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『新妻聖子 Musical Party』

2014.10.15(Wed.) 15:00~17:00
 よみうり大手町ホール 3列1桁番台(下手側)

2014.10.15(Wed.) 19:00~21:05
 よみうり大手町ホール 11列10番台(中央)

今年3月にオープンした新しいホール・よみうり大手町ホールでの、新妻さん初の「ミュージカル曲に限定した」コンサート。
夜公演が瞬く間に売り切れ、昼公演が追加されました。客席数は503席で、有楽町のよみうりホール(最大1100席)の半分なので、コンパクトなホールです。

チケットにも「有楽町のよみうりホールではありません」と書いてありますが、やっぱり誤解の元なので、せめて「大手町よみうりホール」にできなかったのかなと・・・

フライヤーには「昼夜一部の曲目が異なります」とありましたが、結果としては同じ曲目でした。
予定曲目にあって歌われなかったのは、「I Dreamed a Dream(夢破れて/レ・ミゼラブル)」のみでした。

<第1部>
1.Overture
 1-1.私の好きなもの/サウンド・オブ・ミュージック
 1-2.Memory/キャッツ
 1-3.One/コーラスライン
 1-4.America/ウェストサイド物語
 1-5.Tonight/ウェストサイド物語

2.踊り明かそう/マイ・フェア・レディ
3.On My Own/レ・ミゼラブル
4.Shall We Dance/王様と私
5.Let It Go/FROZEN(アナと雪の女王/英語)
6.共にいてアルゼンチーナ/エビータ
7.エーデルワイス/サウンド・オブ・ミュージック
8.Fly, Fly Away/キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

<第2部>
9.ラ・マンチャの男/ラ・マンチャの男
10.100万のキャンドル/MA(マリー・アントワネット)
11.Big Spender/スゥイート・チャリティ
12.Singing in the rain/雨に唄えば
13.Over The Rainbow/オズの魔法使い
14.GOLD/GOLD~カミーユとロダン
15.夢はひそかに/シンデレラ

<アンコール>
16.命をあげよう/ミス・サイゴン

休憩15分含め2時間、お得意のMCを交えつつの濃密な時間。

M3ではミュージカルデビューとなったレ・ミゼラブル、エポニーヌ役の説明。
「19世紀フランスの話ですよ。映画にもなったしご存知ですよね」でばっさり済ませようとする(笑)
さすがにその後ちゃんと説明してましたが、相変わらずの必要十分なご説明の中にちょいちょい笑いを挟む新妻様。

エポニーヌとマリウスとコゼットは三角関係、でもエポニーヌからマリウスへは片思いなので三角関係ですらないという説明が昼公演。夜公演はエポニーヌとコゼットが幼なじみという表現をされていました。

「ミュージカル界でのある意味デビュー曲」(夜)という発言が印象的でした。
ソロだと確かにこの曲が一番最初ですね。

M5は予想通りの英語で来ました。聖子さんの場合、この曲はやはり日本語より英語が似合います。それに松さんをリスペクトしている聖子さんが、この曲をオフィシャルな場で日本語で歌うのはどうにも考えにくかったのもありますが。
ただ絶唱するわけでなく、一つ一つの歌詞を組み立てながら歌い上げていく感じは期待どおり。

興味深かったMCが、「Let It Go」の和訳が難しいという話で、「ItをGoするわけです。Itが何かは皆さんそれぞれ違うと思いますが」というのがとても印象的。

劇中ではエルサが自分を解き放つ曲ですが、実は誰もが自分の中に破る殻を持っているということを暗示したかのような聖子さんのMCはなるほどと感じさせるものがありました。

それにしても、さすがの聖子さんにとってもこの曲はハイハードルだったようで、「お腹空いた」(昼)、「この曲で捌けるようにしておけばよかった」(夜)というMC群に、その苦労が偲ばれます(爆)

歌い終わった後、「私の魂が『Let It Go』です」(夜)というのは凄すぎる(笑)

M7のコーラスはバイオリンの水谷美月さんが担当。この2人の掛け合いは以前から思ってますが、まさに姉妹のよう。聖子さんの歌は以前ほど鋭く刺さる感じはなくなった印象ですが、もともと美月さんの歌声が柔らかな系統なので、2人の声が溶け合うと聖子さんの歌声が自然に柔らかく吸い込まれるんですよね。

M8はブレンダちゃんのソロ(ちなみに聖子さんが役を「ちゃん」付けするときってなんかチャーミングで興味深いです。)

ここも初心者向けのとっても丁寧な「2分で分かる『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』講座」が開講されておりましたが、「ブレンダちゃんも良家に生まれて自分にとってのプレッシャーや、両親の期待に応えられないふがいない気持ちを感じてた」という言葉はとても印象的。

それだけに、この日のブレンダちゃんのソロは本当に役柄の気持ちがダイレクトに伝わってきて、こういうコンサートの場で持ち役とはいえ、その役の気持ちに入り込むのはそれなりに難しいだろうに、この日の聖子さんの「役としての生き様をすべて見せる」意気込みは鬼気迫る物がありました。

・・・

第2部は定番のM9からスタートです。いやぁ盛り上がる盛り上がる(笑)。
このホール、特にホール中央の音響の伸びが半端ないので、もの凄い響き方のラマンチャ。終わった後「ラマンチャの『男』なんですよね。なんか持ち歌かのように歌っていますけど」(昼・夜)と笑いを取るのも定番です。ちなみに夜公演ではこの曲について、「駆けつけ一杯」という言葉も飛び出す始末(笑)

M10は久しぶりのMA。「聞くの久しぶりですよね? だって歌うの久しぶりですから」(昼)という掛け合い漫才に噴き出す(笑)。この曲はMAのオーディション曲だったそうで、「最初に歌った時からシンクロ感が半端ない」(夜)だったそうです。

この曲についても「2分で分かる『マリー・アントワネット』講座」が開講されておりましたが、そこでのエピソード。

「私がミュージカルキャリアの中で一番上手に言えたと思う台詞があって、それが
 『おなかすいた』だったんです」
(会場内大爆笑)

マルグリット・アルノーが王妃マリー・アントワネットの前にひょんなところから飛び出し、明日食べるものもない状態で食べ物を求めた場面、あれはリアルだったのだと(爆)

「だからマリー・アントワネットにシャンパンをかけられ、取り巻きに『パンがなければケーキを食べればいいじゃない』と言われても、マルグリット・アルノーは立ち上がれないわけです。お腹も空いているし、絶望もしている。だから起き上がれないので寝ながらこの曲を歌ったら、演出の栗山(民也)さんが、『聖子、それいい。それでいこう』ってなったんです」(笑)

・・・えーと、この曲をなんで寝ながら歌うんだろうという疑問を発していた、マルグリット・アルノー役のダブルキャストの女優さんがいらっしゃった記憶が私にはあるのですが(大爆)。

ちなみに夜公演、「どんな風に歌っていたかというと・・・いいですかね、(このドレスで)舞台に横になっちゃって良いですかね」と言った後、なんとドレスで舞台に寝る聖子さん(笑)

「わー、私(ドレスで)舞台に寝ちゃった!

・・・やっぱりこの方をMCで止められる人はいません(爆)

昼は「安定の貧困層です」との名言を残し、夜は「帝劇ではほぼ乞食です。そしてほぼ死にます。この役は死にませんけど」というコメントを発しておられました(爆)

M11は格好良かったなぁ。この曲を歌って様になるぐらい聖子さんも大人になられたんですねと感慨深かったです。
樹里(咲穂)さんのイメージなんですけどねこの曲。でも聖子さんも素敵でした。大人の女性万歳。

M12はなんとここで登場のタップダンス。さすがに家だと階下(直下)が管理人さんだそうでできないということで、昨日夜に駐車場でヘッドホン付けてやってたら、気づいたら目の前に人が(笑)
向こうはむちゃくちゃ不審がって後ずさりしていったそうです。そりゃ真夜中オートロックの前でそんなんやってたら、そりゃそう思われますよね。

ここは傘を取りに行ってのダンスですが、導入部ではこの夏の『匿名探偵』の話を絡めていて、とにかく傘をずっと差す役だったと。ちなみに「弥生」という役名があったそうですが、一度も喋らなかったと。そういやそうですね。

M14は「ミュージカル人生の中で一番過酷で、そして一番大切な宝物」と言及したカミーユ役。「カミーユとともに生き、カミーユとともに死んでいった」と語る作品。

ここでも「2分で分かる『GOLD~カミーユとロダン~』」が開講。”生きている間は認められなかった彼女”という表現に、聖子さんなりの感じるところは多くあったんだろうなということを強く感じました。

美月さんのバイオリンソロが静寂を破って始まるこの曲、聖子さんの囁くような言葉から、最後の開放まで、この日の公演ではもう一つの「Let It Go」なのかなと思えるぐらい、「自分の置かれた立場にただ甘んじない、挑戦する女性としての気概」こそが聖子さんの神髄なのだということを痛感させられる、もの凄い歌唱でした。

M15はうってかわって「夢」をテーマにした本編エンディング曲。ここで「I Dreamed A Dream」が来たら困っちゃいますので(爆)、この曲で良かった。
「GOLD」である意味昇華しすぎてしまった空気を静かな空気に戻す、普段のコンサートでは「Time To Say Good-bye」が担っている役割をこの曲に求めたのかという感じでした。

そしてアンコールは、本編に入っていないのが不思議なアオザイによる歌唱。衣装は1幕・2幕・アンコールと各1着、計3着。2幕のみ靴替えがありました(タップがあったため)。やっぱり聖子さんはキムだよなぁ、キムは聖子さんだよなぁ、と感じる魂の歌唱でした。

・・・

ご本人もおっしゃっていましたが、「ミュージカル曲だけでコンサートをやると、こんなにも大変なものなのか」というのは、見ているこちらも同じ。だから普通はゲストを呼ぶんです(笑)。今回は上手いこと静かめの曲と激し目の曲をバランスを取っていて構成にも満足ですが、まだまだ歌って欲しい曲もあるので、ぜひまた次もやって欲しいです。

素敵なミュージカルコンサートでした。

それにしても、今年春の「ミュージカル・ミーツ・シンフォニー2014春」で新妻さんのゲスト出演が好評で、その結果この日のよみうり大手町ホールコンサートになったであろうこと、事務所移籍でこのタイミングのコンサートができるようになったであろうこと、すべてが奇跡といえるものなのかと、そう感慨に耽るのでした。

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