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2015年4月

『青山郁代トーク&ライブ』

2015.4.22(Wed.) 19:30~21:50
汐留・BLUE MOOD

2度目の参加となるトーク&ライブ。
1回目は去年9月の綿引さやかさんの回で、その間も何名か行きたいものはあったのですが、結局半年ぶりのBLUE MOOD。

前日の吉沢梨絵さんの回も迷ったのですが、この日に休暇を取っており、前日は何時まででも仕事をできるようにしておかなければならないため、泣く泣く諦めました。中1日あればどちらも来たんですけどね。

前回の綿引さんの時は指定席だったので安心していたら、この日は自由席。
シャンテでゆっくりしすぎて開場時間に出遅れましたが、上手側のまぁまぁの視界の場所を確保できて一安心。周りはお知り合い沢山ですが(笑)。
ピアノが下手側にあり、出入口が上手側のため、通常は下手側がピアノ、ゲストが中央、立花さんが上手側になるようですね。

ということで「トーク&ライブ」ですが、予想通りというか予想以上というか、「トーク×5&ライブ」みたいな感じで(笑)、何しろお話し好き&早口な郁代ちゃんに、こちらも早口の立花さんが絡むわけですから、トークテンポが早い早い(爆)。
あまりのたっぷりトークで1曲目が30分以上過ぎてからという(笑)。

トーク&ライブの基本は2時間休憩なし(19:30~21:30)ですが、前日の吉沢梨絵さんが最長不倒記録を作られたそうで22時5分。「さすがに超えるわけには・・・」と途中から明らかに調整が入ってました(笑)、その結果もあって本編終了は21時50分でした。

トークは子供の頃から現在まで、という基本線に沿って展開します。西方面(大阪)出身のせいか、「宝塚に入りたかった」そうで(実際に受験もされたそうで)、その話はあまり聞いたことなかったかも。あ、でも紫吹さんが憧れという話は知ってましたそういえば。

初舞台の『ZORRO THE MUSICAL』の時に紫吹さんが見に来られていて、楽屋で(嬉しくて)号泣してたら、通りかかった島田歌穂さんが気づいてくれて紹介してくれたのだとか。その時号泣しまくりだったそうなのですが、10日後に初共演となる『風と共に去りぬ』の出演が決まり。顔合わせで紫吹さんにご挨拶したら覚えていてくださって・・・『あの号泣してた子ね』ということになったらしいです(笑)

結構インパクト勝負の話が多かったですかね。アナウンサー就活時代に履歴書に「ハイツェー(ハイC)出せます」って書くと興味を持ってもらえて「出してみて」って言われたとか。ちなみにここで実際に出してもらったら、立花さんいわく『ただの悲鳴ですね(笑)』という音階でした。

この日の話の中で客席に向けられた話で、「ファンになったのいつからですか」って話があって、作品順に挙手という段取りとなったのですが、初舞台の『ZORRO THE MUSICAL』も何人か手が挙がっていました。ただこれって中々難しくて、実は私も『ZORRO THE MUSICAL』は拝見しているんですが、郁代ちゃんを意識して見ていたわけじゃないので、ここをスタートにするのはちょっと無理があるかなと。自分の場合は2012年の『ミス・サイゴン』という結論になりました。

ちなみに『ZORRO THE MUSICAL』から郁代ちゃんを知ってる方々、『どうやって見つけたんですかね』と郁代ちゃんは不思議そう。とはいえ「ちっちゃかったですからね(笑)。お姉さま方に囲まれてちっちゃいのが私含めて何人かしかいませんでしたからわかりやすかったでしょうね」ってオチがいかにも郁代ちゃん。

この『ZORRO THE MUSICAL』での舞台上のハプニングで初めて聞いた話が、スペインから来ていたメンバーのうちの2人が舞台上で喧嘩し出したんだそうで。何かっていうともともと蜂起みたいなシーンで、2人が持っていた棒と松明が当たってしまい、「わざとか!」とかいうので喧嘩になったと。で誤解し合ったままじゃまずいからカンパニーみんなでビデオ判定までして「わざとじゃない」という結論になって一件落着したら・・・3日後には肩組んで現れて一同唖然、みたいな話があったそうです(笑)

ファン履歴で印象的だったのは先日のカラオケ対決で初めて郁代ちゃんを知って来られたのが5人以上はいらしたこと。郁代ちゃんも驚かれていました。郁代ちゃんも言及されてましたが、なかなか「行く」ってところまで行くのは難しいですからね。
カラオケ対決は2回出演されたわけですが、1回目は周囲からの反響が大きく、2回目はいつも反応されない方からの反響が大きかったそうです。実際、今回の立花さんからのオファーも、この2回目の放送直後にされたものだそうです。

そしてカラオケ対決であれだけ得点を出した郁代ちゃんだけあって、「カラオケで点を出すコツ」をいくつかおっしゃっていましたが、ここでは企業秘密ということで(笑)。ただ、「スタジオだと音が拡散したり、音が反響した分も機械が拾っちゃうのでカラオケボックスよりも3点は下がる」というコメントが印象的。つまりスタジオで95出す郁代ちゃんがカラオケボックスだと98、という感じらしいです。

そんなトークを交えつつ、いきなり不意打ちで歌に移るという、トーク&ライブ。
というわけでようやくセットリストです。

1.ハバネラ/カルメン
2.自由の地へ/ジェーン・エア
3.命をあげよう/ミス・サイゴン
4.Beauty And The Beast/美女と野獣
5.生まれてはじめて/アナと雪の女王
6.デスペラード

こう並べて見ると生で聞いたことがないのはM1だけ(1stライブは行っていないので)。M2も新鮮でしたが言われてみれば2stのKIWAで歌われていました。M4とM5はカラオケ曲で、M6は3rdの神楽坂で聞いていました。

M1はご本人いわく「私、肉食系ですから(笑)」の言葉通り、散々客席の男性陣を目で殺しまくっておられました(←用語おかしいw)

M4はテレビの時と違っての高音域での披露。郁代ちゃんは本来はソプラノですからこっちの方が自然でした。

・・・

今回のトーク&ライブを見ていて全体的に感じたことですが、郁代ちゃんの場合は、けっこう軸を動かすタイプなのかなと。「最初から最後までこれがこだわり!」って感じよりは、その時々のベストを探す、という印象をもって。今までのような「ベストの積み重ね」が今後どのように郁代ちゃんを変えていくのか、興味深いです。

この日、ピアノを演奏されていたのはTMA出身の岩下(いわし)依未さん。郁代ちゃんの後輩にあたるそう。
とても綺麗な演奏で、郁代ちゃんの歌声とも絶妙にマッチしていて、ぜひまた演奏を聞いてみたいです。

トーク&ライブ、この日が2回目でしたが、出演されている本人が気づかないご自身の歩みを掘り下げていく様は、多分出演される方にも貴重な体験なのではないかなと。回数が増えてきて、展開や構成も大変になってくるのだとは思いますが、また機会があれば拝見したいです。

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『レ・ミゼラブル』(17)

2015.4.13(Wed.) 18:15~21:00 ※プレビュー初日
 帝国劇場 1階S列10番台(下手側)

2015.4.17(Sat.) 17:00~20:15
 帝国劇場 1階A列20番台(下手側)※最前列

新演出版の新演出版、レミゼ2015年シリーズがスタートしました。

旧演出版(2003年)からレミゼを見始めた自分ですが、新演出版で沢山「?」となっていたところがほぼ解消されていて、とてもストレスなく見られます。

”生きることに前向きな人々たちの物語”-唯一、ジャベールだけが負の面を背負ってはいますが-がはっきりと浮かび上がる2015年レミゼ。随所に旧演出の良さを混ぜつつ、今まで以上に胸に温かいものを持ち帰らせてくれる印象です。

新演出版からの細かい変更点はいっぱいあるようなのですが、何しろいっぱいありすぎて覚えていられないという(笑)。
その中から印象的なこと、全体の流れを列記してみます。

・流れが滑らか
 新演出版にあった妙な「こだわり」が結構ばっさばっさと削られていて、流れがとても自然に感じられます。
 数箇所、「これ何?」って場所があったりしますが、箇所的には凄い少なくなっています。
 1箇所だけ、バルジャンがジャベールを仕留める(ように見せかける)、あの後、学生がバルジャンに語りかける「正義のために」って言葉だけは違和感がありました。
 政府軍にだって正義があるし、学生にだって正義がある、そしてバルジャンにも正義がある。それらの正義が一致するとは限らないから戦いになる、ということかとも思うのですが、唐突すぎる印象はありました。

・見た目が綺麗
 前回からプロジェクションマッピングは使用されていましたが、光の当て方がとても綺麗。プレビュー初日は1階後方から見たせいもあるかもしれません。土曜ソワレはレミでは記憶にない帝劇最前列から見ましたが、全体的には暗くなっているようです。そういえば、あの文字列は今回復活しなかったですね。

・袖を使いまくり
 下手側袖をここまで使っていた印象がなかったのでちょっとした驚き。土曜ソワレ、目の前でヤン・ジュンモバルと岸ジャベールの対話(ジャベールを逃がす場面)が繰り広げられましたが、ものすごい迫力でした。従来から袖の横を使っているエポニーヌの独白(注:非公認名称)の場所変更はありませんので、エポファンの方の特等席は従前と替わらず、帝劇1階上手端のお一人様席(C列46番)です。

・動線が自然
 このキャラクターが上手から下手へ、逆にこのキャラクターが前方から後方へ・・・が無理なく無駄なく動線が考えられていて、お互いのキャラクターが邪魔しあわない印象があります

・エポニーヌがシャープ
 エポニーヌが盗賊団の中でも出色の存在感というのが余すことなく伝わります。
 玲奈エポがそれをまた巧みにこなすもんで、見ていて清々しいです。

 盗賊団に清々しいもあったもんじゃありませんが。いっそ、玲奈ちゃんで怪盗ものやって欲しいんですよね。

 因みにプレビュー初日現在では玲奈エポは地毛でした。少なくとも綿引エポは長髪でしたので、印象がかなり違います。
 帽子取ったところで玲奈エポを見たバルジャンがそこまで「おおっ」とは反応しないんですよね。ボーイッシュな面が残るエポニーヌなので。

 で、これ複数エポ、つまりプレビューの玲奈エポと本公演の綿引エポを見て思うのですが、玲奈エポのナイフ捌きがまるで経験者レベル(注:個人的に経験はありません)。自分に言い寄ってくる同じ盗賊団のモンパルナスをめいっぱい嫌うのは以前からですが、今回、エポのモンパルナスへのあしらいはそれはそれは壮絶。ナイフを自在に操り、「近寄るんじゃないわよ」オーラが凄い。

 玲奈ちゃんと言えば、現役のミュージカル女優さんで、銃を一番多く撃った女優さんだと思いますが(「ミス・サイゴン」のキム役、「ラブ・ネバー・ダイ」のメグ・ジリー役を合わせると300回近い)、あそこまで敏捷に身体が動くとはさすが。
 ちょうどこの2日間ともマリウスが優一君だったので分かりやすかったのですが、玲奈エポの場合はあの優一マリウスをスピードで翻弄するんですよ(爆)。玲奈エポはマリウスに対して上から見下ろそうとする感じがあるかなと。

 翻って綿引エポ。とにかく感情表現がとっても豊か。笑顔が印象的な分、落ち込んだ時の落差が強く印象的。
「オン・マイ・オウン」もパート毎に表情をとても大きく変えてくるので、エポニーヌの感情がビビットに伝わってきて素敵です。というのも、この日、自分にとって衝撃的なシーンが一幕にあったんです。

 帝劇最前列のA列は、舞台を下から見上げる形になるのですが、そこから見ていたから分かった風景。

 コゼット邸に忍び込もうとする盗賊団を見つけ、危険をマリウス&コゼットに知らせようとするエポニーヌが盗賊団仲間に見つかり、吹っ飛ばされている場面。
 コゼット(この日は清水コゼット)は駆け寄ると、エポニーヌの前に跪き,エポニーヌを心配そうに「下から見上げた」んです。

 今までレミを見てきて、コゼットがエポニーヌを心配したことが見えたことってはっきり記憶になくて、だから衝撃的だったのですが、ここで凄かったのは、「コゼットに心から心配された」エポニーヌがショックを受けたことがありありと見えたこと、そのことが衝撃的でした。

 エポニーヌにとってコゼットは、宿屋時代の立場が逆転した相手ではあるといえ、エポニーヌにとってコゼットは所詮は「金持ちの小娘」でしかないと思うんです。「金持ちの小娘」であるから、貧しい自分たちのことはわからない。マリウスに本当に必要なのは、あんな小娘じゃなくて自分だ、という思いに支えられていると思うんです。

 でも、そのコゼットが自分を「見上げて」心から心配している、そのことにエポニーヌはショックを受けたように見えて。コゼットは「心も清らかな女性」であることを知ってしまったエポニーヌは、自分が誇れるものなんて何もない・・・だからこそ「みじめな私」という言葉が、いつもの何倍も響いて聞こえてきました。

 玲奈エポの場合、それを知っても最後まで強がろうとする役作りのように思うのですが、綿引エポの場合は、それを知った以上は自分はマリウスの相手としては相応しくないという思いを引きずる役作りに見えました。

 それはエポとコゼの組合せも反映しているように思われて、今回、玲奈エポと若井コゼ、綿引エポと清水コゼという組合せがそれぞれ別々のラインで絶品な相性を感じます(前者がプレビュー、後者が本公演)。このお2組、エポにとってのコゼ、コゼにとってのエポというものの方向性が合っているんじゃないかと思います。

 綿引エポの場合、”片想いも楽しい”って感じで、清水コゼも”恋が楽しい”って感じなので、系統が同じせいもあるのかなと。

 いずれにせよ、それを踏まえてのネーミングで、玲奈エポはスプリンターエポ、綿引エポはシフトチェンジエポ。ということで。

・・・

 今回、「あぁなるほど」と思ったことを1つ。

 ファンテーヌが「まさか」と言うシーンがもともと1箇所ありますが、今回、2箇所に増えています。
 もともとの箇所、ジャベールが淫売の巣窟に駆けつけ、逮捕されそうになるファンテーヌをマドレーヌ市長が救うところは前のまま。
 今回、その直前で自分を買おうとする客が工場長やってたアンサンブルさんというシーン(もともとそういう配役)でも「まさか」が発せられます。

 「まさか」が2つになったことで”輪廻”がはっきり分かりやすくなったかと。自分を貶める”まさか”も、自分を救う”まさか”も受けるファンテーヌ。工場から追い出されるときに助けなかった市長、追い出す当事者の工場長。追い出された場で”工場長”に買われる自分のみじめさゆえに、客に噛みついてまでいくけれども、連れて行かれそうになった自分を、市長は思い出してくれた・・・

 このシーンで、ファンテーヌが市長に唾を吐きかけなくなったのが今回一番良かった変更点。あの唾はいくらファンテーヌであっても自らの品位を落としているようにしか思えなかったし、すがりつき、こぶしで怒りをぶつける今回の演出の方がずっと好きです。

・・・

 この日初見となった清水コゼットについても少し追記。
 パパへの愛情とマリウスへの愛情が見事に両立してる素敵なコゼット。

 思えば、自分が好きなコゼットは今までみんな”パパへの愛情”を忘れないコゼットでした。
 河野由佳コゼ(2003~2006)、菊地美香コゼ(2007~2009)、青山郁代コゼ(2013)と来て今回、清水彩花コゼ。
 その存在にとっても安心しました。

 そんなコゼットのラスト直前、パパを見送りたくなくて、パパにすがりつくコゼ。
 その後ろにいる里ファンテの笑顔が本当に「いい娘に育ってくれて良かった」という安堵の表情で、凄く泣けました。

 バルジャンが立ち上がってからファンテと手を繋ぐのは当たり前なのですが、エポニーヌとぎゅっと手を繋ぐ姿がとっても感動するんです。全ての人に愛を与え、感じられるようになったバルジャン・・・という想いとともに、「エポニーヌがいなければ自分はこの安らかな最期を迎えられていない」という想いが伝わってきてそれも素敵。特にプレビュー初日の吉原バル→玲奈エポへの握手は、見てて分かるぐらい「ぎゅっっ」という強い握手でした。エポニーヌの犠牲がマリウスを生き残らせ、マリウスの存在がバルジャンの生きる意味の完結をもたらしたわけですから。

・・・

今まで以上にとても心温まる「レ・ミゼラブル」、とっても素敵なスタートでした。

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『左手を探しに』

2015.4.15(Wed.) 19:30~21:40
渋谷・ギャラリールデコ

OneOnOne活動再開第1弾の朗読ミュージカル。
場所は渋谷・明治通り沿いのギャラリー(ビル5階)。

小劇場以上に小劇場といった感じのコンパクトなブースの趣。
開場時間の19時ちょうどに会場入りし、無事最前列を確保。
演じるスペースを円形に囲んで3列しかないので、席数は多く見て50席といったところです。

主人公の福子を演じるのは岡村さやかさん。美大出身で現在はOLの女性。
さやかさんで白い服装というのは珍しい感じ。
かつては絵描きを目指した彼女も、今ではOLとして生活する日々。

その彼女の生きる日常は、ゲームをするぐらいの平凡な日々ですが、この物語の中ではそのゲームの中の世界と行ったり来たりするという構造になっています。そのゲームの中の世界は「ピーターパン」の世界で、ピーターパンを梶さん、ウェンディを田宮華苗さん、タイガーリリーを佐野まゆ香さん、フック船長は蔵重美恵さんが演じています。

ちなみに席は向かって中央付近を確保。ちなみに、岡村さやかさんはキャンバスに向かうのかと思いきや、(後述しますが)絵を描くのを諦めかけている女性なので、ほぼ客席側を見て演じる形になるので場所は正解でした。

さて、この辺からネタバレがちょっと入り始めますので、気になる方は回れ右でお願いします







福子にとって「”左手”を探す」ことがどういうことか、それがこの物語の大きなテーマになっています。
福子にとっての”夢を追いかけた日々”の象徴・実態が”左手”なのですね。実際、左手でキャンバスに絵を描いている訳なのですが、その左手をワニに食べられてしまう。
”ワニ”というのはピーターパンの世界でフック船長がワニに左手を食べられるというのと掛けていて、実際ワニを演じる千田阿紗子さんは実際の世界では丹羽という女性を演じています。
(ちなみに「わに」と「にわ」で名前も掛けています)

この丹羽という女性は劇中、福子に「ずっと君の左手が欲しかった」と語りかけていて、有り体に言ってしまうと、丹羽は福子の才能に嫉妬していたということなんですね。

で、そんな福子は自分の左手(才能という面もある)に対する”こだわり”というものがそれほど強くなくて、”左手”を失った後、日々を起伏なく過ごしている・・・
(ちなみに「ふくこ」と「ふっく」で名前も掛けています)

福子は現実世界とゲームの世界を行き来しながら、自分の人生を振り返りながらも、自分の人生をどうしていこうかという思いも前に出せていない。その”前向きになるきっかけがない自分”というポジションが岡村さやかさんによく嵌っています。

現実世界とゲームの世界がそれぞれ独立して動く中、人知れず近づいて来た2つの世界。
福子とフック船長の奇妙なシンクロナイズ。

フライヤーにある「フック船長はなぜ大人にならないあの島へ辿り着けたのか」というキャプチャーと、この作品の原題である『地図と砂時計』という言葉がぐぐっと繋ぎ合わさた時に、福子が表情を変えていく様は良かったなぁ。

自分の才能という「左手」を護る自信と「左手」で生きる覚悟が持てずに、現実の世界に閉じこもっていた福子。
丹羽(ワニ)に「左手」を食われることを、ただ呆然としか見ていられなくて、そんな辛い思いをしたくないから、「左手」の要る世界から自分から遠ざかったようなように見えた福子。
「地図があれば迷わない」と言っていた福子。

そんな福子が、あるきっかけを境に変わり、丹羽を地図もなしに見つけ出し、そして丹羽に「左手を差し出せる勇気」を持ち得た様は素敵だし、そのシーンの意味するところはこの作品の一番大事なメッセージですよね。

「地図があれば迷わない」のではなくて、「地図があるから自分の足で歩く方向を決められない」のだろうなと。

あのシーンは福子から丹羽への宣戦布告でもあって、「私はもうあなたに左手を食われることなんて怖がらない」という意思表示だし、それを言えたことで福子は確かに今までにないステージに立てていて。

福子が”地図にない”道を辿って丹羽を見つけ出したという点も大きな意味を持っていて。
つまるところ、この物語を通じて、福子という存在を通じて、”想いを諦めないこと”、”限界を自分で定めないこと”を感じさせてくれるようで、とても勇気づけられるものがあるのでした。
その物語を岡村さやかさんで見せてもらえたことも嬉しい限りでした。


回替わりのアフターライブは30分強の超サービスバージョン(これが毎回だそうです)。

その中でも自身唯一のOneOnOne体験だった『しあわせの詩』(岡村さやかさんを知ったきっかけの作品です)2曲は聞けると思っていなかったので嬉しかったです。初披露となるそうなWさやかさん(主宰の浅井さやかさん&岡村さやかさん)のデュエットの『本当の願い』と、メンバー全員による『しあわせの詩』、堪能しました。

ばたばたの日程の中に何とか詰め込んだ観劇日程でしたが、見られて良かったです。

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『オーケストラで楽しむ音楽VI』

2015.4.12(Sun.) 15:00~17:20
ミューザ川崎シンフォニーホール
1階1C4列20番台(センターブロック)

ミューザ川崎のシリーズ企画『オーケストラで楽しむ音楽』、今回が6回目。
今回はゲスト出演者に新妻聖子さん、中川晃教さん出演ということで川崎まで行って参りました。

まずはセットリストです。

<第1部>
1.80日間世界一周
2.オリエント急行殺人事件
3.旅情~サマータイム・イン・ヴェニス~(新妻)
4.テネシーワルツ/鉄道屋(ぽっぽや)(新妻)
5.銀河鉄道999(中川)
6.ジョン・ウィリアムズ・スペクタクルズ・メドレー
7.デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」/ファンタジア

<第2部>
8.ライムライト~テリーのテーマ(エターナリー)
9.風と共に去りぬ
10.海の上のピアニスト~ニュー・シネマ・パラダイス
11.追憶~The Way We Were(新妻)
12.Let It Go/アナと雪の女王(新妻)
13.マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
  ~間奏曲/ゴットファーザーPartⅢ
14.I Will Always Love You/ボディーガード(中川)
15.Ease on Down the Road-Believe in Yourself
  /ウィズ(中川)
16.ホール・ニュー・ワールド/アラジン(中川&新妻)
17.アラビアのロレンス

<アンコール>
18.いつでも夢を(中川&新妻)
19.男はつらいよ(佐山)

・・・

ポジション的に舞台に近い席をいただきましたが、クラシック向けコンサートホールということもあり、演奏は良いのですがマイク音は相当籠もって聞こえます。1幕に比べると2幕はかなりマシになったので、幕間に調整したのだと思いますが、何となくリハーサルで客席からの聞こえを確認しなかった感じもします。

進行は舞台も良く見ていらっしゃる、元フジテレビの中井美穂アナウンサー。客席を上手く乗せていただく安定安心の進行担当さんで一安心。

第1部は演奏で突き抜けるパターンで、中井アナのMCが入りつつも、基本はずっと走り続けるパターン。「旅」がテーマの曲を選曲されたとのこと。

第1部で出色だったのは中川あっきーのゴダイゴsongな「銀河鉄道999」。マイクの入り方が微妙な中、「日本のマイクロジャクソン」(聖子さん談)のポジションだけのことはあります。本当、ベストなマイクで聞きたかったですこの曲。

聖子さんの2曲はどちらもおとなしめな曲。第2部のMCのときにその点を中井さんから突っ込まれてまして。

中井さん「新妻さんのいつもの(役の)曲からするとずいぶん違う印象ありましたが」
聖子さん「大人しかったですよね(笑)。大人しい役もできるんです(笑)。」

というあたりが相変わらず(笑)

第2部はマイク回復の結果も含めて、M15のWIZ@あっきーがさすが。WIZの全曲コンサートをもう4年もされているそうで、その風格というか説得力というか、びんびんに伝わってきました。

そして、なぜだか2日連続(爆)となる「Whole New World」。
前日のフジ系「ミュージックフェア」ではクリスハートさんと新妻さんの組み合わせで、日本語→英語の順でしたが、この日は中川さん&新妻さんで全編英語という不思議な(爆)。

この曲の最後、盛り上がりまくったあっきーが、なんと聖子さんの手にキスを。

その余韻さめやらぬ中、MCに突入。

中井さん「デュエット素敵でしたね-!
      そしてラストには中川さん、まさかの・・・!」
聖子さん「『ちゅう』ですよ(笑)」←その言い方(笑)
中井さん「中川さん、それはどんな理由で」
中川さん「バックの演奏が素晴らしくて気持ちが乗ってしまって・・・」
聖子さん「私じゃないの?(会場内爆笑)」
     ↑真顔&声裏返り(爆笑)

中川さん「姫はもちろん素敵です」

・・・という、もの凄いMCハプニングが発動しました(笑)
普通に中川氏が「姫」と表現してて噴き出しました(爆)

話は姫のれりごーの話になり・・・

中川さん「本当凄いですよね、あっけにとられました」
中井さん「そうですよね」
中川さん「どこから声出てるんですか」
聖子さん「ここからですよっ(と、ドレスなのに腹を叩く)
・・・で会場内再び爆笑。

聖子さんあまりに勢いよく腹叩いたもんで、ここコンサートホールなもんで、響くことときたら(笑)

MCではあっきーがオーケストラの演奏に「感動しか言ってないですね」(と自分ツッコミ)してたぐらい、ハイテンションで「こんな素晴らしい演奏でこんな素晴らしいホールで・・・」と仰っていたのですが、それを聞いていて(その気持ちが伝わってきて)、そしてその前の歌を聞いていて感じたことがあって。

中川さんと新妻さんはミュージカルデビューがほぼ同期(中川さんは2002年の『モーツァルト!』、新妻さんは2003年の『レ・ミゼラブル』)ということもあり、ミュージカル同世代で「歌」に対する接し方は、割合似ているところがあると見られていたと思うんですね。

今回、コンサートで2人が共演するのは初めてかと思うのですが、実際同じ場で聞いてみると、2人の歌に対するポジショニングって似ているようで違うんだなということを実感して。

中川さんの場合は演奏に”乗る”感じで、”演奏と歌う自分、そして客席をダイナミックに一体化させる”ことに長けていて、実際「WIZ」の時の客席の高揚感は凄くて。

翻って新妻さんの場合は、演奏を”従える”感じで、”演奏をバックに歌う空気で、客席を飲み込む”ことに長けていて。ただ今回のホールに関して言えば圧倒するほどの歌声ではなかった印象で、”悪くはないけど絶対的に良いとまでは言えない”という感じであったのかなと。

ここ最近の姫の歌を聞いていて、どことなく言葉にできない違和感を持っていたのですが、あっきーの歌と聞き並べてみて、なんとなくその違和感の理由が分かったような気がして、それを感じられたことがこの日行った意味なのかなぁと感じたのでした。

そういえばMCで面白かったのがピアノの佐山さん。

中井さん「ピアニストってどんな人ですか」
佐山さん「ペテン師です(笑)」
中井さん「聞いている人を夢の世界に連れて行きますもんね」

の流れで中井さんがおっしゃった、「そうはおっしゃってても、
演奏にはお人柄が出ますよね

という言葉は、中井さんのおっしゃった想いとは別に、自分にとってはすごく重く感じたりしたのでした。

そういえば続きですが、
アンコールで佐山さんが寅さん風のジャケット来て出てきて、鞄とオランジーナ持ってきてて爆笑でした(笑)←現在CM中

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『Wonder Honey~あの娘は、可愛い魔法使い~』

2015.4.5(Sun.) 19:30~21:10
日暮里d-倉庫 Wonderチーム

teamFrogMan Vol.4のこの作品、今回は再演ですが初見です。
制作としてよくお名前を拝見する相澤祥子さんが作・演出、TipTapの音楽でおなじみ小澤時史さんが音楽のユニット。

会場は安心安定の日暮里d-倉庫です。
日暮里d-倉庫は行き始めのところは駅から遠いことばかり意識していて、「まだかなまだかな、エネオスまだかな」と思っていたものですが、今日歩いてみたら近いこと近いこと。気持ちの上のことではありますが、さすが3作品目ともなれば行き方も慣れたものです。

明日が楽日ですが、ネタバレ含みます
ご注意ください




ストーリーは魔法使いのメアリーアンが、自分の声も、魔法の力も失ったところから始まります。

魔法の先生から「自分のためにしか魔法を使ってはいけない」と言われていたメアリーアンが、シンデレラの境遇に同情して「他人のために魔法を使った」ことで、メアリーアンはその境遇に。自分の声と魔法の力を取り戻すため、魔法の先生がいそうな場所を転々とする。その場にいるのはそれぞれのおとぎ話の登場人物たち。メアリーアンがそれぞれの登場人物と出会うことで、お互いにどんな変化が起きていくか・・・という流れで物語は進んでいきます。

この作品の興味深いのは、「おとぎ話の中身を変えても構わない」というところ。メアリーアンが物語に介在するとき、物語はいい方向にも悪い方向にも動く可能性があるわけですが、メアリーアンの明るさ、前向きさは総じて物語をいい方向に進めていきます。そして、いい方向に進み始めた物語の登場人物の姿を見て、メアリーアンは自分の中に暖かい気持ちを得ていきます。

「自分のためにだけ魔法を使っていた」メアリーアンが、声を失い、魔法を失ったからこそ「安易な方向に頼らずに気持ちをぶつけていく」様がとても心地好いです。もともと前向きな少女ではあったのでしょうが、声を失い、魔法を失ったことで「より素直に気持ちが出せる」ようになったのかなと思えて。

物語の登場人物たちは、どことなくみんな一線を踏み出せずにいて。

物語の「結末」と言われていることに、どことなく全てには納得していないように思えて。

物語の中での心残りを、メアリーアンは消してくれたんじゃないかなって。

この作品は、各パートが「おとぎ話」である、という共通点しかほぼなくて、でもそれが最後にシーンですべてを取り込んでラストを迎えます。その最後のカタルシスたるや、ミュージカルの醍醐味といってもいいものだと思うんです。音楽なしでもできるかもしれないけれども、音楽なしではここまでの感動をすぐには作れないだろうなって。

別々の物語の登場人物が一同に会して、センターに立つメアリーアンに対して感謝をしている。
メアリーアンを見つめるみんなが笑顔で、そしてメアリーアンももちろん笑顔で。

登場人物がメアリーアンにどうしてそこまで笑顔で話しかけるのか、それを思ったときに「自分の心残りを消してくれたメアリーアンへの感謝の気持ち」がメアリーアンに対して伝わってくる、それが見ていて分かるからなんだなって。
そのみんなの笑顔を見た時に、「声を失ったことも、魔法の力を失ったことも」無駄じゃなかったと、メアリーアンが思えたことが素敵だなって。本当はそこで「自分に何ができるか、何をすべきか」を見つめたメアリーアンが素敵ということだし、それはきっと客席に対する、「メアリーアンのように生きる」ことの大事さというメッセージなんじゃないかなと思う。

作品の一貫性といえば、音楽をすべて小澤先生が作られているので、流れに違和感を感じることがないのがとても良かったです。TipTap作品でおなじみなので「重い」印象が多い氏の作品ですが、今回はとてもポップで軽快でした。

・・・

登場人物はみなさん素敵でしたが、印象的だった皆さまをつれづれに。
観劇はWonderチームだったので、対象の皆さまはWonderチームになります。

メアリーアン役、小島みゆきさん。出ずっぱりなのにソフトな感じで、過剰に前に出ない存在感がとっても心地好いです。作品をずっと貫く「ふわっ」とした感じは彼女の存在感からも大きく影響しているように思います。

アリス役、井坂茜さん。あの役の衣装ってなかなか着こなすの難しいと思うのですが、とても似合っていました。あの衣装で華麗にダンスされる様が素敵です。

赤ずきん役、勝目雪菜さん。役柄としての雰囲気もぴったりですが、狼役の荒田至法氏(今回の作品で数少ない、見たことがある俳優さんです。同所の『なうちぇんじ』で拝見)とのバランスが良いです。可愛さの中に、ちょうどいい気の強さをブレンドして、しほー氏を抑えにかかる感じが(笑)

ヘンゼル役、鈴木彩子さん。探偵事務所の”できる所長”さんの感じが絶妙。ポジションを面白くしようとせずに面白くできるのはテクニック故なのだろうなぁ。見ていてとても安心できる方でした。

グレーテル役、能條由宇さん。スタイル抜群、インパクト抜群で見たら忘れません。長身ということもあり、堂々とした存在感がこの役にぴったりでした。衣装もとても素敵でした。

ラッカム役、椛島歩さん。今回、この作品と出会わせていただいた方ですが、キャラが存分に立っていて笑えます。「ラッカム探偵事務所」勤務、もとい「ヘンゼル探偵事務所」事務員さんなわけですが、電話であれやっちゃう人いますねぇ(受話器の抑えておく場所が逆で、通話先に電話の内容筒抜け)。あぁいう「やらかしちゃうけど憎めない」キャラクターがベストフィット。

ピーターパン役、柴崎咲子さん。ピーターパンにぴったり。歴代では宮地真緒さんに雰囲気似てる感じ。ピーターパン役って、「どれだけ動きをピーターパンぽくできるか」がポイントな気がしていますが、柴崎さん、動きがちゃんと少年ぽくて良かったです。魔女と対するシーンの鏡の中の私、も印象強かったです。

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今回、DVDが2チームとも出ることが決まっており、会場にて予約受付(1チーム2500円)。

パンフレットはA5判で、シンプルながら良い仕上がり(700円でとってもリーズナブル)。ダブルキャストということもあり、出番別の役一覧が見開きで付いて、とっても便利。2チームあると、この役はもう一つでは誰がやっているのかな?というのは良く気になるので、それを左右で対照できるようにしているこの作りは、他の作品にもお勧めしたいぐらい便利な構成です。

チラシを見た時に「なんか気になる」と思った直感に委ねて、この作品を観られてとっても良かったです。
普段は直感任せに生きにくい自分なのですが(爆)、たまにはそういうのもいいなぁ、と思えた日曜日でした。

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