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『1789~バスティーユの恋人たち~』

2016.4.30(Sun.) 12:00~15:30
帝国劇場 1階W列40番台(上手側)
※トークショー付き

チケットが既に公式では完売のこの作品。
日程の都合もあって、見られるのはおそらくこの1回だけになりそうです。
1回だけ見るならこの回!と選んだ回です。
ロナンは加藤和樹さん、オランプは夢咲ねねさん、マリー・アントワネットは花總まりさん。
終演後は3人登場のアフタートークショー付きです。

始まってもう3週間経って、東京公演もあと2週間ですので、ネタバレありで参ります。
お気になさる方は回れ右でお願いします。




フランス革命の序章、バスティーユ監獄の陥落へのうねりを、王国側と民衆側両方から描く物語。
サブタイトルにもある通り、男性と女性がペア(恋人)になるシーンが多々あり、民衆の中での恋人同士ならば、珍しい光景でもありませんが、物語をドラマチックにする、「立場の違う2人」の関係が、この作品には2組あります。

1組は2006年帝劇で初演された『MA』でも出てくる、王妃マリー・アントワネットと、スウェーデンのフェルゼン伯爵(MAでは「フェルセン」)。運命のうねりに翻弄される2人。

もう1組は農村育ちの若者で主役・ロナンと、王太子の養育係・オランプ。
2人は”最悪の出会い”をきっかけに、しかしながらどちらとなく惹かれ合い、身分を越えて愛し合うようになります。

この日のペアは加藤和樹さんと夢咲ねねさん。評判通りのバランスの良さ。
野性的で暴れ馬的な和樹ロナンと、聡明で利発的で育ちの良さを感じさせる、ねねオランプのバランスが絶妙。

ねねさんは現在は本名の赤根那奈さんに改名済みですが、当作は改名前の契約のため、宝塚当時と同じ芸名にて出演されています。宝塚星組の後期、4作品拝見していますが、今回は娘役としての居住まいをそのまま残しながらも、主張すべきは主張する”できる女”ぶりが素敵です。王太子の養育係であることの説得力をきちんと見せられていて。

オランプは王妃マリー・アントワネットに絶対的な忠誠を尽くします。
花總さん演じるマリー・アントワネットの威厳とのバランスもぴったり。
で、普通は忠誠を尽くすタイプの役は、往々にして実力的に今一つというのがよくある話でして、例えばこの作品でも「秘密警察3人組」はコメディパートを担っているからということを差し引いても、「あのおまわりはいつでもドジ」(作品違いますが年代は同じ)と言われかねないことになっています(笑)。

が、ねねオランプだと、主に忠誠を誓う上に、主のためならどんなことでもするんですね。
主を守るためなら、王の弟の強制ですら、柳に風と受け流す。
どうみても外堀は埋まっているのに、それでも主を守ることから逃げはしない、その凛々しさは輝いていました。
(あらゆる手段を駆使して抜け道を探し出すのが凄い)

王の弟アルトワは吉野圭吾氏が演じられていましたが、氏の言葉責め(爆)にがけっぷちまで追い詰められながらも、絶対に諦めはしない様は、『ルドルフ・ザ・ラスト・キス』初演で、岡幸二郎氏(ターフェ首相)が笹本玲奈嬢(マリー・ヴェッツェラ嬢)を追い詰めまくった様と匹敵するほどに、痺れまくる凄まじい対決でした。

マリー・アントワネットにはもう一人の相談相手として飯野めぐみさん演じるポリニャック夫人もいらして、この作品で多くは語られていませんが、恐らくは精神的な支えでもあったのだと思いますが、見ていると、「結局は『貴族』という立場からは出られなかった」ように見えて。

マリー・アントワネットは最後にポリニャック夫人、オランプの順に別れを告げますが、オランプについては「オランプのために暇を取らせた」とはいえ、断腸の思いだったことが伝わってきました。

「愛がなくては生きていけないものよ、気持ちに正直に」とオランプに告げたマリー・アントワネットにとって、ルイ16世との夫婦関係は「愛」というものはかけ離れたものであったはずで、とても皮肉に映ります。

かと思えば1幕で「思い合っていても結ばれるわけではない」と言っているマリー・アントワネットは、「思い合っていなくても結ばれることもある」わけで。
1幕ではその立場に渋々従っていたように見え、2幕ではその立場に責任を持ったように思え、1幕と2幕での花總さんの変化は圧巻でした。

この作品では女性の強さがそれぞれ違った面で見せられているのが印象的です。

花總さん演じるマリー・アントワネットは自らの愛よりも、自らの責任に生き。
ねねさん演じるオランプは自らの立場よりも、自らの愛に生き、大事な人の思いとともに生き。
ソニンさん演じるソレーヌは自らの思いよりも、皆の思いとともに生き。
いいめぐさん演じるポリニャック夫人は自らの思いよりも、貴族という自らの立場とともに生き。

それぞれ誰だけが正しいというわけでなくて、「1788年~1789年」という大きなうねりの中で、それぞれがどう生きようとしたかを選択した結果が伝わってくる、そんな女性たちの生きざまは皆さんそれぞれとても輝いて見えました。

男性陣は、革命側と王室側というポジションによって違いはあって、革命側はABCカフェ別室みたいな空気感で、アンジョルラス4人がタッグを組むエネルギーは凄いものがあります。違うのはそれこそ皆さん「恋人」がいることぐらいかと(爆)。4人のうちのお1人、上原理生氏はアンジョルラスが舞台デビューですが、それもあってお相手役がいらっしゃるのは今回がお初だったりするそうです(今回のお相手はソニンちゃん)。

王室側では鞭使いの達人、都内某所では深夜に鞭使いの自主練の鞭の音が響いているそうなペイロール伯爵な岡様とか、王様を意のままに従わせたいのに今一上手くいかず、秘密警察はあまり頼りにならず、(氏曰くの)小賢しい娘1人に翻弄される様が客観的に見て「あまりに嵌っている」アルトワな吉野様とか、客席弄りの達人で、別称「オランプ親衛隊」のトップのラマールなサカケンさまとか、皆さま実に味わい深いです。

ラストシーン、革命側も王室側も分け隔てなく一人一人が人権宣言を読み上げるさま、それは立場を乗り越えた「1人1人の血の通った言葉」に聞こえて。
その中でも「2人分の想い」をして、ねねオランプから発せられる「自由は『他人を害しない限り』認められる」ことは、ねねさんのその居住まい、凛々しさと重なってとても重く響きました。

ロナンは農村で国王の名のもとに父を殺され、その憎しみとともにパリに出てきた。妹のソレーヌもそれと同じ、またパリに来てからはロナン以上に辛い経験をして憎しみは増幅していった。
そしてオランプとロナンの関係は、最後はある意味それの繰り返しにもなりかねなくて。

でも憎しみを憎しみで受け継ぐことでは何も生まれない。それでは自分がロナンと出会った意味がない。
そうと思わせるかのような、憎しみを必死で断ち切ろうとする強さが、ねねオランプからは伝わってきて。
未来へ受け継ぐのは前向きな気持ちであってこそ、そんな思いが伝わるエンディングでした。

....

カテコ。最後の回、普段はオランプ・ロナン・アンロワネット3人で仲良く捌けていくそうなのですが、この回、和樹氏が手を伸ばすと、既にねねちゃんがスタスタと歩いて行ってる(笑)。

そして片方の手は花總さんと握っている状態で、ねねちゃんが気づいて振り向くと、(ねねちゃんからは)「(自分抜きで)和樹氏と花總さんが手を握っている」ように見えて、ねねちゃん「びえーん」と泣きまね(笑)。

そしたら花總さん、「ねねちゃん待ってー」とあのドレスで駆けて行き、ねねちゃんに追いつく。

最後、一人残された和樹氏は脱力したかのようにうなだれておられました(笑)。お疲れさまです(笑)。

....

この日はトークショー。

MCを担当するのは通称「オランプ親衛隊」からサカケンさん欠席での、岡田さん・加藤さん。

いずれ動画で出ると思いますので、触りの部分を。

MC「ねねさんはWキャスト初めてだそうですけど」
ねね「そうなんです。Wキャストのもう1人がさーや、
   神田沙也加さんなので、
   『Wキャストの心得』を1から10まで
   教えてもらいました

MC「どんな内容だったんですか」
ねね「『Wキャストは何ぞや』から
MC「そこからですか(笑)」
ねね「他(の内容)は内緒です(笑)」

MC「和樹さん、歌や踊りやダンス、
   この作品では色々やっておられますが」
和樹「踊りとダンスは同じですね(笑)」
MC&客席「(笑)」

MC「(ねねさんへ)好きな食べ物はあります?」
ねね「え・・・あったかなぁ?・・・(和樹さんの方を見て)
   ありましたっけ?
和樹「あなたが聞かれているんですけど(笑)」
ねね「あ。肉は好きです。朝からがっつり焼いて食べます」

MC「(花總さんへ)作品中のゴンドラ、あれどうですか」
花總「高いところ苦手じゃなかったはずなんですけど、
   あれは怖いです。
   横から上がっていくんですけど、上に上がってから、
   ちょっと前に揺れるタイミングがあって、
   そこが一番怖いです。
   だから光が当たるまで目を閉じてます(笑)」

MC「ルーティンで決めていることあります?」
花總「開演前で時間で決めてます。先にメイクしてから
   ゆっくりします。
   以前は逆だったんですけど、後にメイクだと呼ばれた
   時にばたばたしちゃうので、逆にしました」
ねね「できなかった時に焦ってしまうので、
   自分は決めないタイプです。
   自由に生きてます
MC「だそうです。
   ねねさん、自由に生きてるそうです(笑)」

和樹「開演前に舞台上から客席見ます(みんなびっくり)
   客席の空気を感じたくて、『(レディ・)ベス』のとき
   からやってます」
花總「知らなかった~」
MC「お客さんから見えません?」
和樹「幕が下りてるので意外に見えないんですよ」
MC「みんな明日から注目しますね(笑)」

....そんな感じで、主にねねちゃんのふわふわ天然ぶり、和樹氏のツッコミ属性発動(少な目)、花さんの意外なアクティブMCといった感じのトークショーでした。

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