりを存分に発揮されていて。

本編を愛らしさと凛々しさと力強さで引っ張り続けたと思えば、カーテンコールでは水をも漏らさぬ完璧なご挨拶で、続く平方くんを困惑させるほど(笑)

動画は東宝公式に上がっています→こちら

「無事に千穐楽を終えられたこと」をお客さんに感謝され、「この日の熱気は外の気温のせいじゃなくお客様の熱気だと思う」、と仰られ。全員で千穐楽を迎えられたことを感謝されて、最後に「皆さまにとって今日の観劇がよい思い出となりますよう願ってやみません」と締められました。

聖子さんのご挨拶は今まで他の作品でも何度も聞いていますが、「また来てほしい」とは言わずに、「今日観劇していただいてありがとうございます」という言葉が必ず出てくるんですね。サイゴンの販促イベントでさえ、皆が「また来てね」という中、一人頑なに「今日はありがとうございます」を貫き通されていました。

それは彼女の美学と信じて疑いませんが、一つの舞台公演を一緒に共有した舞台上と客席とのキャッチボールとして、あくまでその公演を満足していただくことこそが、次につながると信じているように思えてなりません。

一般論として、本編での満足度が高ければ、ご挨拶が多少脱線しても許容されるものと思いますが、ただ、ご挨拶というのは挨拶される方の自らのポジションへの認識がどれだけされているかを反映するものであることも事実で。
言葉が自身の想いを乗せて、自身の言葉で語られる挨拶というものが、ここまで伝わるものなのかということを感じられて、本編・ご挨拶両方が満足できる千穐楽となったことが、ただただ夢のような時間でした。

その上、それを受けて平方くんが「聖子さんの素晴らしいご挨拶の後で何をしゃべろうか…」と語りだすと、必殺ツッコミ兵器の伊礼氏が「俺が喋ろうか」とツッコんで爆笑を誘う(笑)

これ、ちょっと前に指名されてもいないのに伊礼氏が挨拶に進み出ようとして全員がツッコんだのとの合わせ技ですが、あまりに綺麗な様式美で面白すぎです(笑)

平方くんの挨拶も、そうは言いながら役に対する真摯な姿勢を踏まえたまっすぐな素敵なご挨拶でしたが、「大阪公演も元気についてきてください、平方元基(げんき)でした」のご挨拶に、浦井座長から「なんで名乗ったの?なんで名乗ったの?」と矢のようなツッコミが飛んでくるのも面白い。

「いや、名前を覚えて帰ってもらおうと思って」と平方くんが答えるが早いか、「みんな知ってるよ」で返す和気あいあいさが最強でした。

・・・

カーテンコールも皆様の満足そうな笑顔が見られてとても素敵でしたが、最後にサプライズが。

普段は3人で捌けるところ、聖ちゃん(浦井くんは聖子さんを「聖ちゃん」と呼ぶのが定着したようですね)が浦井くんを中央に押し出して、帝劇0番(帝劇の中央)で一人ご挨拶。

動画にも残っていますが、浦井くんあってのこの作品、最後に浦井くんに会場全体で拍手を贈れたのは本当に嬉しくて、その橋渡しをされた聖ちゃんの粋さに拍手です(下手袖で拍手されていたそうです)。

そういえば、
そんな聖子さんがカーテンコールで出てきた後、並んだ時に祐さんと会釈される様が毎回楽しみでした。

2003年レミゼ(エポニーヌ)でデビューした聖子さん、2004年エリザベート(ルドルフ)で帝劇デビューした浦井くん。
その2人を”舞台上での幼い頃から”見つめてきた祐さんが、
帝劇のセンターで座長とヒロインとして立つ2人を暖かく見守る姿も、とても素敵に思いました。

帝劇楽をここまで満足いく形で終えられたことが個人的にとても満足で、梅田芸術劇場公演で、『王家の紋章』が更に円熟味を増されることを、心から祈念しています。

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『歌会2017』

2017.5.3(Wed.) 18:00~20:00 1階1列18番(上手側)
2017.5.6(Sat.) 13:00~15:00 1階2列10番台(下手側)
三越劇場

お噂はかねがねお聞きしていましたが、今までずっとタイミングと思い切りが合わず、ご縁がなかった歌会。今回はびびちゃんご出演ということで、初日と楽に行ってきました。

全編で54曲(原田優一氏談)ということで、曲目リストアップには正直、心が折れてしまったのですが(笑)、フォロワーさんのdacho氏にセットリスト掲載の許諾をいただきまして、私の2回目の観劇での微調整を加えて、アップさせていただきます。

なお、セットリストの正規版は夏頃発送予定の「歌会2017フォトブック」に掲載されるとのことですので、その際に追加訂正をさせていただきます。

今回のメンバーは、
男性陣が原田優一さん、佐山陽規さん、泉見洋平さん。
女性陣が入絵加奈子さん、はいだしょうこさん、綿引さやかさん。

●第1部
 0-1.なごり雪/inst
 0-2.心の旅/inst

 1.KAKAI/original(全員)

 2.自由への扉/塔の上のラプンツェル(綿引)
 3.そばにいて/魔法にかけられて(原田)

 アニソン合唱団コーナー
 4.大地讃頌(全員)
  ※以下、複数回使用されるため順不同
 5.鉄腕アトム
 6.ムーミン
 7.アンパンマン
 8.ゲゲゲの鬼太郎
 9.田舎っぺ大将
 10.ドラえもん
 11.ガッチャマン
 12.ちびまる子ちゃん
 13.アタックNo.1
 14.キューティーハニー
 15.サザエさん

 16.One Song Glory/RENT(泉見)
 17.ショウほど素敵な商売はない/アニーよ銃を取れ(inst)
 18.One/コーラスライン(全員)
 19.At The Ballet/コーラスライン(入絵・はいだ・綿引)
 20.愛した日々に悔いはない
    /コーラスライン(佐山・泉見・原田)
 21.エニシング・ゴーズ/エニシング・ゴーズ(綿引)
 22.顎で受けなさい/ミー&マイガール(はいだ)
 23.I am the Starlight
    /スターライト・エクスプレス(佐山・泉見)
 24.Nowadays/シカゴ(原田・入絵)
 14-2.One/コーラスライン(全員)

●第2部
 25.マスカラ/ラ・カージュ・オ・フォール(原田・泉見)
 26.ありのままの私
   /ラ・カージュ・オ・フォール(佐山・泉見・原田)

 27.生きている/ひめゆり(はいだ)
 28.命をあげよう/ミス・サイゴン(入絵)

 KAKAIベストテン(MC:伊東えりさん)
 29.ベストテンオープニングジングル
 30.ブーメランストリート/西城秀樹(泉見)
 31.ハッとしてGood/田原俊彦(佐山)
 32.白い色は恋人の色/ベッツィ&クリス(綿引+人形)
 33.シンデレラハネムーン/岩崎宏美(はいだ)
 34.赤いスイートピー/松田聖子(原田)
 35.どうにもとまらない/山本リンダ(入絵)

 36.恋のダイヤル6700/フィンガー5(全員)
 37.チョット マッテ クダサイ
    /ゴールデンハーフ(全員)
 38.星降る街角/敏いとうとハッピー&ブルー(全員)
 39.悲しみのクラウン
    /リトル・ナイト・ミュージック(佐山)
 40.I Got Ryhthm/Crazy For You(inst)

 マッシュコーナー『レ・ミゼラブル』
 41.バリケードを築こう(佐山・泉見・原田)
 42.幼いコゼット(はいだ)
 43.彼を帰して(原田)
 44.On My Own(綿引)
 45.カフェソング(泉見)
 46.夢やぶれて(入絵)
 47.Stars(佐山)

 1-2.KAKAI/original(全員)

●アンコール
 48.歌は我が命/美空ひばり(全員)

 同一曲複数回登場の2曲をそれぞれ1曲としてカウントしたので48曲。あとこれにインストが入るぐらいでしょう。

 三越百貨店日本橋本店6階にある三越劇場らしく、上演前の注意事項はデパガ風。入絵さんのノーマルなパターン(とはいえ途中に息継ぎをわざといれるので笑いが起こる)から入って、はいださんの超子ども声が更に笑いを誘い、びびちゃんの変な英語イントネーションは更に面白いです(2部「KAKAIベストテン」でのびびちゃんの担当曲とリンクしてそうな気もしますが)。

 佐山さんが普通に継いだ後、泉見さんがフォトブックの宣伝をおネェ声で「買ってー」「買ってぇー」と連呼するんですが、流石のキモさ(褒めてます念のため)。

 MVで見ていたKAKAIオリジナル曲で登場。

 最初はディズニーコーナーですが、びびちゃんのM2「自由への扉」は、「フレンドオブディズニーコンサート」では2015、2017年ともに本役の中川しょこたんが歌われたので、びびちゃんで聞くのは初めてな気がしますが、相変わらずディズニー曲との親和性がさすがです。

 アニソンパートは全員白ずくめ(帽子も白)で出てくる、見た目のシュールさは写真では見ていたものの、実際に見ると迫力というか笑いのパワーが凄いというか…

 油断すると何度も「ねぇムーミン」をぶっ込んでくる佐山氏とか、
 「曲がり角」の歌詞で一人「KAKAI角」ってぶっ込んでくる入絵様とか、
 サザエさんで「裸足で駆けてく」という歌詞の後にみんなで「危ない」ってぶっ込むところとか、
 田舎っぺ大将の「一人ひとより力持ち」の歌詞をびびちゃんがドス利かせてぶっこむのがツボとか、
 中々いろいろ楽しめるアニソンパートでした。

 からの。

 セットリストにはないのですが、ここで登場するのが「はいだ画伯のお絵かきコーナー」。
 かの有名なはいだ画伯が登場され、皆の絵を描くというコーナーで、舞台上に上げられたのは、模造紙大(おそらくはA1サイズ)の紙。そこにはいだ画伯が絵を描いていくのですが…

 いくのですが…

 はいだ画伯、対象の方を見ながらでないと書けないそうですが、書かれた絵というのが…

 ちっちゃい(笑)

 測ったわけではないですが、恐らく3cm四方に入るレベルの大きさで。休憩中・終演後にロビーに展示され、写メを取る方の長蛇の列ができていましたが、皆さん開口一番「ちいさっ(笑)」で気持ちが通じ合う共感度(笑)

 ちなみにこの絵を待ち受けにすると効能があるらしく。

初日「逝く時に安らかに行けます」
中日「人間として生き返れます」

 だそうです(笑)
 日によって「佐山さんに生き返れます」というのもあったそうです(笑)

 そういえば、なぜ画伯になったかという話もMCにありました。

はいだ
「歌のお姉さんをやっていた時に、(絵描き歌で)キャラクターの絵を書いたら子供が泣きだしちゃって
「で、テレビをご覧になっていたお宅の方からも苦情が来たらしくて
「それ以来、(NHK)テレビで絵を書かせていただくことはありませんでした(笑)」

 だったそうです。
 ちなみに、最近偽物が出ているそうで、ご自身の書いたものにはマークを付けるようにしているそうです(爆)。

 全員金色ずくめの「one」は眼福、耳福。このメンバーで歌に心配がないのはもちろんですが、見た目のバランスも良くて、綺麗に揃ったダンスと歌は見ごたえ聞きごたえがあります。

 1幕はM21の「エニシング・ゴーズ」が客席から登場のびびちゃん。白のドレスで、役どころ的にも活動的な感じがぴったり。すれ違う原田氏が「淫ら」って本を持ってすれ違うのが笑う(歌詞に「淫ら」という歌詞がありますのでそれに掛けてます)。
 こういう、アクティブで前向きなキャラはびびちゃんにとっても似合う。中々役でそういう役に出会える機会はないかもだけど、そんな機会があったら嬉しいものです。

 M22のはいださんサリーは、宝塚版でのタイトル。「顎で受け止めて」(東宝版)に慣れているので、どうしても自分は違和感。でもはいださんの天真爛漫さを拝見していると、これもいいかなという感じになってくるのも不思議です。

・・・

 2幕。初歌会とはいえ、男性の女装は普通のことだと思っていたので全く違和感を感じず(笑)。カテコのご挨拶曰く、やっぱりだんだん癖になるそうですね(笑)

 からの、M27からM28への移行は度肝を抜かれました。

 男性陣3人の衣装は、振り返ってみると琉球舞踊みたいな衣装になっていたので、もんぺ姿で出てきたはいだ様が、「現実か何なのか、全く分からず呆然としている」様が、絵としてそれなりに成立していたことに驚きました。

 はいださんの渾身の「生きている」から、初演から25周年の初演キム、入絵さんの「命をあげよう」へ。
入絵さんの曲の前には下手から泉見トゥイ、上手から原田クリスが登場し、対峙しながらお互い何もできずに走り去るという、衣装だけが新作というパートがございました。歌で魅せられ、目で楽しむ、そんな時間。

 からの、歌会ベストテン。
 MCの伊東えりさんはやむを得ない事情で声のみのご出演。

「ゲストの皆さんは中継までして出たいのかと思ってたけど、こうなったらわかります。『出れるものなら出たいのよ』」に噴きました。

 泉見さんのヒデキは去年エラい評判が流れてきた案件(爆)でしたので、「これが噂の!」を体感しました。

 「ハッとして」で一時停止ボタンが自主的に押される佐山さんも笑えました。原田氏いわく「佐山さんにトシちゃんやってもらったら面白いだろうな」で実現した話だそうです。

 びびちゃんは一人二役(と言えばいいのでしょうか笑)で、ベッツィ&クリスのクリス(ボーカル&ギター担当)をびびちゃんが担当、歌わない(人形だから当たり前ですが笑)ベッツィにツッコみ、終わった後はひたすら口喧嘩してる様が面白い(笑)

 そういえばクリスは金髪でしたが、ここのところ金髪やブロンド体験多いなー。キューティの沙也加嬢、王家の聖子嬢までは想定内でしたが、まさかびびちゃんまで金髪とは(笑)。赤の制服風の衣装、あまり見ない色なので新鮮でした。

 はいださんの宏美さん、顔芸が凄い(爆)。

 で、真打登場な原田さんの聖子さん。

 歌われながら籠の中の飴を投げていかれたのですが…

 初日、私1列目の18番(上手側階段のすぐ下です)に座っていたのですね。
 この席、びびちゃんの「エニシング・ゴーズ」で舞台に上がる直前で指差しいただいたり、はいだサリー様のドレスが至近距離で接したりという神席だったのですが、この曲、

 原田さまの手には赤いスイートピーが…

 最前列は男性は私だけだし、とか思っていたら、やはり…

 原田聖子さまからスイートピーをいただきました(爆)。

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 楽でいただいていたのは同じ席に座られていた女性の方だったので、初日は偶然だったようですが、その偶然を引き起こしたのはびびちゃん扱いのチケットだったことがミラクルで(笑)。
 後方からご覧いただいていた複数の知人に完全に見つかっていたのはちょっと恥ずかしかったです(爆)。

 M35の入絵さんのリンダは超絶の再現度で凄かったー!
 ラストカテコで入絵さんが「やらせてくれてありがとう」原田さんが「やっていただいてありがとう」と仰ってましたが、いいもの見せて頂きました。身体が小さい方ですがパワフル、という形を余すことなく体現されていたのが流石でした。

2幕ミュージカルマッシュ(マッシュアップ)コーナーは、毎回1つの作品をテーマに、曲を繋ぎ合わせて一つのコアに収れんさせるコーナーだそうで、今回は日本30周年を記念しての『レ・ミゼラブル』。

はいださんのみがレミ未経験者で、リトルコゼットを担当。エポニーヌは本役が2人いるので、びびちゃんがエポニーヌを担当して、入絵さんが未経験のファンテーヌを担当。マリウスも本役が2人いるので、泉見さんがマリウスを担当して、原田さんが未経験のバルジャンを担当。そして日本初演のジャベールの佐山さんはもちろんジャベールです。

このコーナーのために今までの(歌会の)小道具を組み立てて作られたミニバリケードを前に繰り広げられた、レミ愛に溢れたマッシュ。

お一人お一人のレミへの思いがまっすぐに伝わってきて、個人的にはびびエポが再び見られたことに感涙しかなかったですが、知る機会がなかった佐山ジャベールの念の強さ、懐かしい泉見マリウス、そしてまだ見ぬ入絵さんファンテーヌ、原田さんバルジャンはもちろんのこと、レミに関われていないはいださんリトルコゼットの歌声と思いも包み込み、レミゼという作品へのリスペクトが伝わってきました。

今回のマッシュでは、原キーと変えているところが2人だけあるそうで、千穐楽のカテコでびびちゃんが言及されていましたが、コゼットとマリウスの2人のパートが、原キーではマイナー(少し落としている)なのが、今回のマッシュでは1つ上げて明るい音(メジャー)にしている。それは2人が生き残る2人だから、「愛」を表現するために1音上げているという話があって、なるほどと感じさせられました。

・・・

千穐楽のご挨拶は皆さまから一言ずつ。

泉見さんからは「また呼んでいただいた」ことへの感謝が。
「思いもつかない扉を開けていただいて」
→優ちゃん「開けて良かったんでしょうか」
的会話が面白かったです。

びびちゃんからは「ミュージカルをやっていれば一度は出たいと思う歌会に呼んでいただけて優ちゃんに感謝です」と言うが早いか、優ちゃんから「またまたー」とツッコまれる(笑)

「レミゼのパートでは本当のエポニーヌの入絵さんがいらっしゃるのに」と言うが早いか、皆から「あなたもホンモノでしょ」とツッコまれる(笑)

「いえいえ、先輩の入絵さんには」と言うが早いか、入絵さんから「(凄い年上に思えちゃうから)お願いだからやめて」とツッコまれる(笑)

佐山さんからは「なんでそんなにみんな面白いこと言えるの」というコメントがされてそれが笑いを誘うという不思議なパート(笑)

「女装が癖になったらどうしよう」と言ったら優ちゃん、「みんな癖になるらしいですよ」
「娘に顔見せできない」と言ったら優ちゃん、「『いいお父さん』って思ってもらえますよ」

…どんな(笑)

入絵さんはリンダさん風に作った挨拶でしたが、ツッコまれるの面倒だったのかな(笑)

真打登場なはいださん。
「みなさん大きな舞台に叩かれている方で」と言ったが早いか、皆から「叩かれて(笑)」という光速ツッコミが入る空間(笑)「確かに昔は叩かれたかもしれないけど」とかさんざんツッコミが入り…
(正しくは「大きな舞台に立たれている方で」)

その上で「全力失笑で」と言ったもんだから、またツッコミが(笑)

・・・”全力失笑”使えるかも(笑)

はいださんが皆さんへの感謝の気持ちを伝えて、優ちゃんが優しいという話も伝えて、何とか話が終わったら

優ちゃん「はいださんのご挨拶が何とか終わったことに胸をなでおろしております(笑)」

たしかに(笑)

今回、初めて体験した「歌会」の空間。

歌へのリスペクトに溢れていて、歌への愛に溢れていて。
笑いも、歌を笑い飛ばすんじゃなくて、歌と空間のアンマッチを笑いにしているんですよね。
だから見ていて不快な気持ちにならない。

歌を大切にしている人たち、歌で表現する空間を大切にしている人たちが、
真剣に歌に取り組むからこそ感じられる世界。

歌がただ上手いだけではなく、ハートで歌える人たちが集まっているからこそ楽しめる場。
そんな場を拝見できたことに感謝です。

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『王家の紋章』(4)

2017.5.3(Wed.) 13:00~15:45 2階J列40番台(上手側)
2017.5.5(Fri.) 13:00~15:45 1階W列10番台(下手側)
帝国劇場

5/3マチネ:新妻キャロル、宮野イズミル
5/5マチネ:宮澤キャロル、平方イズミル

初演から通じて、5/5マチネが初めての宮澤キャロル(キャロ江)でした。

今までずっと新妻キャロル(キャロ子)で見通してきたので、キャロ江ではどんな風に見え方が変わるのだろうというのに興味はあったのですが、いつ見ようか迷った上で、ラストはキャロ子さんにしたかったのでこの回にしました。イープラス・三菱UFJニコスの合同貸切公演の回です。

PVやパンフレットを見ていて知ってはいたのですが、特に1幕、キャロ江では怒り顔が印象的。
険しい顔をしている場面が多いので、もちろんそういう意思はないのでしょうが、不機嫌なようにも見えてちょっともったいないなと。

勿論、自分が望んだわけでもなくいきなり3000年前のエジプトに吹っ飛ばされれば、不安がないわけはないですが、キャロ子の場合は「不安」に見えるところが、キャロ江の場合は「(気持ちが)不安定」に見えてしまうのが残念です。

2人を比較すれば、キャロ江は「若さは切り札」なはずで、もっと生き生きと伸び伸びすればよいと思うのですが、どうもご自身考えすぎなところがあるようで、思いつめるあまり良さを自ら消してしまっている感が勿体ないです。

といえ、霊長類最長女子という顔を持ち、生粋の王族のニイヅマセイコ様を前にして、平常心を保って自分らしさを、と言っても苦しいのは分かるんですけどね。

この日、キャロ江を見て一番印象的だったこと。

彼女は背が高い(164cm)なので、メンフィスの浦井さんに抱きしめられると、浦井さんにすぽっと収まらないんですよね。聖子さんは154cmなので、普通に立っているだけでメンフィスにすぽっと収まる。

で、キャロ江が2幕後半の戦闘シーンの中で立っている姿を見ていると、兵士とほぼ同じか、少し小さく見えるんですね。
振り返って、キャロ子が同じシーンでどう立っているか思い出すと、明らかに兵士より大きいという記憶がある。

メンフィスを救うために「ヒッタイト兵!私はここにいるわ!」と叫んだ時のオーラは、実態以上にキャロルを大きく見せている。

つまり聖子さんの場合、メンフィスの胸に抱かれるときには、自分を等身大か小さく見せて、自分の力で立たなければいけないときは、自分を大きく見せるようにしている。
そんな「舞台では当たり前のこと」を”こともなげに”しているのだ、ということに気づけたのが一番大きな収穫でした。

この舞台ではめぐさん(濱田めぐみさん)もそうですね。
ミタムンに対峙したりするときは大きく、そして恋に盲目になったり、弟の怪我に狼狽するあたりは小さく見せているわけですが、それは当たり前のことでは実はないのだなと。

そして舞台をやってきている人は、自然に複数の声色を持っているんですね。
それが特に2幕後半のキャロルの心理の変化に際して、キャロ子は上手く使いこなしている。
絶望から覚醒、決意に至るまではっきりと声で心を表現している。
そして台詞の声も歌の声もボーダーレスで行き来させられる。
それはやはりキャロ子、流石だなと。

逆に言うと、キャロルが確立しすぎることによる作品への影響を感じて。

キャロ江で観た回、この作品は「メンフィスとキャロルの物語」と感じたのですが、キャロ子さんで観ると、「キャロルとメンフィスの物語」に感じることが多々あるんですね。

キャロ江の場合、感情に自然に動く感じがあるので、メンフィスやイズミルもキャロルの心情に自然に動かされる感じがあって、「メンフィス」が主となることは揺るがなくて。キャロルもメンフィスの世界の中にいる一人であると。

キャロ子の場合、自らの立ち位置を完全にコントロールしているので、結果、メンフィスが自分に心惹かれるところまで計算に入れているようなところがあって。そうなると、メンフィスよりもキャロルの気持ちで回していく面が見えることがあって、やりすぎるとちょっと危険かなと。

今回の「王家の紋章」再演、聖子さんは自らが王族ということもあり、出すぎず出なさすぎずを自らコントロール仕切っているということが、佐江ちゃんを見てよりはっきりわかった気がします。

そうなると、佐江ちゃんも聖子さんの造形にあまり引っ張られることなく、佐江ちゃんらしいキャロルを目指してほしかったなと思います。

この日のカーテンコールは貸切だったため、ご挨拶がありましたが、

佐江ちゃん「私は明日が帝劇楽です。明日、帝国劇場に立つのは最初で最後かと思いますが」(※)
浦井くん「何を言っているのか分かりませんが(笑)、今日は何だったんでしょうか」

…というご挨拶をしたあたり、佐江ちゃんも相当余裕がなくなっているのかなと。(浦井くんは流石のフォローでした)

※ご本人からその後訂正があり
「帝国劇場に立てるのは泣いても笑っても明日が最後なので」の予定だったそうです。


今回はDVDが出ることもあり、その言い方からすると近い時期の再演は可能性が低いように思われますが、せっかくの大阪公演、Wキャストがそれぞれ別の居ずまいで作品を引っ張っていってもらえるよう願っています。

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『Off Broadway Musical Live 5』

2017.5.5(Fri.) 19:00~21:10
原宿ラドンナ

scoreさんプロデュース、略称「OBMJ(※)」もとい「OBML」の5回目です。

(※)上田亜希子さんが「Off Broadway Musical Japan」と初っ端のMCでかましていただきました(笑)

今回のメンバーは、
男性が中井智彦さん、高原紳輔さん、伊藤広祥さん。
女性が上田亜希子さん、岡村さやかさん、北川理恵さん。
前回のOBML4から全員が変わりました。

公演は明日の2回(昼・夜)を控えていますので、ネタバレNGの方は回れ右で!
特に2幕の構成が素晴らしく、お時間のある方はぜひご覧いただくことをお勧めします。




ではセットリストから。

●第1幕
1.Traffic Island Song~渋滞の街~/Island Song(全員)
2.Just Me~自分一人で~/6(six)(北川)
3.Something Missing~足りない何か~/29(上田・中井)
4.I Need You More~何よりも~/Chasing the day(伊藤)
5.Annie's Party~アニーのパーティ~/Fugitive Songs(岡村)
6.Run~遠くへ~/Love me,love me not(高原)
7.You Can't Bring Me Down~縛られない~
   /I could use a drink(伊藤・岡村)
8.The View From Here~この景色~
   /The View From Here(中井)
9.Coasting~うわべで~/Edges(全員)

●第2幕
10.Tie Me Up~縛られたい~/Island Song(北川・高原)
11.Say The Word~言葉で~/The Mad Ones(岡村)
12.Run Away With Me~ふたりきり~/The Mad Ones(上田)
13.Vegas~ベガス~/Vegas(高原・伊藤)
14.Cut You A Piece~捧げる、この身~
  /35mm(中井・高原・岡村)
15.Freedom~フリーダム~/The Mad Ones(上田・北川)
16.Belief~信じること~/Moment By Moment(中井)
17.I Love You Because~愛してる理由~
  /I Love You Because(全員)

●アンコール
18.Next Thing you Know/Matthew West

・・・

今回のOBMLは2幕の構成がとても良くて、メンバー皆さんそれぞれの魅力爆発。

M10の高原さん、理恵ちゃんカップルでの理恵ちゃん大暴走面白すぎ。

田舎に引きこもりたい男(高原さん)と、田舎には行きたくない女(理恵ちゃん)で、男性のローテンションと女性のハイテンションの落差が面白くて笑いました。

かと思えば、M11の岡村さやかさんソロが壮絶に凄かった…。
理恵ちゃんが昨日調べたところによると、この曲、現在のOff-Broの人気曲ランキング5位あたりに入っている曲だそうで。

理恵ちゃん「昨日調べたら5位あたりに入ってる曲で。」
高原さん「(さやかさん)相槌が適当ですが」
さやかさん「いえいえ、私が歌う曲をそんなに調べてくれて嬉しいです」
理恵ちゃん「(さやかさん)いいひとー」

というやり取りが萌えました。理恵ちゃんもいいひと!

…からの、M11だったわけですが、いい曲を更に輪をかけて感情込めて歌うさやかさんの姿が圧巻でした。
その上でのM12は、M11に対するアンサーソングで、本来だったら男性が歌うはずのところ、この日は上田さんが歌われていましたがその流れが凄く良くて!

岡村さんと上田さんは私にとっては『Second Of Live』メンバー(さやかさんはAグループ、上田さんはCグループ)なので、勝手に「気持ちが通じ合ってる」風を感じたりもするのですが、なんだか、女性と女性だからこそ通じ合うキャッチボールがとても気持ち良かったです。

女性2人のデュエットのM15も、タイトル通り2人ともフリーダムで(笑)。理恵ちゃんを微笑ましく見守る上田さんがとってもお姉さんぽくていいバランス。それでいて2人ともエンジンフルスロットル。

どちらかと言えば、闇の部分はさやかさんが担当していたというか、1幕M7の伊藤君とのデュエットは、お互いとっても黒かったし、M5のソロも「男性に逃げられて(開催してもらった)パーティで自分1人、居場所がない」というあたりのシチュエーションは、前回の花代さん的ポジションというか、さやかさんお得意の自虐系というか(爆)で笑えました。

男性では一人必ずいる賑やかしポジションは今回は伊藤さん(『ビューティフル』に出演されますね)。
ただ、全般的に今回はMC上手な方が少なかったせいか(この中では理恵ちゃんが一番達者かと)、あまりMCが脱線することなくオーソドックスな感じで収まったのが、時間的にはありがたいですが、ちょっと物足りない部分もあったかも。

前回に比べて、選曲が滑らかになり特に2幕の充実度が上がったのが印象的。
ただ、メンバーが変わったとはいえ前回からわずか3ヶ月での開催は、ちょっと短い気がします。
もう少し間を空けて、新たなメンバー含みで開催されたらいいなと思います。

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