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2016年4月

『1789~バスティーユの恋人たち~』

2016.4.30(Sun.) 12:00~15:30
帝国劇場 1階W列40番台(上手側)
※トークショー付き

チケットが既に公式では完売のこの作品。
日程の都合もあって、見られるのはおそらくこの1回だけになりそうです。
1回だけ見るならこの回!と選んだ回です。
ロナンは加藤和樹さん、オランプは夢咲ねねさん、マリー・アントワネットは花總まりさん。
終演後は3人登場のアフタートークショー付きです。

始まってもう3週間経って、東京公演もあと2週間ですので、ネタバレありで参ります。
お気になさる方は回れ右でお願いします。




フランス革命の序章、バスティーユ監獄の陥落へのうねりを、王国側と民衆側両方から描く物語。
サブタイトルにもある通り、男性と女性がペア(恋人)になるシーンが多々あり、民衆の中での恋人同士ならば、珍しい光景でもありませんが、物語をドラマチックにする、「立場の違う2人」の関係が、この作品には2組あります。

1組は2006年帝劇で初演された『MA』でも出てくる、王妃マリー・アントワネットと、スウェーデンのフェルゼン伯爵(MAでは「フェルセン」)。運命のうねりに翻弄される2人。

もう1組は農村育ちの若者で主役・ロナンと、王太子の養育係・オランプ。
2人は”最悪の出会い”をきっかけに、しかしながらどちらとなく惹かれ合い、身分を越えて愛し合うようになります。

この日のペアは加藤和樹さんと夢咲ねねさん。評判通りのバランスの良さ。
野性的で暴れ馬的な和樹ロナンと、聡明で利発的で育ちの良さを感じさせる、ねねオランプのバランスが絶妙。

ねねさんは現在は本名の赤根那奈さんに改名済みですが、当作は改名前の契約のため、宝塚当時と同じ芸名にて出演されています。宝塚星組の後期、4作品拝見していますが、今回は娘役としての居住まいをそのまま残しながらも、主張すべきは主張する”できる女”ぶりが素敵です。王太子の養育係であることの説得力をきちんと見せられていて。

オランプは王妃マリー・アントワネットに絶対的な忠誠を尽くします。
花總さん演じるマリー・アントワネットの威厳とのバランスもぴったり。
で、普通は忠誠を尽くすタイプの役は、往々にして実力的に今一つというのがよくある話でして、例えばこの作品でも「秘密警察3人組」はコメディパートを担っているからということを差し引いても、「あのおまわりはいつでもドジ」(作品違いますが年代は同じ)と言われかねないことになっています(笑)。

が、ねねオランプだと、主に忠誠を誓う上に、主のためならどんなことでもするんですね。
主を守るためなら、王の弟の強制ですら、柳に風と受け流す。
どうみても外堀は埋まっているのに、それでも主を守ることから逃げはしない、その凛々しさは輝いていました。
(あらゆる手段を駆使して抜け道を探し出すのが凄い)

王の弟アルトワは吉野圭吾氏が演じられていましたが、氏の言葉責め(爆)にがけっぷちまで追い詰められながらも、絶対に諦めはしない様は、『ルドルフ・ザ・ラスト・キス』初演で、岡幸二郎氏(ターフェ首相)が笹本玲奈嬢(マリー・ヴェッツェラ嬢)を追い詰めまくった様と匹敵するほどに、痺れまくる凄まじい対決でした。

マリー・アントワネットにはもう一人の相談相手として飯野めぐみさん演じるポリニャック夫人もいらして、この作品で多くは語られていませんが、恐らくは精神的な支えでもあったのだと思いますが、見ていると、「結局は『貴族』という立場からは出られなかった」ように見えて。

マリー・アントワネットは最後にポリニャック夫人、オランプの順に別れを告げますが、オランプについては「オランプのために暇を取らせた」とはいえ、断腸の思いだったことが伝わってきました。

「愛がなくては生きていけないものよ、気持ちに正直に」とオランプに告げたマリー・アントワネットにとって、ルイ16世との夫婦関係は「愛」というものはかけ離れたものであったはずで、とても皮肉に映ります。

かと思えば1幕で「思い合っていても結ばれるわけではない」と言っているマリー・アントワネットは、「思い合っていなくても結ばれることもある」わけで。
1幕ではその立場に渋々従っていたように見え、2幕ではその立場に責任を持ったように思え、1幕と2幕での花總さんの変化は圧巻でした。

この作品では女性の強さがそれぞれ違った面で見せられているのが印象的です。

花總さん演じるマリー・アントワネットは自らの愛よりも、自らの責任に生き。
ねねさん演じるオランプは自らの立場よりも、自らの愛に生き、大事な人の思いとともに生き。
ソニンさん演じるソレーヌは自らの思いよりも、皆の思いとともに生き。
いいめぐさん演じるポリニャック夫人は自らの思いよりも、貴族という自らの立場とともに生き。

それぞれ誰だけが正しいというわけでなくて、「1788年~1789年」という大きなうねりの中で、それぞれがどう生きようとしたかを選択した結果が伝わってくる、そんな女性たちの生きざまは皆さんそれぞれとても輝いて見えました。

男性陣は、革命側と王室側というポジションによって違いはあって、革命側はABCカフェ別室みたいな空気感で、アンジョルラス4人がタッグを組むエネルギーは凄いものがあります。違うのはそれこそ皆さん「恋人」がいることぐらいかと(爆)。4人のうちのお1人、上原理生氏はアンジョルラスが舞台デビューですが、それもあってお相手役がいらっしゃるのは今回がお初だったりするそうです(今回のお相手はソニンちゃん)。

王室側では鞭使いの達人、都内某所では深夜に鞭使いの自主練の鞭の音が響いているそうなペイロール伯爵な岡様とか、王様を意のままに従わせたいのに今一上手くいかず、秘密警察はあまり頼りにならず、(氏曰くの)小賢しい娘1人に翻弄される様が客観的に見て「あまりに嵌っている」アルトワな吉野様とか、客席弄りの達人で、別称「オランプ親衛隊」のトップのラマールなサカケンさまとか、皆さま実に味わい深いです。

ラストシーン、革命側も王室側も分け隔てなく一人一人が人権宣言を読み上げるさま、それは立場を乗り越えた「1人1人の血の通った言葉」に聞こえて。
その中でも「2人分の想い」をして、ねねオランプから発せられる「自由は『他人を害しない限り』認められる」ことは、ねねさんのその居住まい、凛々しさと重なってとても重く響きました。

ロナンは農村で国王の名のもとに父を殺され、その憎しみとともにパリに出てきた。妹のソレーヌもそれと同じ、またパリに来てからはロナン以上に辛い経験をして憎しみは増幅していった。
そしてオランプとロナンの関係は、最後はある意味それの繰り返しにもなりかねなくて。

でも憎しみを憎しみで受け継ぐことでは何も生まれない。それでは自分がロナンと出会った意味がない。
そうと思わせるかのような、憎しみを必死で断ち切ろうとする強さが、ねねオランプからは伝わってきて。
未来へ受け継ぐのは前向きな気持ちであってこそ、そんな思いが伝わるエンディングでした。

....

カテコ。最後の回、普段はオランプ・ロナン・アンロワネット3人で仲良く捌けていくそうなのですが、この回、和樹氏が手を伸ばすと、既にねねちゃんがスタスタと歩いて行ってる(笑)。

そして片方の手は花總さんと握っている状態で、ねねちゃんが気づいて振り向くと、(ねねちゃんからは)「(自分抜きで)和樹氏と花總さんが手を握っている」ように見えて、ねねちゃん「びえーん」と泣きまね(笑)。

そしたら花總さん、「ねねちゃん待ってー」とあのドレスで駆けて行き、ねねちゃんに追いつく。

最後、一人残された和樹氏は脱力したかのようにうなだれておられました(笑)。お疲れさまです(笑)。

....

この日はトークショー。

MCを担当するのは通称「オランプ親衛隊」からサカケンさん欠席での、岡田さん・加藤さん。

いずれ動画で出ると思いますので、触りの部分を。

MC「ねねさんはWキャスト初めてだそうですけど」
ねね「そうなんです。Wキャストのもう1人がさーや、
   神田沙也加さんなので、
   『Wキャストの心得』を1から10まで
   教えてもらいました

MC「どんな内容だったんですか」
ねね「『Wキャストは何ぞや』から
MC「そこからですか(笑)」
ねね「他(の内容)は内緒です(笑)」

MC「和樹さん、歌や踊りやダンス、
   この作品では色々やっておられますが」
和樹「踊りとダンスは同じですね(笑)」
MC&客席「(笑)」

MC「(ねねさんへ)好きな食べ物はあります?」
ねね「え・・・あったかなぁ?・・・(和樹さんの方を見て)
   ありましたっけ?
和樹「あなたが聞かれているんですけど(笑)」
ねね「あ。肉は好きです。朝からがっつり焼いて食べます」

MC「(花總さんへ)作品中のゴンドラ、あれどうですか」
花總「高いところ苦手じゃなかったはずなんですけど、
   あれは怖いです。
   横から上がっていくんですけど、上に上がってから、
   ちょっと前に揺れるタイミングがあって、
   そこが一番怖いです。
   だから光が当たるまで目を閉じてます(笑)」

MC「ルーティンで決めていることあります?」
花總「開演前で時間で決めてます。先にメイクしてから
   ゆっくりします。
   以前は逆だったんですけど、後にメイクだと呼ばれた
   時にばたばたしちゃうので、逆にしました」
ねね「できなかった時に焦ってしまうので、
   自分は決めないタイプです。
   自由に生きてます
MC「だそうです。
   ねねさん、自由に生きてるそうです(笑)」

和樹「開演前に舞台上から客席見ます(みんなびっくり)
   客席の空気を感じたくて、『(レディ・)ベス』のとき
   からやってます」
花總「知らなかった~」
MC「お客さんから見えません?」
和樹「幕が下りてるので意外に見えないんですよ」
MC「みんな明日から注目しますね(笑)」

....そんな感じで、主にねねちゃんのふわふわ天然ぶり、和樹氏のツッコミ属性発動(少な目)、花さんの意外なアクティブMCといった感じのトークショーでした。

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『とっておきアフタヌーン』

2016.4.26(Tue.) 13:00~15:10
サントリーホール 5列1桁番台(下手側)

サントリーホール『とっておきアフタヌーン』企画第4弾、
今回はオーケストラ&ミュージカル、ということで女優さんお2人『プリマな2人』出演での企画。
安蘭けいさん、笹本玲奈さんが出演で、主にお2人のデュエットで構成されています。
構成は菅野こうめいさんで、珍しく進行のために出演もされていました。
指揮は竹本泰蔵さんです。
オーケストラの構成はこうめいさんが数えられたら、77名(!)という大所帯です。

まずはセットリストから。
マークは☆が「プリマな2人」(デュエット)、◇が安蘭さん、★が玲奈ちゃんです。

□セットリスト
[Act 1]
1.ポロネーズ/エフゲニー・オネーギン(オペラ)
  /チャイコフスキー
2.夢やぶれて/レ・ミゼラブル☆
3.I Know Him So Well/チェス☆
4.命をあげよう/ミス・サイゴン★
5.ひとかけらの勇気/スカーレット・ピンパーネル◇
6.With One Look/サンセット大通り◇
7.For Good/ウィキッド☆
8.Without Words/トゥーランドット(オペラ)/プッチーニ

[Act 2]
9.大紐育に捧ぐ/カスター
10.Together/ジプシー☆
11.その目に/ジキル&ハイド☆
12.巴里のアメリカ人
13.Someone To Watch Over Me/クレイジー・フォー・ユー★
14.Part Of Your World/リトル・マーメイド★
15.後ろを振り向かずに/MITSUKO~愛は国境を越えて~◇
16.Nowadays/CHICAGO☆

[encore]
17.Manbo!/West Side Story
18.Supercalifragilisticexpialidocious/メリー・ポピンズ☆

ありそうでなかったお2人の共演、今回が初共演です。
Act1では安蘭さんが緑のドレス、玲奈ちゃんがエンジ色のドレス。

玲奈ちゃんは「小学生の頃から」安蘭さんをご覧になっていたとのことで、最初は本当にガッチガチになっていました。

玲「私昔から『○カファン』…あ、宝塚ファンで」

という、サントリーホールの壇上ではあまり想定しえない用語が出てきたり(笑)

安「ならオスカルとアンドレやればよかったね」
「やりたかったぁぁぁぁぁ!」←完全に宝塚ファンの反応(笑)
安「気づくの遅かったねぇ」

その分、それ以上に緊張されていたこうめいさんと並んだ時には、こうめいさん弄りが中々な鋭さで(笑)

M2「夢やぶれて」終わった後のMC。
こ「この曲、デュエットの曲ではないんですよね」
玲「そうです」
こ「実は『glee』というミュージカルをテーマにしたアメリカのドラマで、『Let It Go』(のオリジナルキャスト)イディナ・メンゼルと、主人公のレイチェルがデュエットしているんです」
「こじつけですね」(会場内笑)

M5→M6で、安蘭さんが男役から女性の役にソロ2曲で一気に変わった後の話

こ「素晴らしいですね、一気に変わりましたね」
「○転換されてましたね」(←事情による伏字)
安「声帯を取り外すんです。ぱかっと(笑)」

というのもあったり。

M7手前のMCも強烈でした。

こ「この物語は『オズの魔法使い』の前という設定で、
  良い魔女と悪い魔女の物語なわけですが」

こ「玲奈ちゃんは白ではないけど、安蘭さんはご覧の通りの」
「ご覧の通りの『悪い魔女』ってことですかっ?」(会場内爆笑)
こ「ご覧の通りの『緑の魔女』です(汗)」

という(笑)

そんな中でも一番凄かったのはこれでしょうか。
前提なのですが、M3(CHESS)で、「一人の男を思って歌う、女性2人」というデュエットがあって、玲奈ちゃんが奥様、そして安蘭さんが不倫相手。

そして訪れた、第2部M11「In His Eyes」。
玲奈ちゃんが本役のエマ、つまりヘンリーの奥様。

こ「この曲も(1人の男を2人の女性を・・って点では)CHESSと似ていますよね」
安「今度は私は不倫相手ってわけじゃないですよ」
「『石丸さん』は不倫してませんから」

…そこだけ切り取ると、ものすごい発言です、玲奈様(笑)

その理由については

こ「玲奈、艶やかになったね」
「三十路ですから」
こ「そ、そっか…おめでと(というのが精いっぱいのこうめいさん(笑))」

で締めておくことにしましょう(笑)。

女性2人デュエットというのをコンセプトに持ってきた今回の企画(こうめいさん提案)。聞いたときから「面白そう!」って思っていたけれど期待以上でした。

ありそうでなかった共演、からの初共演でしたが、お2人のポジションが全く被らないので、玲奈ちゃんから安蘭さんへの憧れの眼差しに終始幸せを感じたし(夢が現実になるってこのことだろうなぁ)、安蘭さんから玲奈ちゃんへの頼もしい後輩を見守るかのような視線が嬉しかったし。

1部は玲奈ちゃんのエンジドレスはどことなく居住まいが定着しない感じで、安蘭さんの緑ドレスの着こなしが映えてましたが、2部は玲奈ちゃんが白の広がりドレスに変わってて、なんかもう居住まいに安心感・安定感が生まれまくってて不思議に納得。安蘭さんは青のドレスでこちらも素敵でした。

玲奈ちゃんの歌では何といってもリトマ、アリエルの『Part Of Your World』が出色。
その前にMCで『三十路』と自分で言ってしまっていたために、『この曲では可愛く』と自ら仰っていましたが(笑)
玲奈ちゃんの意思の強さでちょうど合っているように思えますアリエル。
意思が強すぎもしないし、意思がないわけじゃ絶対にない。
夢が見られるほどには幼くて、夢を諦めるほどには大人じゃない。
今の玲奈ちゃんでこの曲を聞けたのは嬉しかったです。

『In His Eys』は玲奈エマ、本当に変わったなぁって。
今回、ジキハイは見るごとに物語がどんどん濃くなっていったけど、玲奈エマの表現の深さなしにそれは実現しなかったように思えました。

『For Good』は聞いてみたかった菅野こうめいさん作詞版。四季さんがやる前にUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)で「2時間30分を35分に縮めた版」でやったもの。当時は上演時間の関係で1番しかなく、後から2番を足したのだそうです。当時、USJでこのステージに可知寛子さんが出られていたんでしたね。

四季版より「二人の友情」を重視した感じの歌詞で、「オズの国がどうとかじゃなくて、私たちの友情は永遠だよね」というところに重きが置かれていた感じが印象的でした。

全般的には大人の雰囲気で進んでいた今回ですが、アンコールのラスト、通称「スパカリ」の盛り上がりまくりだけがとても異質。あれ、「大人の午後」みたいな感じじゃなかったっけ?という感じでした(笑)

それにしても、お2人の歌はやはり声質が違う感じ。
安蘭さんは『ひとかけらの勇気』にも現れる意思の強さのまっすぐさと、いい意味での堅さが印象的。
玲奈ちゃんは感情に寄せられる感じの歌が得意なんだなというか、いい意味でウェットな感じが印象的。
お2人とも歌に「芯」が伝わってくることに違いはないのですが、同じ「芯」でも、”太さ”を感じる安蘭さんと、”柔らかさ”を感じる玲奈ちゃんとでの好対照。

そしてその「芯」は頼り合っても依存はしていなくて。

2人のキャリアが「歌」で溶け合い、それぞれが光を放つ様を見られて。
お2人の歌声に重なる日本フィルハーモニー交響楽団の重厚な音楽。
その素晴らしさは、まさに「とっておき」の言葉に相応しい、午後のひとときでした。

演出・企画がきちんと入った形でのコンサートは、先日の『ALONE With』の時も思いましたが、”ただ歌うだけで流れるコンサート”と、はっきりと違う満足感を残してくれます。またこんな機会がありますように。

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『寝盗られ宗介』(1)

2016.4.23(Sat.) 11:00~13:55 2階2列1桁番台(下手側)
2016.4.23(Sat.) 15:00~17:55 1階右列2桁番台(中盤)
大阪松竹座

 5月の東京・新橋演舞場公演まで待つつもりだったこの作品。

 東京・シアター1010でのプレビュー公演、そして先週から始まった大阪松竹座公演の評判を聞き、由美子さんのポジションもはっきりしたことで遠征を決めました。急遽だっただけに日程調整に困難を極めましたが、金曜日、仕事を定時で上がり、渋谷での聖子さんコンサートを見た後に自宅に戻り、一風呂浴びてから4月開業のバスタ新宿へ。出発5分前にぎりぎり滑り込む慌ただしさ。

 終演後も松竹座を急いで出て御堂筋線に飛び乗り、最終の東京行きこだまに出発3分前に飛び乗るという慌ただしさ。その往復ともの慌ただしさをもってしても、でも見て良かったと思った大阪松竹座公演でした。

 内容的なネタバレを多少含みますので、お気になさる方は回れ右をお願いします。




 タイトルロールにして主役の宗介は、劇団「北村宗介一座」の座長。彼は妻であるレイ子を他の男に寝盗らせ、それでも最後は自分の元に戻ってくることをもって、ある意味悦に入る男。

 つかこうへいさんの作品、久しぶりのリバイバルということで今回の公演。

 宗介をA.B.C-Zの戸塚さん、妻のレイ子を高橋由美子さんが演じます。
 一座の主要登場人物として、若手のヒロイン格、サキが福田沙紀さん。ベテランの女性座員が小川菜摘さん。レイ子の父親に酒井敏也さん、といった皆さま。

 2幕(幕間35分)制で、かなりの部分を劇団「北村宗介一座」の作品世界が占める、いわゆる「劇中劇」。一座の団結力がとてもしっかり見えて、座長さんの人柄が窺えます。リーダーシップもあるし、いい意味でツッコまれるような隙があるのも素敵です。

 それにつけても噂には聞いていたものの、由美子さん演じるレイ子の台詞の膨大さときたら、拝見していてぽかーんとなってしまうぐらいの多さ。それでいて「台詞が多いからと言って、台詞には頼れない。その先に感情が見せられないと(と思っている)」とパンフレットで自身に喝を入れるかのように言っていた由美子さん。その覚悟がビシビシと伝わってくる、凄い存在感でした。

 大人の色気は下品になっていないし、殺陣も見栄切りも流石だし、コメディパートのコメディエンヌぶりもその浮かなさは凄いし。でも、今までどの作品でもやっていなかったものは、実はさほどないんですよね。

 実際、劇団☆新感線であれだけ見栄切りをやってきた方ですから(今回のは『花の紅天狗』が劇中劇ということもあり似ている感じが)、決めが決まるのは納得のうちではあります。実際、劇団☆新感線は主宰のいのうえひでのりさんが当初はつかさん作品を演じることで立ち上げたわけですから。

 が、そうは思ってもそういう役に巡り合えるかは別の話で。

 今回の演出である錦織氏は由美子さんと『ガイズ&ドールズ』で夫婦役で共演。今回、この作品でレイ子役に由美子さんを配役した理由は氏曰く、「共演したときに自分が放ったアドリブを、更に上から被せてきたことに(新鮮に)驚いて、凄いと思った」からだそうで。

 ここ数年、特に東宝芸能さんに移られてからは、どことなく消化不良な活動が目立っていた由美子さん。それがここにきて(4月から)事務所も変わり、それこそ『ガイズ&ドールズ』以来の当たり役、下手をすると代表作になるのではという今回のレイ子役。
 そんな役に巡り合えた奇跡は、どことなく前向きさをはっきりと感じ取られなかった最近の由美子さんへの、高いハードルだったように思えて。その高いハードルに立ち向かい、こういう形でまさに全身全霊で見せてもらえたことに、感謝の気持ちで一杯ですし、とても感動しました。

 何より、この役を今の年齢で出来たことには拍手しかなくて。元々若い役者さんがやれる役ではないですが(実際サキに対して「意地悪で言ってるんじゃない、あなたではここは無理」と言ってますし)、それでもつかさん作品でここまでのものを見せてもらえたことは、確実に次につながる気がします。

 頭が切れる宗介と、学がないレイ子。
 とはいえ、レイ子は何度も自分が寝盗られる様に、違和感を感じ始める。
 これは宗介の企みではないのかと。

 結局のところ、宗介は自分では浮気する度胸はない。
 その代わりに、レイ子を浮気させる度量があることに酔っている。

 宗介は一座の女衆からはモテモテではあるが、それでも彼女たちはレイ子の様子と自分の位置を見て宗介に忠告する。「女を大切にしなよ」と。
 宗介の態度は、レイ子に対して誠実ではないばかりか、自分たちにとっても誠実ではないと感じたのではないかと。

 宗介とレイ子の出会いは大学での学生と学食の賄いさん。「自分は20歳そこそこ、彼女はいくつかわからなかった」という呟きは実際の演者さんの年齢にも重なって見えたり。ここは菜摘さんがいみじくも言った「他人の心配ばかりしていると、歳ばかりとっちゃう」という表現が、まさにレイ子を指しているようにも思えて。

 いつもは幕開きまでに帰ってきたレイ子が、今回ばかりは帰ってこずに焦る宗介。
 何度ピンスポを当てても空振り、レイ子が帰ってこなければ代わりをお願いするつもりの女性にも逃げられ。

 そこからのラストへの流れ。
 宗介はレイ子へしていたことへの罪深さを知り。
 レイ子は拒んでいた宗介の”妹への気持ち”に寄り添い。
 どちらかが一方的にでなく、近づいたことによるエンディング。
 サキが言うところの『最後は必ずハッピーエンド』な空気。
 上下関係の「許す」ではなく、対等な関係での「赦す」、それこそが「愛」だと。

 そんな物語を描く、それぞれのストーリー。
 まだ戯曲の読み込みが甘いので、東京(新橋演舞場)公演までに読んでおこうと思いますが、座員1人1人が欠かせない要素として立っている姿はとても素敵で、作品としても、座組としても、そして役柄としても満足な観劇となりました。

 この後、5月に福岡、愛知(刈谷)公演を経て東京(新橋演舞場)公演へと続きます。
 ますます進化した姿が拝見できますように。

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『新妻聖子 music is fantasy』

2016.4.22(Fri.) 19:00~20:45
渋谷・大和田さくらホール
1階16列1桁番台(下手側)

●セットリスト
(特記なき限り、聖子さんソロ)
1.いつか王子様が/白雪姫
2.星に願いを/ピノキオ
3.Straight Up And Fly Right/Nat King Cole
  (ジャミン・ゼブ)
4.Beauty and the Beast/美女と野獣(新妻&シモン)
5.A Whole New World/アラジン(新妻&レンセイ)
6.Happy/Pharrell Willams(ジャミン・ゼブ)
7.Let It Go/アナと雪の女王
8.レ・ミゼラブルメドレー(8-4以外、ジャミン・ゼブ)
 8-1.夢やぶれて
 8-2.Stars
 8-3.Work Song
 8-4.On My Own(新妻)
 8-5.民衆の歌(新妻&ジャミン・ゼブ)
9.I got Reythm/巴里のアメリカ人
10.smile/モダン・タイムス(新妻&コージロー)
11.私のお気に入り/サウンド・オブ・ミュージック
12.My Heart Will Go On/タイタニック

[encore]
13.見上げてごらん夜の星を/坂本九
14.The Phantom Of The Opera/オペラ座の怪人(新妻&スティーヴ)

主催は去年、聖子さんがゲスト出演した『BIG BAND FESTIVAL』の主催・日本ポピュラー音楽協会さん。
会場は渋谷駅至近の渋谷区総合文化センター(大和田さくらホール)。昔は大和田小学校だった場所です。セルリアンタワーの裏手なので、かなり歩くと思って渋谷駅ハチ公口からバスに乗ったら、信号待ちはあったものの、あっという間に到着。本当にすぐそこでした。

座席番号からして後方かと心配しましたが、ほとんど気にならないレベルで、満足度の高いホールです。

聖子さん登場して2曲歌った後、ご挨拶とMCに。

「喋らない方が良かったですか?」の定番の掴みの後、「新妻聖子を初めて見る方どのぐらいいらっしゃいますか?」の問いに1人も拍手せず、聖子さん動揺しまくる(笑)。たぶん、その比率でMCを2ルート作っておられたのだと思いますが、さすがに0人なのは想像しなかったらしく…後々のMCがかつてないほどgdgdになっておりました(笑)。

たぶん「生で初めて見る方」と聞いたら半分強は初めてではないかなと。つまり質問の意図が伝わってなかったと解釈します(爆)。

今回はゲストのジャミン・ゼブさん(4人ユニット)との1人ずつとのデュエットが新鮮。デュエットも含めて6割方は英語で歌っていたと思われ、つまるところ聖子さんが水を得た魚、舞台を得た姫(笑)。

何しろ自分で「歌姫」とまで言っちゃうぐらいだし(爆)
アラジンのデュエットで「プリンセス」と言われたら自分で自分を指差しちゃうぐらいだし(爆)

そういえばデュエットで興味深かったのが、ジャミン・ゼブさんのお一人お一人とデュエットするのですが、ことごとくプリンスとプリンセスが一緒にお辞儀する時の手が揃わない(爆)

この日、衣装は2着で、前半(M7まで)は白のドレス(聖子さんblog)、後半(M8から)は黒のドレス。ちなみに黒のドレスは20年前に聖子さんのお母さまが着られていたドレスをサイズそのまま着用されたとのことでびっくりです。

その衣装に絡んだMCで、「前半は年甲斐もなく(フリフリの)ドレスを着て、後半は皆さまに近づいた年代の衣装で」と言ったとたん、「ゴンッ」という音が。なんと、歯をマイクにぶつけた(爆)

「罰は本当にあっという間に来ますねー。全うに生きて行かなきゃいけませんね」というMCに(笑)

で、それで罰は終わらずに…

この日のテーマは「Disney & Cinema」。
「自分にとってのCinema」ということでセリーヌ・ディオン様の件を。
「生まれて初めて映画館で複数回見た作品」な『タイタニック』で、本編前のセリーヌ・ディオン様のMVに心貫かれ、「歌はそれまでも好きだったけど、明確に『歌い手になりたい』と思った」曲、ということで曲紹介・・・・

なんと英語タイトルを聖子さんが噛むという奇蹟が。
本人の動揺はマックスに!

気を取り直し、「私の人生を変えた曲、それではお聞きいただきましょう」
と言ってまで再び噛み、

「ここで噛んじゃ一番ダメじゃん…!」

といまだ見たことがないほどの動揺(爆)

しまいには「誰か曲紹介して…」とバンドに泣きつき、最後は「『タイタニックのテーマ』です」で回避しました(笑)

それにしても動揺しまくった挙句に「歌い出しどうだったっけ…」とまで言った聖子さん、初めて見たレアな風景でした。

でも歌い始めればもうそこに不安も何もないんですけどね。
どの曲も流石ですがやっぱりこの曲と、必殺クリスティーヌなオペラ座の怪人。
あの、ファントムに促されどこまでも高くなっていく圧巻の歌声が聞けて、ホールの音響とも相まって、いやはや相変わらず凄いものを聞きました。

MCでは珍しく素の率が高く新鮮で、選曲も満遍なくの得意分野で、堪能しました。素敵なコンサートでした。

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『ALONE With』

2016.4.16(Sat.) 19:05~21:10
吉祥寺RJGB

内藤大希さん・岡村さやかさんお2人のライブ。
岡村さんが2月に出演されたAKA COMPANY『tick,tick...BOOM!』演出の片島亜希子さんが演出です。

場所は吉祥寺。東急百貨店吉祥寺店の裏手、「Rock Joint GB」が正式な店名です。

まずはセットリストから。

●セットリスト
[Act.1]
1.Don't Stop Me Now/Queen

[Duet Corner]
2.Enchantment Passing Through/アイーダ
3.So Close/魔法にかけられて
4.Finally/Fergie
5.If I Told You/ウェディング・シンガー
6.What You Mean to Me/Finding Neverland
7.This World Will Remember Me/ボニー&クライド
8.Next Step/Before After
9.Therapy/tick,tick...BOOM!
10.Another Day/RENT
11.SOS/マンマ・ミーア!

[Act.2]
[Solo corner]
12.Fly Away/Never Never Land(Scott Alan)(岡村)
13.One Song Glory/RENT(内藤)
14.Moving Too Fast/ラスト・ファイブ・イヤーズ(内藤)
15.someone else's story/チェス・ザ・ミュージカル(岡村)
16.Easy as Life/アイーダ(岡村)
17.Totally Fucked/春の目ざめ(内藤)

[duet]
18.Don't Stop Believin'/glee

[アンコール]
19.愛していればわかり合える/モーツァルト!

2部構成で、休憩15分を挟むという、ライブとしてはとても意欲的な構成。
1部はデュエット中心にMCを挟みつつの1時間。MCがむちゃくちゃ面白い(後述)ですが、歌に関してこのライブの岡村さやかさんのカッコよさと来たら素晴らしいです。

私の岡村さん初見はOne On One(『しあわせの詩』)だったこともあって、One主宰の浅井さやかさんが演出されるとき、岡村さんの可愛さを引き出されるのがとってもお上手。それに対して今回の演出の片島さんは先日の「tick,tick...BOOM!」のときもそうでしたが、
岡村さんの格好よさを引き出されるのがとてもお上手

何しろM1からしてQueenですからね。
男性ボーカルと女性ボーカルのWボーカルのバンドって感じ。
バックに控えるキーボード(はんだすなおさん)、ドラム(高インボムさん)、ギター(福岡丈明さん)の音の力強さもロックハウスのこの場ならでは。
さやかさんの衣装も1部は女性ロックバンドのボーカル風で新鮮です。

デュエットパートとなった前半は男性主導型の曲と、女性主導型の曲が上手いこと混ぜ合わされていて、聞いていて心地いいです。
内藤さん、岡村さんともに歌で相手を圧倒しようとするタイプではなく、自然に相手を必要としている感じが、見ていてとても安心できますし、歌声の相性も抜群。それでいてあるべきところ以上に近づかないのが凄い。

今回のライブでMCでいみじくも語られていたことですが、さやかさん曰く「このライブには演出が入っている」と。「歌いたいように歌っている普段のライブも楽しいけれども、今回のライブは厳しく演出が入るので、芝居的な緊張感がある」と仰っていました。

ちなみに、演出の片島さんからのダメ出しはグループLINEで入るそうですが、さやかさん曰く「いきなり『ダメ』と言われるわけじゃなくて、一度は意見を聞いてくれて、でもその後『見直してみてください』って言われて気づかされるんですよ。『あ、私できていなかったんだ』って(笑)」

片や内藤さん曰く片島さんは「合う曲を見つけてくれるので嬉しい」とのこと。ご本人では「ついバラードを歌いたくなる」けれど、「ちょっと弾けた感じの方が自分には合っている気がする」と。

そんな演出的な緊張感はあろうとも、たっぷり盛り込まれるMCときたら、緊張のきの字もない(笑)。それでいて聞き逃せない感満載。さやかさんの破壊力抜群のMCが爆発しておりました。

もともと1部のパートは「カップルあるある」と別名が付いていた(笑)のですが、2人はOneOnOne中心に6作ぐらい共演していて、しかもほとんどの場合カップルなのに、

『なかなか心が近づかない』(会場爆笑)
大『そうそう』

という。

元々2人でライブをしたいという話は前から出ていたそうで

さ『2人でライブしたいって(大希くん)言ってくれたよね』
大『言いました』
さ『でもなかなか具体化しなくて』
大『ほら、役者さんで「飲みに行きましょうよ」というような感じで』
『そんな軽い意味だったの?』(会場爆笑)

みたいな話も出るという空気感。

あぁ、さやかさんが片島さんに話を持ち込まなければこの日のこのライブは実現しなかったわけですね(独り言)。

大希くんに突っ込めるのはライブ中はさやかさんだけなわけですが、さやかさんのツッコミがもう漏れなく隙なく、ツッコミストライクゾーンど真ん中という状態で、客席がどっかんどっかんウケまくる。

大『僕に来る役ってダメな人の役が多くて』
さ『意外ですね。明るいオーラのイメージがあるんですけど』
大『底抜けのバカか、すごく病んでるか、カッコよく決まらない役ばかりなんで』
『芸風が広いっていいですね』(会場爆笑)

…その後、大希くんの反応がパターン化したところに
『違うの見つけて行こうか?』(会場爆笑)

とか、

大『オーディション受けに行くときって媚びてもしょうがないから、自分のままで見てもらおうと思って行くんですけど』
さ『それって「準備不足」ってことですよね』(会場笑)

とか、

大『(前半の曲紹介で1タイトルごとに英語曲名を読み上げる)』
さ『(うなづく)』
大『(不安げに)大丈夫ですよね?何か問題でも?』
『強いて言えば醸し出している空気ですかね』(会場激笑)
大『今すごいパンチ食らった気分です(笑)』

とか。

唯一さやかさんがやらかしちゃったのが

さ『(Tick,tick...BOOMの「Therapy」の曲の説明。男女カップルが長電話で喧嘩する曲。さやかさんスーザンの怒りが絶品だったアレ)こういう長電話みたいなことありますか?…あ、こういうこと聞いちゃいけなかったんだ(あせあせ)』(会場笑)

そして会場中に小銭の落とした音が響き渡る(笑)

大『ほら、スタッフさんも驚いてるし』

…という、さやかさん唯一顔面真っ赤という貴重なシーンもございました。

そういえば大希くんのMCで噴いたのが
大『(MCはこんなですけど)僕たち歌は大丈夫ですよ。
それで今までやってこれましたから』(笑)
でした。

第2部の1曲目は、『BEFORE AFTER』プロデューサーの吉田英美さんがさやかさんに歌ってほしいとリクエストされ、片島さんが訳詞された曲(このライブ、基本的に片島さんが全部訳詞をし直されています)。

大「歌詞覚えるの責任重大ですね」
さ「そうなんです」
大「間違えられませんもんね(楽しそうにw)」
「でも間違っても皆さんわかりませんし」
…土俵際までさやかさんを追い込んだはずの大希くん、まさかのうっちゃりで返された挙句…

次の曲、
大「今度は僕が責任重大ですね」
「さっきそうなること考えないで煽ったよね」←(笑)
という返し技(でもそれ以上追い込まないさやかさんの優しさたるや)。
というオチまで付いていました。

MCで清々しく笑い(笑)、歌では別人のように心地よく歌い上げる2人。
後半のソロはそれぞれ伸び伸びと歌い上げていて。

大希くんのソロ、どれも捨てがたかったけどどれか選ぶならRENTだなぁ。やっぱりやんちゃ心というか、反骨心みたいなものが彼の魅力だと思うし。

さやかさんはなんといってもアイーダソロ「Easy As Life」。
あのパワフルさ、どこまでも伸びる叫び。
どなたかがさやかさんをめぐさん(濱田さん)に喩えていらした方がいらして、この歌い上げを聞くと何かわかるような気がします。ほわほわとした感じを持ちつつも、譲れないものは1ミクロンも譲らないような芯の強さが。

かといってアンコールではまさかのモーツァルトデュエットで、theチャーミングにコンスタンツェなさやかさん。そして大希くんも確かに井上氏を思わせるはじけぶり。

大「気分はイノウエヨシオです」
大「僕にはプリンスロードが見えます」

って仰っていましたが(笑)
そだ、去年共演されたんでしたよね。
凄いチャレンジャーって感動したんですが(爆)

2時間に亘るあっという間のひととき。

場所に比べて椅子を入れすぎた感じがあった(かなり窮屈でした正直)のと、ライブ終演後にはやはりセットリストが欲しいなと(フライヤーにQRコード付けてホームページに飛ぶだけでいいと思うんですけど)いう、ちょっとした希望はあったものの、全体通して満足感たっぷりのライブ。

ふと気になったのはタイトル「ALONE With」の語源。
「1人1人が出会うことで作られる空間」という意味かなと思ったのですが、この日のライブでは触れられず。
このタイトルが、今回のお2人、大希くん・さやかさんのペアのことになるのか、それとも出演者を入れ替えての第2弾になるか、読めないところではあるのですが、今後どうなる(どうする)にしても、定期的にこの2人でのライブは拝見したいです。

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『Friends of Disney Concert』(2)

2016.4.9(Sat.) 19:00~21:20
東京国際フォーラムホールA
1階5列目30番台(センターブロック)

1年2か月ぶり2回目のこのコンサート。
前回は綿引さやかさん、今回は新妻聖子さん出演でのきっかけです。

まずはセットリストから。

○1部
1.想いを伝えて/魔法にかけられて(中川)
2.アンダー・ザ・シー/リトル・マーメイド(入野)
3.君はともだち/トイ・ストーリー(山寺)
4.自慢の息子/アラジン(海宝)
5.When Your Heart Makes a Wish
 /東京ディズニーシー15周年
 ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ(新妻)
6.リフレクション/ムーラン(伊東)
7.I Wanna Be Like You/ジャングル・ブック(クリスハート)
8.ゴー・ザ・ディスタンス/ヘラクレス(城田)
9.スパークル
 /ディズニーマジックキャッスル マイ・ハッピーライフ
  (May.J)
10.サークル・オブ・ライフ/ライオンキング(山寺)
11.美女と野獣
 11-1.朗読(入野)
 11-2.ひとりぼっちの晩餐会(ダイヤモンドユカイ)
 11-3.愛の芽生え(山寺・伊東)
 11-4.美女と野獣(May.J・クリス)

○2部
12.夢はひそかに/シンデレラ(城田・新妻)
13.輝く未来/塔の上のラプンツェル(中川・海宝)
14.チム・チム・チェリー/リー・ポピンズ(山寺・伊東)
15.Supercalifragilisticexpialidocious
 /メリー・ポピンズ(中川・入野)
16.アロハ・エ・コモ・マイ/リロ・スティッチ
 (May.J・Miracle Vell Magic)
17.Can You Feel The Love Tonight
 /ライオンキング(城田・海宝)
18.キス・ザ・ガール/リトル・マーメイド
 (新妻・クリス・伊東)
19.君がいないと/モンスターズ・インク
 (ユカイ・パパイヤ)
20.フレンド・ライク・ミー/アラジン(山寺)
21.ハイ・ホー/白雪姫(全員)
22.ミッキーマウス・マーチで踊ろう!
 /ディズニー・マウササイズ(全員)
23.シュガー・ラッシュ/シュガー・ラッシュ
 (伊東・May.J・中川・新妻)
24.ユール・ビー・イン・マイ・ハート
 (入野・海宝・クリス・城田・ユカイ・山寺)
25.みんなスター!(全員)
 /ハイスクール・ミュージカル

○アンコール
26.It's a small world(全員)

思いもかけず、前方席のほぼ真ん中をいただき、着席してのけぞる私。
なんと1列目どセンターに、BS放送局・D-LIFEのカメラマンとカメラが。
客席ど真ん中で撮影しているのを見るのは初めてでした。もちろん、他にもカメラはありましたが。

客席参加型のM22でとっても踊れてなかったので曝されたらイヤだな(笑)

去年はミッキーとミニーも来ていたし(ミニーとハイタッチしたのは一生の思い出笑)、全体的に大人モードが強い印象。家族連れも結構来てたけど、せっかくのディズニーだと聞かせる曲ばかりでなく、無条件で楽しくなる曲がもう少しあっても良かったんじゃないかなと。

バックに出てくる映画のアニメ映像とのコラボレーションは楽しいんですけどね。

聖子さんは去年のびびちゃん同様に「ディズニーと縁がない枠」での登場なので、1部はシーの15周年テーマ曲を英語で。うん、そのままシーで流せばいいぐらいな完成度で流石すぎます。ただ1部での登場はこの曲だけで「なまら英語がお上手なあの方はどなた」状態になっていたのが残念なところ。1部ラストのベルはやってほしかったなぁ。

2部の城田氏とのシンデレラデュエットは無条件で嵌ってましたね。2人のデュエットは舞台では実現したことがなく、去年10月の岩谷時子先生のアンコールコンサートでキム&クリスでデュエットして以来の抜群の相性を堪能しました。

カラオケ女王揃い踏みな今回、ただ時期は違うので(いったん番組が終わっているので)ご一緒するのは今回が初めてですが、2人のみのデュエットがことごとくないという徹底ぶりに苦笑。

全体を見るとやはり山寺さん流石というか、このホールA全部を動かせるのは今回のメンバーでは山寺さんだけというか。でも曲によってマイクアクションが度肝を抜いたダイヤモンド☆ユカイ氏(マイクスタンドを盛大にぶんぶん振り回していて圧巻でした)とか、やんちゃぶりが全く隠せない「自慢の息子になる(予定)」がはっきり出ている海宝氏とか、おぉっ、と思うところが随所にありました。

結構楽しめましたが、面白いと思うかどうかとなるとちょっと即答に躊躇う、そんな感じの今回でした。

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『birth』

2016.4.3(Sun.) 21:00~22:00
恵比寿ビートニックスタジオ

元宝塚、隼海惺さん主宰のダンスパフォーマンス公演。
去年の『ウレシパモシリ』公演で共演された縁で、岡村さやかさんがご出演ということで、行ってきました。
こちらのスタジオ、川崎悦子先生のダンススタジオなのですね。

てっきり、さやかさんは歌枠での出演かと思っていましたが、前半の1部は歌は一切なく、かなり踊っておられます。黒一色の素敵な衣装でなんと開脚もしたりされていて驚き。後半の2部は隼海さんの心情をさやかさんが歌うということで、今度は歌だけかと思いきや、2部は歌と踊り両方を担当という、結構びっくりするポジションでした。

CHICAGOの「ALL THAT JAZZ」の一員(上手側)でまさかさやかさんが踊るなんて!サプライズ以外の何物でもありません。カッコいい!

ダンサーの皆さんはやはりけっこうタッパのある方々なので、その中に入るとさやかさんはちょっと小さく見えます。ただ、逆に言うと、そうなった結果として、新しく入ってきた新人さんみたいに見えて、必死で先輩の背中に追いつこうとしている感じがとってもキャラ立ちしております。

と思えば、2部になると隼海さんの心情を歌うポジションに変わり、1部では新人だったはずが2部では主演の隼海さんの心の声を担当するという様変わりっぷり。隼海さんは去年の『ウレシパモシリ』でみどり役をされていましたが、その時に唄1をされていたのがさやかさん(唄2は平川めぐみさん)。

その時にも感じ、今回の2部の構成を見て改めて思ったのが、さやかさんの厳しい眼差しも、厳しい言葉も、さやかさんとさやかさんの歌声は、決して相手を見放しはしないということ。

2部は隼海さんが宝塚に入る前あたりから今への、変化を見せるストーリーでしたが、隼海さんの生き様を包み込むような、さやかさんの歌声や存在を拝見していると、「迷ったり悩んだりしたけれども、私には岡村さやかの歌があった」というストーリーで伝わってくるようで、その重層感がとても心地よかったです。

英語詞で歌われていたのは『コーラスライン』の1曲だそうで、拝見していると宝塚出身者の絆を感じたりして。この作品は日本では四季で上演されている作品ではありますが、この日の公演に隼海さん以外にも宝塚出身の方がいらしたこともあり、「皆が苦楽を共にし、1つの作品を作る醍醐味」といったものが見えて、その中にさやかさんが一員として自然に存在されていることが、なんだかとても嬉しかったです。

さやかさんの歌が隼海さんの背中を押しているように見えて、そして隼海さんはじめこの日の共演者みなさんがさやかさんの踊りの背中を押しているようにも見えて。さらに言えば、さやかさんだけでなく皆が背中を押し合っているように見えて。そしてその中央に隼海さんが自然に佇まれていて。

演じている皆さんの心情が伝わる踊りを堪能したひととき、自然に拍手を贈れるひとときが、とても素敵でした。

公演は今日4月4日(月)まで。

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『最高はひとつじゃない2016~SAKURA~』

2016.3.25(Fri.) 18:30~21:20
2016.4. 1(Fri.) 18:30~21:40

東京芸術劇場プレイハウス
3/25:1階O列20番台後半
4/ 1:2階D列20番台前半
いずれもセンターブロック

KREVAさんのラップで彩られる音楽劇、2011年初演・2014年再演を経て今回が3演目。
場所を初演・再演のシアタークリエから東京芸術劇場プレイハウスに移しての3演となります。

とにかくクリエに比べて縦横それぞれ倍に広がった(つまり広さ4倍)の広さがかなり印象が違います。
2階から見下ろすと光の色彩が凄く綺麗です。

この作品、初演は拝見しておらず、再演でびびちゃん(綿引さやかさん)が出演されたことで初見。
ちなみにこの作品での好演がきっかけでびびちゃんは現事務所(KREVAさんも所属されている(有)エレメンツ)に移籍されています。

今回は1部・2部それぞれを3つに分けたオムニバス形式。

3つの物語が1部・2部で展開されますが、1つの物語が1部と2部にまたがっているのが珍しいです。

つまり1つ目の物語「飾らない枯れ木の物語」は前半が1部1場(1部の前半3分の1)、後半が2部1場(2部の前半3分の1)といった形。なので1部だけ見ると説明過小というか、伏線を張っただけで尻切れてしまう印象。正直、1部にもう少し次につながる面があった方がいいような気がしました、というぐらい1部ではほとんど解決しません。1部だけだと、かなりもやもやとした気持ちが残るような気がします。

今回、3つのうち1作目と3作目「実のならない花の物語」はヒロインが増田有華さん。びびちゃんは2作目「咲かないつぼみの物語」のみなので、ちょっと分量的には少なめです。今回はお2方と、びびちゃんの事務所の先輩にあたる小西真奈美さんが出られて、トリプルヒロインという構成ですが、印象的なのは3人のポジションが被ることはないこと。

増田さんは「町娘」、びびちゃんは「村娘」、そして小西さんは全体を睥睨する「母」というポジション。

今回の物語に共通するメッセージとして「みんな、誰かの背中を押している」というものがありますが、増田さんの場合は「叱咤して蹴り飛ばす(爆)」なイメージ、びびちゃんは「必死に堪えて強く押す」、小西さんは「背中にそっと触れる」イメージ。

「妹」「恋人(未満)」「母」という違いとも言えるのかなと。

そういえば、びびちゃん、劇中の某シーンでコメディエンヌ全開のパフォーマンスを披露されています。
親友の若井久美子さんがご覧になった時に激賞(激笑)されていたそうです(笑)。

3作のうち唯一の恋愛パートになる2作目「咲かないつぼみの物語」は、びびちゃんの「叶わない恋愛」のプロフェッショナルぶりをまざまざと感じます。AKLOさん演じる高僧(のちの日蓮という設定)であるお坊さんとの、「通じ合いそうで通じ合わない恋愛未満の感情」の絶妙さがさすがびびちゃん。

今回は有華ちゃんが歌中心、小西さんはある意味、感情を排除したポジションで、心は持ちながらも全体をコントロールする感じ。その点で行くと、びびちゃんは芝居パートの印象が非常に強くて、感情のうねりがぐっと伝わってきます。想いの強さがまっすぐ伝わってきて素敵です。

”村長の娘”としか見られない多恵(びびちゃんの役名です)にとって、”坊主”という見られ方をしたくない、という彼の考え方は「肩書ありきじゃない」という意味で通じ合うものがあった気がします。

あと2幕のびびちゃんパートの歌の「ひかり」は素敵でした。
一言一言、噛みしめる様に歌う様がとても感動的。
6月発売のトリビュートアルバムに入ったらいいなぁ。

この3作を見ていて思うのは、

「つぼみであるからといって、意味がないわけじゃない。
 さくらが咲いたからといって、意味があるわけじゃない。
 そもそも、咲いたさくらはいつかは散るわけだし」

ということ。

びびちゃん&AKLOさんの「中々進まない物語」を俯瞰する”彼”は、かつては他人に全く関心を持たなかった。だけれども、2人を見て「なんとかしてあげたい」と呟くのですが、小西さんはそんな彼に答えます。「何とかしてあげたいの?私たちにできるのはちょっと背中を押してあげるだけ。あとは本人たちの気持ち次第」だと。

”誰が見たって惹かれ合っている2人”だからって、2人以外の人が2人の運命を変えることは、いいことじゃない。2人が納得して出した答えであればこそ、後で振り返った時にそれが意味あることとして浮かび上がる。大事なのは「自分」がどう考え、どう結論を出すかなのだ、というメッセージが印象的でした。

正直、ラップは全部を聞き取れない部分もあるわけで、すべてを理解できていない部分もあるわけなのですが、逆に言うと、すべてを理解できないとしても他人を理解しようとする努力はすべきだし、それでこそ得られるものがあるのかなと。

他人に過剰に介入しすぎることなく、だからといって他人に無関心でいるわけでもなく、ちょうどいい距離感で向き合うにはどうすべきか。「みんな違ってみんないい」、だから「最高はひとつじゃない」。

1人1人それぞれが「自分」をもって、他人の肩をちょっとずつ押し合っていけるなら。

誰かが誰かの支えになって、それが円になってつながるなら、また違った世界が生まれるのかもしれません。

カーテンコールではラスト、舞台上から「最高は?」と声かけて客席から「ひとつじゃない!」と戻すのが恒例になっていますが、4月1日ソワレは有華ちゃん。

そのとき、KREVAさんが有華ちゃんに「今日こっち(の公演)を選んでくれました、10周年おめでとう」と言っていて。あとから知ったのですが、彼女が所属していたグループ、2期生の10周年記念日だったのがこの日。別の場所で記念公演をやっていて。彼女はシングルキャストだから、そもそもその選択肢(向こうに行く)はないのだとしても、でもその心意気は嬉しくて、拍手を贈れたことも嬉しかったです。

東京は4月3日まで、東京芸術劇場プレイハウス(3日は完売)、
大阪は4月8日から10日まで、森ノ宮ピロティホールにて。

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