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2016年10月

『Alone with 2』

2016.10.23(Sun.) 13:30~15:30
 原宿ストロボカフェ

2016.10.23(Sun.) 19:00~21:00
 四谷SOUND CREEK doppo

今年4月に初めて開催された片島亜希子さん演出、内藤大希さん・岡村さやかさん出演のライブ、好評につき続演、しかも昼に加えて夜も公演です。

特記ない限りお2方のデュエットです。

○第1部
1.with you/JUJU
2.Take What You Got/キンキーブーツ(内藤)
3.リフレクション/ムーラン(岡村)
4.corner of the sky/pipin
5.Electricity/ビリー・エリオット
6.Nobody's Side/CHESS The musical(岡村)
7.Dare to dream/FORSTARS
8.Elaborate Lives/アイーダ

○第2部
9.someone to watch over me/ガーシュウィン(岡村)
10.Lay me Down/サム・スミス(内藤)
11~13.カップルあるあるコーナー
 11.Tear Jerk(映画館にて)
  /I Love you, you're perfect, now change
 12.I Can Do Better Than That/Last 5 years
 13.As Long As You're there
   /Before After
(夜のみ14.What You Mean to Me/Finding Neverland)
14(夜は15).Suddenly Seymour
   /Little Shop of horrors

○アンコール
E-1.You're music in me/ハイスクール・ミュージカル

昼の完売に伴い追加された夜公演。
昼と夜の違いは、1幕のM2-M8の7曲を一気に突っ走るのが昼。MC一切なしの通しバージョンです。

夜はM3とM4の間、M6とM7の間にMCが入っていましたので、かなり余裕を持って聞けました。
個人的な事情からして、7曲一気に発表されると頭も手も追いつきません(笑)。

だいたい3曲ぐらいが記憶の限界で、それも1曲目に入ってしまえば意識はそちらに行ってしまうので、終演後にセットリストが出ないのであれば、3曲ぐらいでインターバルが入ると、聞いている方にも、きっと歌っている方にも優しいです(爆)。

原宿ストロボカフェはキャパ全部をフルで入れた感じより心なし間を開けていて。さらだやんのときより余裕があった気がしました。80人ぐらいでしょうか。
四谷SOUND CREEK doppoのキャパは50人前後。こじんまりした夜の空気。音楽専門のお店のせいか、音は夜公演の会場の方が良かったです。席がフラットなのはネックですかね。来年1月29日のさやかさんのソロライブ「SKIP 5」はこちら四谷が会場になります。

配られたフライヤーに載っていた「Special Thanks」のお3方は、妻木さん(昼の案内係)、田宮さん(夜の案内係)、英美さん(『Before After』の訳詞許諾。昼の部観劇もされていました)でした。



「Alone with」名物の掛け合い漫才は今回も健在で、昼公演が特に笑い分多し。

前回はMC台本をさやかさんが作ってきたわけですが、
さやかさん「『今回は僕が頑張ります』って大希くんが言うから、『頼もしい』と思ったら、片島さんの台本をホチキス止めしてきただけ(会場笑)」
「しかも夜公演の台本を綴じてきた(笑)」

大希くん「なので赤で『昼』って書きました」

小澤さん「紛らわしいもの持ってきているだけじゃん(笑)」
という辺りから始まり(ここ序の口w)。

夜公演に至ってはその台本をさやかさんに丸投げ。

大希くん「なんだか司会者みたいですね(笑)」

さやかさん「司会者じゃないんだけど…歌わせてもらっていいですか(プチ怒)」

みたいなシーンも。

さやかさん「今回、第2弾を誰よりも『やります』って言ってたのは大希くんだったんですけど、開演5分前に『出たくないー』って(笑)」

大希くん「そうなんですよ」

さやかさん「あんなに『大丈夫なの?やれるの?1週間前まで本番(「恋するブロードウェイ」)でしょ』って言っておいたのに(笑)」

夜に至っては

大希くん「この時間だと携帯電話がスリープモードになるみたいに眠くなってきちゃうんですよね」

という独白まで(笑)

今回のバンドは、ピアノが小澤時史さん、ギターが成尾憲治さん。

さやかさんはお2方とも共演されていて、成尾さんとは『Before After』、小澤さんとはTipTap『Second of Life』。大希さんは成尾さんとは『Before After』(さやかさんと大希くんのペア)、小澤さんとは初共演だそうですが、小澤さんの曲は歌ったことがあったとのこと。大希くんと成尾さんは3カ月違い(1学年違い)、そして小澤さんと成尾さんは同じ授業(数学)を受けた仲、なのだそうです。

その2人の関係を指して、
大希くん「仲いいですね」
さやかさん「大変ですね」
が同時に発せられる、何でしょう、”歌以外”は微妙にずれる2人の空間(笑)

その”歌”も紹介になるとまたもや笑いが続発。2幕ラストの曲は大希くんからの要望だったそうですが、
さやかさん「グループLINEで『サンドリー』って大希くんが言ってて…『サドンリー』だよって言ったら、また『サンドリー』って返ってきて(笑)」

成尾さん「サントリーシーモアってお酒みたいだね(爆笑)」

というのも昼に出てました。

歌に関して言えば、『Alone With』の時の岡村さやかさんは、他のどんなライブよりも女性らしさを感じます。大人の自立した女性を見せる様もあれば、大人の女性としてこの先どうしていいか迷うような様も、等身大の女性という感じ。

大希くんとのペアで恋愛話をやったときに、この印象は失礼なのかもしれませんが『今日は会社休みます。』の花笑さんと田之倉くんみたいに見えたのは、何だか興味深かったです。

しっかり者な女性で恋愛には疎い女性が、同じ職場の若い後輩(漫画上では大学生のアルバイト)に自分の本心を見抜かれて恋に落ちる感じが、なんだか。

M11-M13の「カップルあるある」は今回も最高でした。

唯一片島さんの訳詞ではない『Before After』のホンモノ感半端ないし(本役だから当たり前)、通称『なうちぇんじ』(M11)の映画館見たいものすれ違い感は懐かしかったー。映画の題材に興味ない時に、さやかさん演じる女性がポップコーンをまさに”興味なさそうに”食べている様のリアル感ときたら癖になります(笑)

M12で実家に交際相手を連れていくのでハイテンションなさやかさん、呆れる大希くん演じる交際相手が、でも曲後半でさやかさんの頭をぽんぽんと撫でたときの、さやかさんの表情がイキイキと笑顔に変わるの素敵だったー。萌えです、はい。





ここでしか聞けない歌(さやかさん、大希くんの歌う姿含めて)に浸れる空間は『Alone with』ならでは。
あえて苦言を呈するなら、昼公演は本編のラストの曲『Suddenly Seymour』が、終了直後に大希くんの申告で途中からの歌い直しになったんです。

正直、はっきりと歌い直しするようなものには聞こえなかったし、本編最後は気持ちよく終わりたいもの。
それなのに、なぜ歌い直すのか、その上、曲の途中から歌い直しにするのか、釈然としませんでした。

本編は終わらせたうえで、アンコールの1曲目に「『ごめんなさい、先ほどの曲はどうしても納得がいかなかったのでもう一度歌わせてください』で、”曲の最初から”歌う」のなら、理解はできるんです。(どなたか覚えていませんが、他のライブでそれをやった方がいらっしゃいましたが、さほどの違和感は感じませんでした。)

途中から歌い直しになったことで、それはそれで興味深いものは見られたんです。
小澤さんが提案して、さやかさんがあわあわしながら小澤さんと調整してる。
成尾さんが上手いことお客さんの気を散らすようにMCを即席で入れて。

成尾さん「リハーサルがこんな感じなんです。
彼が『的確な指示』を入れるんです」
(少しして)
小澤さん「A/Dだよ」
成尾さん「(反応しない)」
小澤さん「お前(成尾さん)に言っているんだよ。
『的確な指示』入れているじゃないか(会場爆笑)」

というくだりは面白かったわけですけれども(笑)。

曲途中から歌い始めて、きっちり仕上げたさやかさんは流石でしたけど、聞いている方からすれば、やっぱり釈然としないんです。

聞き手としてライブには感動をいただきに伺っています。そして今回のライブに感動はしています。
でもこのシーンだけは観客として我に帰っちゃったんです。
「さやかさん大丈夫かな」という思いを抱かざるを得なかった。
ただ『納得』しはしました。歌い直しも必要だったのかなと。

でも『感動』と『納得』は違うんです。
『感動』は次への原動力になるけど、『納得』はそうじゃない。
「あの時綺麗に終わらなかった」ことはずっと記憶に残る。

普段、ネガティブなことは書かないようにしている自分ですが、やはりこのことだけは書いておかないと、正直眠れません。

話は戻って。

昼公演の開放感、夜公演の密着感(前回公演は、今回の夜公演の方が印象は近かったです)。
歌での絶妙な相性の良さ、トークでの絶妙な相性のずれ(笑)

どれもが他で味わえない空間であることは事実で、2人での空間が続いてくれることを願いつつも、次の機会には準備期間が十分な状態で、最初から最後までその空気に浸れる空間であることを、願っています。

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『新妻聖子コンサートツアー2016~The Prayer~』

2016.10.18(Tue.) 19:00~21:30
Bunkamuraオーチャードホール
10列20番台(センターブロック)

10月1日に大阪で初日を開けた新妻聖子さん初のコンサートツアー。
10月8日の博多での誕生日記念公演を経て、東京公演がこの日。

キャパ2000人のオーチャードホールが満員御礼という、数年前では考えられなかった事態に、聖子さんのテンション上がりまくりです。「高まる~!」と仰っていました(笑)。

ツアー公演はこの後も続きますので、セットリストなど、ネタバレNGの方は回れ右でお願いします。
ちなみに、大阪・博多も行かれた観劇友さん曰く、各会場のセットリストは同一だそうです。




では、セットリストから。
展示箇所が終演後1か所しかないので、黒山の人だかりでした。
いつも思うのですが、セットリストのQRコードを載せるのはそんなに難しいことなのでしょうか…。

【1部】
0.Overture
1.Man Of The La Mancha/『ラマンチャの男』
2.SWAN LAKE 2016
3.自由の鳥になれ風になれ(organic ver)
4.愛をとめないで~Always Loving You~
5.My Favorite Thing/『Sound Of Music』
6.Shake it off/Taylor Swift
7.あの人の手紙/かぐや姫
8.Sisters/original
9.GOLD/『GOLD~カミーユとロダン~』

【2部】
10.I Got Ryhthm/『Crazy For You』
11.この祈り~The Prayer~
12.SWEET MEMORIES/松田聖子
13.On My Own/『レ・ミゼラブル』
14.命をあげよう/『ミス・サイゴン』
15.ピエタ
16.ひまわり"SUNWARD"/中島みゆき

【encore】
17.ありがとう/original
18.Nessun Dorma/オペラ『トゥーランドット』

全体的には、疾走系の1部と、情感系の2部。

何しろ1曲目がファンファーレ曲(爆)なわけで、2曲目も超突っ走り系なわけで、いやはや初っ端からチャレンジャーなセットリストです。地方公演の話を聞いていたので個人的にはサプライズではなかったのですが。

聞くところによると地方公演はバンド編成が通常5人だそうですがこの日は何と倍以上の11人。
オーチャードホールいっぱいに重厚感ある音を響かせていただいていました。

いつも以上に高まっている聖子さんはMCが”感謝”一色。

最初こそいつもの通り「『初めて新妻聖子コンサートに来られた方は見た感じとイメージが違っていると思いますが、ほぼほぼこんな感じです(笑)』という始まり方でしたが、何しろ歌手を志した18歳から18年かけて立ったオーチャードホール。

歌える喜びに満ち満ちて、客席からの大拍手に『泣きませんよ』といいつつ結構危ないところまで行ってた感じ。

「以前から応援していただいている方は、『こんな大きなところでやれて良かったね』と思っていただけていると思います」という言葉が何より嬉しい。

そして”時に詳細、時にざっくり”な聖子さんMCはこの日も健在。

2部のレミ・サイゴンの時の紹介が「夜の歌です(笑)」
そして「フランスとベトナムです(笑)」
しまいには「聞いて感じてください」

....実際、それで済むんですけどね。

「カラオケ番組では『I dreamed A dream』というファンテーヌの曲を歌ったので、それで知っていただいた方もいらっしゃると思いますが、実際私が200回以上演じたのはデビュー作のエポニーヌが歌う『On My Own』です」といった、相変わらずの過不足のないMC。

M3の紹介で「最初はアニメキャラのCMだったのが、ある日突然私の映像になったCM曲です(会場笑)」とか。

M5の紹介で「京都に行きたくなる曲です」といって客席の反応が小さいと「あれ、通じてませんか」と言ってましたが聞いて納得(「そうだ、京都行こう」のCMですね)とか。

M6では踊りまくったせいか、歌い終わっても中々呼吸が戻らず、「こんなに息が上がっていることに自分が一番驚いています。腹筋100回ですね(笑)」とか。

出色だったのはM12「聖子のアイドルコーナー(第3回)」。ちなみに第1回は工藤静香さんの『抱いてくれたらいいのに』、第2回は中森明菜さんの『TATTOO』。

「第3回はついにあの方です。聖子ちゃん歴36年(笑)の私があの方の歌を歌います。1980年生まれの私。あの方がデビューされた年です。名前の由来について『両親があの方のファンなの?』と87回ぐらい聞かれました(笑)」

さんざん何の曲を歌うか迷い、『瑠璃色の地球』を1フレーズ歌った末にこの曲。

M13とM14は編曲が面白くて、M13『On My Own』の導入部が『One Day More』。M14『命をあげよう』の導入部がヘリコプターだったり。特にサイゴンは先日プレビューを見てきたばかりということもあり、風景がシンクロして面白かったです。



聖子さんの歌声は以前に比べていい意味で尖らなくなった感じがあって、それは『ラマンチャの男』のような先鋭的な曲の迫力は減じてしまうのですけれども、不思議に、聖子さんの歌声を聞いてとても聞きやすくなったように思います。いい意味で力みが取れたような。今のポジションになって余裕ができたのか、大人になったのか、その両方なのだと思いますが、聖子さんからここまで『ありがとう』という気持ちを聞くことも、実は今までなかったことじゃないかなと感じます。

周囲に押し上げてもらえる環境が整ったのが先なのか、ご本人の心情が変わったのか先なのか、鶏が先か卵が先かみたいなことを思いますが、歌に並々ならぬプライドをもっていた聖子さんが、臨機応変に『割となんでもやります』と言って、実際にそう取り組まれている様が、オーチャードホールを埋めるという、ある意味”奇跡”に繋がったように思えます。

そういえば聖子さんが『ホール』を省いて”オーチャード”と言われた時に感慨を覚えずにはいられませんでした。聖子さんをずっと支えてくれた(有)オーチャードさん。そこに向けての聖子さんなりの感謝に聞こえてきたのでした。

ご本人の夢である「たくさんの人に歌を聞いてもらいたい」という夢へ、確かに階段を登り続けていることを実感できたこの日のコンサート。その時間を共有でき、スタンディングで拍手を贈れたことが何より良かったです。

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『ミス・サイゴン』(32)

2016.10.16(Sun.) 18:15~21:10
帝国劇場2階L列20番台(センターブロック)

元々昆ちゃんキムのプレビュー初日で取ったチケット。
結果的に、玲奈ちゃんキムのプレビュー連投の2日目になりました。

プレビュー期間は、マチネがゲネプロになるわけで、金曜日マチネが市村さんゲネ、土曜日マチネがユカイさんゲネ、ソワレが市村さん本番、日曜日ソワレがユカイさん本番と、玲奈ちゃんは3日間に4回登板。
2004年以降のサイゴンでは今までこんなことはないですし、今後もないでしょうね。日曜日ソワレが終わった後の、安心しきった笑顔の理由に納得です。

ネタバレありますのでお気になさる方は回れ右でお願いします。




前日の凄味そのままに、この日も玲奈キムはキムを”演じている”様を微塵も感じさせず、ただただキムを生きていました。その上、1回本番が終わったからなのか、余裕さえ感じられて。

というのも、この日デビューだった小野田龍之介クリスが素晴らしかったんです。”役柄上”いい塩梅にチャラくて、その”自由”さに「籠の中の鳥」のキムが、惹かれる様が手に取るようにわかる。キムにとって、クリスは自由の国アメリカの体現者でもあるわけですよね。

結婚の約束をキムだけがしたつもりになっている階段のシーン、キムが「友達がお祝いに」と言った時、小野田クリスが「ちゃんとしとけよ」みたいに言ったアドリブがとっても良くて。

キムをしっかり受け止めつつ、でもちょっと大人じゃないとクリスは!
キムの前じゃ、ヘタレじゃいけないんですクリスは
(力説)。

そんな小野田クリスに引っ張られて、玲奈キムのピュアさが更に増し、なんで帝劇でこんなに組み合わせ少ないのか(もともと3回、昆ちゃん休演で7回に)と不思議になるほどなナイスペアです。

でも、クリスはエレンの前では子供。精神的に子供。だからこそ大人なエレンがクリスをあそこまで罵倒するのは分からなくない。ただ、大人なエレンは、キムの真っ直ぐな思いに自分を立て直せないでいる。自分の正義がキムに通じないことに焦りを隠せずにいる。

玲奈キムと小野田クリスと知念エレンはそのトライアングル人間関係が抜群のバランス。
誰だけが一方的に悪いわけじゃないことを見せていて、見る側それぞれが誰に感情移入することも、誰に感情移入しないことも見る側に委ねている。それがとても良かったです。

ジョンがこれで理生くんだったら最高だったなー。理生くんはアンジョルラスで出始めたころは演技面では不安を感じることが多かったけど、1789で一回りも二回りも役者として大きくなった感じがあるので、ここは理生くんで観たかった。ジョンの正義が加わると、クアトロ人間関係になってますますスパイラルに陥るわけですけれども。

・・・

この日はダイヤモンド☆ユカイさんのエンジニアデビュー。
ポップな感じの市村さんエンジニアに比べて、やっぱりロックなユカイさんエンジニア。
ご自身も仰っていた通り、演技面ではかなり苦心の跡が窺えましたが、エンジニアに関しては居方(いかた)がどうかが一番大事に思えて。エンジニアのポジショニングをきっちり捉えられていたので、演じるたびに面白い面が見られそうで楽しみです。

ただ、この日はPA(マイク)が明らかに絞りすぎで、2階最後列では聞き取れないこともしばしば。舞台発声の問題もあるのでしょうが、キャラクターは良いので改善されることを願っています。

あと、初日からちょっとアドリブが多かったような。最初のうちはあまりない方が良い気がします。

・・・

前日観て書き忘れていたのですが、今回、トゥイの歌詞変更が多くて一番「おおっ」と思ったのは、エンジニアに対してキムを探すよう命令する際に「俺の従兄弟」とは言わずに「この女」と言うんですね。

キムが従兄弟であったことをエンジニアにわざわざ隠す理由が気になったのですが、トゥイにとって従兄弟というより許嫁という面が強い(トゥイがそう思いたい)からなのか、エンジニアに変な弱みを掴まれたくないかは、興味深いところです。

トゥイは藤岡くん、神田くんどっちもいい。

藤岡トゥイで凄かったのが、キムと対峙してキムの両親の写真を叩きつけるところ。キムの目の前に写真をかざし、キムに対して「お前が俺を選ばなければ、俺がこの写真をどうするかわかるだろうな」と言わんばかりにじりじりと迫る。玲奈キムがそれを察して極限の緊張状態で対峙し、永遠に思えた時間の後に、写真を叩きつけるように落とした時間が、本当に怖かった。

神田トゥイは悪夢のシーンが凄い。キムに対する、可愛さ余って憎さ百倍、って殺されているから当たり前ではあるのですが、信じていた相手に、こともあろうに(親が決めたとはいえ)許嫁から殺されたことへの怨念は、彼の真骨頂で、玲奈キムの震えあがる様が見るからに納得でした。

1幕では
「触らないで『。』この子『は、』残された生き甲斐よ」が
「触らないで『、』この子『を。』残された生き甲斐よ」に
変わっていました。

「この子(タム)は(キムにとっての)残された生き甲斐」であって、それはトゥイを止める理由付けにはならないからなのかなと。
「この子は(キムにとって)残された生き甲斐」だから「触らないで」と懇願しているように思えて、なんだかトゥイを刺激しないようにキムが慎重に動いているように、ふと感じました。

・・・

プレビュー2日間、そういえば玲奈キムのあぐらが2日目にはちょっとソフトになってた(足を交差する程度)のも変化でしたが、キャストの違いでの表現の違いとかも比較的許容されているようで、キャスト違いで受ける印象が違うのが今年の特徴かなと。

都合で次に見るまでの期間が少し空いてしまうのが残念ですが、今の熱さでより沢山の新たなお客様を導き入れられますように願っています。
(この日は前日と違い、プレビュー期間に関わらずダブルアンコールがありました。)

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『ミス・サイゴン』(31)

2016.10.15(Sat.) 18:15~21:00
帝国劇場 1階C列30番台(センターブロック)

2年ぶりの再演です。

開幕1週間前に、キム役トリプルキャストのうちの1人、昆夏美さんが声帯結節を発症して帝劇公演を休演。
昆キムの登板20回は、玲奈キムが9回、スハキムが11回担当することになりました。
結果、帝劇公演58回は、玲奈キム・スハキムともに29回ということになります。

玲奈ちゃんはこの回が2004年以来通算155回目。
帝劇楽が183回目、大楽(名古屋)は196回目の予定です。
玲奈ちゃんとしてはエポニーヌ(270回/2015年8月18日大阪・梅田芸術劇場)に次ぐ2番目の登板回数の役になります。

まだプレビュー初日なので、ネタバレ気になさる方は回れ右で。


・・・・

この日は元々玲奈キムの登板予定ということもあり、特段の告知もなく普通のプレビュー初日。
良席をいただいたこともあり、オペラグラスなしで見られたのですが、何といっても玲奈キムが凄かったです。

玲奈キムは2004年からもう何十回も見てきたわけですけれども、紛うことなき玲奈キムのベスト回。
今まで、どちらかと言えば玲奈キムは2幕は安心して見ていられたんですね。
心の揺れを歌声に乗せるのが巧みなので、回想シーンのヘリコプター前のシーンとか、玲奈ちゃんの歌声で1・2を争う好きな歌声。

反面、1幕ではどことなく「キムを演じることで精いっぱい」という部分がどうしてもあったように思うのですが、この日の玲奈キムは間違いなくキムを「生きて」いて。
戸惑うところも、クリスと出会って燃え上がるところも、トゥイと対峙してシフトチェンジするところも、すべてが「魂のキム」でした。

あまりに玲奈ちゃんとキムの境界線がなくなっていて。そういえば、「命をあげよう」の前のシーンでタムを前にあぐら座りする玲奈キムにびっくり(笑)。タムを弄ぶ(爆)エンジニアに突っ込み入れる余裕がないのはいつものことだけれども、エンジニアの行ないに「はいはい」って適当に流すキムの余裕っぷり、そしてその後の動きがとっても漢前キム。今まで漢前キムっていなかった気がするなぁ。ソニンちゃんぐらいかな。

昆ちゃん休演を受けての玲奈ちゃんのtweet、凄まじいばかりの漢前で心強かったからなぁ。

キムとしての大きな変更点は、クリス&エレンの夫婦討議の後ろでの「懐かしい声と~」の出場所が大きく変更。上手端の高所(帝劇上手端から見上げる場所、『レ・ミゼラブル』のエポニーヌがダッシュ出る場所のちょっと舞台中央側)に変わり、そのままエンジニアが連れてきているタムを連れに向かうところ。

もう一つはラストシーンのキムのカーテンが、見えなくなっていない(透けている)。
あのシーンを「隠すべきじゃない」という演出プランなのかわかりませんが、何をやったかが分かる分、キムがトゥイにしたことと、キムが自分にしたことが、同じ物体を介することで、繋がりがはっきりしたようには思えました。キムが自分にしたことは、神様への贖罪の願いでもあったのかなと。
せめてタムは、私の行ないと無縁でありますようにという。

・・・・

ラストシーンのエレン、この日は知念ちゃん。再演するたびにエレンのタムへの思いが他人じゃないように思えてくる不思議。あんなに自発的にタムを抱きしめに行って抱きかかえていたっけなぁ…。

ホテルのシーンもそうだけど、エレンの歌も再演するたびにキムには優しくなっていく不思議。
それでいてエレンはクリスをこれでもかってぐらい責めるのは今回も何一つ変わってなかったどころか、知念ちゃんは史上最強レベルにハードだった(爆)。

知念ちゃんは声が硬質なせいもあって、キムに対峙するところは冷たい感じが見えてたし、クリスへの責めは強く感じたし、役柄的にはキムよりもずっとあってた感じ。

エレンはブイドイ大会も新衣装(黄緑のドレス)、ホテルシーンも白と青のドレス(公式で紹介済み)。
歌詞もエレンはかなり変更になっていました。全体的に自然な歌詞変更で、むしろ滑らかになってどういう歌詞になったのか残らない(苦笑)。

トゥイもかなり激しい歌詞変更。この日は元クリスの藤岡くんということもあり、見ている方からは「前世はクリスだったんだよ」が脳内に入り込んで困る巻(笑)。

・・・

全般的に2014年からの変更なのか、2016年からの変更なのかが分かりにくいというのが、知人皆の一致した感想でしたが(笑)、変更になるにしても2016年版になってみると結果的に歌詞の引っ掛かりがかなり減っていて、滑らかに進むようになっている傾向があります。あえてわざわざ考えるために変な歌詞になっていたようなところが自然になっていた箇所複数。

ちょっとおっ?と思ったのはクリスがキムのことを「蓮の花」と言ってたのが今回から「月のよう」に変わっていました。クリスにとって暗闇を照らすキムが「月」に見えたと思うと、何だかちょっと腑に落ちつつも、ちょっと薄くなっちゃった感じもあります。

ヘリコプターの起こす風を吹き出すために帝劇上部を改造して、離着陸シーンではかなりの風が吹いているのは印象的。

・・・

アンサンブルさんはまだ全然追い切れてませんが、前回から続投の青山郁代さん、役名は変わった(ミミからフィフィ)のに、衣装も立ち位置も動きもソロパートも一切変わっていないというのが噴きました。(もともとフィフィ役のポジションなのだそうです)。

「アメリカン・ドリーム」でエンジニア役を囲み、半胴上げをするシーンとか、そこかしこに変更が入ってはいつつも、全体的には1幕2幕ともスムーズに進むようになった印象。

プレビュー故に、最初のカーテンコールのみで終了で、劇場側から「本日の公演は終了しました」のアナウンスが入る珍しい幕切れ。でも劇場中で鳴りやまない拍手は、まさしくこの日のプレビュー公演の素晴らしさに対しての反応。

上記では一部の方しか言及しませんでしたが、『ミス・サイゴン』として確固たる形を見せたこの日の公演。
市村さんエンジニアの復帰に相応しい公演でした。
願わくばこの公演の熱気が継続し、そして一人でも多くの方が新たに『ミス・サイゴン』の世界を見る機会が訪れますように、願っています。

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『ロザリー』

2016.10.8(Sat.) 18:00~20:55
六行会ホール A列1桁番台

ミュージカル座再演ミュージカル『ロザリー』、観劇してきました。
あえて言うなら「もう一つの『マリー・アントワネット』」といったところでしょうか。

フランス王妃、マリー・アントワネットが処刑台に送られる前日の夜、監獄の門番であるロザリーとの語らいから導かれる、2人の異なった運命が交差するまでの回想。

ネタバレ含みますので、気にされる方は回れ右でお願いします。



W主演でタイトルロールのロザリー・ラモリエールを演じるのは浦壁多恵さん。私がミュージカル座を見始めたころには一時期お休みされていたので、本格的に拝見するのは今回が初めて。知人から聞いた通り、慈悲深い声、振る舞いの温かさが素敵です。そんな女性が、父を貴族に殺され、そして母をそれにより喪い、そして自らも望まざる行ないを被り、貴族への憎しみに変えられていく姿は見てて胸が苦しくなります。

ポジションとしては『マリー・アントワネット』のマルグリット役と被ります(なお、『ロザリー』にはマルグリードという女中の宿の女主人の役があり、寿ひずるさんが演じています)。

マリー・アントワネット役を演じるのは清水彩花さん。コゼット役(『レ・ミゼラブル』)やエイミー役(『Before After』)と似ても似つかないイメージで、キャスト発表時は驚いたのを覚えています。前半の初々しさと、後半の腹の据わり方との対比が印象的です。

今回の『ロザリー』で最も印象的なのは、他作品で知っているマリー・アントワネットの描かれ方との違いです。今まで、マリー・アントワネットは比較的年齢の高い方が演じられることが多かったので、今作の嫁いだばかり(19歳)のマリー・アントワネットがとても若く、あえて言えば”幼く”見えたのが彩花ちゃんのマリー・アントワネットの特徴。

マリー・アントワネットは「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」の言葉で、フランス革命時代の”贅沢の象徴”として庶民から憎まれの対象になっている、のが今までの標準ではあったわけですが、今回の作品はそれだけじゃないんですね。

たしかに庶民からの憎しみの対象で、フランス革命の火付けの一因であったのではあろうとも、彩花ちゃんのマリー・アントワネットが若い分、「自分では何も判断できない」面が見えていて。
そして魑魅魍魎渦巻くフランス貴族社会の中で、マリー・アントワネットは「権限は持っているが、判断の術を持たない」つまり、実に”都合よく操れる相手”であることがとても分かりやすく描かれていて印象的でした。

夫のルイ16世もマリー・アントワネットには興味がなく、判断も王女に丸投げ。
その様子を貴族たちが利用しようとしないわけはなく。
マリー・アントワネットは庶民からの憎しみを一身に受け、貴族からは利用される立場でしかなく、心開いて相談できる相手もいない。貴族にとってはマリー・アントワネットを矢面に立たせておけば、貴族としての立場は安泰なので、マリー・アントワネットを守ろうとする者もいない。

首飾り事件でとうとう信頼を失い、フランス革命時に都を捨てたことが分かり、裁判にかけられ死刑を言い渡される2人。

今回の『ロザリー』で私が一番好きなシーンは、この時、ルイ16世とマリー・アントワネットは最後に、お互いに自ら謝るのですね。マリー・アントワネットはいい王妃ではなかったことを詫び、ルイ16世はそれを否定して笑顔が好きだったと告白し、私の妻でなければ幸せになれたろうし、今度は町中の夫婦として生きたいと告げ、2人ひっしと抱き合って別れるのです。

夫婦らしい夫婦なことは全く描かれなかった2人が、死の間際になってお互いの想いを伝えて別れられたこと、それはいままでの作品の「ルイ16世とマリー・アントワネット」にはなかったもので、なぜだかとても温かいものを感じたのです。

というのも、この物語での描かれ方が全般的にそうなんですが、「ルイ16世とマリー・アントワネット」が
悪として描かれているわけじゃないのも影響してて。

むしろ王政倒した後の恐怖政治の方がよっぽど悪くて、「何のために革命起こして仲間も失ったんだ」とマルグリードが言っていることに表現されているように、「ルイ16世は乱世においてあまりに平凡過ぎた」「マリー・アントワネットは貴族に利用されるほど幼くて、利用されるだけされて捨てられた」という、同情的な側面があるからではと思います。

その分、『マリー・アントワネット』では濃かったマリー・アントワネットとフェルセンのシーンがこの作品だと淡白で淡白で(苦笑)。ルイ16世と心通わせたマリー・アントワネットにとってフェルセンとの逢瀬はもはや思いが通じ合う対象ではないだけに、かろうじて「心通じ合った過去を否定したくない」ぐらいなテンションになっていたのが印象的でした(爆)

さて、この作品のメインとなるロザリーとマリー・アントワネットの関係に移りますが、マリー・アントワネットの処刑前夜、マリー・アントワネットとロザリーが語り合うとき、当然ロザリーはマリー・アントワネットを『憎んでいた』と。

しかし、目の前にいる、37歳(享年)と思えないほど年老き、生きることに恬淡としていたマリー・アントワネットによる過去の振り返りは、ロザリーが見ていた既成概念がいかに小さかったかを見せて。19歳で王室に入り、ただ一人闘ってきたマリー・アントワネットだからこそ、ロザリーが憎んでいたものさえ、マリー・アントワネットの一部でしかなかったことを見せるのですね。

だからこそロザリーはマリー・アントワネットに思いもかけない提案をするわけですが、マリー・アントワネットはその提案を丁重に断り、「今までは自分の運命から逃げてばかりいた。最後は自分の運命に従いたい」と言い、ロザリーとマリー・アントワネットはお互いの心を通じ合い、そしてマリー・アントワネットは断頭台に向かうわけです。

マリー・アントワネットはこの作品では夫であるルイ16世と心が通じ合い、敵であったはずのロザリーとも心が通じ合い、ある意味”心が愛に溢れて”天に向かっていくわけですが、じゃあマリー・アントワネットが本当の悪じゃないなら、果たして本当の悪は何なのかと。

この作品のパンフレットで原作のハマナカ氏は「この作品は『マリー・アントワネット』という作品じゃない」と書かれています。私見では『ロザリー』という作品でもないと感じて。結局のところ、『個人一人一人(の運命)』という作品じゃないのかなって。

よってたかってマリー・アントワネット1人を悪者にして高らかに正義を語る貴族、そして庶民。
かつての仲間を簡単に死刑に処していく恐怖政治。
その犠牲となった1人は、ロザリーにこう言い残します。

『みな幼いんだ。社会が進むには犠牲が必要なんだ』

と。

ロザリーは全てを失います。そして神を憎みます。
父を失い、母を失い、革命で姉を失い、そして革命同志(おそらくは恋をした相手)も失い、
かつては憎んだマリー・アントワネットとも分かり合えたものの、すぐ彼女も失います。
生きる意味を再び無くしそうになった彼女の前に現れた一人の少年。
その少年の存在は、神がロザリーを見捨てていない証拠そのものであり、希望であったと。

・・・・

「生きていく、生き継いでいく」ことにはどことなくミュージカル座の看板作品『ひめゆり』に似たものを感じて。

マリー・アントワネットは最初から最後まで媚びることなく生き抜いたことに彼女が生きた意味を感じるし、幼いころから最後の凛としたところまで一貫して人物像を貫いた清水彩花ちゃんはさすがの一言。
貴族に軽んじられたときの不貞腐れた表情が絶品です(爆)。前半の愛らしさと後半の凛々しさをしっかりとした軸で繋げた技術は、今の彩花ちゃんの年齢だったからこそのマリー・アントワネットだったかと。

ロザリーの浦壁多恵さん。マリー・アントワネットの想いも、家族の想いも、すべて笑顔で背負っていける存在感は何よりも力強くて優しくて。彼女をこの作品で見られて幸せでした。

ジャンヌ役、小林風花さん。「首飾り事件」の首謀者として有名な役ですが、大立ち回りが期待以上でその憎たらしさたるや絶品でした。月組の田宮華苗さんでも拝見してみたかったです。

ヴェルモン神父役、森田浩平さん。東宝版『モーツァルト』で高橋由美子さんが長く演じたナンネールの旦那様で長く拝見してきましたが、威厳といいオーラといい流石の存在感。マリー・アントワネットが遠ざけてはならない一人でしたね…。

デュバリー夫人役、田宮華苗さん。貴族の一員として、マリー・アントワネットを操って生き延びる感じを上手く見せていて、マリー・アントワネットの孤独を引き立たせてました。

・・・・

この作品でちょっと残念なことは「ロザリー」というタイトルから、マリー・アントワネットをめぐる物語であることが見えないこと。実際のところは開幕前から全公演満員御礼だったわけで、営業上、その辺を心配することではないのかもしれませんが。

題材も切り口も面白く、最近のマリー・アントワネットへの捉え方の変化といったベクトルからも、新しいお客さんを呼べそうな作品。今回は7年ぶりの再演ですが、もう少し短いスパンでまた見てみたい作品です。

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『ウレシパモシリ』(7)

2016.10.2(Sun.) 13:00~14:30 D列10番台(上手側)
        17:00~18:30 C列1桁番台(下手側)
川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場(新百合ヶ丘)

2015年6月末で休止に入っていた「宇宙劇『ウレシパモシリ』」のコンサートバージョン。

その時の公演でみどり役をされていた隼海惺さん(元宝塚)がプロデュースした公演『birth』(今年4月。岡村さやかさんもダンサー・歌手として出演されていました)を観劇した、原作者の阿部氏が今回の公演をオファーしたとのこと。
今回の演出はその隼海さんが担当され、ダンスチームも加わった構成です。

歌手のみなさまは唄1・唄2枠で男性陣が光枝明彦さん、金すんらさん、森雄基さん(ちなみにこの中で実際に唄枠をされたことがあるのは金すんらさんのみ)。

女性陣は田中利花さん、岡村さやかさん、RACCOさん。さやかさんは唄1(女性初の唄1)・唄2ともに経験者、RACCOさんはさやかさんが唄1の時に同時期に唄2をされていました(さやかさんの唄1とペアを組んだ唄2は平川めぐみさん)。田中利花さんは占い師兼怪しい船客さん(笑)でした。

ダンスチームは隼海さん以外に「birth」組でお2人(佐久間さん、悠斗さん)。他の4名の方はオーディションでの選出。
ちなみに、マチネの公演のトークコーナーがダンスチームでしたが、最後の課題は『自分の短所をテーマに踊ってください』(佐久間さん提案)だったそうです。『短所を表現できなければこの作品で求められている表現はできないと思ったから』だそうでなるほどと。

さて、セットリストからです。
不備不足ございましたら、ご連絡をお願いいたします>各位

<セットリスト>
1.ウレシパモシリ ~育みあう大地
2.世界はたりてる
3.光のこどもたち
4.愛を知らないこどもたち
5.祝福の歌
(阿部氏の親友・古市氏からのウレパモ誕生秘話)
6.sunday
7.だいじょうぶ、マイフレンド
(トークコーナー、マチネはダンスチーム、ソワレは男性歌手3名。昨日は女性陣+バンドチームだったそうです)
8.叡智
9.The Answer
10.Fragile
11.ありがとう
12.ミタクオヤシン ~すべての繋がるものへ
13.ウレシパモシリ ~育みあう大地
<アンコール>
14.光のこどもたち
<ダブルアンコール>
15.光のこどもたち

何しろ自分にとってはザムザ阿佐ヶ谷が基本なこの作品ですから、小劇場と名がついていつつも、明らかに中劇場クラスのこの劇場は、ウレパモにとっては未知の広さです。
さいわい、B列とC列(A列なし)がフラットな以外は段差がしっかりあって後方からでも見やすくて。

私は幸い、マチネが上手、ソワレが下手とはっきり分かれたので、どちらからも見られて満足です。
フォーメーションを見るのは後方からの方が良かったかもしれませんね。

今回、ダンサーさんが入ったことで、物語の中で語るべき感情の半分はダンサーさんが受け持たれていて、歌い手さんとしては歌を中心とした感情表現に集中できているように思えて、中々バランスが良かったです。
まぁ、実際のところは特にソワレでちょいちょいやらかされていた方がいらっしゃいましたが(爆)、岡村さやかさんパートにたどり着きさえすれば必ず正常ルートに戻る安定感は有難い限り。RACCOさんも初見ですが安心して聞けます。

思った以上にしっくりきていたのがウレパモ初参加の森くん。男性では出色の安定感。
人生を見せる光枝さん、生き様を見せるスンラさんも素敵でしたが、なぜだか今回は不安定さを孕んでいて、何となくですが芝居がない分、やりにくかったように少し感じました。それに比べると森くんはこの作品の観劇感激経験があり、でも演じる側としては関わっていないのでいい意味でピュアだったことが良い方に左右したように思えました。

聖役は後半(「ありがとう」)は悠斗イリアさんが歌を含めて演じましたが、前半はダンサーさんだったり、時には隼海さんが白いドレスで見せることも。ただ隼海さんの白いドレスはほぼほぼジェルマンさんを表現していたわけですよね。

白のように純粋なジェルマンさんが異国である日本を目指し、人と出会い触れ合うことで1つ1つ得ていくものと、1つ1つ失っていくもの。何があっても相手を信じたことで、ジェルマンさんが存在したことが、ジェルマンさんと触れ合った人たちに残したものの確からしさ。

ただ生きているだけだと忘れてしまいそうな、実は「生かされていることに気づくことの大切さ
『ウレシパモシリ』を見ると、そのことが自然に伝わってきて癒されます。

この作品のさやかさんの歌声を聞いていて思うのですが、優しい歌声であっても、無条件の赦しではないんですよね。生きるためには弱気だけ吐いても仕方ない。自分の足で立ち上がらなければどうにもならない。自分の足で立ち上がるための勇気づけはするけれど、自分の足で立ち上がるまでは、不用意に手を差し出すことはしない、空気感が、何だか腑に落ちる気がして。

今まで”優しさ”が中心に伝わってくる物語であったけれど、自分の生きる意味を自分で見付けて歩み出すことができることが前提なんだなと。

厳しさがあってこそ優しさが生きる。

生きることへのエネルギーを注いでくれるこの作品は、残念ながら今は休止中ではありますが、このコンサートバージョンの再演でこの物語を継いでいくのも一つのやり方なのではと思います。

今回、ダンスチームも加わったことで、「歌」から「生きる」ことを描くベクトルと、「ダンス」から「生きる」ことを描くベクトルが両方できて、その両方が上手くかみ合わさって、ただのコンサートを越える出来になったように思います。

ソワレのトークショーでも語られていましたが「ミュージカルらしくないミュージカル」なこの作品。たしかに森君も言及されていたように「直接的ではないからこそ伝わるものがある」のもたしか。
きっと理屈じゃなく、終わった後に自然に温かい気持ちになれるからこその、『ウレシパモシリ』が持つ役割というものは大きいものに思います。

一人でも多くの方にこの作品に触れていただける機会がありますよう、願っています。

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