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『ファースト・デート』(1)

2014.11.22(Sat.) 18:00~19:40
シアタークリエ 12列1桁番台(下手側)

ブロードウェイミュージカル、日本初演の初日です。

1幕制で途中休憩なしの100分ですが、流れがとても良くて、却って休憩があると流れが途切れて戻ってこなくなりそうです。

登場人物7人が7人とも、ほぼ舞台上に出ずっぱりで居続ける、出演者にとってはとてもハードと思われる作品ですが、初日からチームワークは抜群で、どの方のファンでも、そしてどの方のファンでなくても楽しめる、ウェルメイドな作品に仕上がっています。

作品の舞台はとあるバー。「ブラインド・デート」(お互い相手を知らないデート。いわゆる合コンの1対1版)で待ち合わせるアーロン(中川晃教さん)、ケイシー(新妻聖子さん)。この2人を取り巻く周囲の人物は残り5人が代わる代わる平均4役(合計20役)を務めます。

5人が歌う幕開けの「運命の人」(M1)と、中川さん・新妻さんデュエットの「第一印象」(M2)は先だっての作品イベント(汐留BLUE MOOD)で披露され、動画も公開されていた曲ですが、作品の上で聞くわくわく感に胸が躍ります。

周囲は「2人は運命の人」って予言しているようにも見えたりして、そんな中「第一印象」が「最悪」という2人の時が始まっていくわけですが。

中川君演じるアーロンは金融マンで真面目なタイプ、新妻さん演じるケイシーは作品ポスターと違った方向に奔放な衣装をまとい(爆)機関銃のように喋りまくる。押されまくるアーロン、押しまくるケイシーのバランスがとってもポップ。
聖子さんの衣装は銀河でやった「ブンとフン」の悪魔ちゃんに近いかと。

人物の関係図で言えば、アーロンに一番近い場所に居るのが藤岡君演じるゲイブ。肉食系男子といわれてますが、なんかキャラクターがぴったりすぎて噴いてしまう。マサ君は何度か作品観ているけど今回が一番役に合っている気がする(『Beautiful Game』は役がちょっと狙いすぎというか・・・)。アーロンに対しては悪友みたいなポジションなんだけど、悪気ゼロというのがとっても心地良い。アーロンが色々やらかしてそれにダメ出しをする選択が的確すぎる。でも、実はアドバイスはアドバイスとして、アーロンはアーロンの意思として踏み出すことに実は意味がある、と。

翻ってケイシーに一番近いのは姉のローレン。未来さんが演じています。いわゆる「完璧な姉」として既に結婚もしていてケイシーに色々ダメ出しをしてくる。でもケイシーとしてはローレンの完璧さを羨ましく思いながらも、「自分はそうなれない」というもやもやとした気持ちは、ケイシーの奔放さの一つの原因であるわけですよね。

そして問題児という属性の、通称「小悪魔ちゃん」な昆ちゃん、アリソン。アーロンの元カノですが、振り回し系小悪魔のはまるまいことか!ってぐらい破壊力抜群。そりゃアーロンの中に深く深くトラウマが刻まれますわ、ってぐらいに存在がずるすぎる(笑)。アリソンもきっと悪気はないんだろうけど、無意識の悪意は感じざるを得ない(笑)。そこが魅力的なんですよね(男の感想)。

アーロンとケイシーの2人を見守るウェイターに今井さん。誰だろう、この役に今井さんを充てることを考えたGJな人は・・・自分自身も不器用で、かつ暖かい人って、なかなか見つからないように思います。座長ぐらいの年齢になるのに、座長ぶらない感じがとっても素敵です。パンフレットでも今井さんらしい天然爆弾を爆発させていただいています(笑)・・・リアみつるって・・・

ケイシーの友人にしてどこか気がある風な男性、レジーに古川さん。どことなく弾け切れていないというか、客席が暖まるまではちょっと分が悪い気がしましたが、中盤からは盛り返していました。繰り返し流れる「緊急措置」、つまりレジーからケイシーへの電話なわけですが、ケイシーがそれに見向きもしないのも興味深いです。

ケイシーにとっては「第一印象」は「最悪」だったアーロンだけど、ケイシーはそれでもアーロンのことを見捨てようとはしないんですよね。ケイシーにとって自分を変えられるチャンスをくれる相手だと思ったんじゃないかなって。

アーロンもケイシーも心にもやもやを抱えていて、その思いを伝えられる相手だと信じられたとき、それが2人にとっての「FIRST DATE」(最初の一日)だったんじゃないかと思えて。

・・・

キャストは皆さんはまり役。

アーロン役の中川晃教さん。前半の気弱な感じから、思いを吐露し始めてからのエンジンの掛かり方はさすがはあっきーワールド。お相手が新妻さんということもありデュエットもMaxパワー、と思えながらも、最近は相手との掛け合いを意識しながら調節している感じが興味深いです。

ケイシー役の新妻聖子さん。奔放さが地を思わせます(爆)。勢いで言っちゃって相手に誤解されたり傷つけたりして、人しれず後悔しているようなイメージが被るんですが、気のせいでしょうか(爆)。ケイシーが自分なりの完璧さを求め始めようと一歩を踏み出す感じが印象的でした。

ゲイブ役の藤岡正明さん。この方も地過ぎる感じですが、とあるシーンで某楽器を持ちだしたときはライブでも始めるのかと(笑)。存在が軽やかで爽やかという、「軽やかなワル」。女性にもてそう(笑)。カーテンコールで「僕は真面目に生きてきたので」と言っても聖子さんが突っ込まなかったのが意外すぎでした(爆)

アリソン役の昆夏美さん。小悪魔感満載だったのは、褒めて良いのかそうじゃないのか(爆)。男性を振り回すのに無自覚、という感じがぴったり合っていました。そういえばご覧になればわかりますが、Googleは最強過ぎて笑いすぎました。

ローレン役の未来優希さん。実は初見です。姉としての存在感しっかり、そして妹(ケイシー)にとっての、有り難さ迷惑さ両方を持った「壁」なんだろうなと思えたり。姉がしっかりしてなければ妹はしっかりなれたのにという思いはあるのかもと思えたりしました。

レジー役の古川雄大さん。思ったより破壊力高くなくて、クリコンのその種のランキングでは普通に似合っている方に入りそうな感じ(ちなみに今井さんは客席拍手で最下位だったそうですw)。役どころ的にはすごいやりにくそうな役に思えますが、彼(あえてそう呼ぶ)が弾けると物語はもっと面白くなりそう。

ウェイター役の今井清隆さん。ミスターチャーミング(勝手に命名)の面目躍如。ハートウォーミングウェイターの座は彼以外にいません。前作「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」よりは動きも少ないですが、まさかあのダンスをやるとは・・・サプライズでした。

・・・

そういえば、新妻さんのシアタークリエは舞台作品ではこの作品が5作品目ですが、そのうち3作品までが12月上演。『プライド』、『GOLD~カミーユとロダン~』につづき、今回の『ファースト・デート』。”クリエ12月の女王”の面目躍如です。(もう2作は去年の『トゥモロー・モーニング』と今年の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』)

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