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『Before After』(8)

2017.2.11(Sat.) 12:00~14:50
中目黒キンケロシアター C列10番台(上手側)

3日連続BAの2日目、この日のベンは石井雅登さん、エイミーは池谷祐子さん。
池谷さん(やんさん)はサイゴンやさらだやんで拝見していますが、石井さんは初見。

噂以上のパワフル歌うまペアなこのペア。
BAの難曲をこれでもかと歌いこなし、どう考えてもマイクが要らないレベルで歌で通い合う2人。

BAのペアは今回までで14ペアあって(新人公演含む)、私が歴代見たペアは石井&池谷ペアで10ペア目(よく考えるとずいぶん見てますね)。その中でも図抜けて声量が凄いこのペア。

歌で時が流れていく物語なので、歌うまの方だとどうしても歌で話を流してしまいかねないわけですが、その辺は歌に走りがちな石井さんを、池谷さんの芝居ブレーキで制御する、バランスの良いペア。

キャラづくりで言えば、石井ベンはチャラすぎず固すぎず、かなりmyベストに近いベン。後ほどのアフターライブの時は「実はめちゃくちゃ緊張してた」と仰っていましたが、この回で2回目ということもあり、アドリブもちょいちょい入れてかなり慣れてきた様子。

池谷エイミーはとにかくキュート。ベンへのツッコミは歴代でもかなりな速度で(笑)お茶目さも随所に。
スターパインズでは2階からエイミーが見下ろしてベンに細かすぎる注文を付けるシーンは、キンケロバージョンでは、上手側に設けられたフレーム内にエイミーが登場。ベンが弁解してる間、エイミーがピコ太郎をやりだす始末(笑)。自由だなぁ。

ベンから迫られる(「仲直りの~」のパート)シーンでは「いっぺん死ね」が標準形ですが、池谷エイミーがBA実用新案を開発して、それというのも瞬殺の「ぶっ殺すよ」(笑)。

全般的にポップな感じがあるせいか、エイミーが自分の殻を破れず、好きでもない仕事をして楽しくない日常を送っている様は、ちょっと薄かったように思いますが、後半の芝居の深さは流石の一言。

ベンに対してつい言ってしまった一言に、とっさに口をふさぐエイミーは初めてで驚き。
言い出してしまったからには,、みなまで言うエイミーも凄いと思うけど、止められなかったんでしょうね。

「過去の真実は今を傷つける」の言葉は凄く響いたな。

前日の華花エイミーを見たときに、「正しいからいいわけじゃない、エイミーは『正しい』自分から抜け出せないでいる」と思ったけれども、同じ意味で「過去の真実」は「過去の自分の正しい判断」とも取れて。

過去を知っているエイミーは、過去の自分がどれほどの過ちを犯し、どれほどベンを傷つけたか知っている。
過去を忘れているベンは、過去の自分がどう生き、どれほどエイミーを必要としていたか知らない反面、エイミーの言葉に激しく傷ついたかも知らない。

「過去の記憶が一気に流れ込んで来たらどうしよう」かと心配するベンは、そこに「知りたくない」ことがあることを本能的に察知しているのかなと。

それなのに、自分の無意識は、過去のエイミーを絵に描いている。

それを思い出すことが、ベンにとって未来への大切な一歩であるかのように。

・・・・

この『Before After』はベンを演じる方とエイミーを演じる方の信頼関係なしでは、物語が浮き出てこなくて。共通するコアが、ペア毎に違うから違う作品に見えるのだろうなと毎回思います。

石井&池谷ペアのコアは「歌」だったのかなと思います。

歌うことで相手に気持ちを伝える、相手を思って歌うことでお互いが必要とする関係になれる。
その根底があるから、苦しみの気持ちも、思いやりの気持ちも伝わる。
ベンがエイミーを思って自分から遠ざけようとする気持ちも、そして本当は必要としている気持ちも。
エイミーがベンを思って自分から近づこうとする気持ちも、そしてベン以上に自分が苦しんでいる気持ちも。

自分より相手を思えるようになったとき、きっとこの作品は出来上がるのだろうなと思えたペアでした。

・・・・

この回はアフターライブ。
終演時、石井氏が告知を忘れて引っ込みそうになり、やんさんがツッコむ。うん、このペアらしい(笑)

司会は前日の中本氏に変わって、プロデューサー・翻訳の吉田英美さん。

曲目は前日と同じで、3人エイミーでの「This Time」から。
岡村さやかさんが下手側、中央に本日のエイミー・池谷祐子さん、上手側に田宮華苗さん。

お2人はこの回を観劇されてからのご登場で、「とても良かった」って口々にやんさんに。
幕間の楽屋でも賛辞を贈られていたとのことで。
ちなみに、
田宮さん「人の恋愛を覗いている感覚で」
英美さん「あなた出てたやん(笑)」

前日と違い、1人として楽譜を置かずに歌い出すあたりはさすが複数ベンと共演している2人のエイミー(田宮さんは初演・再演で染谷さん、その後寺元さん。さやかさんは内藤さん、鯨井さん)。

マイクの有効方向が分からなくてあわあわしてたさやかさんがぎゃんかわ。
それでいて歌い出せばエイミーそのもの。
やんさんも素敵だし、たみさんも素敵だけど、さやかさんの歌声第一声を聞くと、やっぱり私のmyBESTエイミーはさやかさんなんだなぁと実感。

3人並ぶと、さやかさんとやんさんの双子の姉妹を、暖かく見守る姉のたみさん、って感じでとても微笑ましくなります(笑)

そして2曲目は、ベン2人が加わっての「As Long As You're There」。
この日のベン・石井雅登さんと、1年前のベン・上野聖太さん。
上野さんはとある事情でリハーサルができず、ぶっつけ本番ということで緊張されていましたが、本番はきっちり合わせてこられました。

この回で面白かったのは宣伝コーナー。

英美さん「忙しい間みなさまに来ていただいたので宣伝を、まずは岡村さんから」
さやかさん「来週『レプリカ』という3人の
       恋愛ミュージカルです。
      この『Before After』からも作
      演出の浅井さやかさんが
      刺激をもらったそうで」
聖太さん「『ぱ○り』ですか」
さやかさん「違います(笑)」
石井さん「恋愛ミュージカルということですが、
      『もめてる』んですか」
さやかさん「いっぱい揉めてます(笑)」

…で、そんな話をしてたら、

さやかさん「いっぱい話すこと考えてきたのに
       何か吹っ飛んじゃって」
田宮さん「もう、さやか可愛いでしょ(笑)」
英美さん「ねぇ(笑)」
やんさん「ねぇ(笑)」

…というモードに皆をしちゃう、さすがはさやかさん。

田宮さんは告知前に一言、ということで
「『Before After』という作品は、これからも続いていくと思いますので、応援よろしくお願いします」とお話しされてから告知へ。

田宮さん「(3月に)新選組がテーマの舞台に出ます。
    私は新撰組組長・・・・(長い間)
     ・・・・の奥さんを演じます(会場内笑)」

…狙いましたね、たみさん(笑)

上野さん「次はシアタークリエで『キューティーブロンド』という作品に出ます」
石井さん「その作品も『もめてる』んですか」
上野さん「揉めてます。裁判物ですので(笑)」
石井さん「へぇ」
上野さん「この作品の曲、(吉田)英美さん、好きで聞いてるんですよね」
英美さん「携帯に入れて聞いてます」
石井さん「ご覧になったことあるんですか」
英美さん「向こうでは『リーガリーブロンド』という作品で、主人公が法律家目指す話なので」

…といったような、楽屋話番宣編みたいな時間が続きました(笑)

・・・・

そんな感じで20分弱。全体的にほんわかムードが流れたアフターライブ。でも歌になったら完全に別世界。
前日とまた違ったパワフルさを堪能しました。

今回の公演は明日(日曜日)のマチネ・ソワレにて終了となります。
「また別のキャストでも、また同じキャストでもご覧いただければ」との英美さんの締めで幕となりました。

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