『キューティ・ブロンド』(2)
2017.3.26(Sun.) 13:00~16:20
2017.3.29(Wed.) 14:00~17:30
シアタークリエ
3列10番台(3/26マチネ)、19列20番台(3/29マチネ)
3/28ソワレで東京公演折り返しの同公演。
連日満員の公演ですが、幸い1.5回目、2.5回目と観劇。
私事ですが、異動することになって仕事はバタバタなのですが、水曜日は土曜出勤の振替で無理やり退勤してシアタークリエへ。
26日マチネはおけぴさん貸切(おけぴ観劇会)で当日急遽のトークショーが開催され、29日マチネは当初からの女子会トークショー。
幸運にも2回ともトークショー付きとなりましたが、まずは本編から。
初日が2幕しか見られなかったので、全編通して見たのは26日マチネで、ようやく物語が1つにつながったうえ、直後に映画版(リーガリーブロンド)を見られたので、ようやく初日が始まった、そんな感じ♪(作品違い)って感じです。
神田沙也加嬢の魅力全開のエルはヒロイン属性100%で、何度見ても役にぴったり。彼女の場合、役によっては作り込みが嫌味に見えることもあるのですが、今の彼女の力量にちょうど合っている役ということもあるのでしょうね。背伸びせずに無理をせずに役を演じられる奇跡。
ヴィヴィアンとのポジションの逆転も興味深いです。最初に出会った時はエルがお花畑(現実を見ていない)だったのに、後半にはヴィヴィアンからエルを自然にリスペクト。
エルの仕返しも何気に高度なんですよね。
ヴィヴィアンから「見苦しい」と言われて「私は見苦しいと思わないわ」とエルは言い返してますが、そこでのエルからヴィヴィアンへの睨む視線が好きで。
ヴィヴィアンはエルに「仮装パーティー」と騙って呼び出すわけですが、その言葉を真に受けたエルが恥をかいたシーンでの話で、つまるところ「ライバルを蹴落とすために嘘をついてまで恥をかかせるあなたの方が見苦しいんじゃないの?」ということなんですよね。
エルが全編にわたって清々しいのは、誰かより上に立とうとしているわけじゃないからなのかなと。このエピソードも売られた喧嘩だから買っているだけで、頑張るのは偉くなりたいからでもないし、最初はただLoveのためだけだし。なんか、「他人を蹴落とすんじゃない、自分が上がるのよ(@『プライド』」を思い出したり。
キャラハン教授とのくだりも、最初の講義で受けた「勝てばいい」というのを忠実に返しているだけなんですよね。最初はおバカであっても、すべき努力をして、品位を保ちながら仕返しをする。いつも前向きに、自分だけでなく周囲も楽しくさせる、そんなエルだからこそ皆に応援される姿がぴったりくる。
とにかくエルを中心としたカンパニーの前向きさが見てて気持ち良くて、アンサンブルさん1人1人に至るまで、「やらされている感」が全くなくて。心から楽しんでいる感じが客席までここまで伝わるのも凄いなって。勿論、アンサンブルさん1人1人にまでそれぞれ見せ場があるという、上田さんの得意技あってこそですよね。
見ていて面白いなぁと思ったのが、エルに衣装を見立てるシーンが1幕と2幕に1回ずつあるのですが(正確には1幕はエルに対して、2幕はエルの希望によりエメットに対して)、どちらも百貨店の衣装係は(青山)郁代ちゃんなんですよね。
1幕ではエルを見くびって新作を騙って前年の商品を持ち込んでエルに看破されるのですが、2幕ではエルの依頼に真摯に応えてるのが、なんだか印象に残りました。
カンパニーのまとまりを見たときに、『頑張る』ことに後ろ指をさされないというのか、みんな頑張っているから自然に頑張る、という姿が座長の沙也加嬢、演出の上田さん、音楽の小澤さんといった面々から相乗効果のように広がっている様がとても頼もしくて、見てていつも元気をもらえます。
シアタークリエの開館当時のコンセプトに、たしか「働く女性を元気にできる劇場」が1つあったと思うのですが、今までのラインナップで一番そのコンセプトに近い作品がこの『キューティ・ブロンド』じゃないかと思うんです。
女性が頑張る物語だけど、でも男性を否定しているわけじゃ全くない。見た目の格好良さだけなら否定しているけど、中身の格好良さはウェルカム。ただ否定するだけじゃなくて、「こうあるべき」をきちんと提示しているのが素敵です。
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本編終了後は、どうも定番になったらしい沙也加座長からのワンポイントMC。
3/29マチネが面白くてですね…
沙也加ちゃん
「1幕の最後も2幕の最後も『最高』で終わるんですよね、この作品。そんな流れなのでとてもポジティブな気持ちになるんです」
「先日終演後にショッピングに行ったんですが、そこですごくお気に入りのトップスを見つけたんですね。買いたい!と思ったんですが、そこに書いてあった文字が『I hated myself(私は自分が嫌いです)』ってあって(舞台上&客席大爆笑)、作品終わってから買おうと思いました(笑)」
という見事なオチを付けていただきました。
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さてトークショー。まずは3月26日マチネからです。この日は当初はトークショーの予定はなくて、どうも沙也加ちゃんからの提案で追加されたようです(「おけぴさんは最初からピンクのグッズを作っていただいたり」と仰っていたので)
この日の司会はご自身で”不慣れ”と仰っていた五十嵐さん(たぶん沙也加ちゃんのマネージャーさん)で心配しましたが、さすが沙也加ちゃんとの距離感は中々良かったですし、進行も結構滑らかでした。
面白かった話としては「座長」と言われるのが苦手な沙也加ちゃん、「ざっちょ」と言ってもらっているそうです(笑)
「意外に気づかれていないかもしれないネタ」として、「ワーナーとヴィヴィアンのシーンを見たときに、エルがリバースしてるとき、そのブツを綺麗に拭いている」という話が。29日マチネで観たら確かにとっても丁寧に拭いてました(笑)
好きな衣装(全部で17着あるそうです)はポスター衣装(当初は本編に登場する予定はなく、沙也加ちゃんの希望でカーテンコールで着ているそう)とウェディングドレスだそうです。
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29日マチネは女子会トークショー。
こちらは当初からの予定のままでしたが、会場準備で椅子が4つ並べられた時に期待感が上昇(4人が登場することがわかっているので、椅子が4つしかない=司会が別にいないということ)し、最初にじゅりぴょん(樹里さん)がお1人で登場した時点で期待は確信に変わりました。絶対に外れがないクジのようなものですからね(笑)
期待通り、楽しさしかない30分間(!)という長丁場でしたが、全く長さを感じない、トークショーの見本のような素晴らしいトークショーでした。
下手側から上手側に向かって樹里さん、新田さん、神田さん、花代さんという順番でしたが、全般的に樹里さん&花代さんのシンクロと、新田さん&神田さんのシンクロが全く別々のエリアで起こるのが面白すぎる(笑)
新田さん・神田さんはお互い開演前に
新田さん「さぁや、世界一カワイイよ」
沙也加ちゃん「お前もな」
ってやり合う関係らしく(笑)
かと思えば樹里さん・花代さんはお互い「だわねー」とか言ってたりして、沙也加ちゃんから「場末のバーか」ってツッコまれる始末(爆)
花代さんは1幕の出番が5分ぐらいですが、待機時間はずっと楽屋でシャドーボクシングしているそうで、東宝さん公式のインスタで見事に腹筋が割れてる写真が載ってる件、「照明さんが見事にいい光を当ててくださって」って仰ってて噴きました。
新田さん、沙也加ちゃんともに「実際に横から見ると本当に割れてます」と証言されていました。
面白かったエピソードとしては若者ペアの新田さん、沙也加ちゃんはシュガーさん(佐藤さん)と植原さんも誘ってみんなでラーメン二郎に行く。みんなでニンニク臭くなるので問題が起きない(笑)。
ちなみに2人して増し増しして完食されたとか。会場内から驚きの声が上がっていました。
メンバーの好きなナンバーの話にもなりましたが、結構人気だったM13「かがんで○○○○」は「稽古中にそこ登場シーンじゃない人もやってて『あのシーンはいつやるの』って言ってた人も多かったという(爆)。ちなみにM14も大人気でした(爆)
好きな男性の役という話では、沙也加ちゃんは即答でエメット。新田さんは「眼鏡かけてる人が良いけどキャラハン(教授)しかいなかったからどうしよう(爆)」というお答え。
興味深いところではエルパパ(上野聖太氏が演じてます)という話も。「エルママ(青山郁代ちゃんが演じてます)が幸せそうだから」という理由がなかなか面白かったです。
あとそういえば若手ペア、沙也加ちゃん&新田さんの共通点は2人とも(舞台上で)カラコンされているそうです。
そんな書ける話から書けない話まで、まさに「女子会」に相応しいノリのトークショー、時間の過ぎるのを忘れるほど楽しみました。
これだけ売れている作品でトークショーができたのも幸運で、観られて嬉しかったです。
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