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2015年11月

『新妻聖子コンサート2015~musical and more...』(1)

2015.11.24(Tue.) 19:00~21:10
よみうり大手町ホール 20列20番台(下手側)

何とかかんとか、見ることができました。

当初は26日に見る予定だったところ、仕事が19時までになって必死で他日を探し回った結果がこの日。
この日も作業が長引きひやひやでしたが、何とか滑り込みセーフです。

まずはセットリストからですが、あと1回ありますのと、来年3月に追加公演が決まりましたので(5日・神戸/朝日ホール、27日・東京/イイノホール)、ネタバレ改行入れます。
回避の方は回れ右してくださいませ。






よろしいですか?






よろしいですね?

では(最近にしてはたっぷり改行入れました(笑))

○セットリスト
0.Overture
1.SWAN LAKE/ALBUM「SEIKO」
2.自由の鳥になれ風になれ/ALBUM「SEIKO」
3.ラマンチャの男/ラマンチャの男
4.Sisters/ALBUM「アンダンテ」
5.僕こそ音楽/モーツァルト!
6.私だけに/エリザベート
7.Interlude
8.Lover Come Back To Me
9.抱いてくれたらいいのに/工藤静香
10.I Love You/尾崎豊
11.I Dreamed A Dream/レ・ミゼラブル
12.Bring him home/レ・ミゼラブル
13.GOLD/GOLD~カミーユとロダン~

Encore
14.Nessun Dorma/ALBUM「SEIKO」

イントロのM0とM7を除き、アンコールを含むと13曲、休憩なしで走り続ける聖子さん。合間はMCでずっと喋っているわけで相変わらずのパワフルさです。

何しろしょっぱなから「SWAN LAKE」(青の衣装、CDの中ジャケットのもの)ですからね。CDで聞いた時からライブでどう歌うのかと思っていましたが、聖子さんのセルフコーラスを使いつつ、半分ぐらいのパートはヴァイオリンの水谷美月さんの高音域演奏で埋めていました。なるほど。

13曲中、男性曲が4曲もあるのが吹き出します(笑)。持ち歌になったかのようなM3はもちろんのこと、とうとう飛び出したモーツァルトのM5(過去、「影を逃れて」を1度聞いたことはあります)。M10はカラオケ王決定戦の予選曲。そして予想外で度肝を抜いたのはM12です。

「番組でも歌ったレミゼの曲の後、別のレミゼの曲を歌います」で初見の人は絶対エポニーヌを想像しただろうに、まさかのバルジャン!歌われた後、『「マリウスを」ということでなく(だれか特定の人をでなく)救いたいという思いを持った』、という言葉が印象的。

でも正直なところ、聖子さんならむしろジャベールキャラクターだと思うなぁ。パン盗むぐらいなら盗まないで済む方法を考えそうな...(爆)。『Stars』聞いてみたい。

M9は聖子さん曰く「昔取ったなんとやらなアイドルコーナー」だそうで、「評判が良ければ続けますがダメなら次からなくなります(笑)」だそうで、工藤静香さん(現所属の尾木プロの先輩ですね)の曲を。
バンコク在住当時、カラオケの十八番はこの曲とか「氷雨」とかだったそうで「当時は歌詞の意味も分からず歌ってたと思いますが」の枕詞が面白いです。美月さんがプチうけてた(笑)。

そういえばM5の後、(『モーツァルト!』の作曲家)シルベスタ・リーヴァイさんの話になって、『王家の紋章』の話。客席からの反応が薄く、「あれ、みんなが知ってる作品じゃないんですか?客席の反応が33人しか知らないような反応は?」と仰っていたのですがなぜ33人(笑)。美月さんが「読んだことない」という話したら早速「全巻文庫版で持ってるから貸すよ」と(^^)。

ちなみに、「私の演じるキャロルは16歳ですが、苦情は一切受け付けません」とも仰っていました(爆)。

年齢ネタは最近鉄板になってきているようで、例のカラオケ番組の時も「小学生・中学生・高校生・新妻」(そう並べるかw)って並びでたいそう緊張したと。「夢やぶれて」歌うときは自身では左右にマイク揺れそうになるのを自分で必死に抑えてたぐらい緊張してたそうですが、映像見たらまるで動いてなかったらしいです(笑)。

それにしても決勝は小学生との対決で、終わってから事務所のスタッフさんに「あなたの落ち着きのなさが一番子供だった」と言われたそうな(爆)。

…という、相変わらずの新妻MCワールド。始まって最初の方は「初めて来た方びっくりしないでくださいね、とにかく喋ってずっと行きますから」といういつもの導入部に始まっての滑らかモード。比較的、水の見に行くパートが分かりやすかったですかね。いつもはわからないようにすすっと飲まれるので。MCしてて「なんか喋りがなめらかじゃないな、あ、水飲むの忘れてた」とか(笑)。

前はカンペの存在を意地でも明らかにしたがらなかった聖子さんですが、もはやそのガードも外れたらしく「カンペ、カンペ」って探しに行ってたら曲目が壇上のライトの横に貼ってあったことに3日目(横浜、名古屋の後のこの日)にして初めて気づいたりとか。その辺、歌以外のラフさに拍車がかかっていました(爆)。

聖子さん自身、ソロライブ・コンサートを続けてきて、今回は本当に環境が激変した年。

「ずっと自分のコンサートで全国を回りたいと思い続けてきて、昨日の名古屋(芸術劇場小ホール公演)がその夢の第一歩。そして来年の追加公演ではファンの皆様にずっとご要望いただいてきた念願の関西公演(神戸・朝日ホール)が実現」と仰っていたのは、客席から拝見してもとても感慨深くて。

今回のセットリストを見て気づいたのですが、聖子さんのソロライブ・コンサートで、2007年以来8年間続いてきた『命をあげよう』がないセットリスト。

聖子さんといえばキム、その曲にある意味頼ってきた部分もあったソロライブ・コンサートが、自信作のCDの完成でようやく、キム抜きでも成立するようになったことが、とても印象的でした。
また歌っては欲しいですけれど、今回のセットリストは仲々凄いと思います。

大きな波に乗れそうな中での今回のコンサート。そんな中でも今まで積み重ねてきた「新妻聖子」の地力はやっぱり流石で。「大好きな歌を、もっともっとたくさんの方に届けたい」、その想いがもっと結実したらいいなと感じるコンサートでした。

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『悟らずの空2015』(2)

2015.11.23(Mon.) 19:00~21:15
池袋シアターグリーン BIG TREE THEATER
A列1桁番台

ダブルキャスト(天チーム、空チーム)だったこの作品ですが、日程上の都合上で空チームの観劇は叶わず。初日とこの日のソワレ、両方とも天チームでの拝見。しかも座席が2回とも1mmも動かない全くの同一席。
つまり、座席の前後左右による印象の違いが全くないということになります。

初日、特にびびちゃん(綿引さやかさん)に感じた緊張感はこの日はかなり自然になっていて、この物語として三蔵法師がいる、というのが違和感なく感じられました。

初日に見たときは、三蔵法師としてのびびちゃんは「自分が引っ張らなきゃ」という思いが強かったように思いましたが、この日は無理に引っ張っていこうとはせず、「三蔵法師としてそこにいる」ことに集中していたように見えました。
結果、3人衆はじめ周囲が三蔵を上手く回しているような感じになっていて、作品としてのバランスがとてもよくなったように思います。

というのも、この物語は三蔵の成長物語であるともに、三蔵を取り巻く人たちとの関係性の変化の物語でもあるからで。
三蔵に仕えし3人衆は神から遣わされし3人であるがゆえに、「ついて行けと言われたからついて行っている」という面もある。
三蔵は都合が悪くなれば上から目線で怒鳴り付け言うことを聞かせる。お付きのものはそこに従うしかない。それは主従関係そのもの。

もうあと1回(空チーム)しかないのでネタバレしますが、それらの関係を大きく動かしたのが、とある妖怪がとある理由で三蔵に申し入れてきた弟子入り願い。

その時、その妖怪が「人を食っている」と知った三蔵は、それを理由にその妖怪の弟子入りを断ります。
「あなたのような妖怪を弟子にする気はありません」

でもそこに引っ掛かりを感じたのは3人衆。
というのも、こちらも妖怪だから。
「今まで身体張ってやってきたのにそれはないんじゃない」と。

「あなたたちは違う」と言う三蔵だけれども、本当にそうなのか迷いが生じる。

妖怪である3人を従えながら、新たに妖怪からの弟子入りを拒む自分はいったい何なのか。
そんな折、3人衆の一人、沙悟浄もかつて人、しかも坊主を殺していたことが発覚し、三蔵は沙悟浄に破門を申し付ける…。

三蔵にしてみれば、「人を食らう」ことなど言語道断。
…ではあるものの、それは思考停止でもあることに気づくんじゃないかと。

条件反射のように結論を出せば、実態には目を向けずにいられる。

天竺に向かう有名な僧侶として、理想を唱えていれば、
そしてそれに疑問を持たなければ、それでやってはいける。

でも三蔵は自ら矛盾を認識したときに、自らの限界に気づくのですね。
目の前にいる少年の、まっすぐで強い思い。
村長のそこで生きる者の必死の叫び。
そして過去の業ゆえに自分に許されようもない立場にいる弟子。
自分はその誰をも救うことができない。

3人衆の一人である孫悟空は三蔵に言うのですね。
「今まで誰も殺してきてない人なんていない。
一度でも誤った道を進んだ者や、我々妖怪は救われる権利もないんですかね」

自分の狭い価値観に籠り、自分の想いや正義感だけでは、どうにも突破できなくなったときに、三蔵は周囲を見回すんですね。
そこで初めて知る周囲からの想い、強さ。

「見たいものだけ見ていた」ときから、「見なければいけないものまで見る」ようになれたときに、三蔵は一つ階段を登ったと思うし、天竺への旅の理由も改めて認識できたんだろうなって。

この日の三蔵役のびびちゃん、初日から比べての変化としては、「迷うことを恐れなく」なってたように見えました。
何度も通したからなのだとは思いますが、始まる時から到達点を意識できていたような気がして、最初の歌は凄く違って聞こえました。あの曲、前回も書きましたが全編を予告してる歌なので、「これから演じる天竺への道」を感じさせながら歌っていてとても良かったです。

この作品、三蔵一行のバランスも良かったですが、それぞれ対立する関係になる妖怪それぞれもたっぷりキャラが立っていて見ていてとても分かりやすかったです。

三蔵一行で言えば、孫悟空(程嶋しづマさん)の皮肉屋ながらも三蔵を想って行動にも移しているところに感動したし、猪八戒(浅野泰徳さん/作・演出)の隙間を埋めまくる存在感も良かったし、沙悟浄(桜田航成さん)のただものじゃないやり手ぶりに痺れました。

妖怪陣では何といっても火焔大王(町田誠也さん)のパワーと、意表を突くキャラクターのバランスが絶品です。そして女神の名は伊達じゃなかった、水玲仙女(梅宮万紗子さん)の威厳が素敵でした。

この2人が絡み、沙悟浄が仕掛け、三蔵が自ら「自分のできること」をして出来上がったラストは鳥肌物でした。どれかが欠けても成立しなかった”想い”の集合体を見せられた気がして。
このシーンで火焔大王と水玲仙女から目を背けないことに、三蔵の進化を感じさせられて。

この物語のタイトルを聞いたときに、初見前での印象は「悟りよりも大事なものを見つける」のかなと思っていました。見終わって思うことは、
「悟りは『目的』ではなくて『手段』である」と。

『悟りを開く』ことを目的にしていたから迷っていたけれど、本当の目的は『一人でも多くの人や物を救う』。『悟り』という言葉で自らの視野に閉じこもるぐらいなら、『悟らず』(悟りに逃げることなく)自分の目で見つめることこそ、天竺に向かう自分の本当の意義であると、三蔵は感じたように思います。

びびちゃんの初めてのストレートプレイということで見ることにしたこの作品・この劇団でしたが、20年続くには続くだけの理由があるというのを改めて感じました。

”伝えたいもの”があって、それをどのように伝えれば伝わるかを知っている、それが20年という歴史を経た団体だからこそできることなのだと思いましたし、そんな作品・カンパニーの中でびびちゃんが生き生きと歌い演じている姿を見られたことは、何より嬉しかったです。

DVDが2016年6月発売予定。観られなかった空チームはDVDで拝見する予定。楽しみです。

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『悟らずの空2015』(1)

2015.11.18(Wed) 19:00~21:00
池袋GREEN TREE THEATER
A列1桁番台

南池袋にあるシアターグリーンGREEN TREE THEATERは今年1月の『TRAILS』以来2作品目。

ジャングルベル・シアター20周年記念公演。この日が初日です。
天竺への旅一行、三蔵法師役を綿引さやかさんが演じるということで、初日を拝見しました。

ストレートプレイではありますが、幕開き部でびびちゃんが歌う歌、今までになくとてもカッコいいです。歌詞も見返すと、この後に語られる物語を予告するようなものになっています(劇場で配布されているフライヤーに歌詞が入っています)。

天竺を目指す一行は三蔵法師、孫悟空(程嶋しづマさん)、猪八戒(浅野泰徳さん。この作品の作・演出)、沙悟浄(桜田航成さん)の1人+3体。

当然のことながら三蔵法師がリーダーではあるものの、あとのお3方も結構癖のあるお方たち。
意外や意外、お3方には三蔵法師の威光は通用しない時もあったりします。

役設定には「頭が固く生真面目」とある三蔵法師ですが、びびちゃんの地が残っているというか、そこまで頭が固くは見えなかったかな。年上の男性部下に振り回される女性管理職さんといった趣(こら)。

それと言うのも、この作品の三蔵法師には”迷い”があるのですね。

天竺を目指すこの旅が本当に自分のすべきことなのかに対しての自信がどんどん揺らいでいく。
”綺麗ごとを振りかざす”自らの行ないが、目の前のことを実は何も解決できないことに気づき、自信が揺らぎ、失っていく。

妖怪3人衆を従えて天竺を目指す三蔵法師が不意に放った
とある言葉は3人衆の忠誠心に深い傷をつける。
そんな時に放った三蔵法師の言葉は、いつも以上に空を切って、彼らに届くことはなくて。

ふと言った言葉が、実は自分の中にたゆたう意識から出たものではないかと気づいたときに、三蔵法師は自分の中にある「妖怪」の存在に気づいてしまう。
それはかつて自分がしてしまった、忘れたい過去ともリンクして・・・前にも後にも進めなくなる様が印象的でした。

迷いながら悩みながら、でも、”何かを見つけないと”と、もがく様子。
それは、びびちゃんのリアルと通じ合っているように感じて。
「何かにしがみついてないと自分がどうにかなってしまいそう」なステータスを経て、器量の大きな様となって立ち上がっていく様は、リアルとのシンクロも感じました。なんとなく、前者は数年前のびびちゃん自身で、後者は今のびびちゃんに思えたりして。

「自分が全てをしなければならない」思い込みから抜け出して、「他人の力を借りて進んでいく」様への変化。
出会った少年に向けて投げかける「どうして君はそんなに強くいられるの」という言葉。
それからすると、この作品の三蔵法師の前半部は、もっともっと、深く落ち込むといいように思えました。

ミュージカルを中心にやってきた人が必ずたどり着く、ストレートプレイ初体験。

実際、自分のご贔屓さんも例外なくその経験をしてきていて、(高橋)由美子さんであれば今はなき青山円形劇場での『アガタ』で初ストレートプレイ。アイドル時代から舞台好きをずっと公言してきた彼女をして、「舞台に立つのが怖い」と表現した初めての作品(2人芝居)。(笹本)玲奈さんであれば一昨年の世田谷パブリックシアターでの『ジャンヌ』。「ミュージカルではどれほど歌に助けてもらっていたか痛感した」という言葉であったり。

今回のびびちゃんのストレートプレイ初体験に関して言えば、主演であるとはいえ、周囲の人たちに助けてもらうポジション。でも、実際のところ、一番大事なのは周囲の人たちに助けてもらえる人であることで、自分の120%を出させてくれるのは、周囲に対する感謝の気持ち以外にはないのではないかと思えて。
その点、初日を見る限りは大丈夫な感じ。素敵なカンパニーでした。

今回の作品では三蔵法師一行を阻む妖怪たちが多数登場します。「火の妖怪」「水の妖怪」「木の妖怪」「金の妖怪」…それらは互いに互いを得意・不得意とし合う関係にあって、ある意味、異なる属性同士がそれぞれを牽制しあって均衡が保たれている。そこに共謀関係が生まれると何が起こるのか…がとても巧みに構成されていて興味深かったです。利用しあいされあい、狐と狸の化かし合いというのか。

覇権を狙い、力と力のぶつかり合いをする殺陣は物凄い迫力(特に火焔大王役の町田誠也さんは凄かったです。さすが元新感線)で見ごたえ十分。

他キャストでは孫悟空役の程嶋しづマさんの押し出し、沙悟浄役の桜田航成さんのスマートさ、水玲仙女役の梅宮万紗子さんのいい女っぷり、柳花役の國崎馨さんの女っぷり(特にびびちゃんの三蔵法師との某シーンが最高ですw)が印象的でした。

前半部は笑いのシーンも結構あって、小ネタから大ネタまで笑いの渦。びびちゃんは笑い属性十分なはずながら、初日はやっぱり緊張が先行したようで、あくせくした感じ(言い急いだ感じ)がちょっと勿体なかったかな。

後半の展開はネタバレになってしまうので今日段階では詳細は書きませんが、彼が彼女を思う思いの強さが印象的。そして、三蔵法師は目の前の現実から目をそらすことなく、「今自分ができることは何か」に向き合うことができるようになって。

嘆いても始まらない、目をそらしても何も解決しない。
すぐ正解にたどり着けないのだとしても、自分なりに何ができるか考え続けることでしか、解決の道は開けない。

その先に悟りがあるのかないのか。
三蔵法師は最後のシーンで自分なりの答えを見つけられていたのだろうなと思えました。

笑いあり、歌あり、殺陣あり。そして最後は考えさせられて、前向きになれる素敵な作品です。24日まで。

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『平川めぐみ トーク&ライブ』

2015.11.4(Wed.) 19:40~22:20
汐留BLUE MOOD

●セットリスト
1.生まれてはじめて/アナと雪の女王
2.川の向こうで/ポカホンタス
3.いのちの名前/千と千尋の神隠し
4.ふたたび/千と千尋の神隠し
5.夢まであと少し/プリンセスと魔法のキス
6.夢やぶれて/レ・ミゼラブル
7.行こうよどこまでも/アラジン
  (duet with 溝渕俊介さん)
8.叡智/ウレシパモシリ
9.愛することをやめないで/AKIRA
10.誰に話していこう/君よ生きて
11.歌を歌いましょう/君よ生きて
12.message/君よ生きて(カンパニー)

[encore]
13.かがやく星/リトル・プリンス
14.ありがとう/ウレシパモシリ

普段はトークが先行する「トーク&ライブ」ですがこの日は趣が全く違いました。

スタートからしてめぐみさんが駆け込んできて始まるアナの曲。何しろこの曲ですから大立ち回りになるのは必然ですし、コロコロ変わる心の動きはめぐみさんにぴったりの曲ですが、かなり緊張しているのが分かるスタート。そのままM4まではひたすら歌で駆け抜けて、そこで初めてトークに移行という珍しい構成です。

通常、トーク&ライブの標準構成はアンコールを含んでも7~8曲前後、それでほぼ120分強ですからトークとライブがだいたい2:1というのが体感なわけですが、この日は14曲あった上に、トークもその実そこまで普段比少なくないので、150分でトークとライブ1:1という感じでした。

トークはいつもの通り登場人物の今までの歩みをたどる構成。不純な理由で始めたバイオリンが、始めて1年ぐらいの映像が流れましたがとってもお上手だったことが印象的。当時から「8時間立ちっぱなしでも全然辛くない」とのことで、「始めるまではゆっくりだけど始まったらとことん突っ走る」と本人力説していました。

ミュージカルとの出会いは意外に遅く高校生。当時、福岡キャナルシティ劇場で上演されていた劇団四季『アイーダ』を見せられたのがきっかけ。この時のエピソードが面白くて、「翌日が学校のテストで、一夜漬けタイプの私は勉強しないと翌日がさんざんなことになるのが分かっていたので『行きたくない』ってずっと言ってた」けど、お母さん(この日ご来場)に押し切られてて、結局見て感涙の大感動(その時のアイーダ役が濱田めぐみさん。お相手が福井晶一さん)したのだそうです。

その時のお母さまの心情をMCの立花さんが聞いたところ…「私(お母さま)が見たかったので」(笑)でした。さすがB型お母さま。

その後は濱田さん・福井さんの経歴を見て、お2人の出身校、舞台芸術学院へ入学するために上京。1年で修了してからTMA(東宝ミュージカルアカデミー)へ4期生として入学。

ちなみにTMAはそれぞれ期ごとの特徴というか呼ばれ方があるらしく、歌の1期、ダンスの2期、演技の3期、ルックスの4期だそうで(自分は違いますよ、とご本人(笑))。

TMA4期は2人もコゼットを出していて、しかも卒業公演のコゼットが2人とも本公演でコゼットをやっている期(若井久美子さん、青山郁代さん)なんですね。
ご本人は卒業公演ではファクトリーガール役を演じられ、ファンテーヌに馬乗りになってひっぱたいていた、その時のファンテーヌがこの日、1曲振付した原田美穂さんだそうです(笑)。

人に歴史ありで強烈なのは、『ウレシパモシリ』のエピソード。
初演は受付を担当していたそうで。阿部義嗣さんと、めぐみさんの初舞台で知り合い、稽古期間もないのでと、受付を手伝ってほしいと。その申し出を快諾しつつも、聖役が大好きで、聖役のシーンになったら受付から中を見に行っていつも見ていたと(笑)。
そしてその後、誰も聖役に入れない日の稽古で、代役で入って聖をこなしたら、再演では聖役に。

そして、聖役の合間にポール役の代役もやったらなんだか大うけして2役になり…という、波瀾万丈でもアグレッシブ全開。めぐみちゃんが言ってて印象的だったのは「聖だと『こうしなきゃ』という視野が狭くなっていたのに対して、ポールはやりたい放題好きなようにやれたので、それがポールとしても良かったのかもしれないし、聖をやるにあたってもいい影響を出せたのでは」という言葉。

直近では唄2も担当していますが、ご本人いわく「ウレパモどの役もやれますよ。(初演から出ていて)ウレパモマスターですから」というところになるほど納得。

「代役って大事ですね」としみじみと仰っていましたが、でも実際のところ、代役が来てもそのチャンスを掴めるかは、本人の日頃の準備あってこそなんですよね。オーディションに行って、呼ばれた役で上手くできるのは当たり前。むしろほかにやりたい役の準備もしていってこそ運は味方してくれる、みたいなところはありそうですからね。

トークの中で実際お話しされていましたが、「人の縁」の積み重ねでいろいろな役を経験してきためぐみさん。どんな作品でも自然に輪の中心にいる感じは、他人に対してオープンであり続けてきているからこそなんだろうなぁ。

この日のトーク&ライブで異色だったのは、本編ラスト直前で、客席に多数おられた『君よ生きて』メンバーに舞台に上がってもらっての「メッセージ」の披露。今まで何度かトーク&ライブを拝見していますが、関係者が客席に多いことはいつものことであっても、舞台上にまで上がってもらってのセッションというのは、ここまでの人数はさすがに初めてで、とっても意外でした。曲のパワーもあって、まさに一体となった感じの空気感は、なかなか他では味わえないものでした。

もう一点印象的なことがあって、それは『ウレシパモシリ』『君よ生きて』でめぐみさんを拝見して感じていたことでもあるのですが、”『日本的なもの』をとっても大事にしている”ってことなんですよね。ご自身、『君よ生きて』について「日本人で良かった」と仰っていましたが、日本的なハートに寄り添うめぐみさんってすごい光るんですよ。それこそ小山(こやま)チズちゃんの割烹着という”見た目”だけではなくて、”人を思う気持ちの暖かさ”を自然に出せるところに、彼女の強みがあるということを感じられたのが印象的でした。

最初こそファーストライブの緊張があってガチガチだっためぐみさんですが、曲を経るごとに、また話をするごとにだんだん緊張がほぐれてきて、『君よ生きて』のメンバー内で(この日の主役だから当たり前とはいえ)自然にセンターで歌っていた姿に力強さを感じて、そしてアンコールのラストはもうこれしかないでしょう、な『ウレシパモシリ』から『ありがとう』。

ご本人の言葉でこの日の締めの言葉が涙ながらに語られていましたが…今までたくさん遠回りしても、この日にたどり着けたのは、めぐみさんの笑顔と、心からの「ありがとう」が発せられる人柄、だからこそ周囲に人が絶えない様があるのだろうなと思えて、これからもたくさんの出会いを拒むことなく、彼女らしく笑顔とハートで、また新しい役や作品と出会っていってほしいなと思います。

そういえば、この日のトーク&ライブの終演時間は22時20分。この日は開始が10分遅れ、途中に10分休憩が急遽入ったため、実質時間は140分ではあったのですが、終演時間だけ見ると今までのコースレコードだった吉沢梨絵さん(22時10分)を過ぎて記録を更新しておりました。それにしてもベスト3のうち2人までがTMA4期ぽいです(笑)(3位は青山郁代さん。21時50分)

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