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2016年2月

『BEFORE AFTER』(4)

2016.2.28(Sun.) 13:00~14:20 4列目下手側
2016.2.28(Sun.) 17:00~18:40 1列目上手側
スターパインズカフェ(吉祥寺)

3か月ぶりのBA、会場は前回(12月)公演の日暮里d-倉庫から再び、去年8月公演の当所に場所を戻しての再演です。

今回は2組体制で、この日のマチネは月組。ベンは寺元健一郎さん、エイミーは田宮華苗さん。
ソワレは星組で、ベンは上野聖太さん、エイミーはRiRiKAさん。

「BEFORE AFTER」3期目となる田宮さん(BAの「レジェンド」のお1人。もう1人は同じく3期演じた染谷洸太さん。初演・再演が田宮さんと染谷さんのペア)以外は全て新顔という、意欲的な配役です。12月公演はペア毎に少なくとも片方は経験者だったんですけどね。

個人的には初BAが前回の当所、ベンが内藤大希さん、エイミーが岡村さやかさんだったため、レジェンド田宮さんは初めて。結果、個人的には全てのキャストがBAでは初、という新鮮な組み合わせになりました。

月組の寺元ベンは、歴代ベンに比べても飛び抜けて「チャラく見えないベン」で、実にしっかり者。ベン役といえば、役者さんはともかく役としては「チャラい」が先にくるので(爆)、真面目過ぎるのではと思うぐらい。逆に田宮エイミーは、エイミーの役どころで言うところの堅物さは薄いというか、「自分で自分を縛っている」という面は薄いかも。

田宮エイミーのコメディパートはそこかしこに、綿引さやかさん(びびちゃん)のエイミーを感じたのですが、これは時系列的には逆で、びびエイミーが元々たみーの方向性に沿った形だったのでしょうね。個人的にはこの順序(びびちゃん→たみー)で見られてしっくりきました。

年齢の関係もあって田宮エイミーと寺元ベンだと、学校の教師と教え子みたいな空気に見えることが多くて(「BEFORE」の時のジャケットを着ると特にそんな感じ)。そう思って振り返ってみると、びびエイミーと染谷ベンが教育実習生と教え子みたいに感じます(←年齢は逆転しています…爆)。

寺元君の凄いなと思ったのが、後半のとあるシーンで歌詞を噛んでしまったところの対応。
何しろ凄い台詞量、凄い歌詞量ですので、こうなるとガタガタになりかけるのがベンなのですが、「感情が入りすぎてつっかえた」みたいに自分で1クッション入れてから再開したんですね。

『BEFORE AFTER』は2人芝居なので、相手に頼ろうとすれば頼れるのですが、そこを頼らないで戻そうという心意気が素敵でした。そんなベンを信じて立ち上がるのを待つ田宮エイミーの姉御肌さが素敵なバランスでした。

ともすれば、恋愛しなくても自立できそうな田宮エイミーではあるわけですが(そういえば岡村さやかさんのエイミーもそんな感じでしたね)、ベンの素直さに対する憧憬は強く感じました。自分が今のままじゃいけないと分かってはいるのに、自分からは動けない感じ。
「頭の中では分かっているエイミー、心の中では分かっているベン」という対比に感じて印象的でした。

この物語はエイミーとベンが、自分たちが漠然として感じていた「自分に足りないもの」を見つけ出して、それそのものを持っている相手だからこそ、エイミーにとってはベン、ベンにとってはエイミーが、「他の誰かではなく、その相手こそが大事」であることを認識していく、そういう面を持っていて。

田宮エイミーは自分の限界も相手の限界も分かって、その上で優しくベンを導く様が印象的。
予想といい意味で違ったのが、シリアスシーンの締まりの凄さ。
田宮さんはどうしてもコメディエンヌのイメージが強いですが、シリアスでの空気の締まり方がさすがでした。「昭和の女」というか、昼ドラチックなところを感じないわけではありませんでしたが(笑)。
ちなみにびびちゃんは朝ドラ、RiRiKAちゃんは二時間ドラマ(爆)。

マチネカーテンコールでは、『Before After』CDクラウドファウンディングのご説明。
説明用のチラシを読む田宮さん。そのチラシの真ん中が破れていることを指摘する寺元くん。
「先ほど破いちゃいまして…って、そこはツッコまなくていいのっ!」と反応する田宮さん。
寺元くんが一本取ったかと思いきや、バンドを紹介しないで「本日は…」と締めそうになって、田宮さんに突っ込まれる寺元くん。

両者、痛み分け(引き分け)です(爆)。

ソワレは上野ベンとRiRiKAエイミー。
事前に、「今までのどのペアとも違う空気」と聞いていましたがまさにその通り。
前半は慣らし運転みたいな感じでしたが、後半から一気に物語が動き出す。
どのペアも素敵と思えるのが『BEFORE AFTER』の良さですが、このペアの相性は奇跡的です。

とにかく、RiRiKAちゃんの怒りモードの嵌り方と来たら凄すぎて(笑)。
RiRiKAエイミーを一言で表現すると「ブチ切れエイミー」ってなるぐらい(爆)。
上野ベンへの責め立て方がこれでもかってぐらいにS気全開。
最初の丘のシーンからして、めちゃくちゃガン付けモードで、間違いなくBA史上一番怖いエイミーです(笑)。
「あん?」とか普通にヤンキー入ってる(爆)。

その上、テンポも抜群で。

木の下でベンに迫られた時の
「いっぺん・・・・死ねっ!!!!!」
を言うときに「・・・・」でめちゃくちゃ溜めて、
RiRiKAエイミーから波動砲が飛び出すかのような破壊力で会場中大爆笑。

いやぁ、『BEFORE AFTER』実用新案に認定ですよ、あれ(笑)

※元々は岡村さやかさんが発明した「いっぺん、死ね」ですが、
さやかさんはそのそっけなさが面白く、
RiRiKAちゃんはその破壊力が面白いです(笑)

ベンの先導でエイミーがくるっと回るはずのところも、エイミーが気乗りがしないと見て取るや、「はいはい、私が回りますよ」と言いながら”自分で”回った上野ベンの機転も絶妙すぎて、こちらも爆笑が舞い起こる。

明らかにソワレは2人の組み合わせでの”笑いの神”が舞い降りていました(爆)。

ただ、笑いも多ければ、感情のぶつけ合いもそれはそれは凄かったのがこのペア。
優しい人ほど、相手のことを思い厳しい言い方になるのかもしれない、というほどにRiRiKAエイミーの攻撃は凄かったです。

だからこそ強く感じたのは、エイミーのこの言葉の重さ。

「守るべきものもないのよね。絆も、家族も。だからいつも自分から逃げていた」

エイミーが放ったこの言葉は、思い返せば”持つ者”からの視線。

この時の上野ベンの表情は何とも言えない苦悩に満ちていて、胸を突かれました。

孤児である彼は、「守るべきもの」を知らずに育った。
自分で好き好んで「守るべきもの」を持たなかったわけじゃない。
それなのに、人生で初めて思った「自分で守るべきもの」だったであろう彼女に、そう言われた時の絶望はいかばかりだったか。

「自分はこれまで生きてきて、守るべきものを持てなかった、だけど初めて『君を守りたい』と思った」

という言葉はその時のエイミーには伝わろうはずもなかった。
だから、ベンは「もういい」と背を向け、酒に溺れた。

上野ベンは、今までのベン以上に、”弱さ”・”脆さ”を感じました。

エイミーがベンの何を傷つけて、エイミーが何ゆえに自分を責め続けているのかが、キャストごとに変わるのがこの『Before After』の面白さ。

それは、演じる役者さんの価値観が反映しているからに思えます。あえて完全な正解を提示せずに、キャストごとが感じる、「過去の自分に対してどういう後悔をするか」を表現させることをもって物語を作っている、それ故に、見る毎に変化を感じるように思います。

併せて、見る側にもそれは同じように思えて。”大人のミュージカル”というか、考える余白が適度にある作品こそがいい作品だと思うので、このBAはその要素をかなりの点において満たしている作品に思えます。

RiRiKAちゃんのエイミーに関して言えば、「怒り」の理由は、自分を変えられない自分への憤り・焦りが、ベンへの感情攻撃につながっているのかなと。

上野くんのベンはそんなRiRiKAちゃんエイミーが立ち直るのを待っている、とても辛抱強いベンに感じました。
かつてないほど強いエイミーだったので、ベンの包容力を感じて、今までと違ったペアに思えました。

今まではベンの脆さにたいするエイミーの包容力、というのが基本線でしたから。

次回公演は7月23日(土)、24日(日)。場所は同じくスターパインズカフェ(吉祥寺)。

このスペースはやっぱりBAにぴったり。音響もいいですし。日暮里d-倉庫だとこの作品にとってはちょっと横に広すぎて、空間を埋め切れないところがあるので。

役者の息遣いに寄り添い、役者の溜めに演奏が寄り添うだけに、何と20分も延びたソワレに驚き。
たしかに特に上野さんはかなり溜めて入っていたように思いましたが。

一度聞いたら何度も聞きたくなるこの作品、先述しましたが、CDのクラウドファンディングプロジェクトが3月末まで行われています→こちら

クラウドファンディングの説明を月組も星組もどちらも省略されていましたが(笑)、要は個人出資ですね。プロジェクト成立金額(今回の成立金額は140万円)に達しなければプロジェクト不成立になります(カード決済の場合、与信は申込時ですが、決済はプロジェクト成立確定後です)。

参加キャストは未発表です(スケジュールの都合で参加できない可能性のあるキャストもいるそうで調整中だそうです)が、ぜひBAの世界がCDになる夢、実現できますよう、願い、応援しています。

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『tick...tick...BOOM!』

2016.2.13(Sat.) 18:00~20:00
シアター風姿花伝 C列1桁番台(上手寄り)

『RENT』のジョナサン・ラーソンの自伝的な作品、AKA Company第1弾公演としての上演です。
この作品は過去、ジョナサン役を山本耕史さんが出演・演出されていて作品名は知っていましたが、今回が初見です。

ダブルキャストでの上演でこの日のマチネがTeamLの初日、この回がTeamJの初日です。
「J」が「ジョナサン」で「L」が「ラーソン」ですね。

主人公のジョナサンは30歳を目前にして、まだ何も結果を残せていない自分に焦る。自分に常に聞こえているのは「tick...tick...」と鳴り続ける時計の様な音。

親友のマイケルは仕事に就き成功し順風満帆。ダンサーで恋人のスーザンはジョナサンの「夢を追う」姿に疲れ、現実的な将来としてNYから田舎に移り、新しい生活をしたいと思っている。

そんなストーリーで、TeamJはジョナサンを神田恭兵さん、マイケルをtekkanさん、スーザンを岡村さやかさんが演じています。

とはいうものの、1人1役なのは実はジョナサン役、つまり神田さんだけ。ジョナサンの人生をたどるわけですから当たり前ですが、tekkanさんは2役(マイケルと、ジョナサンの父親役)以上。その上、スーザンに至ってはメイン役としてスーザン以外に、ジョナサンが作った作品に出演する女優役(カレッサ)を含めて、恐らくは全7役を演じています。

ストーリーテラー兼主演というジョナサン役は、35歳で亡くなっていますが、夢を追い続けて生きているうちは評価されなかったところに、どことなくモーツァルト的なものを感じます(モーツァルトも35歳で亡くなっています)。
神田恭兵さんは『ミス・サイゴン』のトゥイ役ほかで拝見していますが、ここまで出ずっぱりの役を拝見するのは初めて。熱量熱く突っ走る姿は、やはり物凄いエネルギーが必要なようで、さすがに一本調子になってしまうシーンもありましたが、全体としてジョナサンの若さゆえの焦りにも見えて、自分の才能に自信を持ちきれない様に説得力がありました。自信家でありすぎない様がちょうどよかった気がします。

相手役にあたるマイケルにはtekkanさん。「30歳を目前にして焦る」というテーマはTipTapの『Count Down My Life(CDML)』とも被る部分があって、CDML初演で焦っていた(脚本家の)役を演じたのはtekkanさんだったので、「才能ある人間が、上手くいかず焦る」ことを見守ることへの無限の説得力を感じました。
作品後半、まさかまさかのカミングアウトを2つほどしていますが、作品のストーリー的に、「そのカミングアウト要るのかなぁ?」と正直思ってしまいました。メインのテーマにしたくなかったようにも感じました。「RENT」色が強すぎるからかなぁ。

恋人役のスーザンはダンサーの割に踊るシーンはほぼありませんでしたが(爆)、彼(ジョナサン)が自分の道を進むことに「付いていけない」という面がありつつも、「彼の道には自分はいちゃいけない」と能動的に身を引いたように見えたりしました。

スーザン以外にも、コミカルからやり手まで、両極端な役をおそらく全部で7役(スーザン役含め)演じられていますが、舞台の下手側から裏手に入って、すぐさま上手側から別の役で出てくるといった曲芸的な早替えを複数回演じられています。一番ツボなのはマイケルの会社に呼ばれてミーティングに参加する時のマネージャー格(キャリアウーマン)かな。自分の思い通りに動かないとそのメンバーを遠ざけるタイプ、おるおる(笑)。

印象的だったのはジョナサンが5年かけて作った作品の女優役・カレッサが歌い上げるM11「Come To Your Senses」。暗闇に響く、ジョナサンの心の叫び(ある意味、ジョナサンの心への叫びでもある)をカレッサが大切に歌い上げる。そしてそのカレッサはスーザン役の女優さんでもあるわけで。

スーザンはジョナサンのために身を引いたのかもしれない。
でも、スーザンはもう一人の自分・カレッサとして、ジョナサンの描きたい世界の、かけがえのない代弁者にもなった。

そのことをまざまざと感じさせられる岡村さやかさんの歌。
技術というハードに、気持ちというハートが裏付けられているからこそ、伝わるものがあるのだと思います。同じ女優さんがこの2役をやることの意味を感じました。

ジョナサンの生涯をたどりながら、どことなく伝えるメッセージの弱さに少し戸惑いますが、迷いし若者に対して夢を説く、夢を持つことの大切さと、夢を持ち続けることの大切さを感じさせる素敵な作品でした。

公演は16日(火)まで。

公演案内では最寄り駅は下落合駅(西武新宿線。高田馬場の次の駅)となっていることも多いですが、坂がかなり急なため椎名町駅(西武池袋線。池袋の次の駅)の方がお勧めです。なお、どちらの駅も各駅停車しか停まりませんのでご注意ください。

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『アイ・ハヴ・ア・ドリーム』(2)

2016.2.11(Thu.) 18:15~21:00
光が丘・IMAホール A列10番台(センターブロック)

ミュージカル座さんの主要作品の1つ。1年ぶりの再演を見てきました。

舞台は1955年(昭和30年)のアラバマ州モントゴメリー。
白人から黒人への抑圧が日常的に行われる中、黒人が自ら白人とわけ隔てない権利を勝ち取るために立ち上がる物語。
2015年に拝見したときに、舞台から発せられる熱量に圧倒された記憶が蘇ります。

2015年と比べると、女性キャストでは以下の様な変化が。
この日は星組での観劇です。

ジャネット
 吉沢梨絵さん⇒RiRiKAさん

フィリス
 河野由佳さん、大胡愛恵さん
  ⇒ダンドイ舞莉花さん(星)、中村萌子さん(月)

リン
 中村百花さん、佐々木由布さん
  ⇒大胡愛恵さん

吉沢さんは今年は舞台に出られないとご本人が仰っていたので、どなたが継ぐかと思ったらなんとRiRiKAさん。宝塚出身のRiRiKAさん(花組娘役)ですが、トップ経験はないので、宝塚時代を含め、主演に配役されたのは人生初だそうです。

この作品はいろいろな意味でジャネットがどう立つかで物語の色が変わってきますが、RiRiKAさんのジャネットはとにかくパワフル。皆の熱量を自分の中にいったん溜めこみ、エネルギーとして発する様が「その役割がジャネットじゃなきゃならない」様に見えて圧倒されます。前任の吉沢さんのときは理性的な面を感じましたが、RiRiKAさんの時は心情的な面をより感じました。
実際、お2人の年齢は10近く違うので、物語的に「若返った」と感じさせられました。

そう感じたのはジャネットとフィリスの関係ゆえもあります。河野さんのフィリスの理性的な面が吉沢さんのジャネットとベストフィットで大好きだったのですが、今回のRiRiKAさんジャネットとダンドイさんフィリスは、なぜだかしっくりきませんでした。去年のscoreさんの『若草物語』で長女RiRiKAさん、次女ダンドイさんで組んでいますし、事務所も一緒(東宝芸能)なので合うはずなんですけどね。ちょっとそこは意外でした。
前回で言うと吉沢さんのジャネットと大胡さんのフィリスが組んだ時が今回受けた印象に似ています。

前回フィリスを演じていた大胡愛恵さんが今回はリン。正直、前回のフィリスは大胡さんだとしっくりこなかったのですが、今回のリンは激はまり役。前回のリンの中村百花さん、佐々木由布さんも素晴らしかったですが、今回の大胡さんリンはそれに輪をかけて素晴らしいです。踊りでもリーダー的な存在感を出しているし、スパイクの恋人・補佐的な姉御肌も十分。適材適所ってあるんだなぁと実感します。

去年見たときに、物語として初見だったためにいろいろと感じることがあって、今さらながらに去年の記事(こちら)を見ると、ずいぶんと理詰めで書いているなぁと思います(まぁこのblogは理詰めに走ることが多い自覚はありますが)。

ただ、今年見て思ったのは、理屈以前の熱量が確実に上がっていて、キャストが若返ったことによる理屈抜きの「凄さ」が上がっていて、何度も鳥肌が立ちました。

要因として一番大きいのは、やはりジャネット役のRiRiKAさんが思った以上に受け上手だったことがあるのかなと。宝塚娘役出身者がミュージカル座さんのヒロインを務めることは多くて、去年までは彩乃かなみさんが演じることが多かったですが、RiRiKAさんも同じ宝塚娘役出身。男役の演技を受けることを自然にされてきているから、聞き役としての立ち位置がお上手。

最近では「カラオケ★バトル」でも悲願の優勝を勝ち取り(ちなみにこの日の公演は「カラオケ★バトル3姉妹」のお2人、城南海さんと翠千賀さんが観劇されていました)歌の技術的な評価がされるようになった彼女ですが、今回の作品では、かなり作品に溶け込もうとする歌い方をされていて、「ジャネットとして立つ」ことに一定の成功を収めていたように思いました。受け身のシーンだけでなく、攻めのシーンでも崩れずパワーを出せていたのがとても良かったです。

ジャネットがハートで動くことで、皆のハートに直接言葉が通じていく。リンを通してキッズへ、フィリスを通してトムへ。キング牧師の言葉を、読み書きできないジャネットが、だからこそ誰よりもハートで伝えようとして、それが最終的に伝わり、皆の生きる意味を切り拓いていった。そのさまが滑らかで、そして感動的で。

期待した以上にジャネットが物語の中心にい続けられたことで、最後へつながるメッセージが圧をもって伝わってきて。
この作品で、「理屈よりも思い」のエネルギーを感じさせてもらえたことはとても嬉しかったです。

ミュージカル座さんの得意とする、群衆劇としてのエネルギーを上手く活かした、素敵なカンパニーでした。
公演は14日まで、一部ダブルキャストでの公演です。

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『若井久美子トーク&ライブ』

2016.2.11(Thu.) 12:35~14:45
汐留BLUE MOOD

セットリストです。

1.もしもハートをとられたら/ミー&マイ・ガール
2.Amazing Glace
3.思いを伝えて/魔法にかけられて
4.プリュメ街/レ・ミゼラブル
5.透明なココロ/若井久美子(オリジナル)
6.いつの間にか僕らは/森のカフェ
7.新しい生活/ジキル&ハイド

[アンコール]
8.stand alone/坂の上の雲

ご本人がパーソナリティを務める大阪のコミュニティFM曲・YES FM「若井久美子のOh!my Dreamin」の時間延長(3月からこれまでの15分が30分に変更)記念も兼ねた公開録音付きのトーク&ライブ。

今日は祝日なのでビルは開いておらず、ビル外側の出入口から出入りします。それとは無関係にビル前の新大橋通りの入り口が変更になっており、従来の築地市場駅側から新橋駅側に変わっていました。

コラボメニューは「森」をテーマにしていて、フードが「森のクリームパスタ(アボガドと海老のパスタ)」、ドリンクが「森の妖精(ミント×ライム×トロワリピエール×ソニック)」。飲み物に至っては「気持ち悪いもの飲んでんじゃないわよ」と言われないかと心配しましたが(笑)。

ちなみに、スタートのMCで「そちらのコラボドリンク、アルコールですかノンアルコールですか?」と立花さん&若井さんから聞かれたのですが、てっきり後ろの方を指して言っているんだと思って反応できませんで(笑)、ちなみに夜観劇があるのでノンアルコール、と後で若井さんにお伝えしました(爆)。

衣装は既にupされておりますが深紅のドレス。
ちなみにネットで買ったんだそうで、「サイズ全部チェックして間違いがないようにしてからオーダー」だそうで、凄いなぁ。(ライブの衣装をネットで買う女優さんは結構おられますね)

今回はYES FMの公開録音(29分)が含まれているので、いつもはたっぷりな略歴掘り下げトークは短め。
とはいえ、結構な新情報もあり。小学3年から児童劇団に所属していて実は先輩が原田優一氏。原田氏は知っていたそうで、共演してから若井さんが言ったら「知ってるよ」と。「言ってよー」って若井さん言ってました(笑)

東京音大附属高校から東京音大、クラシックやオペラに行くと思っていた自分を変えたのは、東京音大に後輩で入ってきた山崎育三郎氏。在学中に『レ・ミゼラブル』のマリウス役に決まったことで中退することになった氏。その氏のデビューの年に見に行った『レ・ミゼラブル』を若井さんがご覧になって感動。

「ミュージカルに出たい」じゃなくて「この作品に出たい」と思って大学卒業後に東宝ミュージカルアカデミーに入り(アドバンスコース含め2年)ミュージカルの道を歩みだしたと。

彼女はちなみにTMAでは4期。同期には青山郁代さん、藤倉梓さん、守屋由貴さん、平川めぐみさんといった顔ぶれ。若井さん曰く「『前へ前へ出る4期。』「やる人?」とか声がかかるとすぐ手が上がるから、人見知りとか言ってられなかった(笑)」という話に、顔ぶれ見て(爆)なるほどと納得。

卒業後、最初に外部舞台が決まった青山郁代さん(『ZORRO THE MUSICAL』)のときはみんな自分のことのように号泣したのも「仲間っていいな」と思ったとのこと。もちろんご自身がレミのコゼットに決まった時も同じだったそうで、「ライバルじゃないわけじゃないけど、特別な絆」と仰っていました。2013レミが事実上の舞台デビューだったので、稽古場での居住まいが分からない中でも青山郁代さんが同じコゼットでいてくれたことは心強かったと仰っていました。

レミの後は『この森で天使はバスを降りた』のパーシー役。あまりのコゼットとの違いでみんなに呆然とされつつ(『なにしろ前科者ですからね』と本人談)、あぁいうとんがった人と思われないか不安で(笑)

それにもまして強烈だったのは今も地方公開中の『森のカフェ』。実は監督と会った段階では「女子学生と哲学者」という設定しか決まっていなかったとのこと。それなのに監督と話している間に「若井さんにあてがきします。アイデア出ました」と言われて、台本貰ってみたらああいう女子学生。どんなあてがきですかって本人苦笑してました(笑)。

若井さんは基本的に小学3年までの人見知り属性を引きずっているらしくて口数がそれほど多くなく、MCの立花さんが饒舌なので時間が伸びなくて良いですが(笑)、この日笑ったのが年齢話。若井さんは去年31歳となったとのことで「30代にはなりたくて、先輩が皆さん素敵な生き方をされていて」という趣旨の話をされていました。

が。

この日ピアノを弾いていたのは、去年のレミ(大阪公演)から指揮者デビューした森亮平さん(ちなみに海宝直人さんと同じ事務所ですね)。

立花さん「森さん若いんですよね」
森さん「いえいえ若くないですよ」
立花さん「でも26歳ですよね」
若井さん「今、森さん『若井久美子を』敵に回しましたよ(会場内爆笑)」

…がとてつもなく上手なカウンターパンチでした。

全体的に緊張感満載のトーク進行でしたが、若井さんの地を出せるゲストを連れて来たらもっと面白いことになりそうな気がしました。郁代ちゃんとか、びびちゃんとか。(さすがに玲奈ちゃんと昆ちゃんはここでやるのは無理かと思うので)
※ちなみに後者3人がこの日、立花さんから出てきた「若井さんを友人と言った人」のお名前です)

「30代になったら」ということで若井さんがおっしゃられていたのが、とにかく周囲に『感謝』するように意識するようになったと。20代は周囲が見えていなくて突っ走っていたけど、30代になるととにかく今こうやっていられていること、好きなことをやれていることに『感謝』の気持ちが強くなるようになった、ということを仰っていました。

若井さんのライブを拝見するのは実は初めてで、MCを含めて初めて拝見したわけなんですが、なるほど女優さんをみんな友達にしてしまう(爆)ほんわかさは印象的で、確かに『前へ前へ』を表面上出さないのは逆に彼女の個性で、癒し系なんだろうなと。

年パス持って1人でディズニー行っちゃうような女なんです。好きなアトラクションは特にないです」と言ってるキャラは意外に個性的なんじゃないかと(笑)。

「レミゼ」をやりたくてこの業界に入ったという若井さん。それ以外の役でどういった表情を見せてもらえるかは、まだこれからなのだろうなと。
安定感のある歌が印象的。ソプラノなのに角が鋭くない、敷居を高く聞かせない歌声は貴重で、演技の面白さを感じられるようになったときに、面白い女優さんになられそうな気がしました。

なお、この日M5で披露された曲は4曲入りのCDに収録されて夏発売予定だそうです。
YES-FMの公開放送は、3月放送予定とのこと。
アットホームな、暖かいライブで素敵でした。

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『Marry Me A Little』

2016.2.5(Fri.) 20:00~21:30 B-1 B列下手側
2016.2.6(Sat.) 20:00~21:30 A-2 A列中央
2016.2.7(Sun.) 20:00~21:30 A-1 C列中央
早稲田小劇場どらま館

TipTap10周年記念「Creator's Lab Tokyo」企画。
同じ作品を2人の演出家が演出したら、どう変わるのかの実験企画。
Aチームは藤倉梓さん、Bチームは上田一豪さん。
それぞれ1stと2ndキャストということでつまりキャストが8人。

ソンドハイムの楽曲の、「本番落ち」(諸々の理由で本公演で使われなかった)曲を寄せ集め、「男と女」というト書き以外に前提がなく、あとは演出家に委ねられたこの公演。

アフタートークで何度も話が出てきたのですが、何しろ元々「物語がない」ので、どう作るかは演出家(藤倉さんと上田さん)次第。それもあってか、正直、1回、しかもA・Bの片方を見ただけでは何を言いたいのかが正直分からないところがあります。歌は上手い方ばかりですし、耳福ではあるけれども。

Bの後でA(A-2)を見て、あまりの違いに絶句したわけですが、まず最大の違いは、Bは物語があるけど、Aは物語がない、これはアフタートークでもいの一に触れられていた点。Bの上田さん曰く「物語がないので何とかして物語を作ろうとした」、Aの藤倉さん曰く「物語がないので物語を作るのを諦めてソングサイクル形式(1曲で1ストーリとして、そのシーンを組み合わせる作品)にしようとした」。

今回のAとBの最大の違いは、演出家が女性と男性だったところにあるような気がします。

男性というのは良くも悪くも「枠組みがあることで初めて安心できる」ところがあるので、「物語がないと落ち着かない」という面がある気がします。
それに対して女性は「枠組みがなくても軸があれば安心できる」ところがあるような気がして(女性であったことはないので想像ですが)、「結果としてまとまればそれでいい」ように作られているような気がしました。

言い換えると、男性は前提重視、女性はプロセス重視というか。

それは作品に出てくる女性と男性の関係(ちなみに見ず知らずの関係です)の関係にも反映している気がして、Bの女性(B-1の木村花代さん)と男性(B-1の上野聖太さん)との関係は、どことなく急で、前触れも何もなく時を共有したように感じました。

それに比べ、Aの女性(A-1は清水彩花さん、A-2は青山郁代さん)と男性(B-1は西川大貴さん、B-2は照井裕隆さん)との関係は段階を踏んで近づいて時を共有したように見えて。
女性が男性からの攻撃(男性は攻撃しているわけでも、女性が攻撃されているわけでもないですが)に胸を射抜かれるようなセリフ(バンバンバン)は「女性はプロセス」なのかなと思わされるものがありました。

今回のAとBから受ける印象の違いと言えば、

A「ちょっと結婚してみない?って思うよね?」
B「ちょっと結婚してみない?ってこれでも思うの?」

ってぐらいの印象の違いがあるわけなんですが(笑)、
とにかく、Bは心のえぐられ度が半端ないです。

Aは役者の人生を曝されている感じ
Bは役者の人生を試されている感じ

の違いと申しますか。

Aはライブ寄りなところがあるので、「役」よりも「役者」の人生。
役者の人生が物語に色濃く出るので、役者の今までの人生が「曝されている」感じ。

Bは前提としてあくまで「芝居」なので「役者」よりは「役」の人生。
役の人生を深く出すためには、役者の今までの人生が「試されている」感じ。

B-2は残念ながら見られなかったので、B-1とB-2を比べられないのですが、A-1とA-2は特に女性役の色の違いがはっきり出た印象。A-1の清水彩花さん、A-2の青山郁代さんともにコゼット経験者という共通点はありますが、彩花さんは「女の子」、郁代さんは「女子」という違いを感じて。

たった1文字の違いなんですが、郁代さんはとにかく弾けたポップさが印象的で、かなりの点で男性役の照井さんを引っ張っていました。照井さんは以前『ミス・サイゴン』のクリス役で拝見していますが、勝気なキムとの相性が抜群に良かったので、今回もその引っ張られぶりがナイス組み合わせ。

それに対して、彩花さんは男性役の西川さんの提案に上手く乗っかるイメージで、美味しいところをちゃっかり持っていく上手さが抜群(笑)。Aチームだけで使われた絵をラストシーンで女性が回収しなければならないのですが、1枚回収を忘れ、アフタートークで突っ込まれて「てへっ」とやってる彩花さん最強(爆)。

そういえば女性の服装ではブラウンのコート着ると「あれ、エポニーヌ?」と思ったり、ピンクのカーディガン羽織ったら「あれ、『Second Of Life』の彼女?」って見えたりしました。
特に後者は当時、郁代さんが演じていましたので、Bチームで郁代さんが演じたらなおさら似た印象を受けたかもしれません。
(「見えない相手へ気持ちが伝わらず、最終的に諦める」という点では似ている感じ。)

Bチームは「物語」を通した「人生」で貫かれていたように思いましたが、AチームはA-1の彩花さんは「嬉しさ」で貫かれ、A-2の郁代さんは「楽しさ」で貫かれていたように思います。Aチームは2人の妄想の仕方の違いが興味深かったです。

今回のこの企画で無理だとは分かっていても、同じキャストでA、B両方でやるのを見てみたかった…と思ってはいました。と言ったら「役者さんに対して鬼だ」と言われましたけれども(笑)。実質1人2役やるのと同じですからね。

ただキャストは違えども、演出家さんが役者さんに求めるもの、また役者さんの持ち味をどこまで許容するかによって物語の作りがどう変わるのかを何となく理解できたのは収穫でした。

AとBを両方見ることが前提で楽しめるかどうかが変わる点はちょっと気にかかる節はありますが(日程的にAとB両方を見るのは実際のところ相当難儀でした)、実験的な企画に触れられたのは刺激になりました。

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『I Love musical~』(1)

2016.2.6(Sat.) 13:00~15:45
東京グローブ座 3階A列30番台(上手側)

この日が初日。初回公演に行ってきました。
プレイガイドで取ったので、この位置は正直、上手側がかなり見切れる席。
もう1回座りたいかと言われても断る席ですね…。

岡田さんの25周年を祝うため集まったメンバー。
岡田さんからの一人一人へのメッセージが、「この人に出てほしかった」感を強く感じさせ、とても素敵です。

高橋由美子さんへは「この方のお芝居を見るといつも『アート』を感じます。私に一番影響を与えた役者さんの一人です」という最大限の賛辞に、ご本人恐縮しつつの登場。赤の素敵なドレスです。

大塚千弘さんへは「セーラー服を着ていた頃に出会ったこの方も、今はこんなシックなドレスが似合う女性になりました」でした(スカイブルーのドレス)。

印象強かったのは紫吹淳さんへの言葉で「宝塚出身の方の中でも、これほどまでに何事にも動じない方は知りません」でした。なるほど。

そして、セットリストです。
まだ1日ありますので、ネタバレ回避の方は回れ右をお願いします。


よろしいですね?

[Act-1]
1.The Night Was Alive/TITANIC the musical(岡田)
2.I'll cover You/RENT(岡田・平方)
3.Live In Living Color/Catch Me If You Can(田代)
4.車を飛ばせば/ボニー&クライド(岡田・田代)
5.ホープ/zorro the musical(石井)
6.My Rules/グッバイ・ガール(岡田・石井・紫吹)
7.Luck Be A Lady/ガイズ&ドールズ(紫吹)
8.あんな人が/ジキル&ハイド(大塚)
9.君住む街角/マイ・フェア・レディ(平方)
10.マリア/ウェスト・サイド物語(今)
11.世界が終わる夜のように/ミス・サイゴン(今・高橋)
12.Shadowland/ライオンキング(高橋)
13.闇が広がる/エリザベート(岡田・平方)
14.夜のボート/エリザベート(田代・大塚)
15.私だけに/エリザベート(大塚)
16.最後のダンス/エリザベート(岡田)

[Act-2]
17.Smoke On The Water/ディープ・パープル
(岡田with全員)
18.およげ!たいやきくん/子門真人(石井)
19.Be My Love/マリオ・ランツァ(田代)
20.遠く遠く/槇原敬之(平方)
21.時の流れに身をまかせ/テレサ・テン(高橋)
22.ただお前がいい/中村雅俊(今)
23.慕情/サザンオールスターズ(大塚)
24.少女A/中森明菜(紫吹)
25.ラストダンスは私に/越路吹雪(とよた)
26.5:55/岡田浩暉(岡田)
27.君だけを見ていた/To Be Countinued(岡田)
28.民衆の歌/レ・ミゼラブル(岡田・田代)
29.対決/レ・ミゼラブル(石井・今)
30.Stars/レ・ミゼラブル(今)
31.夢やぶれて/レ・ミゼラブル(高橋)
32.心は愛に溢れて/レ・ミゼラブル(岡田・大塚)
33.彼を帰して/レ・ミゼラブル(石井)
34.One Day More/レ・ミゼラブル
(岡田・石井・今・大塚・田代・平方・紫吹)

[Encore]
35.遠い約束(岡田さんオリジナル曲)(岡田)

メドレーがないのに全部で35曲、すべてフルバージョンという凄いコンサート。
主役の岡田さんは12曲を歌っていますが、ゲストはおおむね5~6曲。
ソロが2~3曲で、かなりバランスのいい構成です。今さんと由美子さんの出番が1幕前半にないぐらいですかね、気になるところと言えば。

Act1は岡田さん出演を中心に、それ以外の作品も混ぜたミュージカルパート。だいたい3分の2ぐらいは知ってます。本役、そうでない役入り乱れてではありますが、皆さんハイレベルな出来で耳福です。

M3の万里生くんは本当に軸が太くなったよなぁと変化に惚れ惚れします。

M7の紫吹さんスカイはさすが宝塚男役トップの貫禄で格好いいことこの上ない。

M8のちーちゃんは持ち味のピュアさを上手く取り込んだ新しいルーシー。

M11の由美子さんは史上初、まさかのキム(エポを歌ったことあるけどキムは本邦初)。
正直なところ、もっと若いうちに聞きたかったのと、冷静なタイプの由美子さんは「熱量」を必要とするこの曲では物足りなさも感じつつ、でも今さんとの相性はぴったり、大人のサイゴンペア。

M14のちーちゃんは新婚さんでこの曲歌っていいのかという疑問を感じつつ(笑)。
M15も含めて、まさかのちーちゃんシシィ!個人的には本日一番のサプライズ。

M16、岡田さんは変幻自在で1幕だけで6曲ですが、その中でもこの曲が一番の迫力でした。

Act2は全員登場のM17のロック曲でスタート。

M18からM24は「ゲストそれぞれの思い出の曲」ということで舞台上に置かれた椅子に皆さん座りつつ、1人ずつ出てきて思い出を話すMCコーナー。バラエティ番組でよく見る、通称「ひな壇方式」ですね。

M18の石井さん、飛び道具かと思いきや意外や意外盛り上がりまくる(笑)。カズさんといえば宴会部長ですからね。盛り上げ上手。

M21の由美子さん、直前のM20の途中でいなくなったかと思いきや、ゴージャスなマフラーを纏って舞台上部から登場。いやはや、今日からでもスナックのママさんに転職可能なぐらいの完成度(笑)。曲調もぴったりで伸びやかな声を響かせます。ちなみにこの曲を知ってるのは「両親がスナックで歌うのが好きなので、小学生入る前に自分も覚えた」からだそうです。

M24の紫吹さん、「15で宝塚に入ったから思い出ないのでパス」といいつつも、実際歌った時のグレードの高さが圧巻すぎです(笑)。むちゃくちゃカッコよかったです。

M27は改めて聞けて嬉しかったなぁ。岡田さんといえばこの曲。
「君だけを見ていた、まっすぐな瞳と飾らない心で」という歌詞は、客席にいらした岡田さんのファン1人1人に向けられているように思えて、その暖かな空気感と、絶対的な信頼感を拝見できたのは嬉しかったです。

M28からはレミコーナー。2003年レミがマイオリジナルな私にとって、出てくる人みんながマイオリジナルキャストという至福の時。
M31は本当に久しぶりな由美子ファンテ。伸びやかな歌声はそのままに、フラッシュバックしてくるかのような完成度に酔いしれました。
本当はM34でエポをやってほしかったけど、この完成度のファンテを見せられてしまうと、それは難しい相談なんでしょうね(なお、M32とM34のエポパートはアンサンブルの小島亜莉沙さんが担当)。

M32でちーちゃんはコゼットを担当。ちーちゃんがコゼットをやらなかったのは後年、東宝七不思議になりそうな気もしますが(笑)、お嫁に行ってもコゼットの空気が出せるのってすごいですよね。

万里生君の「頼れるアンジョ」も素敵だし、本家マリウスの岡田さんも痺れる。石井さんのバルジャンも今さんのジャベールも、どれもこれもが素敵で圧巻でした。

ほぼ3時間近い長丁場でも、飽きさせない構成。1曲1曲のクオリティの高さはもちろんですが、根底にあるのは「岡田さんのお人柄に共鳴する大切な仲間」なんだろうなと思います。

岡田さんがパンフレットやインタビューでもおっしゃっていますが、「ミュージカルの現場は愛に溢れている。音楽に溢れている。そして仲間からの愛に溢れている」からこそ、「1人コンサート」ではなく、「みんなで集まるコンサート」にしたかったと。

岡田さんを取り巻く皆さんのMCも、いい意味でゆるふわ(爆)で、全く尖っていないのがとても素敵で。
そんな素敵な仲間の中の一員としてゲストに呼んでいただけていることを拝見できたことが、嬉しく楽しい時間でした。

公演は明日2月7日(日)まで。当日券あるようです。

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