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『ウレシパモシリ』(5)

2015.6.19(Fri.) 18:30~21:00
ザムザ阿佐ヶ谷 C列1桁番台(下手側)

2015年ウレパモ、この日が初日公演です。
ウレパモ史上初、唄1と唄2が両方とも女性という回。

2015年公演ではこの組み合わせが5公演というレアさ。
唄1は岡村さやかさん、唄2は平川めぐみさん。

唄2は過去さやかさん自身もされていますから、めぐみさんがされるのも想像のうちでしたが、唄1にまさか女性が来るとは。唄2当時の迫力(「Answer Me」)から唄1の片鱗は見せつつも、何しろ舞台は2時間の長丁場。
瞬発力は期待できても、その長丁場ゆえの不安というのが正直ありました。

結果からすると、唄1と唄2がともに女性であることに意味のある回になっていて、とても新鮮でした。

今回、聖役もされているめぐみさんが唄2を担当し、唄2を経験したさやかさんが唄1を担当。つまり、聖の気持ちを知りながら唄2を歌うめぐみさん。それを目の当たりにしたときに、「唄2は聖の気持ちを歌う役なんだ」ということがすごくはっきりと浮かび上がって。そしてさやかさんは唄2を経ての唄1。つまり、「聖の気持ちを歌う唄2の気持ちをも包むような唄1」なんですね。そして、「唄1はジェルマンの気持ちを歌う役なんだ」ということもはっきりと感じて。

今までウレパモを見てきて、「唄2も唄1も、みんなの代弁者」という思いを抱いていて、そこが変わったわけではないですが、でも”とりわけ”、「唄1はジェルマンの気持ちを歌い」「唄2は聖の気持ちを歌う」ことがはっきり見えていて。

唄1のさやかさんはジェルマンの気持ちを歌うときは本当に優しい。

唄2のめぐみさんは聖の気持ちを歌うときは本当に激しい。

その2人の歌声は、ラストで2人が見つめ合うとともに混じり合うんです。

その混じり合うときに歌われる歌詞が「愛」なんです。

その景色を見たときに、この2人が唄ペアを組んだ意味が分かった気がしたんです。

「愛」をみんなに与えるジェルマン。
そのジェルマンの気持ちを歌うさやかさんの唄1はその「愛」を反映するかのように優しい。

片や、「愛」されているのに、その自覚がない聖。実は視野の狭い彼女にとって、ジェルマンが来てから起こる諸々の出来事は、イライラの対象でしかない。でも、ジェルマンと一緒に過ごし、そしてジェルマンが本当に大切にしていたポールをほぼ自分のせいでジェルマンから奪ったとき、聖は自分がいかに周囲を見ていなかったことを知るように思うのです。周囲を見れていなかった聖は、他人を容易に責められる。その聖の感情に寄り添う唄2は、だからこそ激しい。聖は自身に悪気があるわけじゃないけれど、悪気がないからいいというわけじゃないということを聖は知って、女性として、人間として大きくなっていく。

自分がどれだけ恵まれていて、どれだけ愛されていたかを知って、ジェルマンと出会った意味、唄1と出会った意味を知るんじゃないかって。

唄1のさやかさん、唄2のめぐみさんが、初めて顔を見合わせて、自然に笑いあった時に、”ジェルマン=唄1”の「優しさ」が”聖=唄2”に伝わったような気がして。
それを見られた時に、2人の唄ペアで見られたことの意味を感じて、そして喜びに満たされたのでした。

ジェルマンの愛が聖に伝わる。
そのために、ジェルマンの気持ちを唄1は歌い続けて、
唄2は聖に歌い続けてきたのかなと思いました。

もっとも愛を与え続けたジェルマンから、
もっとも愛を自覚していなかった聖へ、
「愛」が伝わったことがこの作品の肝なのかなと思えたのでした。

この日の聖役はひおき彩乃さん。ウレパモを見始めて4人目(中村百花さん、河野由佳さん、平川めぐみさん)の聖になります。それにしてもみなさん必ず衣装の色が変わりますね(笑)。歴代聖が並ぶとみんな服装の色が違う気がするんですが。ひおきさんの衣装は黄色のち赤でした。

ひおきさんの聖はかなり正統派。ツンデレ激しい百花さん、デレツン激しいめぐみさんの中間で、由佳さんに近い感じ。以前、百花さんを「社長秘書」、めぐみさんを「副社長秘書」、由佳さんを「会長秘書」と喩えたことがありますが、それでいうとひおきさんは「相談役秘書」って感じかなと(爆)。

この表現の違いって”野心の濃さ”でもあって、実際秘書室の人間模様ってそんな感じらしくて、社長秘書をヒエラルキーの頂上にして、アグレッシブに権力争いに挑む副社長秘書と、距離を置く会長秘書・相談役秘書って感じなんだそうで(爆)。

話は脱線しましたが、聖という役はそういう意味で役者さんの個性がずいぶんはっきり見える役に思えていて、ひおきさんの聖はいい意味でアクが強すぎなくて良かったです。

「ウレシパモシリ」を見ていると、なんだか心がふわっと包まれる感じがあって、今回は唄1がさやかさんということもあってその感じがさらに強くて。新しい「ウレシパモシリ」でありながら、「ウレシパモシリ」らしさもきちんと存在していた、そんな女性唄ペア初日だったのでした。

そんな初日、指定席特典のプレゼント抽選(3名)に当選してびっくり。
舞台上のさやかさん、めぐみさんから同時に発見された感じでした(笑)

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