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『平川めぐみ トーク&ライブ』

2015.11.4(Wed.) 19:40~22:20
汐留BLUE MOOD

●セットリスト
1.生まれてはじめて/アナと雪の女王
2.川の向こうで/ポカホンタス
3.いのちの名前/千と千尋の神隠し
4.ふたたび/千と千尋の神隠し
5.夢まであと少し/プリンセスと魔法のキス
6.夢やぶれて/レ・ミゼラブル
7.行こうよどこまでも/アラジン
  (duet with 溝渕俊介さん)
8.叡智/ウレシパモシリ
9.愛することをやめないで/AKIRA
10.誰に話していこう/君よ生きて
11.歌を歌いましょう/君よ生きて
12.message/君よ生きて(カンパニー)

[encore]
13.かがやく星/リトル・プリンス
14.ありがとう/ウレシパモシリ

普段はトークが先行する「トーク&ライブ」ですがこの日は趣が全く違いました。

スタートからしてめぐみさんが駆け込んできて始まるアナの曲。何しろこの曲ですから大立ち回りになるのは必然ですし、コロコロ変わる心の動きはめぐみさんにぴったりの曲ですが、かなり緊張しているのが分かるスタート。そのままM4まではひたすら歌で駆け抜けて、そこで初めてトークに移行という珍しい構成です。

通常、トーク&ライブの標準構成はアンコールを含んでも7~8曲前後、それでほぼ120分強ですからトークとライブがだいたい2:1というのが体感なわけですが、この日は14曲あった上に、トークもその実そこまで普段比少なくないので、150分でトークとライブ1:1という感じでした。

トークはいつもの通り登場人物の今までの歩みをたどる構成。不純な理由で始めたバイオリンが、始めて1年ぐらいの映像が流れましたがとってもお上手だったことが印象的。当時から「8時間立ちっぱなしでも全然辛くない」とのことで、「始めるまではゆっくりだけど始まったらとことん突っ走る」と本人力説していました。

ミュージカルとの出会いは意外に遅く高校生。当時、福岡キャナルシティ劇場で上演されていた劇団四季『アイーダ』を見せられたのがきっかけ。この時のエピソードが面白くて、「翌日が学校のテストで、一夜漬けタイプの私は勉強しないと翌日がさんざんなことになるのが分かっていたので『行きたくない』ってずっと言ってた」けど、お母さん(この日ご来場)に押し切られてて、結局見て感涙の大感動(その時のアイーダ役が濱田めぐみさん。お相手が福井晶一さん)したのだそうです。

その時のお母さまの心情をMCの立花さんが聞いたところ…「私(お母さま)が見たかったので」(笑)でした。さすがB型お母さま。

その後は濱田さん・福井さんの経歴を見て、お2人の出身校、舞台芸術学院へ入学するために上京。1年で修了してからTMA(東宝ミュージカルアカデミー)へ4期生として入学。

ちなみにTMAはそれぞれ期ごとの特徴というか呼ばれ方があるらしく、歌の1期、ダンスの2期、演技の3期、ルックスの4期だそうで(自分は違いますよ、とご本人(笑))。

TMA4期は2人もコゼットを出していて、しかも卒業公演のコゼットが2人とも本公演でコゼットをやっている期(若井久美子さん、青山郁代さん)なんですね。
ご本人は卒業公演ではファクトリーガール役を演じられ、ファンテーヌに馬乗りになってひっぱたいていた、その時のファンテーヌがこの日、1曲振付した原田美穂さんだそうです(笑)。

人に歴史ありで強烈なのは、『ウレシパモシリ』のエピソード。
初演は受付を担当していたそうで。阿部義嗣さんと、めぐみさんの初舞台で知り合い、稽古期間もないのでと、受付を手伝ってほしいと。その申し出を快諾しつつも、聖役が大好きで、聖役のシーンになったら受付から中を見に行っていつも見ていたと(笑)。
そしてその後、誰も聖役に入れない日の稽古で、代役で入って聖をこなしたら、再演では聖役に。

そして、聖役の合間にポール役の代役もやったらなんだか大うけして2役になり…という、波瀾万丈でもアグレッシブ全開。めぐみちゃんが言ってて印象的だったのは「聖だと『こうしなきゃ』という視野が狭くなっていたのに対して、ポールはやりたい放題好きなようにやれたので、それがポールとしても良かったのかもしれないし、聖をやるにあたってもいい影響を出せたのでは」という言葉。

直近では唄2も担当していますが、ご本人いわく「ウレパモどの役もやれますよ。(初演から出ていて)ウレパモマスターですから」というところになるほど納得。

「代役って大事ですね」としみじみと仰っていましたが、でも実際のところ、代役が来てもそのチャンスを掴めるかは、本人の日頃の準備あってこそなんですよね。オーディションに行って、呼ばれた役で上手くできるのは当たり前。むしろほかにやりたい役の準備もしていってこそ運は味方してくれる、みたいなところはありそうですからね。

トークの中で実際お話しされていましたが、「人の縁」の積み重ねでいろいろな役を経験してきためぐみさん。どんな作品でも自然に輪の中心にいる感じは、他人に対してオープンであり続けてきているからこそなんだろうなぁ。

この日のトーク&ライブで異色だったのは、本編ラスト直前で、客席に多数おられた『君よ生きて』メンバーに舞台に上がってもらっての「メッセージ」の披露。今まで何度かトーク&ライブを拝見していますが、関係者が客席に多いことはいつものことであっても、舞台上にまで上がってもらってのセッションというのは、ここまでの人数はさすがに初めてで、とっても意外でした。曲のパワーもあって、まさに一体となった感じの空気感は、なかなか他では味わえないものでした。

もう一点印象的なことがあって、それは『ウレシパモシリ』『君よ生きて』でめぐみさんを拝見して感じていたことでもあるのですが、”『日本的なもの』をとっても大事にしている”ってことなんですよね。ご自身、『君よ生きて』について「日本人で良かった」と仰っていましたが、日本的なハートに寄り添うめぐみさんってすごい光るんですよ。それこそ小山(こやま)チズちゃんの割烹着という”見た目”だけではなくて、”人を思う気持ちの暖かさ”を自然に出せるところに、彼女の強みがあるということを感じられたのが印象的でした。

最初こそファーストライブの緊張があってガチガチだっためぐみさんですが、曲を経るごとに、また話をするごとにだんだん緊張がほぐれてきて、『君よ生きて』のメンバー内で(この日の主役だから当たり前とはいえ)自然にセンターで歌っていた姿に力強さを感じて、そしてアンコールのラストはもうこれしかないでしょう、な『ウレシパモシリ』から『ありがとう』。

ご本人の言葉でこの日の締めの言葉が涙ながらに語られていましたが…今までたくさん遠回りしても、この日にたどり着けたのは、めぐみさんの笑顔と、心からの「ありがとう」が発せられる人柄、だからこそ周囲に人が絶えない様があるのだろうなと思えて、これからもたくさんの出会いを拒むことなく、彼女らしく笑顔とハートで、また新しい役や作品と出会っていってほしいなと思います。

そういえば、この日のトーク&ライブの終演時間は22時20分。この日は開始が10分遅れ、途中に10分休憩が急遽入ったため、実質時間は140分ではあったのですが、終演時間だけ見ると今までのコースレコードだった吉沢梨絵さん(22時10分)を過ぎて記録を更新しておりました。それにしてもベスト3のうち2人までがTMA4期ぽいです(笑)(3位は青山郁代さん。21時50分)

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コメント

平川さんのファンです。
どうしても観に行くことができず、どんな曲を歌われるのかなとソワソワしていたため、セットリストをのせてくださって、とてもありがたいです。

ところで、昨年の10月に平川さんが出演されていたミュージカル「虹のプレリュード」でヒロインを演じられていた生田絵梨花さんが、ミュージカル「リボンの騎士」で、一年ぶりに主演を務めるそうです。
ご観劇のご予定はありますか?

私はすっかり去年の舞台で魅了されてしまって、(未熟な部分も含め、ちゃんと経験をつむことができれば、これからこの子はどこまで大きくなるのだろうかという期待があります)、ただ、まだ一度しか彼女を観ていないので、去年抱いた期待が本物なのかどうか、今回確かめに行こうと思っています。

投稿: haru | 2015/11/10 05:25

haruさん>
コメントありがとうございます。

ライブのセットリストはキャストさんによって出される方とそうでない方がいて、めぐみさんがどちらか読めなかったのですが、結局載っていなかったので、載せて良かったです。

生田さん、虹プレで私もとても印象的でした。舞台勘というか、舞台での立ち方を分かっている方だなと思いました。華もありますし、何より若いですからね。

今回の「リボンの騎士」も好きな方向性ではあるのですが(男装ですし)日程が上手く合わないのと、決め手が見つからなくて保留中です。最終的には今日(初日)の反響を見て考えたいと思っています。

これからもよろしくお願いします。

投稿: ひろき | 2015/11/10 07:09

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