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『Before After』(2)

2015.12.18(Fri.) 13:00~14:45 麻田・小此木ペア
2015.12.18(Fri.) 19:30~21:00 染谷・綿引ペア

日暮里d-倉庫
マチネ:D列1桁番台(下手側)
ソワレ:A列1桁番台(下手側)

今年8月の内藤大希さん&岡村さやかさんペアで見て大好きになった作品。
待望の再演、2日間で3ペアを見ることにして、この日は平日にも関わらず昼夜で日暮里へ。

「キャストが変われば別物になる」という言葉は複数キャストの作品では常に言われることですが、この作品の場合はペアの片方だけが変わっただけで別物になるらしく。染谷さんは今回3回目の登場ですが、前回までは相手役は田宮華苗さんでした(田宮さんは来年2月の再演で寺元健一郎さんとペアになります)。

自由奔放な男性・ベンと、厳格な父親のいる家庭に育ち、お堅い面が強い女性・エイミーとの2人ミュージカル。

前回の会場は吉祥寺・スターパインズカフェでしたが、d-倉庫に変わったことで劇場サイズが縦横ともに倍以上。空間が広がってとても見やすく、途中のエイミーがベンを追い詰める(爆)シーンは、エイミーが鳩時計みたいに(をい)からベンを見下ろす形になっていて、エイミーがベンを手の内に入れているのがとってもわかりやすくなっております(笑)。

内容的に少しネタバレがありますのでご注意くださいませ。




マチネは麻田キョウヤさんのベン&小此木まりちゃんのエイミーのペア。キョウヤさんは遊び心まで計算したかのような、さすがの縦横無尽。まりちゃんはとっても「女の子」で新鮮。既に6月にこの作品で共演済みなので、距離感が絶品です。サイズ観のバランスというのか、キョウヤさんが抱きしめると、腕の中にすっぽり収まってかつ余りが出る(爆)のが印象的です。そういえばあまり父親の庇護から離れたがっている感じはしなかったかも。そんなに今に不自由していないように思えて。今まで見た中では一番父親から離れたがっているように見えたのは岡村さやかさんのエイミーかな。

ソワレは染谷洸太さんのベン&綿引さやかさんのエイミーのペア。BA百戦錬磨の染谷ベンを見ていると、直前にキョウヤさんのベンを見ているだけに、その自由きままさがよくわかります。演出的にもそれなりに自由は利かせているんですね。動きがだいぶ違いました。キョウヤさんも相当な動き方だと思ったけどその上を行ってましたから。

びびちゃんは正直最初は緊張を隠せずにいましたが、染谷さんが部屋を探してきた時にいたずらっぽく仕掛けたところにびびちゃんが乗っかって一気に緊張がほどけていて、染谷さんさすが。FBの染谷さん&びびちゃんのインタビュー記事で染谷さんで言っていた言葉が印象的だったのが、「田宮(華苗)さんと綿引(さやか)さんのコメディセンスは違う」という言葉。

ふと思ったのが、田宮さんは先攻型なんですね。沈黙に我慢できないタイプというか(笑)。だから染谷さん的には「待ち」になるんだと思うんですが、びびちゃんの場合は後攻型。飛んできたボールを打ち返さずにはいられないタイプというか(笑)。そうなると、染谷さん的には「仕掛け」が必要。そこを意識してかわからないのですが、染谷さんがベンとして違和感がないようにここで仕掛けたことで、びびちゃんも自然にツッコミができて「BEFORE」のエイミーになれた感じがします。

それにしてもエイミーがモデルになっている時に「ほら、白目になってる!」と声をかけた染谷さんは天才というほかない(笑)、そして当然ビビッドに反応するびびちゃん。

この作品、「BEFORE」と「AFTER」を行ったり来たり。2人の仲に起こった出来事の「BEFORE」(前付き合っていた時の話)と「AFTER」(再び出会った今の話)を描いているのですが、この物語のエンディングって、「『今までのBEFOREと今までのAFTER』が『BEFORE』になって、これから歩みだす未来が『AFTER』になる」ってことなんだなと。それに気づいたときになるほどなと。

もう一つ、実は初見の時に勘違いしていたことが1つ。
「BEFORE」でエイミーがベンを罵倒して、ベンが「もういい」とエイミーへの説得を容易くあきらめるシーン。なぜベンの心が折れたのか、初見の時には「エイミーがベンのプライドを傷つけたから」だと思っていたんです。あの罵倒は初見の時自分も凄いショックで(私も男性なので)、そのショックに引きずられていたのですが、3回見て改めて冷静になってみると、ベンの心を折ったのは「プライド」じゃなくて、「夕陽」を”逃げ”と断じられたことだったんですね。

孤児として育ち、親からの愛情も忘れ、自分自身の世界に閉じこもるしかないベンにとって、自分が見つけた宝物の景色。エイミーが自分にとって大事に思う人だからこそ、その大切な場所に連れてきた。
なのに、そのエイミーは「夕陽」さえも自分の「逃げ」だと断じている。ただ一人自分が気持ちを共にできると思っていた人からの言葉だったからこそ、ベンは自暴自棄になったのかなと、自分なりに合点がいきました。

ラスト、ベンに別れを告げられて丘にたたずむエイミー。今日見ていて、びびちゃんのエイミーは「ベンが自分のところに戻ってきてくれる」ことを信じている思い、を一番強く感じました。根拠もあるわけでも、自惚れだからでもなく、ただベンを信じる想い。初見で岡村さやかさんで見たときは「自分の罪の深さから、自分のもとにベンが帰ってこないのも当たり前」に思えていたので、そこの印象が違ったのがこの日一番印象的でした。

マチネはアフターライブ付き。
池袋でのOneOnOne『BIRDMAN』が昼なしのこの日、同作から歴代エイミーの田宮華苗さん、岡村さやかさんが駆けつけての小此木まりさんとの3人エイミーでのセッションあり。
また同じく同作から歴代ベンの内藤大希さん、この日のベン・麻田キョウヤさんに演出の中本さんでの6人セッションあり(『As Long As You're There』)。
作詞作曲のスチュアート氏のクリスマスソング(『This Christmas』)ありと、盛りだくさんな内容で良かったです。

中本さんが仰っていて面白かったのが、スチュアート氏は本当に数小節新しいメロディーラインが浮かんできてこっちはびくびく(笑)。実際に『As Long As You're There』もこの日のライブバージョンで、朝から「メロディー変えたいんだけどいい?」とゲスト各位に通達(笑)。
しまいにはこの日、マチソワ間でメロディーラインが浮かんでピアノの久田菜美さんを呼び、ソワレでは某曲のインスト部分が長くなっていたようです(笑)。

そんな、変化に富んだBA。明日も日暮里でマチソワです。今度はどんな風景が見られるか楽しみです。夜は初の上手側。

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