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『とっておきアフタヌーン』

2016.4.26(Tue.) 13:00~15:10
サントリーホール 5列1桁番台(下手側)

サントリーホール『とっておきアフタヌーン』企画第4弾、
今回はオーケストラ&ミュージカル、ということで女優さんお2人『プリマな2人』出演での企画。
安蘭けいさん、笹本玲奈さんが出演で、主にお2人のデュエットで構成されています。
構成は菅野こうめいさんで、珍しく進行のために出演もされていました。
指揮は竹本泰蔵さんです。
オーケストラの構成はこうめいさんが数えられたら、77名(!)という大所帯です。

まずはセットリストから。
マークは☆が「プリマな2人」(デュエット)、◇が安蘭さん、★が玲奈ちゃんです。

□セットリスト
[Act 1]
1.ポロネーズ/エフゲニー・オネーギン(オペラ)
  /チャイコフスキー
2.夢やぶれて/レ・ミゼラブル☆
3.I Know Him So Well/チェス☆
4.命をあげよう/ミス・サイゴン★
5.ひとかけらの勇気/スカーレット・ピンパーネル◇
6.With One Look/サンセット大通り◇
7.For Good/ウィキッド☆
8.Without Words/トゥーランドット(オペラ)/プッチーニ

[Act 2]
9.大紐育に捧ぐ/カスター
10.Together/ジプシー☆
11.その目に/ジキル&ハイド☆
12.巴里のアメリカ人
13.Someone To Watch Over Me/クレイジー・フォー・ユー★
14.Part Of Your World/リトル・マーメイド★
15.後ろを振り向かずに/MITSUKO~愛は国境を越えて~◇
16.Nowadays/CHICAGO☆

[encore]
17.Manbo!/West Side Story
18.Supercalifragilisticexpialidocious/メリー・ポピンズ☆

ありそうでなかったお2人の共演、今回が初共演です。
Act1では安蘭さんが緑のドレス、玲奈ちゃんがエンジ色のドレス。

玲奈ちゃんは「小学生の頃から」安蘭さんをご覧になっていたとのことで、最初は本当にガッチガチになっていました。

玲「私昔から『○カファン』…あ、宝塚ファンで」

という、サントリーホールの壇上ではあまり想定しえない用語が出てきたり(笑)

安「ならオスカルとアンドレやればよかったね」
「やりたかったぁぁぁぁぁ!」←完全に宝塚ファンの反応(笑)
安「気づくの遅かったねぇ」

その分、それ以上に緊張されていたこうめいさんと並んだ時には、こうめいさん弄りが中々な鋭さで(笑)

M2「夢やぶれて」終わった後のMC。
こ「この曲、デュエットの曲ではないんですよね」
玲「そうです」
こ「実は『glee』というミュージカルをテーマにしたアメリカのドラマで、『Let It Go』(のオリジナルキャスト)イディナ・メンゼルと、主人公のレイチェルがデュエットしているんです」
「こじつけですね」(会場内笑)

M5→M6で、安蘭さんが男役から女性の役にソロ2曲で一気に変わった後の話

こ「素晴らしいですね、一気に変わりましたね」
「○転換されてましたね」(←事情による伏字)
安「声帯を取り外すんです。ぱかっと(笑)」

というのもあったり。

M7手前のMCも強烈でした。

こ「この物語は『オズの魔法使い』の前という設定で、
  良い魔女と悪い魔女の物語なわけですが」

こ「玲奈ちゃんは白ではないけど、安蘭さんはご覧の通りの」
「ご覧の通りの『悪い魔女』ってことですかっ?」(会場内爆笑)
こ「ご覧の通りの『緑の魔女』です(汗)」

という(笑)

そんな中でも一番凄かったのはこれでしょうか。
前提なのですが、M3(CHESS)で、「一人の男を思って歌う、女性2人」というデュエットがあって、玲奈ちゃんが奥様、そして安蘭さんが不倫相手。

そして訪れた、第2部M11「In His Eyes」。
玲奈ちゃんが本役のエマ、つまりヘンリーの奥様。

こ「この曲も(1人の男を2人の女性を・・って点では)CHESSと似ていますよね」
安「今度は私は不倫相手ってわけじゃないですよ」
「『石丸さん』は不倫してませんから」

…そこだけ切り取ると、ものすごい発言です、玲奈様(笑)

その理由については

こ「玲奈、艶やかになったね」
「三十路ですから」
こ「そ、そっか…おめでと(というのが精いっぱいのこうめいさん(笑))」

で締めておくことにしましょう(笑)。

女性2人デュエットというのをコンセプトに持ってきた今回の企画(こうめいさん提案)。聞いたときから「面白そう!」って思っていたけれど期待以上でした。

ありそうでなかった共演、からの初共演でしたが、お2人のポジションが全く被らないので、玲奈ちゃんから安蘭さんへの憧れの眼差しに終始幸せを感じたし(夢が現実になるってこのことだろうなぁ)、安蘭さんから玲奈ちゃんへの頼もしい後輩を見守るかのような視線が嬉しかったし。

1部は玲奈ちゃんのエンジドレスはどことなく居住まいが定着しない感じで、安蘭さんの緑ドレスの着こなしが映えてましたが、2部は玲奈ちゃんが白の広がりドレスに変わってて、なんかもう居住まいに安心感・安定感が生まれまくってて不思議に納得。安蘭さんは青のドレスでこちらも素敵でした。

玲奈ちゃんの歌では何といってもリトマ、アリエルの『Part Of Your World』が出色。
その前にMCで『三十路』と自分で言ってしまっていたために、『この曲では可愛く』と自ら仰っていましたが(笑)
玲奈ちゃんの意思の強さでちょうど合っているように思えますアリエル。
意思が強すぎもしないし、意思がないわけじゃ絶対にない。
夢が見られるほどには幼くて、夢を諦めるほどには大人じゃない。
今の玲奈ちゃんでこの曲を聞けたのは嬉しかったです。

『In His Eys』は玲奈エマ、本当に変わったなぁって。
今回、ジキハイは見るごとに物語がどんどん濃くなっていったけど、玲奈エマの表現の深さなしにそれは実現しなかったように思えました。

『For Good』は聞いてみたかった菅野こうめいさん作詞版。四季さんがやる前にUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)で「2時間30分を35分に縮めた版」でやったもの。当時は上演時間の関係で1番しかなく、後から2番を足したのだそうです。当時、USJでこのステージに可知寛子さんが出られていたんでしたね。

四季版より「二人の友情」を重視した感じの歌詞で、「オズの国がどうとかじゃなくて、私たちの友情は永遠だよね」というところに重きが置かれていた感じが印象的でした。

全般的には大人の雰囲気で進んでいた今回ですが、アンコールのラスト、通称「スパカリ」の盛り上がりまくりだけがとても異質。あれ、「大人の午後」みたいな感じじゃなかったっけ?という感じでした(笑)

それにしても、お2人の歌はやはり声質が違う感じ。
安蘭さんは『ひとかけらの勇気』にも現れる意思の強さのまっすぐさと、いい意味での堅さが印象的。
玲奈ちゃんは感情に寄せられる感じの歌が得意なんだなというか、いい意味でウェットな感じが印象的。
お2人とも歌に「芯」が伝わってくることに違いはないのですが、同じ「芯」でも、”太さ”を感じる安蘭さんと、”柔らかさ”を感じる玲奈ちゃんとでの好対照。

そしてその「芯」は頼り合っても依存はしていなくて。

2人のキャリアが「歌」で溶け合い、それぞれが光を放つ様を見られて。
お2人の歌声に重なる日本フィルハーモニー交響楽団の重厚な音楽。
その素晴らしさは、まさに「とっておき」の言葉に相応しい、午後のひとときでした。

演出・企画がきちんと入った形でのコンサートは、先日の『ALONE With』の時も思いましたが、”ただ歌うだけで流れるコンサート”と、はっきりと違う満足感を残してくれます。またこんな機会がありますように。

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