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2016年6月

『熱海五郎一座』(2)

2016.6.19(Sun.) 17:00~20:30 1階16列1桁番台(下手側)
2016.6.25(Sat.) 16:30~20:00 3階左列(下手側)
2016.6.26(Sun.) 12:30~15:40 1階2列10番台(センター)
新橋演舞場

「熱海五郎一座」新橋演舞場公演、終わってしまいました。
思えば先月の『寝盗られ宗介』以来2カ月連続の新橋演舞場。
今年今のところ一番通っている劇場が実はこの新橋演舞場で、今のところ11月のサイゴン楽まで行かないと、帝劇が追い付かない見通しです。

ザ・大衆演劇という雰囲気に、格式のしっかりした様と、居住まいのゆるさを同時に感じさせるとっても行きやすい劇場。肩ひじ張らずに行ける感じがとても楽です。

今回は遠方席から見ることが多く、FC席はラストの1回だけでした。諸々の事情でソワレ(最前列)が行けなくなり、フォロワーさんに相談してマチネと代えていただけて、前方で見ることができて救われました。

サミットのプレゼンシーンのうち、ヨルトンホテルのプレゼンで赤いドレスを着こなした玲奈ちゃんが歌い踊るシーンは、『Magnifique』の再来じゃないかと思わせるかようなゴージャスさ。劇団SETの皆さんがバックで大人数で盛り上げていただき、見られて良かったと感じずにはいられませんでした。

実際、客席からご覧になっている方も、普段玲奈ちゃんを見ていない方が多かったようで、そういった方々にアピールできたのは良かったです。

とはいえ、時にこういった本領発揮の場があるといいとしても、やはり作品の中で歌い踊るシーンを見たいのが本音で。

今回、いつも玲奈ちゃんの舞台で見られるお客さんがそれほどまでには来場されていませんでしたし、主催側が集客を期待していたなら、その点はたぶん予想は良くない意味で外れているはず。

喜劇作品に若手の歌える女優さんを呼んで歌ってもらう、という図式は今までもよく使われてきている手法ですが、個人的な体験からすれば高橋由美子さんが新宿コマ劇場での公演で『星屑の街』に呼ばれた(2007年、33歳の時)ときと、今回の玲奈ちゃんは印象が被るところがありました。

その時はマドンナが戸田恵子さんで、ヒロインが高橋由美子さん。
今回はマドンナが松下由樹さんで、ヒロインが笹本玲奈さん。

ちょうど、30代にのって、なかなか主演が付かないところで呼ばれたあたりがかなり似ていて。
歌えて華があるのに、ヒロインからは卒業することになる年代。
玲奈ちゃんも今年~来年の『ミス・サイゴン』キム役の卒業を本人から宣言していますので、そこが一区切りになるでしょう。

今後のことを考えると、30代での当たり役を一刻も早く掴むことが急務かと。
玲奈ちゃんにとっては『早すぎた当たり役』「ウーマン・イン・ホワイト」マリアン役に匹敵する格好良い系が来ないかなと思ってるんですけどね。

見た目も格好良いけど、女優として、女性としても格好良くあってほしい役。
最近の少女漫画の舞台化の流れで、『P.A.』の舞台化やって欲しいんだけどな。
「個人的な依頼を受ける(Private Actress)」の様が、「演技はプロに徹するけど、依頼者への思いが溢れる人間味あふれるところがある」ところとうまくリンクするんじゃないかなと。

今回の作品でも、玲奈ちゃん演じる桐山来亜が吐露するパートがあり、「自分の歌声が好きじゃなかった。それは母親のことが好きじゃなかったからなのも分かっていた。自分の歌には心がないって」と。だけど「母親の本当のことを知ったから、これからの私は変われると思う」と。

聞いていると、まさか玲奈ちゃん自身の気持ちそのものとは思えないまでも、玲奈ちゃんが感じているエッセンスのちょっとは入り込んでいるような気がして。

「大スター」の桐山来亜を演じたことを通して、玲奈ちゃんが舞台上で更なる輝きを出せるようになるよう願っています。

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『熱海五郎一座』(1)

2016.6.5(Sun.) 17:00~19:55
新橋演舞場 3階左列1桁番台

前作から1週間ぶりの新橋演舞場。
それぞれ”一座”(前回は「北村宗介一座」、今回は「熱海五郎一座」)なのにいろいろ変わりすぎてびっくり(笑)。というか2作続けて見ている人、自分以外にいるのかなぁ(爆)。

最近はことさらに初日にこだわらないのと、平日は仕事の都合でどうなるかわからないので取らないようにしているのもあって、この日が初見。しかしながら噂もあまり聞こえてこないので、どんな感じになっているのかわからずの初見です。

始まってすぐですので極力ネタバレは避けますが、お気になさる方は早めに回れ右をお願いします。



3階左列でのすぐ近くに玲奈友さんがいらっしゃったのですが、一幕終わった後、2人で顔を見合わせてしまいました(笑)←どう反応していいのか状態

開演5分前からの時事ネタ(某知事)記者会見から始まり、時事ネタをぼんぼん放り込む。客席かなり笑っております。2作連続の登場となった「ゲス」ネタとか(笑)。

ただ正直、1幕は楽屋落ちの連続というか、内輪ウケ重視という感じで、まぁいわゆる娯楽的なこういう作品では想定内の構成とはいえ、ちょっと意識が飛びかねない、集中力が切れかねない場面もちらほら。

実際、1幕の結果を見て、お隣のご夫婦は2幕、戻っていらっしゃらなかったですからね。
(実は、それで何とか見えるようになったのですが)

ちなみにこの「熱海五郎一座」は、伊東四朗さんが出られない時の、三宅裕司さん座長のシリーズなのですが(四朗と五郎、伊東と熱海を掛けてます)、意外に知られていない話なんですね。

舞台は箱根の温泉宿。隣に「ヨルトンホテル」が建ち、眺望も遮られ経営難となった老舗旅館「ふじみ楼」の再建のため、若おかみがやってきます。演じるは松下由樹さん。が、この方が中々の曲者訳ありで…。

その旅館にお客さんとしてやってきたのが、人気歌手で「旅館の流行っていなさにこれ幸い(マネジャー談)」とやってきたのが笹本玲奈さん。このお2人がゲストです。

ちなみに副題が「ひみつの仲居と曲者たち」なんですが、仲居さんも十分曲者というね(笑)

1幕は旅館の実情が語られるのが中心なので、松下さんは出番はそれなりに多いですが、玲奈ちゃんはシーンにして2シーンほど。

登場シーンに度肝を抜かれますが(必見です)、自意識過剰な人気歌手な感じは新鮮です。基本、自己主張強くないタイプですもんね玲奈ちゃん。

1幕2幕通じて、松下さんは仲居さん(つまり基本が着物)なのに関わらず、とにかくたくさん動いています。カーテンコールのゲスト紹介で「息上がっていると思います」と三宅さんに紹介されるのが心底納得いく感じです。

玲奈ちゃんの役は2幕で本領発揮です。
隣の「ヨルトンホテル」とサミット会場を争うことになった「ふじみ楼」(無茶苦茶ですなw)。
そのプレゼンテーションをそれぞれで行うことになり、玲奈ちゃん演じる人気歌手を自分のところのプロモーションに登場してもらおうとする。が、彼女は言うのですね。

「片方に与するのは嫌。公平に、両方に出させて欲しい」と。

なんだか、そんな物言いに玲奈ちゃんのポリシーも感じられるかのように見せられていたのが素敵でしたが、結果、旅館とホテルの両方でプレゼンテーションに立つのは自分。美味しい(笑)。

それゆえ、旅館のプレゼンテーションでは着物を着て舞い踊り、ホテルのプレゼンテーションでは赤いドレスで大人っぽく。その違った2曲を楽しめて良かったです。

玲奈ちゃんの歌声の強みって、以前も書きましたが「艶」だと思うんです。
聖子さんの歌声だったら「圧」だったり、由美子さんの歌声だったら「重」だったり。

今回、着物を着て歌うシーンは着物の艶やかさと声の艶やかさが絶妙だったし、赤いドレスのゴージャスさに負けず、そして踊りも披露した姿は、「人気歌手」であることをしっかり見せられていて。
いつも「笹本玲奈」を見ない客層に、きっちりと印象を残せたのではないかと。

見に行くまでは実は心配でしょうがなかった作品ではあったのですが、そこここ笑えて、最後はじーんとさせられて、2幕まで見たからこそ「終わりよければすべて良し」を実感できた作品。

肩の力を抜いて見られる時間ではありましたが、この構成だと1幕で帰っちゃう人の気持ちもわからないでもなく。幕間が長い劇場で、2幕にきちんと期待を持たせて終わる必要性を感じました。要は1幕で早めに売りを出しておくべきなのでは?と思わずにはいられませんでした。

終演後のカーテンコールは、結果として座員全員+ゲストからのご挨拶。座員の皆さまはやはり皆さま挨拶がお上手で、どっかんどっかん笑いを取ってます。
時事ネタとかはあまりに日々状況が変わるので、毎日三宅さんが台本書き直してるらしく(笑)。

最近、笑点の新司会となった春風亭昇太さんが女将役(笑)で出ていましたが、
『もうこの座布団に座ることもないのか』ってネタは稽古中にはなかったんですよ(笑)」
とか、
「2月には新司会って言われてたんですが口止めはされてて。でも、座員(特に渡辺リーダー)からは聞かれまくるので、『もしかして私ってこともあるかもしれませんね』って言ったら渡辺リーダー『ないない』って即答してた(笑)」とか、今になると笑える話が結構あったそうです。

玲奈ちゃんの登場シーンとしてはぷんすかしてるシーンと、歌っているシーンと、笑顔のシーンでほぼ9割。
それでも、他の舞台で中々見られないシーンが多くて、過度にリピートするまではないとしても、見ておいて損はないかと思います。

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