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2015年6月

『ウレシパモシリ』(6)

2015.6.21(Sun.) 12:00~14:00
 自由席(下手側通路脇)

2015.6.25(Thu.) 19:00~21:00
 D列1桁後半(中央)

2015.6.28(Sun.) 12:00~14:30
 B列1桁前半(下手側通路脇)

ザムザ阿佐ヶ谷

ひとまず、終わってしまいました。

事情により今回で一区切りの予定となっている『ウレシパモシリ』、千穐楽まで4回中3回までが下手側通路脇という、不思議な事態(そのうち2回は指定席で通路脇が来たのでただの偶然です)。出演者が横を駆け抜けていく様をずっと感じていました。

今期10日間15ステージの内訳では、唄1・唄2は従来までの男女ペア(金すんらさんとRACCOさん)が10ステージ、今回初の女性ペア(岡村さやかさんと平川めぐみさん)が5ステージでしたが、自分の選択は前者が1ステージで後者が3ステージでした。

男女ペアのお2人は今までのウレパモを感じさせるオーソドックスさでしたが、感じ方として唄1が「父」で唄2が「母」なのかなと。すんらさんからは「父の”優しさ”」、RACCOさんからは「母の”厳しさ”」を感じたかな。その2人を中心に、皆が「家族」として一体化するという感じが作り出されていました。そこの「皆」には登場人物、スタッフ、客席みんなが含まれるのがこの作品の”らしさ”かと。

女性ペアのお2人の新しさといえば、最初見たときは唄1が「姉」で唄2が「妹」に見えたのですが、千穐楽で見たときは、誤解を恐れずに言えば、唄1が「祖母」で唄2が「母」かなと。

さやかさんの包み込む優しさは、以前の唄2の「母」ともまた違っていて、あの無条件の優しさは、無条件の愛情に思えて、それは孫に対する祖母の感じに一番近いかなと。個人的には今月祖母を亡くしたこともあり、”無条件の愛情”の温かさに触れると、なんだかぐっと来てしまう部分が多くありました。

それに対してめぐみさんは「母の”激しさ”」を感じて、愛する人のためにただただ闘うというオーラに満ち溢れ、さやかさんと違った”守り方”なのだろうなと思えました。

男女ペアの唄1・唄2で見ていた時、唄1と唄2は主従関係を感じて、それは「父に寄り添う母」というイメージが強かったこともあるのでしょうが、「唄2は唄1に頼る」部分がどうしてもあったと思います。そして両者は異質である感じがありました。

今回の女性ペアだと唄1と唄2はいい意味で距離が離れていて、でも感じとしては同質な感じがして。

唄1は「信じる」ことをずっと訴えかけているように思うのです。前回のblogで「唄1はジェルマンの気持ちを歌っている」と書きましたが、新宿のカスパで2人に見捨てられて1人になったときに唄1の唄は、ジェルマンの気持ちの奥底に訴えかけていて、「自分の力を呼び覚ませ」と訴えかけている。誰より自分が自分を愛せ、その力で自分は他人を信じろ、と「唄1の唄がジェルマンに入り込んで」からは、唄1の唄はジェルマンと一体化していくのではないかと。

それに対して唄2は「信じない」ことをずっと訴えていて。特徴的なのは、その見捨てられたシーンで回想する歌詞で「砂浜での2つの足跡が途中から1つになっていた、自分は見捨てられたんだ」という歌詞を唄2は歌うわけですが、唄1はそれに対して「実は自分がおんぶして歩いて行った、だから足跡は途中から1つになっていた」と歌う…

唄1と唄2が共に女性になってはっきりしたことと言えば、唄1は”心を開く”面であり、唄2は”心を閉じる”面であって、いずれも”人の一部(あえて言えば同じ人の一部)”であることではないかと。

そう考えると「Answer Me」を歌うのがなぜ唄2であるのかが理解できて。あのシーンの3人の娼婦(みどり・あい・やよい)は”自分が世の中から求められているかを信じられない”、心を閉ざした人たちの典型として存在していて。

ジェルマンさんが日本になぜ来たかということについて、この作品では結論をきちんと表現されてはいないわけですが、彼の立ち位置は「自分が世の中から求められているのかを信じられない」、だから「信じることで自分のいる意味を自覚したい」のだろうと。

だからこそ”孤独”な古市に対して「あなたを見捨てないことが自分の決心」であると話すわけで。「信じなくさせられた」古市は、恐らくは昔は「信じる」ことで生きてきた人だろうと。元からの悪人でないからこそ、ジェルマンは古市に「信じる」ことを思い出してもらうことこそ、自分のやるべきことだし自分の存在意義だと思ったのだろうと。

そう見ていくと、ただ無条件に「信じる」と言い続けられる唄1は、なるほど岡村さやかさんでなければならないことが理解できて。役者さんとして役として「邪」という気持ちを欠片も感じさせない、さやかさんだから唄1が成立するのだろうと。

逆に、そのさやかさんが唄2をやったときに感じなかった感情が、今回の唄2の平川めぐみさんにはあって。めぐみさんの場合は無自覚に清濁併せ呑むみたいなところを感じていて。

悪意とか邪念とかが入ってくると、さやかさんフィルターを通すと全部浄化されてしまうように思うのに、めぐみさんフィルターを通すと無自覚に何倍にもするようなところがあって(笑)、とても興味深かったです。

めぐみさんの場合は聖も演じていることも大きくて。

聖は最後まで「素直になれない」わけで、それこそ「言いたいことってそれじゃない」と言われるぐらい、本心と違う言葉を言ってしまう。
素直になれずにきたから、信じられなかったことへの後悔があるのだろうと。

「本当は(聖としては)こう言いたかった」という表情で歌われるW聖のシーン(聖はひおき彩乃さん)は、ひおきさんの、涙を流しながら感情がこみあげる表情と、聖としての後悔をも含めためぐみさんの表情が一直線になって、本当に素晴らしかったです。

木曜日に見ていて鳥肌が立ったシーンがあって、本編ほぼラストの「ミタクオヤシン」で唄1の岡村さやかさんが歌いだした歌詞の

「すべてのつながるものを」

という歌詞を聞いたときに、不意に納得したものがあって。

本編、ここまでのシーンに登場したすべての人、すべての事柄が「つながって」歌われるのがこの歌詞なんだ、ということ。

この日の岡村さやかさんの唄1からは確かにそれが感じられて。

自分の存在意義が感じられない人も含めた”すべて”が、かけがえのないピースであって、自分を愛し、他人を信じることで皆はつながりあえる…ということを、本当に自然に歌われていて。作品の軸がすっと貫かれた瞬間を感じられたのは何よりでした。

今振り返ってみれば、初日のさやかさんは自身の置かれたポジションの大きさに、ご自身の”らしさ”の半分ぐらいしか出せていなかったように思えて。ただ、それ以降、いい意味で、周囲に気持ちを委ねられたことで、さやかさんらしさを取り戻せたように思えて。
ひいては唄ペアを女性でやったことの意味もはっきりと感じられたことが、何より嬉しかったです。

自分にとって、聖中心で見てきたこの作品を、唄1・唄2からの視線で眺められたことはとても新鮮で、たくさんの新たな発見ができて、特に唄ペアを女性ペアで、この区切りの時期に間に合って見られたことはたぶんたくさんの偶然が重なったゆえなのだろうと、そのたくさんの偶然に感謝です。

この日のカーテンコールは千穐楽ということで各キャストから一言ずつご挨拶があり、「ウレシパモシリ」「光の子供たち」を客席と一緒に歌って幕。客席の参加率半端ない(笑)。

しばらくこの作品とはお別れになるわけですが、この作品らしく、笑ってこの日を見送れたことは何より良かったです。

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『ウレシパモシリ』(5)

2015.6.19(Fri.) 18:30~21:00
ザムザ阿佐ヶ谷 C列1桁番台(下手側)

2015年ウレパモ、この日が初日公演です。
ウレパモ史上初、唄1と唄2が両方とも女性という回。

2015年公演ではこの組み合わせが5公演というレアさ。
唄1は岡村さやかさん、唄2は平川めぐみさん。

唄2は過去さやかさん自身もされていますから、めぐみさんがされるのも想像のうちでしたが、唄1にまさか女性が来るとは。唄2当時の迫力(「Answer Me」)から唄1の片鱗は見せつつも、何しろ舞台は2時間の長丁場。
瞬発力は期待できても、その長丁場ゆえの不安というのが正直ありました。

結果からすると、唄1と唄2がともに女性であることに意味のある回になっていて、とても新鮮でした。

今回、聖役もされているめぐみさんが唄2を担当し、唄2を経験したさやかさんが唄1を担当。つまり、聖の気持ちを知りながら唄2を歌うめぐみさん。それを目の当たりにしたときに、「唄2は聖の気持ちを歌う役なんだ」ということがすごくはっきりと浮かび上がって。そしてさやかさんは唄2を経ての唄1。つまり、「聖の気持ちを歌う唄2の気持ちをも包むような唄1」なんですね。そして、「唄1はジェルマンの気持ちを歌う役なんだ」ということもはっきりと感じて。

今までウレパモを見てきて、「唄2も唄1も、みんなの代弁者」という思いを抱いていて、そこが変わったわけではないですが、でも”とりわけ”、「唄1はジェルマンの気持ちを歌い」「唄2は聖の気持ちを歌う」ことがはっきり見えていて。

唄1のさやかさんはジェルマンの気持ちを歌うときは本当に優しい。

唄2のめぐみさんは聖の気持ちを歌うときは本当に激しい。

その2人の歌声は、ラストで2人が見つめ合うとともに混じり合うんです。

その混じり合うときに歌われる歌詞が「愛」なんです。

その景色を見たときに、この2人が唄ペアを組んだ意味が分かった気がしたんです。

「愛」をみんなに与えるジェルマン。
そのジェルマンの気持ちを歌うさやかさんの唄1はその「愛」を反映するかのように優しい。

片や、「愛」されているのに、その自覚がない聖。実は視野の狭い彼女にとって、ジェルマンが来てから起こる諸々の出来事は、イライラの対象でしかない。でも、ジェルマンと一緒に過ごし、そしてジェルマンが本当に大切にしていたポールをほぼ自分のせいでジェルマンから奪ったとき、聖は自分がいかに周囲を見ていなかったことを知るように思うのです。周囲を見れていなかった聖は、他人を容易に責められる。その聖の感情に寄り添う唄2は、だからこそ激しい。聖は自身に悪気があるわけじゃないけれど、悪気がないからいいというわけじゃないということを聖は知って、女性として、人間として大きくなっていく。

自分がどれだけ恵まれていて、どれだけ愛されていたかを知って、ジェルマンと出会った意味、唄1と出会った意味を知るんじゃないかって。

唄1のさやかさん、唄2のめぐみさんが、初めて顔を見合わせて、自然に笑いあった時に、”ジェルマン=唄1”の「優しさ」が”聖=唄2”に伝わったような気がして。
それを見られた時に、2人の唄ペアで見られたことの意味を感じて、そして喜びに満たされたのでした。

ジェルマンの愛が聖に伝わる。
そのために、ジェルマンの気持ちを唄1は歌い続けて、
唄2は聖に歌い続けてきたのかなと思いました。

もっとも愛を与え続けたジェルマンから、
もっとも愛を自覚していなかった聖へ、
「愛」が伝わったことがこの作品の肝なのかなと思えたのでした。

この日の聖役はひおき彩乃さん。ウレパモを見始めて4人目(中村百花さん、河野由佳さん、平川めぐみさん)の聖になります。それにしてもみなさん必ず衣装の色が変わりますね(笑)。歴代聖が並ぶとみんな服装の色が違う気がするんですが。ひおきさんの衣装は黄色のち赤でした。

ひおきさんの聖はかなり正統派。ツンデレ激しい百花さん、デレツン激しいめぐみさんの中間で、由佳さんに近い感じ。以前、百花さんを「社長秘書」、めぐみさんを「副社長秘書」、由佳さんを「会長秘書」と喩えたことがありますが、それでいうとひおきさんは「相談役秘書」って感じかなと(爆)。

この表現の違いって”野心の濃さ”でもあって、実際秘書室の人間模様ってそんな感じらしくて、社長秘書をヒエラルキーの頂上にして、アグレッシブに権力争いに挑む副社長秘書と、距離を置く会長秘書・相談役秘書って感じなんだそうで(爆)。

話は脱線しましたが、聖という役はそういう意味で役者さんの個性がずいぶんはっきり見える役に思えていて、ひおきさんの聖はいい意味でアクが強すぎなくて良かったです。

「ウレシパモシリ」を見ていると、なんだか心がふわっと包まれる感じがあって、今回は唄1がさやかさんということもあってその感じがさらに強くて。新しい「ウレシパモシリ」でありながら、「ウレシパモシリ」らしさもきちんと存在していた、そんな女性唄ペア初日だったのでした。

そんな初日、指定席特典のプレゼント抽選(3名)に当選してびっくり。
舞台上のさやかさん、めぐみさんから同時に発見された感じでした(笑)

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『ミュージカル Talk & Songs Vol.3』

2015.6.18(Thu.) 19:30~21:00
秋葉原ワンハンドレット倶楽部

今年4月から始まったこの企画、今回が3回目。

司会を原田優一さんと今泉りえさんが交代で務め、今月は原田優一さんの回。

第1回(4月)はゲストが昆夏美さん、第2回(5月)ゲストは今井清隆さんでした。
1時間30分のうち、前半1時間はニコニコ動画での生放送となり、後半30分はスタジオ内だけのライブという構成です。

第1回はニコ動で拝見したのですが、今回初めて、現場での参加です。

秋葉原とありますが地名は浅草橋ですし、実際にも浅草橋駅からの方が行きやすいです。浅草橋駅西口から出てファミリーマートを目指して右折。次のファミリーマートを左折して3分ほど。(都内はファミリーマートだらけで、このパターンの道案内も結構あぶなかっしいですが...笑)

今回のゲストは大和田美帆さん。先日の5月30日の大和田美帆さん「トークがほとんどのトーク&ライブ」に笹本玲奈さんとともにゲスト出演した原田優一さん。その際、玲奈さんを完全にオーディエンスにさせる抜群のトーク相性が発覚し、”ライブ本番中に今日の出演をオファーした”(優一氏談)ことにより催されたこの日のトーク&ソングス。

予想通り(笑)、トーク8割、ソングス2割の構成で、開始から50分がノンストップトーク(やっぱり)。前半はそれでも先日のトーク&ライブで話された内容の再録が多かった感じ。何しろ向こうは”シークレット”ゲストだったので、演奏がYUKAさんということで予測はされていたとしても、やはりご覧になっていない方はそれなりにいたようで、その辺の配慮かなと。

2人とも一人っ子という共通点があるということで、子供のころそれぞれ「一人笑っていいともごっこ」をやっていた話がここでもされていました(ちなみに、タモリさん&ゲスト&客席の反応を1人でやってしまうというアクト)。

2人で話していると、一人っ子ということもあり、かなり共通点があるのですが、たまに優一氏が自信いっぱいに「これ同意できるでしょ?」といった事柄が、美帆ちゃんが華麗に「ごめん、それない」と即断することがあって笑えます。

それこそ兄弟姉妹いるタイプなら「あるかもね」ぐらいに中途半端にお茶濁すのに、美帆ちゃんだと直球で「それ私はないわ」で返すから流石(笑)

一人っ子の特徴って、けっこう前に出るタイプなのだそうで、美帆ちゃんいわく「兄弟姉妹いると、特に下がいると譲ったりしちゃうから。でも一人っ子はそういうのないから」だそうです(笑)。

その辺の呼吸が似ているせいか、美帆ちゃんがばっさりやった時でも別に悪意があるわけじゃないことを優一氏が分かっているのか、実にすんなりと(何事もなかったように)次に進むのはさすがだなと。サバサバしていて、やりやすいでしょうね。

美帆ちゃんはT&Sの初回を家で「寝っ転がりながら」見ていたそうで、何と一部で有名な”首から上は帝劇”をご存知でした(笑)(優一氏の初回の衣装が、なんだかオリジナリティに溢れていて(←良い言い方)、上と下がえらい違うイメージだったことをニコ動読者が命名したもの)

話の中で印象的だったのはデビュー作「PURE LOVE」のオーディションの話。
小池先生から夜11時過ぎに電話がかかってきて、電話口で「私だけに」を高らかに歌ったら、オーディションに呼ばれたという話は以前聞いたことがありますが(本人談「若いってすごいですよね」とw)、オーディションの時の話が笑えて、

小池先生「バイトは何やってるんですか」
美帆さん「紅虎餃子房でバイトしてます」
小池先生「紅虎美味しいですよね。大好きです」

という経緯があって、舞台稽古中もいつも

小池先生「この子は紅虎餃子房でバイトしてる子なんですよ」

と言われて反応に困ったそうな(爆笑)

もう一つ話していた話で宝塚フリークの話を。
お母さま(岡江様)の中学の頃の交換日記が出てきて、親友とお互い、自分の好きな宝塚スターの愛称で呼んでもらうようにしていたのだとか。さすがです。

はじめて見た宝塚作品は「サザンクロスレビュー」。”宝塚でもこれほどかっていうぐらいキランキランの作品で”と美帆ちゃん仰っていました。

その話、実は覚えていたのですが、なぜなら、私が美帆ちゃんを初めて認識したのは、「今日も一日宝塚三昧」(NHK-FM)で笹本玲奈様と録音トーク出演(WIWの番宣込み)したときのこと。お2人で超ハイテンションで「ハイパーステージ!ハイパーステージ!」と言ってたという(玲奈様ファン歴12年ですが、あれよりハイテンションな玲奈様を拝見したことはありません…笑)。

そういえば宝塚話つながりで去年の「UTA・IMA・SHOW Ⅱ」の話も出ていて、優一君がオスカルをやった話で美帆ちゃん大うけしてました。優一氏が、和音美桜先生に厳しい指導を受けた話とか、オスカルやりたくてしょうがなかった玲奈様が、優一氏のオスカルを見て「負けた…」とつぶやいた話とか、いくらでも話広げられた気がしますよこの話(笑)

そういえば玲奈様の宝塚芸名は「四季乃慶」(しきのけい)でしたね。

話は戻って。

2人を見ているとやはり居住まいの相性の良さを感じます。おそらくはかなり似たような部分も持ちつつ、でも2人それぞれが自立している感じがいいのでしょうね。

そんな流れからの前半部の歌は2曲。

1.Part Of Your World/リトルマーメイド(大和田)
2.Out There(僕の願い)/ノートルダムの鐘(原田)

美帆ちゃんは結構高音がきれいに出るので(先日のライブもコゼットパートを無理なくこなしていました)アリエルはぴったり。

「20個あるの」で持ってきたペットボトルを掲げてましたが、終わった後に優一君がツッコミ。

優一くん「あれ、バクバックの話はしなくていいの?」
美帆ちゃん「そうだ、T&Lで作ったバックなんですけど『1人1個』って言ったら、お客様みなさま正直に1人1個で買っていかれたら、実は余っちゃって…持ってきたんでぜひ買ってください」
優一くん「『20個あるの』ってときにペットボトル指してるから、『なんでバックを指さないんだろう』って不思議で」
美帆ちゃん「そっか!!たしかに!!」

というシーンが優一氏のさすがさを表現されていました。

そんな優一氏の曲を終えての美帆ちゃんが、ニコ動のコメントから1つ選びました。

『服と曲が合ってる』

会場が爆笑で包まれたのは言うまでもありません(笑)

…そのセレクト、美帆ちゃんが流石すぎる(爆)

後半はむちゃちゃ面白かったのですが、表に出せる話じゃなかったので(笑)ここでは省略です。
曲はデュエット。

3.それ以上の.../ルドルフ・ザ・ラストキス

歌詞は再演版です。
「政治的な存在」ということがはっきり明確だった和音マリーに比べると、美帆マリーはそういった感覚に全く無頓着。その点ではむしろ初演の玲奈マリーに近い位置づけかも。自分の存在の大きさ(危険さ)に無自覚だった感じが印象的だったのでした。

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『須藤香菜 トーク&ライブ』

2015.6.10(Wed.) 19:30~21:55
汐留BLUE MOOD

トーク&ライブへの参加は3度目。去年9月の綿引さやかさん、今年4月の青山郁代さん以来になります。大江戸線築地市場駅(駅名は「いちば」ではなく「しじょう」なのですね)からも、もはや迷うことはなくなりました。

築地市場駅は以前は駅前に一般客が利用できるコンビニがなかった(朝日新聞本社の中にはローソンがありますが、入場制限エリア内)のですが、5月に大手町から東京国税局が朝日新聞の隣に移転してきて、そのビルにファミリーマートが開店(築地5丁目店)しており、便利になりました。

そういえば、すどかなさんのトーク&ライブ開催ですが、郁代さんのトーク&ライブで客席にいらっしゃったすどかなさんに、「すどかなさんもぜひ」と何人か(すどかなさん曰くの「郁代ちゃん親衛隊」w)で言ってたんですが、MCの立花さんも早速オファーをされたそうで、あっという間にこの日の開催が決まったそうです。

まずはセットリストから。

1.Rose/ベッド・ミドラー
2.墓場にて/オペラ座の怪人
3.夢やぶれて/レ・ミゼラブル
4.When You Come Home to Me
  /The Last Five Years
5.しあわせもの/Original(小澤時史作詞作曲)
6.シスターアクトメドレー

Encore
7.Defying Gravity/Wicked

今回は珍しく休憩を15分間に挟む展開(M4とM5の間)。比較的”Live”の比重が高かったように思います。すどかなさんは最初ずいぶん緊張されていましたが、立花さんと話していくうちに落ち着いていった感じ。
歌う前には立花さんがえらく高いハードルを作ってましたが、歌だとどんなハードル作られてもすっと入っていける方ですからね。むしろトークでそれやられたら本当に話せなくなってたように思えます(爆)

過去を振り返ってのトークでポイントになったのは中高(女子高)がプロテスタントの学校で、「日常に讃美歌があった」という話でしょうか。たぶん、歌うことが自然で、構えることがないというのはすどかなさんの強みなんだと思うのですが、その辺りのルーツってやはり多感なこの時期に形作られるものなのでしょうね。

中高の音楽部は公演形式でミュージカルをやってたそうで、結構自分から手を挙げて、いい役(作品名・役名はここでは書きませんが、いわゆるヒロインです)をやっていたそう。その後、プロになってからは流石にそういうことはないそうで、「プロは厳しいんですよ。」と実に実感を籠めて仰っていたのが印象的でした。

高校時代は結構宝塚にはまっていて、「初電で行って東京宝塚劇場へ並ぶ」タイプの方だったそうで(^^)、列に並んでいる間勉強していたそうです。「観劇もしなきゃいけないし、勉強もしなきゃいけないし、○○○も『しなきゃいけない』し…(←「したいし」じゃないところがたぶんポイントです)」という辺りがとっても共感できます(^^)。

すどかなさん、大学は早稲田ですが、選んだ理由が「早宝会(そうほうかい)」という、早稲田大学生しか所属できないサークルに入りたかったからという。その団体、早稲田には珍しく他校生が所属できないサークルだそうで、結構辛口の劇評で有名なのだとか(笑)。

ご本人は大学に入ったら入ったで演じる方が好きになったということで、そちらの団体での活動がメインになったとか。そのサークル出身の方は三森さん(レミゼのファクトリーガール)や奈良坂さん…などの名前を挙げてらっしゃいました。ちなみに立花さんご自身も早稲田なんですね。

TMAでは二期生。TMAは卒業公演でレミゼをやっていましたが、すどかなさんはなんとガブローシュ役。「このあたりから少年役が多く来るようになって。背ですかね」と仰っていましたが(^^)。
この期は比較的男性の方のお名前が分かる期ですかね。マリウスが田川景一さん、寺元健一郎さんのダブルキャスト、アンジョルラスが現ジャベの鎌田誠樹さん。

『キャンディード』出演のきっかけとなったジョン・ケアード氏のWSは、なんと月ミュの告知で知ったんだそう(驚)。氏の印象を聞かれて「ベテランの方にはとても厳しく、私たちにはとても褒めてくださる方でした」と。舞台作品の中で果たすべき役割というものをきっちり分けて提示できる方なんでしょうね。「演出家さんというよりも学者さん」と仰っていたのが印象的。立花さんが「博識」という言葉で受けていらっしゃいましたが、なんだか納得です。

そんな感じでトークが続きつつ、合間には歌も。M5の『しあわせもの』は今回のライブのために、”世界のオザワ”(←本人は”周りがネタで囃し立てるんですよ”と仰っていましたw)こと小澤時史さんが作詞作曲をした曲。不思議なことに作詞も小澤さんなんです(笑)。”すどかなさんに捧げる言葉と音楽”という感じでしたが素敵な曲でした。

「人の不幸を嘆きながら実はその人の顔は笑顔、そんな風には私はなれない」と言う1番がすごく印象的。すどかなさんの”よくないことをよくないと思える感性”がとっても上手く掬い上げられているような気がして、なんだか納得。
というのも、すどかなさんがそういう方だから、周囲もその人柄に引き寄せられてくる、だから私は「しあわせもの」なんだ、ということを表現されていた曲で、あぁなるほど、これだとすどかなさんが作詞しないで小澤さんが作詞したのがなんだか納得しました。

この曲の2番では「私は私の選択に後悔しない」という言葉が出てきていて、これはアンコールのDefying Gravityの力強さともシンクロしたのですが、突き進む、突き抜けるときが一番すどかなさんが光るときなんだろうなと。これだけの曲をこうも歌いこなして、それなのにどちらかというとコメディリリーフとして使われることが多いというのも何とももったいない話と感じます。以前歌を聞いた時よりもよりリミッターが外れていたような気がして、そこはいいなぁと感じました。

最初は緊張していたすどかなさんも、最後は「楽しかった」と仰っていた今回のトーク&ライブ。立花さんの会話コントロールも相変わらず巧みでしたし、演奏の小澤さんとのバランスも絶妙。すどかなさんの方がお姉さんなわけですが(小澤さんがしっかりしすぎててたまにそう見えないという…CDMLの作曲してた時大学四年生という…CDMLのお気に入りの曲というオーダーでラストのパートを演奏されていました)いい意味でフラットな感じがとても収まりが良くて良かったです。

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『レ・ミゼラブル』(19)

2015.5.6(Wed.) 13:00~16:10
 1階E列40番台(上手側)

2015.5.10(Sun.) 13:00~16:10
 2階K列10番台(センター)

2015.5.23(Sat.) 12:00~15:10
 2階L列30番台(センター)

2015.5.27(Wed.) 18:15~21:25
 1階中列30番台(センター)

2015.5.30(Sat.) 13:00~16:10
 2階I列40番台(上手側)

2015.5.31(Sun.) 17:00~20:10
 1階C列10番台(下手側)

ずっとblogには書いていなかったのですが、結局帝劇にこれだけ通っていました(笑)。プレビューから含めて、実は10回。抑えたはずなのにこの回数。とはいえ、個人的には帝劇レミ史上最長インターバルの中11日というのがあったので、妙に前半と後半に集中、特に最後の1週間の「なんだかわからない切羽詰まった『もう終わり』感が半端なかったです。

帝劇公演を振り返ると、2013年以来続いてきた客層の入れ替わりがずいぶんと進行したことを実感します。今まで以上に学生団体を入れていたのも勿論のこと(びびちゃんの誕生日公演が貸切になったのは寂しかったです)、何しろ宴会乞食でよほどのことがない限り手拍子がない!というのは印象的でした(さすがに帝劇前楽はありましたが)。トークショーでも「バルジャン以外はみんなアンサンブルパートがあって別の役をやってる」という話が”驚きをもって迎えられていたことを、キャストの皆さんが何より驚かれていた”という話が印象的で、いい意味で「ミュージカルへの入り口」としてこの作品が機能し始めていることが嬉しいなと。

レミゼって、知らなくても印象には残る作品だと思うんですね。「なんだか暗い作品」「人がいっぱい死ぬ作品」ということであっても、心にひっかかる何かを残せる作品。そこから関心を持って調べていくと、知ったら知ったなりの楽しみが見いだせる作品。初心者でも玄人でも、それぞれに楽しめる間口の広さは、この作品の知名度ゆえのものだと思うので。

新演出という意味では2013年もそうなわけですが、2013年は春についてはそもそも落ち着いて舞台が見られなくて、何しろ劇場に行ってキャストが変わっているということの繰り返しでしたし(劇場まで行って、怒りで見ないで帰ったのは後にも先にも2013年4月の1回だけです)、出演者が「またも演出の○○か!」みたいな状態になっていて、とても窮屈そうに演じられていたことを感じずにはいられませんでしたし。

でもその後、2013年帝劇凱旋ではその空気はかなり減って、キャスト毎の個性がちゃんと表に出るようになってきて、満を持しての今年2015年は、根底に流れる空気は共有しながらも、各キャストがそれぞれの思いで演じていることを感じられるようになって、それが何より安心しました。今回、演出家さんが本番直前の来日で、演出補さんがほぼ管轄されていたことが理由じゃないかと邪推してるんですけど(爆)

●エポについて、語り残したことをつれづれと。
レミといえば私にとって大きな比重を占めるのはやはりエポニーヌ(歴代ではファンテーヌの時もありましたが)。
今回は10回の内訳はびびエポ(綿引エポ)が5回、玲奈エポが4回、昆エポが1回ということで、これだけ見ていて綾エポがないのは単純に巡りあわせです。

帝劇公演70回のうち、登場回数はびびエポだけ10回で、他エポが20回なわけなので、びびエポは2回に1回見てることになりますし、玲奈エポも5回に1回見ていることになって、必然的に記憶の主体はこのお2人ということになります。

ハプニングがついて回るのもこのお2方の特徴で、

・びびエポ、本を良太マリウスに掴まれ大慌て(10日マチネ)
・玲奈エポ、オンマイオウンの歌い終わりで帽子を落とし拾えず(23日マチネ)
・びびエポ、登場シーンでナイフを落とし見失いかける(27日ソワレ)
・玲奈エポ、撃たれて回転したら帽子吹っ飛ぶ(31日ソワレ)

と印象的なものだけで4つ思いつきます。

何か起こった時に玲奈エポが上手なのは、もはやそれが最初からの予定だったかのように組み込み直すこと(笑)。特に31日ソワレの帽子が吹っ飛んだシーンなぞ、ほとんど芸術的というか、それほどまでに激しくマリウスを守ろうとした、という動きに持っていって、マリウスの海宝くんをも飲み込んで”エポニーヌを生きていた”もので、初見だとあれが普通だと思えるぐらいに自然でした。

今まで玲奈エポは数えきれないほど見ているけど、何か起きた時の動きは、たぶん理屈じゃなくて反応なんだろうなと思う節があって。玲奈ちゃんの呼吸とエポニーヌの呼吸がたぶん合ってるんですよね。だからこそここまで続いてきているのだと。あと何か起きたらまず逆らわずに流してから後のことをやるという特徴があります。

翻ってびびエポの場合は、おそらくかなり意識的に動くところがあって、何かあると一拍考えてから動くところが玲奈ちゃんとの違い。一瞬我に返るというか、止まっちゃうところが玲奈ちゃんとの違いかなと。今後、ここをどう流せるかなんでしょうね。ハプニング以外にも、その日の演技プランを考えて臨んでいるように見えて、日々はっきりと動きが違うことが飽きない理由かなと。登場シーンでマリウスの背後に回り込むのも、実は田村マリウスに対してだけとかだったり。

このお2人で印象的な違いといえば、「駄賃」に対するとらえ方の違い。

玲奈エポは、少なくとも今期はマリウスからの駄賃を投げ捨てませんし、バルジャンからの駄賃も一度は断りながらも受け取り、そしてそれは投げません。イメージとしては、「自分にとっての大事な宝物」という理解かなと。それは”貨幣”ではないのですね。盗賊の時には渇望して追い求める”お金”と、見た目は同じでも意味が違うと。

びびエポは、マリウスからの駄賃を投げ捨てますし、バルジャンが差し出す駄賃に至っては、触れることもしたくないかのように、なんと帽子で払い除けるのです。これはすごい印象的だったのですが、びびエポにとってはこれは”貨幣”なんだろうなと。自分のマリウスを思う気持ちを”お金”で解決されようとすることに対する感覚的な嫌悪感というのか。”恋する気持ち”が前面に出るエポだけに、自分の恋が色褪せてしまうことに対する抵抗感があるのかなと思えます。

そしてこのお2人、実は共演することが多い組み合わせで、玲奈ちゃんの帝劇20回のうち、12回まで、鳩役がびびちゃん。ラブリィレィディでエポと鳩はバルコニーにいるのですが、この2人があんなことこんなこと…というのが見ていて実はツボで(笑)。
後半に進むにつれて玲奈ちゃんががっつり積極的になっていったのもツボでした(笑)

ちなみにエポがびびちゃんのときは小南さんというパターンが多かったですが、この時はびびちゃんががっつり積極的で(爆)小南さんが呑まれていく感じでした。

そして、玲奈ちゃんがエポニーヌとして初めて登場したのは2003年8月(18歳)。この日のご挨拶で「2003年からエポニーヌを12年演じています。というと『お前何歳だよ』って思われるでしょうが(笑)ぎりぎり20代です」と仰っていて、最近の玲奈ちゃんのこういうラフな感じ、とっても好きなのですが、振り返ると、2003年からのエポニーヌは全部で8人(SPキャストの歌穂さんと美奈子さんは除く)。

それでいて、実は玲奈ちゃんと同い年のエポニーヌというのはびびちゃんが史上初なんです(今年の5月20日から6月14日まで)。玲奈ちゃんを基準にすると年上は9年上のANZAさん、5年上の真綾さんと聖子さん、年下は6年下の昆ちゃん。一番近いのが2011年のJenniferさんでしたが、それでも1年半下だったので、”同い年”になったことは一度もないんです。

12年間続けてきて、稽古場に制服で通っていた(駒田さん(レミ同期2003年組)談)玲奈ちゃんが、エポコゼ最年長になって4年。同い年のエポが現れるなんて思ってなかっただろうなと思うと、それって実は結構大きなことなんじゃないかと思ったり。同期と同い年って、また違った重さがありますよね。

そんな玲奈ちゃんも、中日劇場公演のうち6月16日からは未踏の領域である30代エポニーヌへ(SPキャスト以外では、2003年以降初)進むことになります。ちなみにコゼットは同じく2003年以降で30代コゼットは中山エミリさん(2011年、33歳)お1人だけです。今期の若井さんも、富山楽時点ではまだ20代なので。

そういえばエポニーヌについて、どれだけ彼女が一筋縄ではいかないかの話。

パリでジャベールとともにバルジャン&コゼットを取り逃がし、盗賊団はみんなで「娘の家を探せ!」と探しにかかるわけです。が、盗賊団が束になってかかって見つけたプリュメ街の邸宅に、ほぼ同タイミングでエポニーヌがいる。…つまり、盗賊団ほかのメンバー5人分が、エポニーヌ一人。それだけやり手ってことです(笑)

だからこそ、テナルディエは「エポニーヌお前なしでここはやれる」というわけですよね。娘だからという話以前に、実は自分の手先としてエポニーヌの力量を買っている。

31日ソワレ、ここでの玲奈エポニーヌがすごくてですね、盗賊団の一味の前に立ちはだかりますよね。扉の前に立って。そこで玲奈エポニーヌ、なんと左手挙げて「よぉっ」って感じであいさつ。上から目線過ぎて爆笑です(笑)。

さすが玲奈エポニーヌ、漢前すぎです。

●”私”と”私以外”のこと
先日参加したネパール大地震チャリティーライブ「Love For Nepal」。
この日、メンバーの一人、マリウス役の田村良太さんが『レ・ミゼラブル』から「彼を帰して」を歌われました。
その曲を歌う前、良太氏はこう言われたんです。

「この曲は、『レ・ミゼラブル』で唯一、他人を思って歌う曲なんです」

と。

冷静に考えると、ご自身の『カフェソング』は同志の友人たちを失い、彼らを思って歌う曲じゃないのかと思ってしまうのですが、でも、なぜだかこの言葉は自分にすごく深く突き刺さりました。

『レ・ミゼラブル』って、”私”で埋め尽くされている物語じゃないのか、って。

コゼットがパパをなじるのも、「”私”の過去を知りたい」だし、エポニーヌだって『また”私”一人』だし。工場にいる女工たちだって、ガレー船にいる囚人だって、パリに生きる人々だって、みんな”私”についてしか語っていない。
それは当たり前の話で、あの時代のフランスで、他人を慮って生きる余裕のある人なんておそらく一握りの存在だったと思われるわけで。自分の身を守ることだけで精一杯、そういった人たちの物語であるわけで。

でもこの物語はそれだけじゃなくて、もう一面として、”私”ではない”私以外”に対する思いが増幅してくるという面を持っている。

バルジャンがコゼットを思う。
バルジャンがマリウスを思う。
ファンテーヌがコゼットを思う。
エポニーヌがマリウスを思う。
学生たちが市民を思う。
コゼットがマリウスを思う。
マリウスがコゼットを思う。

”誰かを愛することは、神様のおそばにいることだ”で終わる『レ・ミゼラブル』。

「自分のことだけで精いっぱいで生きている環境でも、人は誰かを愛することで、幸せになれる」物語なのだなと。

そういった面から考えると、エポニーヌがマリウスに頼まれて手紙を届けるシーンについて考えさせられます。

マリウスからの手紙を持ったエポニーヌ、それを渡せというバルジャン。
ここ、不思議なシーンなんですよ。

エポニーヌがバルジャンに手紙を渡す。
そこに当事者のマリウスもコゼットもいない。

そして、コゼットにまで渡ってしまえば、バルジャンとエポニーヌは、2人ともが愛する人への思いが叶わないことになるんです。

エポニーヌはマリウスへの思いは叶わない。
バルジャンはコゼットを失う。

だから、バルジャンとエポニーヌの”利益”ということで言えば、実は「この手紙をなかったことにする」のが、2人にとっての最大利益なはずなんです。

でも、2人ともそうはしない。そうすべきではない。
それを一番わかっているのはエポニーヌ。

特に30日ソワレのびびエポの迫力は凄かった。

いつもマリウスからの手紙を前にぎゅっと抱きしめていたびびエポ、この日は手紙をとっさに背中に隠して、「俺に渡せ」といたバルジャンをいつも以上に激しく睨み付けたんですね。

その時のバルジャンの様は、エポニーヌにとって大切な手紙を渡せる相手ではなかった。…マリウスからの大事な気持ちの詰まった手紙を、エポニーヌはどんな気持ちで持ってきたか…。自分がマリウスに気持ちを伝えるには、この手紙はいつ捨ててもおかしくない手紙なのに、自分の愛するマリウスの気持ちを粗末にすることはエポニーヌにとって許せることではなかった。でも、その気持ちを、この男はちゃんとわかっているのか。コゼットを愛するこの男にとって、それこそ手紙を握り潰すことも十二分にありえる。それではせっかく自分が胸を締め付けられるような気持ちで運んできたこの手紙が何の意味も持たない。

その時のエポニーヌの気迫は、「今の貴方に手紙は渡せない」と全身で語っていて。

そのエポニーヌの視線の真剣さをバルジャンは認めて、そしてエポニーヌを一人の女性として接するようになる。…その流れがすごく良くて。

エピローグで、バルジャンを迎えに来るのはファンテーヌとエポニーヌ。
ファンテーヌに迎えられることはわかるわけですが、なぜエポニーヌなのか。

それは、「自分を捨てて愛する人のために生きた」ことを、エポニーヌから手紙を渡された時に、バルジャンは
理解した。つまり、「誰かのために自分を投げ出す」という点でバルジャンとエポニーヌは”同志”であったと。だからこそ、バルジャンは強く強く、エポニーヌの手を上からぎゅっと握るのだと思うと、エピローグのもう一つの物語が強く胸に迫って来るのでした。

…帝劇公演もあっという間に終わり、これから地方公演になります。

帝劇前楽、吉原さんのご挨拶もとても印象的で。

「自分が生きること、そして自分の愛する人が生きていること、それは実は当たり前のことではなくて。いつ何時お互いいなくなるかわからない。だからこそ自分の人生を大事にし、自分の愛する人を大切にし、自分のしたいことをして、自分のすべきことをして生きることこそ大事なことであると、この作品からいつも教えられている」

その言葉は、『レ・ミゼラブル』を形作る大黒柱に相応しい言葉で、今の自分にはとても深く深く突き刺さる言葉だったのでした。

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『大和田美帆トークがほとんどのトーク&ライブ』

2015.5.31(Sun.) 12:00~14:00
東京・銀座某店

タイトルからして笑える(笑)トーク&ライブですが、2時間で6曲(実質8曲)。十分ライブとしても充実したものでした。

まずはセットリストから。

1.Let It Go~妊婦バージョン~
2.誕生/中島みゆき
3.道標/大和田美帆
4.Maybe/アニー
5.アニーメドレー(with笹本玲奈/原田優一)
 5-1.Hard Knock Life
 5-2.tomorrow
6.プリュメ街~心は愛に溢れて/レ・ミゼラブル
 (with笹本玲奈/原田優一)
7.You Raise Me Up

M1のれりごー妊婦バージョンは、深夜にいきなり歌詞が思いついて携帯に書き留めて、これでライブやらなきゃと場所選定に翌朝向かった曲らしく(笑)、最初からエンジン全開です。

 ふくらみはじめたお腹は私を揺らし
 妊婦の世界に 一人の私
 風が私にささやくの
 ヘイユー!トークライブやっちゃいなよ!

…でしたっけか(笑)

 サビに至っては

 妊婦 妊婦 私は妊婦 何も怖くない

 ですから(笑)

→主催者発表はこちら

もうね、美帆さん、自由です。そりゃ何も怖くないですよね。この歌聞かなくてもわかってたけど!(笑)←目黒で経験済み

以前から自由な印象がある美帆さんですが、妊娠されてまた一回り自由になった感じでもう喋る喋る。
何しろシークレットゲストの原田優一氏(喋ることにかけては達人な氏)と張るんですから。
そりゃ隣の玲奈ちゃんも地蔵になりますよ(笑)。

とにかく歌われている時間以外、「喋るの止まったら死んじゃいます」的なスピードで喋る喋る。
今までこれ以上に喋る方は…男性1人女性1人ぐらいしか記憶にないなぁ(名前自粛)。


今回妊娠ということで舞台に立てない間、トークライブならできるだろう、ということでメルマガ会員限定で企画されたという今回のライブ。事前に平日がいいか土日がいいかアンケートが取られ、結果、日曜日のお昼になったと思っていたのですが、その実、美帆さんから衝撃の発表が。

美帆さん「今日は時間厳守なんです。だから時計も買ってきました。なんで時間厳守なのかというと、今日これから17時開演の帝劇『レ・ミゼラブル』を観劇するので(会場内爆笑)。ゲストさんの都合もありますので」

ここの言及でおそらく99%玲奈ちゃんだろうなという予測はしていて。もともと銀座で12時という時点で、移動を考えると17時帝劇とのマチソワは可能(13時だと違うと思ってた)だと予測、リハーサルの火曜日も玲奈ちゃんは全休日ということは確認していたのですが、まさか美帆さんが行くという理由も兼ねているとは思っていなくて(笑)。ちなみにもともとレミゼ観劇が決まっていて(玲奈ちゃん帝劇楽ですからね)、後からトーク&ライブを入れたんだそうです。なんのことはない、私と一緒じゃないですか(笑)

トークで仰っていて印象的だったのが、芝居観劇が趣味だった美帆さん。でもいざ自分が舞台に立てなくなってみると、そこに立てない自分が、舞台上の役や役者さんを羨んでることがあることに気づいて、一時期距離を置いたのだそうです。でも安定期に入り、宝塚のDVDでのリハビリを経て、最近はまた芝居観劇が楽しくなれたと。出ている方は出ている方、自分は自分と思えて楽しくなれたのだそうです(特に宝塚のショーは「何も考えずに楽しめる」ことでとても元気になると)。

この日のピアノはYUKAさん。YUKAさんといえば原田優一さんのKAKAIや、原田さんご自身のCDで演奏されている方だそうで(お名前とお顔は存じあげていました)その辺から優一さんゲストを予測された方もいらしたようですが、全般的にはメルマガ会員+家族(父上母上いらっしゃっていました)+友人という、アットホーム爆笑空間(笑)

美帆さんの場合、力まないその存在感が絶妙の笑いを引き出すというか「分かってくれようがくれまいが、私は私」という感じで、でもそれに押しつけがましさがないのがすごいなと。原田氏がいみじくも語っていたのは、美帆さんと優一くん、実は一人っ子という共通点があって、それは一人っ子の特徴にぴったりあてはまるのだとか。「一人『笑っていいとも』」を二人ともやっていたそうです(笑)

2人の”長い芸歴”の話になって、原田氏語って曰く、「ガブローシュ当時を知っている先輩と最近会ったら、『お前は当時から目上に聡い(=だれが力を持っているかを見分けていた)感じがして嫌いだった』って言われたそうで会場内爆笑でした。

そんな2人の超絶トークに、完全に観客と化している玲奈ちゃん。というか後半はほぼ笑ってて完全に笑い落ち。
(ちなみに前半は完全に地蔵でした)

玲奈ちゃん「笑いつかれた(笑)」

玲奈ちゃん「ライブのゲストに来て笑ったのはじめて

…そ、そういえば!

確かに借りてきたお客様というイメージが強いわけで、言われてみるともはやゲストというよりトーク時はオーディエンス(笑)

玲奈ちゃん「そういえば、私が喋るときと美帆ちんが喋るときがぶつかって美帆ちんが先行すると、20分ぐらい後にちゃんと『玲奈、さっき何言いたかったの?』と拾ってくれるのがすごい」

…えーと、20分放っておかれるんですかw(by心の声)

それでも歌の時は流石はプロ。プリュメ街を至近1mで聞くなんて、なんて至福。

当然、玲奈エポニーヌ&美帆コゼット&優一マリウスです。
期せずしてプリュメ街マチソワ(エポニーヌのみマチソワ通し)です。

終わってのMC。

美帆ちゃん「(玲奈の)『突き刺さる彼の言葉が』が横から突き刺さって」

玲奈ちゃん「うるさかった?(会場内爆笑)」

美帆ちゃん「いやいや(笑)。ホンモノだー、ってむちゃくちゃ感動で」

優一くん「リハやった時になぜか美帆ちゃんこの曲で出て行っちゃって」

美帆ちゃん「だってホンモノのお2人ですよ、帝劇ですよ、こんなことないわけですよ、もうミュージカルオタクの感想全開ですよ」

…という一幕も(笑)

そういえばここの曲目、

美帆ちゃん『A Heart full Of In My Life
玲奈ちゃん&優一くん「違う(笑)。『A Heart full Of Love』(心は愛に溢れて)」
美帆ちゃん「えー、だってこう書いてたじゃん」
優一くん「玲奈と『これ違うよね』って言い合ってて(笑)。とりあえずほおっておいて当日間違えたら間違いってことで(笑)」
美帆ちゃん「言ってよーーー!」

というのがなかなか黒かったです(笑)

・・・

玲奈ちゃんの言葉で「美帆ちゃんとはまた共演できるけど、お腹の子とは共演できないし、今日共演できて良かったです」ということばがとっても素敵でした。
この日のトークライブ、美帆さんのお子様の出産をみんなで願う空間という意味でもとても温かかったなと。


美帆さんの人柄ゆえのライブということを実感して、前回の目黒の時も感じたけれど、美帆さんの笑いの裏には、笑いにするまでの悩みや葛藤がきっちりあって、それを自分なりに消化するからこそ一つ一つの言葉がご自身の言葉で出てくる。それがやっぱり素敵で。

歌われているときも、一つ一つの音に、歌詞にそれがあるんですよね。だから聞いていてとっても満たされる感じ。

ミュージカルについて話しているときの、なんだか勝手に同志感といい、”ミュージカルを語る集い”を本当にやってほしくなるぐらい。演じる側の視点と観る側の視点をバランスよく持っているのが美帆さんの強みなのかなと。そのうえで、先輩の知見を自分で判断して取り込める柔軟さもあるように感じられて。

最終的に判断するのは自分だけれど、でも選択するための耳はたくさん持っておきたい、そんなところが美帆さんの周囲におそらく人が絶えない理由なんじゃないかなと思えました。

美帆さん自身の変わらぬ魅力も拝見できて、そのうえゲストが玲奈ちゃんと優一君というなんという豪華さ!

2人は6月に名古屋、7月は博多に行ってしまわれますし、8月が美帆さんの予定日ですが、3人での再共演、実現できると嬉しいです。

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